「将来に向けてお金を増やしたいけど、投資は損をしそうで心配」そんな理由で貯金に頼ってしまっていませんか? 一方で、「銀行に預けるだけではお金が増えない」とも感じているはずです。そんな方におすすめしたいのが外貨預金です。本記事では、外貨預金に取り組むべき理由やメリット、注意点などについて解説します。
さらに、貯金派の方でも始められる外貨預金活用方法も紹介しますので、この機会に一歩踏み出してみませんか?
貯金派の資産運用に対する課題
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」によると、95.9%とほとんどの人が預貯金を保有しているのに対し、株式を保有している人は30.3%、投資信託を保有している人は26.9%です。投資よりも「貯金派」の人のほうが多いことがわかります。これは、日常のお金の出し入れに預貯金口座が必要という背景もあるでしょう。
また株式や投資信託が少ないのは、以下のような理由が考えられます。
- 投資は元本割れするリスクが怖い
- 経済に詳しくならないと利益を出すのが難しそう
- 価格変動を見たりタイミングをつかんで売買したりするのが面倒 など
こういった投資を敬遠する人たちは、自然と預貯金という手段を選ぶようになるのかもしれません。しかし円安やインフレといった環境下では「円の貯金しかしていない」ことのリスクも高まっています。そこで、これからの資産運用で注目したいのが「外貨預金」という選択肢です。
米ドル定期預金 (1ヶ月) |
---|
年8.60% (税引後 6.852%) |
大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。
外貨預金とは? 貯金派にとっての安心感
外貨預金とは、米ドルやユーロなどの外貨で預ける預金です。海外旅行などで手にした外貨をそのまま預け入れることができる金融機関もありますが、一般的な外貨預金の場合、円貨を入金する際に、自動的に外貨に両替されます。そのため外貨預金口座にあるお金は、外貨で管理されますが、基本的な仕組みは円預金と同様です。預金額に対して外貨で利息が付与されます。
利息が付けば口座残高が増えますし、もちろん追加で預け入れして預金を増やすことも可能です。預金金利は、金融機関および通貨の種類によって異なりますが、一般的に外貨預金は円預金よりも金利が高く、為替相場に影響されるリスクはありますが、円預金に比べてお金が増えていきやすい特徴があります。銀行口座に預けるだけで、特に複雑な運用がないため、投資よりも管理しやすいシンプルな商品といえます。
円預金のような元本保証はないものの、貯金派の人にも「投資は難しい」「投資は怖い」といった心理的な負担が少ないでしょう。
日本円だけに頼るリスクとは?
近年の経済状況を振り返ってみても、インフレで実質的な購買力が低下した人は多いのではないでしょうか。これは、昨今続く円安により輸入品価格が上昇していることが大きな要因の一つです。日本は、エネルギーや食料品および原材料など多くの物品を輸入に依存しているため、やむを得ないかもしれません。
しかし結果的に消費者が購入する「ものやサービス」の価格が上がった場合、収入が変わらなければ、買うものの数を少なくしたり、より安いものを選んで買ったりするなどの工夫が必要になります。将来のための貯金でも同じことがいえるでしょう。
2024年3月に日銀によるマイナス金利政策の解除、同年7月末の政策金利の引き上げなどを受け、多くの金融機関は、円預金金利を引き上げました。しかしそれでもメガバンクの定期預金金利(1年もの)は0.125%程度です(※1)。日銀は、物価上昇率(インフレ率)2%が今後も安定的に持続する経済社会を目指しています。
インフレ率と預金金利の乖離が今後もずっと続けば円貨で保有している貯金の価値が目減りして、より一層購買力の低下につながりかねません。つまり将来的にも貯金の価値を安定的に保つには、日本円だけに依存せず外貨でも貯金をしておくことが望まれるのです。
(※1)2025年1月執筆日時点
米ドル定期預金 (1ヶ月) |
---|
年8.60% (税引後 6.852%) |
大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。
外貨預金のメリット
ここであらためて外貨預金のメリットを確認しておきましょう。
1.貯金感覚で異なる通貨を持つことで、シンプルに資産分散ができる
