DMM FXはスキャルピングを禁止していません。ただし、DMM FXが定めた禁止事項に抵触すると、口座凍結や出金拒否、利益の取り消しの可能性があるため、注意が必要です。
本記事では、DMM FXで可能なスキャルピングの条件や確認するべき禁止事項について詳しく解説します。
また、口座凍結や出金拒否に関するリスクについて、カスタマーセンターに問い合わせて得られた回答をもとに、安心して取引を行うためのポイントを紹介します。
約款に基づいた禁止事項を確認し、得意な取引スタイルで利益を残せるFX取引を行いましょう。
【結論】DMM FXはスキャルピングを禁止していない!
DMM FXはスキャルピングを禁止していません。
ただし、取引のやり方によっては口座凍結や出金拒否、利益の取り消しなどの可能性があります。
スキャルピングといっても、トレーダーによって新規注文から決済までの時間が異なるため、「数秒単位で多数回のスキャルピング許容されるの?」「経済指標発表時もスキャルピングできる?」「口座凍結される取引の基準は?」など、気になる方もいるでしょう。
ここでは、カスタマーセンターに問い合わせて得られた結果をもとに、具体的にどの程度の時間軸でスキャルピングが可能なのかや、口座凍結、出金拒否の基準について、解説します。
DMM FXスキャルピングの定義とは?【カスタマーセンターに問い合わせてみた!】
DMM FXにスキャルピングの定義などについて、以下の項目を問い合わせてみました。
- DMM FXにおけるスキャルピングの定義
- 何分~何秒までのスキャルピングなら許容されるか
- 口座凍結の基準
- 出金拒否の可能性
得られた回答は以下の通りです。
【DMM FX】ではスキャルピングの手法自体は禁止しておりませんが、流動性の低い時期・時間帯に当該流動性に比して過度な取引を行う行為や、お客様の属性等に比して過度な投機的取引を行う行為等はお断りしております。
DMM FXのカスタマーサービスの回答より
DMM FXが定める「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款 」の第7条(禁止事項)には、取引の禁止事項が明記されており、その中の3項に同様の記載があります。
「流動性の低い時期や時間帯」について明確な回答はありませんでしたが、例えばクリスマスや年末年始、アメリカやイギリスの祝日などが流動性の低い時期と考えられます。また、早朝や重要な経済指標の発表前は流動性の低い時間帯といえるでしょう。
このような時期や時間帯は、市場参加者が少ないため、大きな金額での取引によって価格が動いてしまう可能性が考えられます。また、取引相手が少ない相場で高頻度の取引を行うことによってDMM FXが多くのカバー取引を行う必要性が生じるうえに、サーバーへの大きな負荷も懸念されます。
以上の理由から、DMM FXはスキャルピング自体を禁止してはいないものの、すべてのトレーダーにとって健全で公平な取引環境を維持するための企業努力をしているといえるでしょう。
また、DMM FXは口座開設時の回答から顧客の属性を把握しており、例えば年収や保有資産、取引目的を考慮したうえで、取引回数が多すぎたり投資金額が多すぎたりする場合に、警告や取引の禁止措置を講じる可能性があると考えられます。
何分~何秒までのスキャルピングなら問題ない?【口座凍結の基準は?】
DMM FXが許容しているスキャルピングの具体的な基準は、公表されていません。問い合わせに対する回答においても、具体的な基準は有効性が損なわれる恐れがあるため、教えられないとのことでした。
許容されるスキャルピングの具体的な取引時間や口座凍結の基準について得られた回答は、以下の通りです。
なお、取引回数や取引数量、取引時間等の具体的な基準は公表することで有効性が損なわれる恐れがあるため、ご案内を差し上げておりません。
DMM FXのカスタマーサービスの回答より
また、禁止事項に抵触した場合は口座凍結(アカウント凍結)の可能性もあります。
ただし、DMM FXだけでなく、多くの業者が禁止取引の具体的な基準を明示していません。そこには以下の理由があると考えられます。
- ルールの悪用防止
⇛公表した基準を利用して、トレーダーがルールの隙間を狙った取引を行うリスクを防ぐ。 - 市場の公平性維持
⇛公表された基準が特定のトレーダーによる市場操作に利用されるリスクを避ける。 - フレキシブルな対応を可能にするため
⇛基準を非公開にすることで、DMM FXは状況に応じて柔軟に対応可能。 - 信頼性維持
⇛公表された基準が不正利用され、基準を頻繁に改訂する必要が生じ、ルール運用の信頼性が損なわれるのを防ぐ。
出金拒否の可能性はある?
DMM FXは、口座凍結(アカウント凍結)されても「原則として出金は可能」と明確な回答がありました。
上記に該当した場合、アカウント凍結となり、原則として出金は可能でございますが、取引状況等によっては過去に遡り約定を無効にする可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
DMM FXのカスタマーサービスの回答より
ただし、取引の状況によっては過去の約定が無効になる可能性があります。つまり、禁止事項に抵触していると判断された場合、利益が出た取引がキャンセルされます。
取引を行う際には、約款に記載された禁止事項を十分に確認し、ルールを遵守しましょうす。特に、スキャルピング取引においては、流動性や頻度などの基準を守り、リスクを最小限に抑えましょう。
DMM FXで口座凍結を回避するコツとは?
