夫婦の離婚・家庭崩壊・亡くなった親から実家を相続したが人間関係の濃い地域在住で何かあればすぐに噂が広まるのでこっそり売りたい、査定を依頼した不動産からしつこい勧誘電話を受けたくない!などの理由で、できれば周囲の人に知られたくないが今住んでいる家を手放す準備をしたいという方のために、ここではこっそり査定ができる匿名査定というシステムについて解説していきます。

不動産マンションの通常の査定と匿名査定

(画像=PIXTA)
 

一口に不動産査定と言ってもその方法は大きく分けて2種類あります。ここではどのような査定方法があるのがを解説していきます。

こっそり査定できる匿名査定は机上査定の仲間?

不動産査定を依頼する時点で通常の査定依頼ならば物件の情報と個人情報を入力した上で査定を依頼しますが、近年では様々な事情を抱えていて匿名で査定をしたいという方のニーズに応えるために、物件情報とメールアドレスのみを入力すれば個人情報をそれ以上知られることなく査定依頼ができる「匿名査定」のサービスを展開している不動産一括査定サイトも増えてきました。

匿名査定にはAIを使ってその土地の相場や近隣の類似物件のデータと照らし合わせて査定額を自動で算出するAI査定と、物件情報とメールアドレスだけで不動産会社に直接査定を依頼できる匿名査定があり、どちらも大きく分けると不動産のデータをもとに査定を行う机上査定に分類されます。

机上査定ってどういう査定なの?

机上査定とは依頼主が売りたい物件の住所・間取り・専有面積・築年数などのデータと個人情報を提示して査定してもらう査定の事を言います。その名の通りこの段階では実際の物件を見ないで机上でデータのみを分析し査定します。

匿名査定も個人情報は渡しませんが物件情報のみで査定が進むのでこの机上査定に分類されるものと思われます。

訪問査定は必要?

訪問査定とはその名の通り不動産会社の担当が売却希望の物件に実際に訪問し、物件の状態や日当たり・周辺の立地などデータ上ではわからない物件の価値を実際目で見て確認した上で売却額を査定する方法です。

机上査定よりもさらに精度が高く、最終的な販売価格はこの訪問査定の査定額が決め手となることも少なくありません。実際に物件の売却が決まったら訪問査定は避けられないと考えた方が良いでしょう。

迷ったら不動産一括査定サイトを頼ってみる

とにかく不動産をこっそり売りたいという方には、迷っているなら不動産一括査定サイトをおすすめします。前述のように最近では匿名でAI診断できるサイトやメールアドレスと物件情報のみで机上査定をしてくれるサイトもあり、こっそり売却を進めたいという方も利用できるサービスも増えてきました。

不動産一括査定サイトに依頼するメリットとしてはネットから無料で複数の不動産会社に一括査定ができるという点です。複数の会社に査定額を出してもらうことで、自分の物件の適正価格を知ることができるのと、不動産会社の対応などを見て信頼できる会社に売却を任せることができるという点です。

少しでも高く売りたいという方も、複数社で比較をしないとどの会社が高値で査定してくれるを見極める事が出来ず損をしてしまう可能性もあるのです。

不動産一括査定サイトによってはサポート体制のしっかりしているところや、不動産に関するコラムなどで売却に関する知識を身に着けられるサイトもあるので、迷ったらまずは自分に合った不動産一括査定サイトに依頼してみてはいかがでしょうか。

不動産マンションを匿名査定するメリット

ここでは不動産マンションを匿名査定する事のメリットを紹介していきます。メリットとしては・個人情報が知られずに査定ができる・不動産マンションの売却相場が簡単にわかる、というものがあります。それぞれの項目について詳しく解説していきます。

個人情報を知られずに査定ができる

匿名査定の一番のメリットは個人情報を提供しなくても査定を受けられるという点です。サイバー攻撃などで大手企業の個人情報漏えい問題が次々と報道される昨今、やはり個人情報はどこにも簡単に渡すことはしたくないという方も多いでしょう。

その点匿名査定の場合は渡す個人情報はメールアドレスのみ。不安な方は捨てアドを作って依頼するのもよいでしょう。通常の査定のように不動産会社からの勧誘電話に悩まされる事もなく快適です。

不動産マンションの売却相場が簡単にわかる

通常の机上査定や訪問査定には精度を上げるために物件の詳細はもちろん、市場の動向や評価額などあらゆる角度で査定がされるため机上査定で数日間、訪問査定で1週間~1ヶ月ほど結果が出るまで期間を要してしまいます。

