大手金融機関でキャリアをスタート。2005年 東海東京証券(株)入社。企業金融本部付部長、東海東京フィナンシャル・ホールディングス(株)総合企画部長、東海東京シンガポール 取締役社長、東海東京証券(株)専務執行役員グローバル・マーケットビジネスユニット長、東海東京証券(株)代表取締役会長、東海東京フィナンシャル・ホールディングス(株)取締役副社長等を歴任。 2023年 CHEER証券(株) 代表取締役会長に就任、現在に至る。
1990年4月に(株)三菱UFJ銀行(旧(株)東海銀行)入行。主に市場部門に在籍し、大手事業法人向けの金融商品開発や市場リスク管理支援、市場リスク管理システム開発等を経験。 2020年7月に東海東京フィナンシャル・ホールディングス(株)入社、東海東京証券(株)グローバル・マーケット統括部長として市場部門の企画管理業務を経験。2021年4月にCHEER証券(株)(2021年11月まで3.0証券準備(株))の代表取締役社長に就任、現在に至る。
“始めやすく、続けやすい、投資へ。”のコンセプトのもと、これから投資を始められる方や、興味はあるけれど一歩が踏み出せない方の「何から始めていいのか分からない」「基礎を勉強してから実践したい」という気持ちに寄り添い、投資と向き合うみなさまをずっとずっと応援いたします。
手数料ゼロ化による業界への影響と将来展望
小林:証券業界は、現在手数料ゼロ化や新NISAの波が押し寄せています。この手数料ゼロ化という波は証券業界全体に大きな影響を与えています。 私たちの証券業界では、かつて主要な収益源であった手数料ビジネスが厳しい状況に置かれています。お客様のニーズが多様化し、より独自性の高い価値提供が求められる現代において、コモディティ化された商品並びに売買手段の提供ではなく、顧客ニーズの高い独自性のある商品提供や、あるいは顧客訴求力の高い売買手段(例えばポイント付与・費消もひとつの手段)で価値を提供し、収益を得られるビジネスモデルを構築する必要があることを示しています。
特に私たちが注目しているのは若年層や40代以下のお客様層です。これらの層に属するお客様は、新たな投資を始める機会が広がってきています。CHEER証券では500円で株式を購入できるサービスもあり、新NISA制度にも対応することで、新たなお客様層を拡大していけるように取り組んでおります。それに加えて、新NISA制度の開始を契機に顧客が増加し、業界全体が成長することで、企業それぞれが新たな価値を提供できるようになると考えています。具体的には、商品のコモディティ化に対応しつつも、新しい商品やサービスを導入することで、お客様のニーズを満たす独自の価値を提供し続けることで、収益の拡大を目指していくことが重要なポイントかと認識しています。
増加するIFAビジネスと、富裕層戦略
山根:弊社グループは7つの地方銀行グループと提携しており、各社と対面証券において合弁証券を設立しています。一方で、各社はオンラインで若年層を中心としたお客様の証券運用をお手伝いしたいというニーズがあり、そのニーズに応えるべく弊社は提携地方銀行を証券仲介業者として事業を展開しています。 富裕層のお客様には、高度なサービスを提供するためにグループ内の別のセクションが対応しています。
小林:提携地方銀行との証券仲介の第一弾として、西日本シティ銀行様とCHEER証券のアプリを連携して、銀行アプリからスムーズに証券投資ができるサービスを提供しています。このような取り組みを行い、お客様の利便性を高めることで、顧客基盤の拡大とともに、収益の拡大を実現していきたいと考えております。 また、さまざまな企業様との仲介提携を検討している中で、各企業様のニーズに合わせたサービス提供も重要視しています。弊社社員の約半分がIT開発や保守運用に携わっており、各企業様の多様なニーズに合わせてシステムをカスタマイズしたうえで、安定稼働が可能な体制を整えています。
これからの証券業界の見通しと展望
小林:証券業界は、競争が激化する一方で、新たなビジネスチャンスも広がっている業界です。新NISA制度の開始やアプリとのシームレスな連携、また、デジタル証券などのサービスをお客様に寄り添った形で提供していきたいと考えています。そのほかにも、将来的には、弊社グループのシナジーにより、オンラインと対面の両方での顧客接点を強化することで、お客様の多様なニーズにも対応していきたいと考えております。直接相談したいというニーズに応えながらも、取引はオンラインで完結できる、というような柔軟な対応が求められていくものと考えております。これにより、顧客の利便性を最大化するとともに、我々自身のビジネスチャンスを広げることに繋がっていくものと思います。
業界全体としては、今後もさまざまなニーズに対応した商品開発や新たなビジネスモデルの創出が期待されます。一方、我々自身もこの変化の中で成長し続けるため、既存ビジネスに満足せず、常に新しい価値を提供することを目指しています。ビジネスモデルの革新、技術の活用、新たな顧客層の開拓等、あらゆる可能性を追求し、未来の業界を牽引する存在となることを目指していきたいと考えております。
投資家ユーザーに一言
小林:2024年から始まる新NISA制度によって投資を始める人が増えていくと考えています。現時点では、新NISA口座については1人1口座という制約もあるため、各個人がしっかりとメリット・デメリットを理解して、口座を開設する金融機関を慎重に選択していただきたいと考えています。その中で弊社を選んで頂くこととなれば幸いです。
山根:政府の資産所得倍増プランや企業側のPBRの改善意識の向上など、投資を始めやすい環境が整ってきています。私たちはお客様に寄り添ったサービスを提供することを心掛けておりますので、まずは一歩、投資の世界に足を踏み入れてみてください。我々は皆様の投資生活を全力でサポートします。