DMM FXでスキャルピングを行う際は、禁止事項を十分に理解し、抵触しないよう注意を払いましょう。
禁止事項に抵触したと判断された場合、口座凍結や利益の取り消しといったペナルティの対象となる可能性があります。
ここでは、DMM FXの「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」を基に、注意すべき取引方法や口座凍結などのペナルティを回避するための具体的なポイントについて解説します。
取引前に必ず確認し、安全なスキャルピングを実践しましょう。
流動性の低い時間帯に取引を行わない
DMM FXの「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」における、第7条(禁止事項)3項では、流動性の低い時間帯での取引が禁止されています。
(3) 流動性の低い時期・時間帯に当該流動性に比して過度な取引を行う行為又は、お客様の属性等に比して過度な投機的取引を行う行為
引用:店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款「第7条(禁止事項)」
例えば、クリスマスや年末年始、アメリカやイギリスの祝日、早朝や重要な経済指標の発表前後はFX市場において代表的な流動性の低い時期・時間帯といえるでしょう。これらの時間帯は、市場参加者が少ないため、価格変動が大きくなりやすく、不利な条件での約定やスリッページが発生しやすい状況です。
また、スプレッドも大きくなりやすく、短期的な取引で少額の利益を積み重ねるスキャルピングには不向きな相場状況といえます。
禁止されている上に利益も残しづらい状況ですので、スキャルピングは避けるべきです。
口座凍結のリスクや取引による損失を防ぐため、市場が活発で値動きやスプレッドが安定している時期、時間帯を選び、適切な取引量で取引を行いましょう。
秒単位でのスキャルピングは避ける
DMM FXでは、秒単位のスキャルピングは避けましょう。
秒単位でのスキャルピング取引は、「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」における、第7条(禁止事項)10項に該当する可能性があります。
(10) 短時間又は合理性に欠ける頻度で注文を繰り返し行う行為
引用:「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」第7条(禁止事項)10項
過度な高頻度の注文は、DMM FXのシステムに過剰な負荷をかける恐れがあり、合理性に欠ける取引と判断される可能性があります。また、短期間で大量の注文を繰り返す取引は不正な市場操作と見なされる場合があり、他のトレーダーの公平な取引環境を損なうと判断される可能性もあるでしょう。
例えば、以下のような行為が挙げられます。
- 流動性の少ない通貨ペアで意図的に頻繁な取引を行い、DMM FXにカバー取引(ヘッジ)の負担を増やす行為。
- 他のトレーダーを誤解させる目的で大量の注文を短期間で繰り返しキャンセルするフェイクオーダーとなる行為。
- 数秒単位で数十回の注文を繰り返す行為。
この禁止事項に抵触せず、安全にスキャルピングを行うには、取引間隔を十分に空け、1回の取引で適切な取引数量を設定する意識が大切です。例えば、数分の取引間隔を心がければ、DMM FXの取引システムに大きな負荷を与えず、健全な取引環境を維持できると考えられます。
また、過度な高頻度の取引は、スプレッドによるコストの増大にもつながるため、トレーダーにとって利益の残りやすい取引とはいえません。適切なコスト管理を行いつつ、禁止事項抵触による口座凍結のリスクを回避するために、一定の取引間隔を空けながら取引するよう心がけましょう。
複数のトレーダーで同調した取引を行わない
複数のトレーダーと行う同調した取引は、「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」における、第7条(禁止事項)6項に該当する可能性があります。
(6) 他のお客様と同調した取引を行う行為
引用:「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」第7条(禁止事項)6項
DMM FXは、複数のトレーダーが同調した取引を行うことで、大量注文を用いて市場価格に意図的な変動をもたらし、他のトレーダーの取引条件に影響を及ぼす可能性を危惧していると考えられます。また、同調してスキャルピングを行えば、システムへの負担も大きくなるといえるでしょう。
具体的には、SNSやチャットグループを通じて他のトレーダーと連携し、集団で同時に注文を出す行為が該当します。このような取引は、市場の公平性を損ない、価格操作と見なされるリスクが高いです。
同調した取引の具体例としては、以下のような行為が挙げられます。
- 集団で特定の方向に大量の注文を行い、意図的に価格を動かす行為。
- SNSやフォーラムで指示を出し合い、計画的に市場に介入する行為。
- 意図的に取引量を操作し、他のトレーダーのポジションに影響を与える行為。
- 複数のトレーダーが連携して異なるFX業者間の価格差を利用し、大量のアービトラージ取引を短期間に実施する行為。
この禁止事項に抵触しないためには、個別の判断で独立した取引を行いましょう。他のトレーダーと協力せず、自身の取引目的を明確に持ち、健全な取引によって禁止事項の抵触を避けられます。
外部の自動売買ツールを使用しない
DMM FXでスキャルピングを行う際は、外部の自動売買ツールを使わずトレーダーによる手動の裁量取引を行いましょう。
外部の自動売買ツールを使用する行為は、「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」における、第7条(禁止事項)2項に該当します。
(2) FX 取引を自動で行うソフトウェア又はシステム等(以下、「自動売買ソフト等」といいます。)、本取引システム以外のツール等を使用した取引、その疑いのある行為、若しくは本取引システムを改変したシステムまたは自動売買ソフト等の利用を他の顧客に勧誘する行為
引用:「店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款」第7条(禁止事項)2項
自動売買ツールは短時間で膨大な注文を発生させられるため、DMM FXの取引システムに過剰な負荷をかける可能性があります。場合によっては、システム障害や取引の遅延が発生する恐れがあり、他のトレーダーに悪影響を及ぼす恐れもあります。
また、意図的に大量の注文を出して市場価格を操作したり、不正アクセスやシステム改ざんなどの行為が発生したりするリスクも考えられ、他のトレーダーにとって不公平な状況を生み出しかねません。
以上の理由から、自動売買ツールを始めとする外部ツールの禁止は、全トレーダーが健全な取引環境で公平に取引できるようにするDMM FXの取り組みの一環といえるでしょう。
当記事で紹介している会社は、すべて金融庁から許可を受け財務局に登録されおり、かつ金融先物取引業協会に加入している業者です。
本記事で参考にしたサイト一覧