しかし匿名査定の場合、不動産の情報だけで査定をするので特にAI査定なら早くて数秒で結果が出ます。個人情報を保護しながら査定したい方の他にも、売却をまだ迷っていて不動産会社に依頼するほどでもないがおおよその査定額で良いので知りたいという方にもおすすめです。

不動産マンションを匿名査定するデメリット

匿名査定にはメリットもあれば当然デメリットもあります。匿名査定の主なデメリットとしては、・匿名査定ではあくまで「概算」の査定額しか出ない・匿名なので不動産の専門家である不動産会社のアドバイスはもらえない、という2点です。それぞれ詳しく解説していきます。

匿名査定ではあくまで「概算」の査定額しか出ない

匿名査定のデメリットはやはり詳細な物件の情報が伝えらないので、査定額の精度が低くなってしまうという点でしょうか。不動産会社の立場で考えると、やはり「個人情報と詳細な物件情報を伝えた上で査定を依頼してきた顧客候補の依頼」と「匿名のデータでしか価値の測れない将来的に顧客になるかどうかも曖昧な方の依頼」ならやはり前者の方がやりやすくモチベーションも上がると言えるでしょう。

また、判断基準が間取りや専有面積と言ったデータしかないので、過去の販売データなどと照らし合わせて似た物件のデータを参考にするしか査定方法がないなど、あくまで「概算」の査定額しか出してもらえないのも匿名査定のデメリットと言えるでしょう。

匿名なので不動産の専門家である不動産会社のアドバイスはもらえない

匿名なので当然査定額の根拠をきいたり売却に関する相談をするなどの専門家としての不動産会社からのアドバイスはもらえません。

匿名査定は売却を考えているがそこまで本格的に査定するほどではないという方にはおすすめですが、そこまで踏み込んだアドバイスをもらおうと思えば結局通常の机上査定から始めなければならず、二度手間にもなりかねないというデメリットもあります。

個人情報が不要な不動産の匿名査定

前述のように匿名査定は個人情報が不要で、基本的には数秒で査定結果が出るものが多いです。ここからは具体的に匿名で利用できるサイトを紹介していきます。

匿名利用できる不動産一括査定サイトを5つ紹介

ここでは実際に匿名査定ができる不動産一括査定サイトのLIFULL HOME’S・IESHIL・HowMa・マンションナビ・10秒でDo!の5つを紹介します。

LIFULL HOME’S

LIFULL HOME’Sは、全国3,000社以上の提携会社との取引があり、創業20年で培ったノウハウを活かして情報に不備の合った会社に対してペナルティを与える等の提携している会社を徹底管理して信頼度の高いサイト作りに力を入れている不動産ポータルサイトです。

通常の売却査定はもちろん、離婚など特殊な事情で手放すことが決まった物件、買取査定や相続物件の売却、など、事情に合わせて実績豊富な信頼できる仲介不動産会社を探すことができるのも大きな特徴です。

また、LIFULL HOME’Sは完全に個人情報を伏せたまま匿名で査定を依頼する事ができ、AIを利用した匿名査定などに比べてより精度の高い査定結果を匿名で依頼できるのも嬉しいポイントです。プライスマップと価格相場といった査定を依頼しなくてもおおよその相場を調べられるコンテンツがあるのも魅力と言えるでしょう。

IESHIL

IESHILはマンション査定に特化していてTOPページからマンションの物件名を入力するだけで、自動でチャット形式の入力調査が始まり、マンション名だけでなく部屋単位でのおおよその査定額を提示してもらえる匿名査定サービスがあります。

保有する物件データの数は9,000万件で、これに基づいた売却相場の中立的な販売価格を知ることができます。この次の段階で不動産会社への一括査定を申し込んだ場合もここでの査定額を参考に交渉を進めることができる大変便利なサービスです。

本格的に売却を決めた方には不動産仲介経験10年以上のベテランアドバイザーが相談に乗ってくれて、場合によっては不動産会社との面談の付き添いなどもしてくれるおすすめサイトです。

HowMa

HowMaは全国展開しているマンション・戸建てに対応しているサービスで、大きく分けて物件情報を入力するとAIが自動査定してくれるAI査定と、物件を確認したHowMaのスタッフが依頼者に代わって提携不動産会社へ査定依頼するオンライン売却の2つがあります。

