世の中にはさまざまな金融商品があります。中でもFXと聞くと「早く稼げそう」というようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

しかし実際に取引をしてみると、なかなか思ったようには稼げません。FXでは一体、どのように稼いでいけばよいのでしょうか。

本記事では、これからFXを始める方に知っておいてほしい取引のやり方から、安定して稼ぐために押さえるべきポイントまでご紹介します。

目次

  1. FXの取引とは?
    1. FXの稼ぎ方は2種類
    2. 売買差益で稼ぐ方法
      1. 上がるなら買い、下がるなら売り、で取引を開始する
      2. 上がるか下がるかは需給で決まる
      3. チャートから「トレンド」を捉える
      4. インジケーターから「トレンド」を捉える
      5. 値動きを予測したら勝負する
      6. トレードスタイルとおすすめ口座
    3. スワップポイントで稼ぐ方法
      1. スワップポイントの仕組み
      2. スワップポイントで稼ぐために注目するべきポイント
      3. スワップポイントで稼ぐためのおすすめ口座
    4. FXで稼ぐための2つのコツ
      1. 売買差益で稼ぐなら主要通貨ペア
      2. 順張りで取引する
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FXの取引とは?

そもそも、FXとはどのような取引なのでしょうか?FXでは、2つの通貨が組み合わさった「通貨ペア」を取引します。例えば米ドル/円(USD/JPY)は「米ドル」と「日本円」の通貨ペアです。

米ドル/円における「買い(Ask)」とは、米ドルを買い、日本円を売る注文です。「売り(Bid)」は、反対に米ドルを売り日本円を買う注文になります。FXでは、「買い」と「売り」のどちらからでも取引することが可能です

「買い」で保有したポジションは、「売り」によって決済され、反対に「売り」で始めたポジションは「買い」によって決済されます。このように、「買い」と「売り」が1セットになって、FXの取引は完結します。

FXの稼ぎ方は2種類

FXで利益を得る方法には、売買差益とスワップポイントの2種類があります。それぞれ何を源泉として利益が得られるのかを理解し、取引手法やFX業者を選ぶことが重要です。

売買差益とは、「買い」と「売り」の2つの注文間の価格差による利益のことです。「安く買って高く売る」、あるいは「高く売って安く買う」、という取引ができれば利益となります。

これに対して、スワップポイントは新規注文から決済までの間に、ポジションを保有していることで得られる利益です。通貨ペアを構成する2つの通貨には金利があるため、通貨ペアには金利差が発生します。この金利差がスワップポイントとなり、保有しているポジションに応じて日々付与されます。

外貨預金をすると金利が適用され、利息を受け取れるのと基本的には同じことです。外貨預金だと毎月や半年毎など、ある程度の期間毎に利息が支払われますが、FXのスワップポイントはほぼ毎日付与される点が異なっており、再投資することでより効率的に利益が得られます。

売買差益で稼ぐ方法

売買差益は、「買い」と「売り」の2つの注文時の価格差による利益でした。投資、あるいはFXというと、このような稼ぎ方をイメージする方が多いかもしれません。ここからは、売買差益で稼ぐポイントをご紹介しましょう。

上がるなら買い、下がるなら売り、で取引を開始する

FXでは「買い」と「売り」の、どちらからでも取引を開始することができます。価格が上がると思ったら「買い」で取引を開始し、逆に下がると思ったら「売り」で取引を開始しましょう。実際に予測した方向に価格が動けば、前者なら「安く買って高く売る」、後者なら「高く売って安く買う」という取引になり、どちらの場合でも利益を得ることができます。

上がるか下がるかは需給で決まる

各通貨ペアの価格は、それぞれの通貨ペアの需給により変動します。

例えば、FXには「ゴトー日」と呼ばれる日があります。毎月5と10の付く日(5、10、15、20、25、30日)を指し、ゴトー日には企業の決済処理や送金などが集中します。

中でも海外との取引では米ドルが使われているため、これらの日には東京市場の仲値(9:55)の時間にかけて、米ドルの需要が高まります。仲値とは、銀行が顧客と外国為替取引をするときに決める基準レートのことを言います。米ドルの需要が高まることで、米ドル/円の価格が仲値の時間に向けて上がりやすいのがゴトー日の大きな特徴です。

