FXを始めたのは、リーマンショックのころ。初心者にもかかわらずショート(売り)でエントリーし、投資初日に資産は倍増。さらに短期間で10万円を100万円にしたという、いいだっちさん。
その後は、SNSのFXコミュニティに入って情報交換するようになり、さまざまなプロのトレーダーから投資テクニックを学んだという。
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ビギナーズラックで10万円が100万円超に
――いいだっちさんは「温泉ソムリエFXトレーダー」というユニークな肩書をお持ちですよね。まずはこれまでの経歴と投資を始めたきっかけについて教えてください。
大学在学中から進学塾の講師として高校受験の指導をしていました。これでもけっこう人気講師だったんですよ(笑)。大学卒業後もそのまま働き続けていたのですが、若気の至りで経営者の方と衝突してしまい……。突然、職場の荷物を勝手にまとめて自宅に送りつけられ、辞めさせられました。今から24年前、1990年代後半で24歳のときでしたね。
その後、インターネットの普及に伴い、IT業界でエンジニアの派遣社員として働くようになりました。激務に追われる日々が続くなか、リーマンショック後にFXで多くの脱税で逮捕者が出るというニュースを見て、「すごい儲かっている人がいるんだな。逆にこれはチャンスかもしれない」とFXに興味を持ったのがきっかけです。
――始めたばかりの頃の成績はどうでしたか?
2009年からFXを始めたのですが、当時はリーマンショックに続きギリシャショックもあり、短期間でユーロが20円も大暴落するような時期でした。さすがにロング(買い)で入ることができず、初心者なのにショート(売り)で入ったところ、投資初日に入れた10万円が20万円に!その後もハイボラティリティな相場にハイレバレッジで臨み、短期間で10万円を100万円以上にしたり、とんでもないビギナーズラックが続きましたね(笑)。
――ボラティリティが大きい難しい相場にもかかわらず、利益を出していたんですね。
はい、ただこの成功体験のせいでロングでエントリーすることができなくなり、トレーダーとしてのバランスの悪さも感じていました。そこで、当時盛んだったmixiのFXコミュニティに入って情報交換するようになり、さまざまなプロのトレーダーさんから投資テクニックを教わることができました。
今はSNSの発達で玉石混交ですが、当時はプロのトレーダーというのが限られており、信頼できるトレーダーさんを探すのは簡単だった気がします。コミュニティで師匠たちに教わったおかげで安定して勝てる自信もつき、2012年ころに独立し、専業トレーダーになりました。
「未来は誰にも予想できない」ことを痛感
――そこで教わったなかで、特に印象に残っていることは何ですか?
「未来は誰にも予想できない」ということですね。よく「FXは上がるか下がるか」と言われますよね。しょせん上か下かの二択なんだから、私も簡単に勝てると思っていました。投資を始めたばかりの多くの方は、上がるか下がるかという予測に固執してしまいがちです。しかしそれは、“予知能力”を身につけようとするのと同じ。残念ながら、どんなに訓練しても常に未来を確実に当てるなんて、人間には絶対にできません。
確かに“エントリーは二択”です。エントリーするときには買いか売りしかないですから。しかし、ポジションを持った瞬間から「いつまで持つか」「どこで利益確定するか」「含み損になっても持ち続けるか、それとも損切りするか」など、選択肢は無限のパターンがあります。上か下かを当てただけで勝てるほど、FXは簡単ではないということです。
――では、FXで勝つためにはどうしたらいいのでしょうか?
自分の思惑通りに動いているかをいち早く見極める力を身につけることです。想定するシナリオ通りなら最大限利益を伸ばす、しかし予想したシナリオから外れたならいかに早く見切るか。その判断力が重要だと学びましたね。そのためには、チャートの読解能力、テクニカルポイントを見抜く力が大切です。
――さすが元人気講師だけあって、FXの授業を受けているかのようですね(笑)。いいだっちさんが安定して勝てるようになった投資手法を少しだけ教えてくれませんか?