AI査定の方は売却したい物件情報をTOPページから入力すると、3,900万件以上の査定実績データを基に、種類別の相場をリアルタイムで算出してくれます。

オンライン売却は売主が入力した物件情報をHowMaのスタッフが確認した後、その物件を得意としている提携不動産会社から最大6社を選んで査定を依頼し、依頼主が査定額に納得出来たらそのまま複数の会社と一般媒介契約※1)を結んで売却ができるという、査定から売却の手続きまでをワンストップで任せられるサービスです。

媒介契約までをオンラインで出来るので、忙しくて不動産会社との交渉の時間が取れないという方や、コロナ禍で外出が難しいという方、そして不動産の売却を周囲に知られたくないという方にもおすすめです。

また匿名で机上査定が出来、査定結果がHowMaを通じて届くので、不動産会社からしつこい勧誘電話がかかってくるというもないのが嬉しいメリットです。

※1)不動産会社に売却の仲介業務を依頼する契約(媒介契約)のうち、複数の不動産会社と並行して契約することができるもののこと。

マンションナビ

マンションナビは、名前からもわかる通りマンション売買に特化した不動産一括査定サイトです。このサイトには大きく分けて、相場・過去データからリアルタイムで査定額が知れる『AI査定』と、売却6社+賃貸3社に査定依頼できる『一括査定』の2つのサービスがあります。

その他にも東京23区内限定ですが、個人情報を入力せずに不動産会社に査定依頼ができる『匿名査定』というサービスもあるので、匿名で不動産売買を進めたい方にはぴったりです。一方『AI査定』はマンション名を入力すると、マンションナビが持つ過去の売買実績や大まかな相場価格を無料でAIが査定してくれてデータを提供してくれるサービスです。

AI査定の基準となる価格の推移や過去の取引データが無料で閲覧可能なので、査定まではしなくても売却前の情報収集や事前調査に活用するができ、初めてのマンション売却でデータの収集の仕方が分からないという方にも特におすすめです。

『一括査定』はマンションの売却を得意とする2,500店舗の不動産会社の中から6社に査定を依頼できるのと同時に、マンション賃貸を得意とする不動産会社3社にも賃料査定を依頼できるという売却と賃貸運用による収益化とで迷う方におすすめのサービスです。

10秒でDo!

10秒でDo!は名前の通り、10秒で査定結果がわかる不動産査定サイトです。ハウスドゥが運営しているサイトなので査定ができるのはハウスドゥ1社のみなので注意が必要ですが、郵便番号や住所、面積、築年数などの情報を入力するだけで、過去の取引実績を参照して10秒で査定結果を出してくれるので気軽に匿名査定をしてみたい方におすすめです。

不動産一括査定サイトではなぜ個人情報が必要なのか

不動産一括査定サイトで個人情報が必要な理由は、1.得られる物件情報が多い方が査定の精度が上がってより現実味のある査定額を算出できるから。2.不動産会社が利用者の事情を把握することで、その方に最適な査定やプランを提供できるから。ということが挙げられます。それぞれについて詳しく解説していきましょう。

査定の精度が上がってより現実味のある査定額を算出できる

匿名査定で入力する情報は物件のエリアや間取りなどの情報のみなので、当然正確な所在地は分からず登記簿謄本などの契約書類も閲覧できない状態での査定なので制度は低くなります。

しかし個人情報も出して査定を依頼す🄬机上査定は、所在地が明確になっているのでそこから最寄り駅までの距離や沿線名などの情報もわかるし、地図などである程度の地形も把握できます。それによりぐっと精度の上がった査定がしてもらえるのです。

最終的に売却となると個人情報は必ず開示しなければいけませんので、本気で物件を売却したければやはり個人情報を提供した上で机上査定をしてもらった方が良いでしょう。

不動産会社がその方の事情に最適な査定やプランを提供できる

不動産一括査定サイトで査定依頼をする時に、個人情報や物件情報の他にもその依頼者の懸案事項を回答する項目も任意で加えられています。これは売主のそれぞれの事情を知ったうえで最適な売却プランを提供することができるようにするためなのです。

例えば転勤するのが決まっているのでその日に合わせて売却を計画したいという方や、住宅ローンが通らない事情のある方には任意売却を進めたりということができます。離婚など特殊な事情があってすぐにでも物件を売りたいという方には不動産会社が買主となる買取という方法も提案してもらえます。