こうした実需以外にも、利上げや経済指標などにより、その通貨を買いたい人が増えるとその通貨の価格が上がることになり、反対に売りたい人が増えると価格は下がります。このため、FXで稼ぐためには買いたい人が多い状況なのか、売りたい人が多い状況なのかを分析していく必要があります。

チャートから「トレンド」を捉える

FXの取引では、今は買いたい人が多いのか売りたい人が多いのか、どちらの「トレンド」にあるのかを捉えることが重要になります。そのトレンドを分析する手法として、チャート分析をご紹介しましょう。

チャートによるトレンド分析手法に、ダウ理論というものがあります。チャートはジグザグと上下に変動しているものですが、ダウ理論では局所的な高値や安値に注目します

ダウ理論による上昇トレンドは、安値が切り上がっていき、高値が更新されているチャートです。反対に、下降トレンドは高値が切り下がっていき、安値が更新されているチャートになります。

トレンドが崩れたと判断されるのは、この定義を満たさなくなったときです。すなわち、上昇トレンドでは直近の安値を更新したとき、下降トレンドでは直近の高値を更新したときに、トレンドが崩れたと判断されます。

このように、局所的な高値や安値の更新があるのかないのかに注目するのがダウ理論です。

チャートからトレンドを分析するのに、サポートラインやレジスタンスラインを意識する方法もよく使われます。サポートラインとはチャートの下落がよく止まる価格帯のことで、レジスタンスラインとはチャートの上昇がよく止まる価格帯のことです。

サポートラインを活用した取引方法
引用:SBI FXトレード公式サイト「サポートラインを活用した取引方法」

サポート/レジスタンスラインまで近づくと、そのあたりでトレンドが反転する可能性が考えられます。一方でサポート/レジスタンスラインを超えていった場合は、それまでよりトレンドが強く、そちらの方向にさらに下落/上昇が続く可能性があります。

チャート分析を行ってみたい方は「FXチャートアプリはどれがおすすめ?デバイス別に比較!」の記事を参考にしてみてください。

インジケーターから「トレンド」を捉える

ダウ理論やサポート/レジスタンスラインはチャートの高値や安値に注目しました。これらはチャートから直接分析する手法です。チャートからトレンドを分析するにはもう一つ別の方法があり、それがインジケーターと呼ばれるものです。インジケーターとは、チャートから別の指標を計算し、それを視覚的に表現したものです。

最もポピュラーなインジケーターに、移動平均線というものがあります。チャート全体を平均するのではなく、5本や25本など、一定のローソク足の本数ごとに平均し、その区間をずらしていった数値を結んだ線です。

下図は5日移動平均線なので、5本ごとに平均していきます。①~⑤の終値を平均値が「A」、②~⑥の終値の平均値が「B」、③~⑦の終値の平均値が「C」と計算します。

移動平均線
引用:SBI FXトレード公式サイト「移動平均線」

移動平均線はチャートの大まかなトレンドを視覚的に表現する「トレンド系インジケーター」の一つであり、トレンドを把握するために使われる代表的なツールです。

また、インジケーターには、相場の「過熱感」を視覚化する「オシレーター系インジケーター」と呼ばれるものもあります。このインジケーターの一つである「RSI」は、70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」のサインと考えられ、相場が反転する可能性を示唆します。

RSIを活用した取引方法
引用:SBI FXトレード公式サイト「RSIを活用した取引方法」

このようなチャートの分析やインジケーターを利用してトレンドを捉え、シナリオを構築していくことがFXで稼ぐ基本です。

シナリオを構築する際、取引したい時間足だけでなく、それより長い時間足のチャートも参考になります。例えば、デイトレードをするために5分足でトレードをするとします。この場合、5分足のチャートを分析するのはもちろんですが、30分足や1時間足など、より俯瞰的な観点からも分析してみてください。もし長期足のチャートに強いトレンドが見られたら、5分足でもそちらのトレンドをベースに取引をすることで、大きな流れに逆らわずに取引することができます

値動きを予測したら勝負する

シナリオが構築できたら、それに基づいて取引をしましょう。予測した方向に動けば利益、つまり稼げることになります。反対に、予測が外れて逆に動いてしまったら損失です。

ここで注意していただきたいのが、どうなれば利確(利益確定)や損切りをするのかを決めておく必要があることです。シナリオがしっかり当たったときには、「特定の高値まで伸ばす」、「ダウ理論のトレンドが崩れるまで伸ばす」、「インジケーターが過熱するまで保有する」、などが考えられます。