私は「直近高値・安値」を重視しています。人の心理って「得したい」「損したくない」というのを多くの人が持っていると思います。これはつまり「安く買いたい」「高く売りたい」ということです。そうすると、直近の高値・安値は必然的に意識されるようになり、高値はレジスタンス(上値抵抗線)になり、高値を超えたら大きく上に伸びやすい。安値はサポートライン(下値支持線)になりやすく、安値を割ったら損切りを巻き込んで大きく下落しやすい。直近の高値・安値からは、そんなことが読み取れます。
そういった人の心理を読解しながら、長期のトレンドを取りつつ、短期的な押し目や戻りも取る効率的なトレードを展開しています。主に1時間足を中心に、4時間足から日足を見るのが自分のスタイルですね。最近は値動きが大きくないので、焦らずのんびりと月100万円くらいの利益を目指すようなトレードをしています。
信頼できるトレーダーから学んでほしい
――いいだっちさんは『FX攻略.com 』で連載を持っていたり、TVに出演したり、証券会社が主催するセミナーに登壇したりと、幅広く活躍されていますよね。
最近はコロナ禍ということもありセミナー業は自粛し、ひたすら家に引きこもってトレードをするか、人が閑散とした田舎や秘境の温泉など、都会の喧騒から離れて過ごしています。
――温泉ソムリエの資格も持っているとか。
はい、以前、千葉県南房総でクジラの解体を見に行ったことがあって。ここは日本で4カ所しかない捕鯨基地だそうで、ツチクジラが水揚げされたときには解体を見学することができるんです。それ以降、B級スポット巡りをするのが好きになって、山梨県の推定樹齢2000年、日本最古の桜「山高神代桜」(じんだいざくら)を見に行ったり、長野県の高遠城址公園では古くから「天下第一の桜」と称されるコヒガン桜を見に行ったりもしました。
長野に行った晩は白骨温泉に宿泊したのですが、温泉には効能などが書かれた看板がありますよね。でも、あれって「筋肉痛に効くんだ」とか「リュウマチに効果あるのね」といった程度しか読まないですよね。もっとしっかりと成分や泉質、泉温、湧出量などを読めるようになりたいと思ったのがきっかけで「温泉ソムリエ」の資格を取得しました。
今では秘湯を探しに気ままに温泉へ出かけて、ありがたいことに人生を楽しむことができています。昔、私が師匠に教わって勝てる力がついたように、今度は私が若い投資家を稼げるトレーダーに育てられるよう、FX勉強会を主催しています。今は門下生がいかに稼げるようになるか、その成長を見るのが楽しみですね。
--最後に、いいだっちさんが利用しているFX会社とその使い勝手はどうですか?
メイン口座はサクソバンクの法人口座(MT4)を使用しています。以前、システム的なトラブルがあったとき、サクソバンクのスタッフさんがきちんと対応してくれて、誠意を感じました。大金を扱うわけですから、何か起きたときにきちんと対応してくれる国内の会社は安心できますね。
それと、いまや手数料ゼロは当たり前、スプレッドはどこも小さくなっていますし、発注方法や使えるテクニカル指標はたいてい豊富にあります。それよりも、ロスカットの逆指値注文が簡単に入れられるかなど、実際に使ってみたときのアプリやシステムの使いやすさを重視してFX会社を選ぶといいと思います。
また、個人的にはオンラインセミナーが充実して勉強できる環境が整っているFX会社はいいと思いますね。稼げるトレーダーになりたいのならば、信頼できる人から教わるべきです。自己流でプロのスポーツ選手になった人はほぼいません。テニスの大坂なおみ選手も錦織圭選手も、ゴルフやサッカーの世界現役トッププロ選手でさえ専属のコーチがいます。信頼できる人からFXの手法を学び、稼げるトレーダーになってほしいですね。