このように、個人情報から事情を考慮に入れて最適なプランを提供してもらうことにより、自分にとってよりよい売却ができるようになるのです。

個人情報保護に取り組む不動産一括査定サービス

情報を入力するだけで一括査定してもらえる不動産一括査定サイトは便利ですが、中にはその個人情報を2次利用するという悪質なサイトもあります。ここに挙げるサイトはプライバシーマークを取得していたり、悪質な行為があった不動産会社を削除したりペナルティを与えたりとユーザーの個人情報保護と安全に査定を受けられるような取り組みをしているところです。

個人情報の漏えいが心配という方はぜひこちらのサイトを利用してみてはいかがでしょうか。

すまいValue

すまいValueは、不動産業界最大手6社に限定した不動産売買仲介実績ランキングにも毎年ランクインするほどの優良サービスです。大手不動産会社に特化して査定額を比較したい方、『大手不動産会社に売却を仲介してもらう方が安心かも』と考える方にはおすすめです。

提携している不動産会社は野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・住友不動産販売・東急リバブル・三井のリハウス・小田急不動産の6社で、大きな会社だからこそ資金力があり売却の仲介にこだわらず買取りサービスなどの多種多様な売却プランが準備されていること、独自のユーザー向けサービスやトラブル対応・無料相談などのサポート体制がしっかりしているので安心です。

また電話窓口では、入力がうまくいかない・査定結果が届かないなどのトラブルや相談にも無料で対応してもらえます。それに加えて、売出中の物件の価格や直近10年の価格推移もエリアに応じて確認することができるため、売却を検討中の方が相場の情報などを入手するのにもおすすめのサービスになっています。

リガイド(RE-Guide)

RE-Guideの提携する不動産会社は800社。これは他の大手不動産一括査定サイトに比べて少ないように思われますが、RE-Guideでは15年の実績と経験をもとに独自の審査基準を設けて、その審査基準を満たしている優良企業だけと提携しています。

そのため質の高いサービスを提供する不動産会社が厳選されている特徴です。審査をパスして提携が完了した後も専門スタッフによるクオリティーのチェックが行われており、質の高さを維持することに力を入れています。同時に10社の質の高い複数の不動産会社へ査定できるので、自分の納得できる査定をしてもらえる不動産会社が見つかる可能性が高くなります。

LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス

LIFULL HOME’Sは、創業20年の実績で築き上げたノウハウを活かして全国3,000社以上の提携会社との取引していて、その中でも情報に不備の合った会社に対してペナルティを与える等で質の高い信頼性のあるサイト作りに力を入れている不動産ポータルサイトです。

一般的な売却査定はもちろん、買取査定や相続物件の売却、離婚など特殊な事情で手放すことが決まった物件など、事情に合わせて実績豊富な信頼できる仲介不動産会社を探すことができるのも大きな特徴です。業者の情報欄には代表者の顔写真やアピールポイントなどが記載されていて、その不動産会社の強みなどが一目でわかる仕様になっています。

また、LIFULL HOME’Sは完全に個人情報を伏せたまま匿名で査定を依頼する事ができ、AIを利用した匿名査定などに比べてより精度の高い査定結果を匿名で依頼できるのも嬉しいポイントです。

HOME4U

HOME4Uは日本で初めての不動産一括査定サイトで、2001年にサービスを開始して以来の成約実績はなんと累計20万件以上にも及びます。厳選された1,800社の優良不動産会社の中から自分の物件に最適は不動産会社を選んでくれるシステムで、物件の携帯やエリアなどの条件に合った不動産会社を簡単に見つけられます。

他の一括査定サイトでよい査定結果を出した不動産会社がなかったという方にもおすすめのサイトです。またHOME4UはNTTデータグループが運営しているので高度なセキュリティシステムが導入されているのが特徴です。徹底した個人情報保護システムで安心して査定を任せられます。

オンラインだけでなく電話でのサポートも受け付けていてPCやスマホ操作に慣れていない方にも安心です。土地活用や不動産投資に関するサービスもあるため、売却の他にも賃貸物件として収益化を考えている方はHOME4Uを活用するのをおすすめします。不動産に関するコラムの数も充実しているので情報収集にはもってこいです。