エントリー直後はシナリオが当たっていたものの、その後の値動きが予測と異なってしまうこともあります。値動きがシナリオと大きく異なると判断したタイミングも、利確を考えるタイミングの一つです。

そして、最も大事なのが「シナリオが外れたときにどこで損切りをするのか」です。ある価格を下回ったタイミングなど、シナリオが外れたと判断する基準を持ち、そこで損切りをしなければなりません。

FXで稼ぐには、シナリオが当たる「勝率」を上げることも重要ですが、それ以上に利確と損切りの管理が重要です。予測が当たったらすぐ利確する、外れたら大きな損失まで損切りできないという「コツコツドカン」の取引では、トータルで勝つことは難しくなります。値動きの方向を予測するだけでなく、どうなったら利確するか、どうなったら損切りするかを意識しながらシナリオを構築しましょう

トレードスタイルとおすすめ口座

FXの売買差益を狙った取引は、ポジションを保有する長さで主に4つのトレードスタイルに分類されます

1つ目は「スキャルピング」で、これは数秒から数分でエントリーから決済までを完結させるスタイルです。売買を繰り返し、小さな利益を積み重ねることで稼いでいきます。このスタイルでは、FXにおける実質的な取引コストであるスプレッドができるだけ狭い口座をおすすめします。

スキャルピングでの取引におすすめするのは、マネーパートナーズの「パートナーズFX nano」です。パートナーズFX nanoでは米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドルなどの主要通貨ペアのスプレッドが1万通貨まで0.0銭(0.0pips)となっており、取引コストがかかりません。1万通貨を超える場合も米ドル/円のスプレッドが0.0~0.2銭など、他社以上の狭いスプレッドを実現しています。そのため、取引コストを重視したいスキャルピングでは、この口座がおすすめです。

2つ目の取引スタイルは「デイトレード」で、これは数時間から1日で決済まで完了するスタイルです。このスタイルでは、ポジションを保有する時間帯によってはスワップポイントが付与されることがあります。そのため、マイナスのスワップポイントも一種のコストと考えられ、スワップポイントのプラスマイナス差が小さいこと、スプレッドが狭いことを重視して口座を選びましょう

デイトレードにおすすめするのは「みんなのFX」です。スワップポイントのプラスマイナス差が0となっていて、スワップポイントによるコストは実質ありません。スプレッドも十分に狭く、デイトレードにおける総合的なコストを抑えることができるでしょう。

3つ目の取引スタイルは「スイングトレード」で、これは数日から数週間ポジションを保有するスタイルです。このスタイルでは、日々付与されるスワップポイントが重要になります。買いでも売りでも取引する場合は、スワップポイントのプラスマイナス差が小さい口座がおすすめです。マイナスのスワップポイントを日々支払うのは苦痛という方は、スワップポイントがプラスになっている方向にのみ取引をするという方法もあります。その場合は、スワップポイントの高さで口座を選ぶと良いでしょう。

スイングトレードにおすすめするのは「みんなのFX」です。スワップポイントのプラスマイナス差が0となっていて、スワップポイントによるコストは実質ありません。またスワップポイント自体高くなっているため、スワップポイントがプラスの方向のみ取引をしたい方でもおすすめできます。なお、米ドル/円のスワップポイントは「DMM FX」の方がやや大きいため、こちらもおすすめです

最後となる4つ目のトレードスタイルはポジショントレードで、こちらは月単位から年単位の長期投資スタイルです。口座を選ぶ基本的な考え方はスイングトレードと同じで、スワップポイントのプラスマイナス差の小ささ、あるいはスワップポイントの高さで選びます。ただしこれだけの期間になると、日々のマイナススワップポイントは大きく積み上がることになります。したがって、ポジショントレードではスワップポイントがプラスの方向にのみポジションを保有する方が、取引中のストレスは少なくなるでしょう。

ポジショントレードにおすすめするのは、「みんなのFX」と「DMM FX」です。全般的にみんなのFXはスワップポイントが高いですが、米ドル/円についてはDMM FXが上回ります。また、みんなのFXはスワップポイントのプラスマイナス差が0なので、売りと買いの両方をしたい方は、こちらがおすすめです。