円の預貯金は、元本割れのない安全な金融商品です。しかし先述したように額面は変わらなくてもインフレや円安などを考慮すると実質的な価値が目減りする可能性もあり、投資と同じくリスクがある商品とも考えられます。一般的に投資でリスクを抑えるためには、さまざまな商品や銘柄にお金を分けて投資する分散投資が有効です。
銀行預金も通常の円貨での預金だけでなく、外貨で預ける外貨預金にもお金を配分することでシンプルに資産分散(通貨分散投資)が期待できます。
2.高金利通貨で「増やす」楽しさ。「ただ預けるだけよい」手軽さ
預金通帳で「利息○○円」と印字されているのを見るのはうれしいものです。お金を預けているだけでお金が増える魅力は貯金派の人にはひとしおでしょう。外貨預金は、通貨が違うだけで利息が付く仕組みは一般的な円預金と同じです。お金を預けておけば、米ドル預金なら米ドルで、ユーロ預金ならユーロでというように預けた通貨で利息が付与されます。
具体的な預金金利は、金融機関や通貨の種類によって異なり、外貨定期預金の場合は預入期間によっても金利が変わります。多くの金融機関では、どの通貨でも円預金よりも高い金利を設定しており、例えば大和ネクスト銀行では米ドルで定期預金に預ける場合の預金金利(1年もの)は5.3%(※2)です。仮に1,000米ドルを預け入れるとすると1年間の利息は53米ドル(税引き前)となります。
1米ドル156円として換算すると15万6,000円(1,000米ドル×156円)の預け入れに対して8,268円の利息が付く計算です。前述した円貨での定期預金金利であれば、同じ額を預け入れても1年間で付く利息は195円(税引き前)ですから「お金が増える」楽しさがより弾むでしょう(※為替手数料は考慮していません)。
(※2)2025年1月執筆日時点の円から預け入れした場合の金利
3.資産防衛の第一歩として資産運用初心者でも取り組みやすい
インフレのほかにも少子高齢化による年金不安や長寿化による老後期間の伸長といった日本の社会状況を考慮すると、より一層自分の資産を増やし、守る資産運用の必要性が高まっているといえます。資産運用と聞くと株式や投資信託への投資を思い浮かべてしまい、ためらってしまう貯金派の人も多いかもしれません。
その点、外貨預金は以下のような特性を兼ね備えているため、貯金派の人や資産運用初心者でも取り組みやすいメリットがあります。
- 預けるだけというシンプルさ
- 高金利でお金を増やしやすい有利性
- 通貨分散による資産防衛能力
「貯蓄から投資へ」という言葉は、古くから耳にします。しかし、株式や投資信託といった比較的リスクのある投資だけではなく、資産運用方法の選択肢に外貨預金を入れておけば最初の一歩を踏み出すハードルは下がるのではないでしょうか。
米ドル定期預金 (1ヶ月) |
---|
年8.60% (税引後 6.852%) |
大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。
外貨預金の注意点と対策
貯金派の人が外貨預金での資産運用に取り組みやすいように、ここまで「お金を預けて長期的に資産を増やしていく」という観点で外貨預金の魅力をお伝えしてきました。しかし外貨預金は、預入時に「円から外貨へ」両替するだけでなく、お金の引出時にも「外貨から円へ」両替するのが一般的です。上述したように外貨ベースで考えると利息が付いてお金が増えていきます。
しかし円ベースで考えると預入時と引出時の為替レートの状況により元本割れが発生する可能性があることも忘れてはいけません。これを為替リスクといいます。例えば米ドル預金で「1米ドル156円」のときに1,000米ドル分を預け入れるとしましょう。日本円では、15万6,000円相当です。
その後「1米ドル160円」になったときに1,000米ドルを引き出し、日本円で受け取る場合、受取額は16万円となり、4,000円の利益を得ることになります。これを為替差益といいます (※手数料や税などは考慮していません)。
しかし引出時の為替レートが「1米ドル140円」となっていたとしましょう。1,000米ドルを引き出し、日本円で受け取る場合の受取額は14万円です。つまり1万6,000円の損失が発生します。これを為替差損といいます。
為替は、どのように動くか予測することが非常に難しいため、為替リスクや仕組みをきちんと理解しておくことが大切です。基本的には、預入時よりも引出時の為替レートが「円安」であれば為替差益、「円高」であれば為替差損が発生すると覚えておくといいでしょう。