イエウール

イエウールがおすすめなのは圧倒的な対応地域の広さと、地域密着型の中小企業から大手企業までバラエティーに富んだ企業と連携しているという点です。様々な企業と連携しているという事は、様々な種類の物件に強い企業と提携しているということなので、自分が売りたい不動産に強い不動産会社を見つけられるチャンスが広がるという事です。しかも通報のあったりクレームが寄せられたりした業者を排除するシステムを導入しているので、信頼性と安全性が高いのもこのサイトの特徴です。

また、これまでの利用者数は1,000万人超とユーザーからの支持も得ている、不動産一括査定サービスとしては完成度が高く優良なサイトと言えるでしょう。特に不動産会社のアピールポイントをチェックできる項目があったり、関連サイトのおうちの語り部で不動産会社の取引事例や実際のレピュテーションを確認することができたりと、知識のないユーザーにとっても親切な情報が掲載されているのは必見です。

不動産マンションの査定の最終目的は適正価格の把握と不動産会社の見極め

不動産マンションを売却するにあたって、いくら匿名査定や机上査定を依頼したところで最終的には訪問査定までしてもらわなければその物件の精度の高い査定額は出ないし、売ることが出来ません。

最初は匿名でも大丈夫ですが、最終目的が物件の売却なら査定の目的は適正価格を知って本当に信頼できる不動産会社を見極める基準にするということと、見極めた中から信頼してお付き合いのできる不動産会社を選んで媒介契約を結ぶということです。ここまでするには匿名ではどうしても限界があります。

何より売買契約までこぎつけてしまえば手続きのために個人情報を出さざる負えなくなります。こっそり物件を売りたいからと個人情報の保護に慎重になる気持ちは分かりますが、匿名査定で気になった不動産会社には訪問査定をお願いしてみましょう。

今後お付き合いする不動産会社は査定結果とその対応で見極める

物件を売るということはとても大きなお金が動きます。だから売る側も仲介する側もより精度の高い訪問査定をして販売価格を決定するのです。そしてネット上だけではわからない不動産会社の方の対応の仕方や、査定額についての根拠の説明などを聞いた上で納得できる不動産会社と媒介契約を結ぶのが通例です。

それにはやはり対面で話したり、自分の事情を説明して適切なプランを考えてもらうなど、こちらも自分の情報を出したうえでないと決めづらい点も多々あるかと思います。必ずしも訪問査定で1社に絞る必要はありませんので、気になった会社には2~3社を厳選して訪問査定をお願いするのが、不動産会社選びの近道です。

査定をお願いする不動産会社を見極める

不動産一買う査定サイトは便利な反面、使い過ぎるとかえって不動産会社を絞れなくなるなどの弊害も生じます。まずは自分の条件に合う物件の取り扱い実績のある会社を厳選して査定をお願いしましょう。

会社名で検索すればその会社の情報はたくさん出てくると思います。それらの中にその会社の口コミがあればチェックしておきましょう。評判のよさそうでなおかつ自分の売りたい物件を得意としているようならぜひ依頼をしてみることをおすすめします。まずは不動産一括査定サイトできっかけを作るという事も大切な売買活動の一つなのです。

2021年・不動産売却実績ランキング

ここでは不動産関連の情報統計に強い株式会社住宅新報社が調査した不動産売買仲介実績ランキング2021年版を紹介します。不動産会社選びの参考にしてみてください。

【第1位】三井不動産リアルティ

手数料収入 767億円(-9.7%)
取扱件数 38,507件(-7.0%)
取扱高 1兆5,832億円(-12.4%)
店舗数 286店(4)
1件あたり平均物件価格 4,111万円(-53万円)
手数料率 4.8%
1件あたり平均手数料 199万円(+1万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億6,818万円

長年培った売却ノウハウと全国ネットワークで取扱件数は1986年から連続して全国1位をキープしていて、あの有名な「三井のリハウス」で知られている不動産会社です。東京都千代田区に本社があります。
※連結対象子会社以外のリハウス各関連会社(賃貸仲介手数料・賃貸管理収益・関連収益等)を含みます。

【第2位】住友不動産販売

手数料収入 623億円(-7.0%)
取扱件数 35,122件(-6.9%)
取扱高 1兆2,410億円(-3.6%)
店舗数 269店(-7)
1件あたり平均物件価格 3,533万円(+120万円)
手数料率 5.0%
1件あたり平均手数料 177万円(0万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億3,159万円