スワップポイントで稼ぐ方法

FXのもう一つの稼ぎ方は、スワップポイントを利益の源泉とする方法です。売買差益は短期間で大きく稼ぐことも可能ですが、スワップポイントは長期的・継続的に稼ぐ手法になります。ここからは、そのスワップポイントで稼ぐ方法について詳しく見ていきましょう。

スワップポイントの仕組み

FXでは、2つの通貨を組み合わせた「通貨ペア」を取引します。売った外貨の利子は支払い、買った外貨の利子は受け取ることになりますが、通貨ごとに金利が異なっています。そのため、支払う利子と受け取る利子は異なっており、この金利差が「スワップポイント」になります。

通貨ごとの金利は、国の政策金利がベースになっています。ただし、政策金利は一定ではなく変更されるため、スワップポイントも一定ではありません。

スワップポイントで稼ぐために注目するべきポイント

スワップポイントで稼ぐためには、当然スワップポイントが高いことが重要です。ただし、各通貨ペアのスワップポイントを比較したい場合、FX業者のHPで確認できるスワップポイントそのままを比較しても意味がありません。なぜなら多くの場合、「1万通貨」に付与されるスワップポイントが表記されていますが、その1万通貨を買うための価格は通貨ペアにより異なっているからです。

例えば、米ドル/円では1万通貨を130万円で買うことでスワップポイントが190円稼げ、トルコリラ/円では1万通貨を7万円で買うことでスワップポイントが40円稼げるとします。スワップポイントの記載としては米ドル/円の方が高く見えますが、付与率としてはトルコリラ/円の方が4倍近く稼げることになります。

通貨ペア 米ドル/円 トルコリラ/円
レート 130円 7円
1万通貨の価格 130万円 7万円
スワップポイント 190円 40円
スワップポイント付与率 0.015% 0.057%

「どの通貨ペアのスワップポイントが高いのか?」を判断するには、スワップポイントの金額を見るのではなく、元手に対する利回りで判断する必要があります

一方で、同じ通貨ペアについて業者の比較をする際は、基本的には金額を見れば問題ありません。

スワップポイントで稼ぐためのおすすめ口座

スワップポイントで稼ぐのにおすすめの口座は、「みんなのFX」です。みんなのFXでは、どの通貨ペアもスワップポイントが高水準に設定されていて、特に先進国通貨のスワップポイントはトップクラスです。

さらに、ハンガリーフォリント/円やチェココルナ/円、ユーロ/ポーランドズロチなど、他社ではあまり扱っていないような高スワップポイントの通貨ペアも用意されています。特に、ハンガリーの政策金利は2023年5月現在、13%となっており、ハンガリーフォリント/円はスワップポイントが非常に高いことから注目が集まっています。

また、高金利通貨ペアで稼ぎたい方には「IG証券」をおすすめします。IG証券はトルコリラ/円、メキシコペソ/円といった人気の高金利通貨ペアにおいて、スワップポイントがトップクラスです。ただし、主要通貨ペアよりもリスクは高くなりますので、そのリスクを理解した上で運用するようにしてください。

FXで稼ぐための2つのコツ

FXには稼ぐためのコツがいくつかあります。

初心者が意識すべき稼ぐためのコツは、主に以下の2つです。

以下で順番に解説させていただきます。

売買差益で稼ぐなら主要通貨ペア

初心者が売買差益で稼ぐ場合は、主要通貨ペアを取引するのがおすすめになります。

なぜなら、テクニカル分析が効きやすく、値動きも安定している傾向があるからです

加えて、情報量が多いことから、ファンダメンタルズ分析もしやすいです。

例えば、米ドル/円やユーロ/円、ユーロ/ドルは主要通貨ペアの中でも、特に値動きが安定している傾向があります。

初心者の方は値動きが荒れがちなマイナー通貨ペアではなく、値動きが安定している主要通貨ペアでの取引で売買差益を狙ってみてください。

順張りで取引する

初心者の方は、まず順張りでの取引をしてみましょう。

というのも、FXの基本はトレンドに沿った順張りでの取引だからです

順張りとは、トレンドにあわせて取引をする方法であり、上昇トレンドであれば「買い注文」、下降トレンドであれば「売り注文」を入れます。

順張りは、トレンドに沿った取引であることから値動きの予測がしやすいことも、初心者の方には大きなメリットです。

初心者の方はぜひ、FXの基本である順張りから取引をスタートしてみてはいかがでしょうか。