できるだけ為替リスクを抑えるためには、「少額から始める」「為替が円高時に引き出さなくてもいいように余裕資金で行う」といったことが大切です。また外貨預金は、預金保険制度の対象ではありません。できるだけ健全性の高い金融機関を選んで外貨預金を始めることも重要です。
貯金派におすすめの外貨預金活用法
最後に貯金派の人におすすめの外貨預金活用方法を紹介します。
1.将来に備え、貯金の一部を外貨預金に分けてリスク分散
将来のための貯金として現在保有している円資産の一部を外貨預金に預け、長く保有し続ける方法です。今から数年後、数十年後にはインフレの状況がどのようになっているかわかりません。お子さまの大学進学資金や老後生活資金など、遠い先の用途に向けた貯金であれば外貨で保有しておくことはインフレ対策にも役立ちます。
また1種類の外貨だけでなく、複数の外貨に分けておけばリスク分散効果が期待できるでしょう。各通貨には、それぞれに「どんな要因でどのような動き方をするか」といった特徴があります。そのためリスク分散効果を高めるには、各通貨の特徴を知り、動き方の異なる通貨に分けておくことで将来に備えた「安心感」を得やすくなります。
ただし複数の通貨に分けるのが良いとはいっても、近い将来必要になるお金は円貨で確保しておくことが大切です。お金の引き出しが必要なときにうまく円安になっているかどうかは、その時になってみないと分かりません。最初から長期的な視点で構えていれば有利なタイミングで円に換算して貯金を確保することも可能です。
2.毎月1,000~1万円の少額積立で、無理なく気軽にスタート
積み立てタイプの外貨預金を利用することもおすすめです。外貨積立預金は、日本円ベースで毎月一定額を外貨預金に預け入れる(積み立て)もので、毎回の外貨での預入額は積み立て時点の為替レートで計算されるため、その都度変わります。円高時には多く、円安時には少なく外貨を預け入れることが可能です。
一定金額で継続的に外貨を購入していくこの方法は、ドル・コスト平均法といい、平均購入単価を平準化して為替リスクを低減させる効果があるといわれています。例えば毎回の購入時の為替が1米ドル155円、150円、145円、140円、160円と動いた場合、この5ヵ月間の平均購入単価は150円です。つまり150円より円安になれば為替差損の発生を免れられる(為替差益を得られる)ことになります。
外貨積立預金は、積み立てる通貨と積立金額(円での金額)、積立日を設定すればあとは自動的に積み立てられるため、預け入れの手間も省け、円高・円安といった為替レートを気にするストレスも軽減されます。毎月の積立最低額は、金融機関によって異なりますが、一般的に毎月1,000~1万円といった少額から積み立てできるため、無理なく外貨での貯金を増やしていけるでしょう。
もちろん外貨積立預金でも預金額に対して利息が付きます。一般的に外貨積立預金は、外貨普通預金の金利が適用されますが、円預金と比較すると金利は高めです。具体的な預金金利は、金融機関や通貨によって異なりますが、例えば大和ネクスト銀行の外貨普通預金の金利は米ドルの場合で0.3%です(※1)。同行の円普通預金金利が0.1%ですから3倍の水準です(※1)。
少額から始められるため、複数通貨での外貨積立預金もおすすめです。安定的な通貨や、より高金利の通貨などいくつかの通貨を組み合わせ、貯金派の人にも無理なく資産ポートフォリオの分散ができます。 (※1)2025年1月執筆日時点
貯金派が外貨預金を選ぶべき理由
「元本割れのリスクを考えると投資より貯金が安心」という貯金派の人は少なくありません。しかし円安やインフレ、低金利など「貯金では守れないリスク」が増えている昨今、将来的にも経済的に安心して過ごすためにはお金を増やして守ることも大切です。
外貨預金は、インフレによる円資産の目減りを守れる安心感、将来的に為替差益を得られる可能性を兼ね備えています。お金を増やして守るために安心して取り組める選択肢として、貯金派の人もぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
米ドル定期預金 (1ヶ月) |
---|
年8.60% (税引後 6.852%) |
大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。