関東圏よりも関西圏の方が圧倒的な集客力があり、関西圏では1位の三井のリハウスをよりも勢いのある不動産会社です。「住友の仲介STEP(ステップ)」というブランド名は有名なので、耳にしたことがある方の多いのではないでしょうか。地域密着型の売却ノウハウに大手の売却能力を併せ持つのがこの会社の強み。東京都新宿区に本社があります。
※手数料収入に賃貸仲介手数料を含みます。

【第3位】東急リバブル

手数料収入 578億円(-7.0%)
取扱件数 25,635件(-3.0%)
取扱高 1兆2,264億円(-6.8%)
店舗数 193店(-3)
1件あたり平均物件価格 4,784万円(-193万円)
平均手数料率 4.7%
1件あたり平均手数料 225万円(−10万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億9,948万円

「リバブル安心仲介保証」という建物の無料点検や専門家への無料相談やなどのアフターケアにも力を入れていて、その名の通り東急沿線の首都圏の物件に強い会社です。東京都渋谷区に本社があります。 ※手数料収入に賃貸仲介手数料・賃貸関連収益等を含みます。

【第4位】野村の仲介+

手数料収入 347億円(-1.3%)
取扱件数 9,322件(-2.1%)
取扱高 8,934億円(2.4%)
店舗数 94店(+2)
1件あたり平均物件価格 9,583万円(+416万円)
手数料率 3.8%
1件あたり平均手数料 372万円(+4万円)
1店舗あたり平均手数料収入 3億6,914万円

最近は「3Dウォークスルー動画」や「オーナーレポート」などのサービスを展開しネット集客に力を入れて販売実績を作っています。「野村の仲介+(PLUS)」というブランド名で展開している不動産会社です。東京都新宿区に本社があります。
※野村不動産と野村不動産アーバンネットにおける仲介の合計の数字です。

【第5位】三井住友トラスト不動産

手数料収入 174億円(-13.6%)
取扱件数 7,202件(-6.3%)
取扱高 4,124億円(-12.7%)
店舗数 72店(0)
1件あたり平均物件価格 5,726万円(-421万円)
手数料率 4.2%
1件あたり平均手数料 241万円(-21万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億4,166万円

信託財産の土地活用や資産運用や相続に関する取引に強い、三井住友信託銀行グループの不動産会社の中の信託系不動産会社です。東京都千代田区に本社があります。

【第6位】みずほ不動産販売

手数料収入 151億円(-5.3%)
取扱件数 3,601件(−10.9%)
取扱高 3,697億円(-9.3%)
店舗数 50店(-2)
1件あたり平均物件価格 1億266万円(+180万円)
手数料率 4.0%
1件あたり平均手数料 395万円(+24万円)
1店舗あたり平均手数料収入 3億200万円

銀行系不動産会社特有のOne MIZUHO戦略でお金の事から物件の調査、瑕疵保険やリフォームなどをワンストップで相談でき、主に法人取引がメインで信託財産の売買に強いみずほフィナンシャル・グループの信託系不動産会社です。東京都中央区に本社があります。

【第7位】三菱UFJ不動産販売

手数料収入 147億円(−9.9%)
取扱件数 4,307件(−16.0%)
取扱高 3,533億円(−13.0%)
店舗数 42店(−2)
1件あたり平均物件価格 8,202万円(+286万円)
手数料率 4.1%
1件あたり平均手数料 341万円(+24万円)
1店舗あたり平均手数料収入 3億5,000万円

投資用物件にも対応可能で資産形成や投資に関する相談などにも柔軟な対応力がある、三菱UFJフィナンシャル・グループの信託系不動産会社です。東京都千代田区に本社があります。

【第8位】オープンハウス

手数料収入 133億円(+21.9%)
取扱件数 7,232件(+27.0%)
取扱高 2,934億円(+24.1%)
店舗数 52店(+8)
1件あたり平均物件価格 4,056万円
手数料率 4.5%
1件あたり平均手数料 183万円(−8万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億5,576万円
東京都千代田区に本社がある

関東圏の方には「東京に、家を持とう。」というコピーが有名ですが、東京以外のエリアでも、「名古屋に、家を持とう。」「福岡に、家を持とう。」と地域に寄り添ったキャッチコピーで全国展開している不動産会社です。不動産の買取を売却並みの価格で買取を行っている買取に強い会社です。東京都千代田区に本社があります。

【第9位】積水ハウス不動産

手数料収入 111億円(-7.3%)
取扱件数 8,078件(-2.0%)
取扱高 2,345億円(-3.6%)
店舗数 115店(+1)
1件あたり平均物件価格 2,902万円
手数料率 4.7%
1件あたり平均手数料 137万円(−8万円)
1店舗あたり平均手数料収入 9,652万円

2020年2月1日付けで積和不動産各社を積水ハウス各社へ商号変更しました。積水ハウス不動産東北、積水ハウス不動産東京、積水ハウス不動産中部、積水ハウス不動産関西、積水ハウス不動産中国四国、積水ハウス不動産九州と、積水ハウスグループは全国に100拠点以上のネットワークを持ち、グループ会社がそれぞれのネットワークでつながっているので全国的どこでも情報を共有するとができるのが大手ならではの強みの会社です。大阪府大阪市に本社があります。

【第10位】東宝ハウスグループ

手数料収入 104億円(+22.3%)
取扱件数 6,102件(+18.5%)
取扱高 2,142億円(+20.5%)
店舗数 19店(1)
1件あたり平均物件価格 3,510万円
手数料率 4.8%
1件あたり平均手数料 170万円
1店舗あたり平均手数料収入 5億4,736万円

創業40年で関東に19社を展開しています。MEOをはじめとするインターネット戦略に力を入れると同時に長年培ってきた営業力でも販売実績を急速に拡大している会社です。東京都新宿区に本社があります。

【補足】11位~の不動産売買仲介会

会社名 手数料収入(前期比) 取扱件数 取扱高 店舗数
11 三菱地所リアルエステートサービス 73億円(−14.3%) 932件(−14.8%) 2,602億円(−42.1%) 8(0)
12 大和ハウスグループ 70億円(10.7%) 4,802件(−5.3%) 1,698億円(−8.6%) 118(55)
13 大京穴吹不動産 69億円(−12.6%) 5,509件(−12.6%) 1,584億円(−5.4%) 75(0)
14 住友林業ホームサービス 64億円(-6.1%) 4,192件(−1.7%) 1,524億円(−2.5%) 47(0)
15 大成有楽不動産販売グループ 59億円(−8.2%) 3,679件(−5.5%) 1,430億円(−12.9%) 40(0)
16 近鉄不動産 53億円(−4.0%) 4,171件(0.2%) 1,072億円(0.0%) 46(0)
17 スターツグループ 50億円(−1.1%) 2,077件(−8.2%) 1,186億円(2.6%) 102(−3)
18 東京建物不動産販売 36億円(−15.8%) 1,013件(−6.7%) 1,364億円(−5.6%) 11(0)
19 三菱地所ハウスネット 35億円(26.3%) 1,616件(13.2%) 840億円(10.1%) 35(13)
20 リストサザビーズインターナショナルリアルティ 33億円(22.7%) 1,333件(14.9%) 629億円(13.0%) 10(0)
21 長谷工リアルエステート 31億円(−23.3%) 2,006件(0.4%) 796億円(−26.5%) 39(1)
22 中央日本土地建物グループ 29億円(−21.6%) 302件(−20.5%) 907億円(−31.8%) 10(−1)
23 ポラスグループ 26億円(0.1%) 2,501件(−1.0%) 552億円(−1.1%) 56(6)
24 ナイス 20億円(7.4%) 1,263件(5.6%) 573億円(−4.0%) 16(1)
25 小田急不動産 18億円(−4.2%) 1,251件(−2.5%) 413億円(−10.5%) 18(−2)
26 伊藤忠ハウジング 18億円(−6.4%) 1,905件(−8.5%) 991億円(−5.7%) 2(0)
27 朝日住宅 11億円(−7.7%) 958件(−4.8%) 260億円(−10.1%) 9(0)
28 阪急阪神不動産 10億円(−12.7%) 666件(−15.4%) 251億円(−20.2%) 12(0)
29 京王不動産 9億円(−13.0%) 620件(−9.2%) 230億円(−6.7%) 11(0)
30 相鉄不動産販売 4億円(−19.1%) 277件(−16.1%) 79億円(−14.9%) 7(0)
31 京急不動産 3億円(−26.9%) 245件(−6.1%) 76億円(6.4%) 11(−1)
番外 センチュリー21・ジャパン 297億円(−4.2%) 26,515件(2.4%) 6,417億円(0.8%) 989(+11)
番外 イエステーション 62億円(1.5%) 7,745件(−1.0%) 1,239億円(0.2%) 148(+3)
(※データは基本的に株式会社住宅新報社が調査した2020年4月~2021年3月の間の、各事業者の決算をもとにしています。決算期のズレが多少あります。)

匿名査定や不動産一括査定サイトに関するQ&A

ここでは匿名査定や不動産一括査定サイトに関するよくある質問を集めてみました。

不動産マンションを匿名査定できる一括査定サービスを教えて?

匿名査定のできる一括査定サービスのおすすめは、①LIFULL HOME’Sの「匿名査定」・②すみたすの「簡単10秒査定」・③HowMaです。これらのサイトは個人情報の保護にも力を入れているので安心して利用できるのもおすすめポイントです。

匿名で一括査定をした後は必ず売却を依頼しなければいけないですか?

匿名査定を依頼したからと言って必ずしもその会社で売却を依頼しなければならないという決まりはありません。むしろ匿名査定は机上査定や訪問査定に比べて気軽な気持ちで査定してもらうのが目的なので、査定額に納得できなければそこにお願いしないという目安にするためのものです。

ただしここになら任せられそうだという査定結果が出た会社についてはこちらからアプローチしてみるとよいでしょう。匿名査定の場合、相手方にはこちらの個人情報は伝わらないので、営業電話の類は一切きません。売却を希望するなら自分でコンタクトを取るところから始まるという事を意識しておきましょう。

家族にバレないように匿名でこっそり査定する際の注意点は?

こっそり査定をお願いしていたのに気が付いたら家族にバレていた!という時に考えられるのが、査定結果の通知書や契約書が自宅で郵送で届くなどした場合です。たまたま家族が受け取ってしまって不動産会社からの重要書類ということで受け取りに印鑑が必要な書類が届けば疑問を持たれてしまうということもよくある話です。

そこでなるべく査定結果の連絡はメールや個人の携帯電話にしてもらいましょう。不動産会社に事情を話せば重要書類は店舗で受け取るか、売主のいる時間帯を指定して届けてもらえるように考慮してもらえます。

不動産一括査定サイトが無料で使えるのはなぜ?

それはユーザーからは料金をもらわなくても、不動産一括査定サイトで査定依頼をするとその査定依頼をした不動産会社から一括査定サイトの運営会社にユーザーの情報提供料として料金が支払われるからです。

つまりユーザーの情報で不動産会社からのインセンティブが入るため運営できているのです。さらにユーザーの方を無料にすることで、無料なら試しに査定してみようかな?と考える利用者が増え情報提供料が入りやすい状況になるというメリットがあるからです。

不動産一括査定を利用するメリットは何ですか?

不動産一括査定サイトを利用すれば、不動産会社に個別に電話をかけたり訪問したりして査定を依頼する必要がなく時間も手間もかからないのが一番のメリットではないでしょうか。さらに無料で簡単に売却物件の査定額がわかり、そこからご近所の不動産会社だけでは探せない自分の信頼できる不動産会社をネットを通じて広く探せるということです。

不動産一括査定を利用するデメリットはありますか?

不動産会社によっては、査定を依頼した後に確認事項を電話で質問されたり査定完了後に勧誘の電話をかけてくる会社もあるということが主なデメリットです。また、サイトによって査定できる地域が限定されていたり、自分が売却しようとしている物件が得意でない会社もあったりするので、依頼の際はしっかり確認しましょう。

不動産一括査定サイトの上手な選び方は?

不動産一括査定サイトを選ぶ時にチェックするポイントとしては、まずは「サイトの対象地域や得意分野」「提携している不動産会社の名前や提携者数」「提携不動産会社の質の高さ」「個人情報の管理に厳しいかどうか」「評判や口コミがちゃんと見つかる会社か」などの点があります。

特に不動産一括査定サイトの個人情報に関する管理と、得意としている物件の種類やエリアは自分の物件が売れるかどうかに関わってくるので非常に大切なポイントです。口コミがあればしっかりと参考にチェックしておきましょう。

まとめ

今回の匿名査定に関するこれまでのまとめとしては

・匿名査定は個人情報を出さずに査定ができるので、こっそり査定したい人におすすめ
・匿名査定で出た査定結果はあくまでこれまでの販売実績などで算出した「概算」なので、正確な査定は訪問してもらわないと出ない
・匿名査定をしている不動産一括査定サイトなら複数社で匿名査定ができるのでおすすめ

ということです。上手に匿名査定を利用して、納得できる売却を目指しましょう。