外貨預金はどの国の通貨がいい? 各通貨の特徴と選び方のポイント
(画像=NET MONEY編集部)

外貨預金を始める場合は、まず「どの国の通貨で預金するか」を決めます。しかし金融機関によっては、さまざまな国の通貨を提供しているため、迷う人もいるのではないでしょうか。本記事では、代表的な通貨の特徴や選び方のポイントについて解説します。

  1. なぜ外貨預金の通貨選びが重要か
  2. 外貨預金で選ぶべき通貨を決める3つのポイント
    1. 1.為替相場の安定性
    2. 2.金利の高さ
    3. 3.投資目的との合致
  3. 主要国の外貨預金比較
    1. 米ドル
    2. ユーロ
    3. 英ポンド
    4. 豪(オーストラリア)ドル
    5. NZ(ニュージーランド)ドル
    6. カナダドル
    7. 香港ドル
    8. シンガポールドル
    9. 中国元
    10. 南アフリカランド
    11. メキシコペソ
    12. トルコリラ
  4. 【タイプ別】外貨預金のおすすめ通貨
    1. 1.安全性を重視したい人【ユーロ・豪ドル・シンガポールドル】
    2. 2.積極的に利益を狙いたい人【南アフリカランド・メキシコペソ・トルコリラ】
    3. 3.資産分散を意識したい人【カナダドル・香港ドル・中国元】
    4. 4.為替変動を利用して利益を得たい人【米ドル・NZドル・英ポンド】
  5. 外貨預金を始める際の注意点
    1. 為替手数料(為替スプレッド)
    2. リスク管理
  6. 自分に合った国と通貨を選ぶ重要性

なぜ外貨預金の通貨選びが重要か

外貨預金は、預金利息や為替差益の期待だけでなく、資産のリスク分散にも役立つ金融商品です。ただし、その効果は為替変動の影響を強く受けます。また、為替変動の傾向が通貨ごとに異なることに加えて、預金金利や為替手数料などは、金融機関および通貨によって異なるため、外貨預金をする際はどの通貨を選ぶかが非常に重要です。

「どの国の通貨が最適か」は、資産形成目的や状況、リスク許容度などによって変わります。さまざまな観点で自分にとって最適な選択をすることが大切です。

外貨預金で選ぶべき通貨を決める3つのポイント

外貨預金で通貨を選ぶ際のポイントを大別すると、「為替相場の安定性」「金利の高さ」「投資目的との合致」の3つです。それぞれのポイントについて見ていきましょう。

1.為替相場の安定性

外貨預金では、為替レートの変動により為替差益や為替差損が発生します。為替レートの動きは政治や経済情勢、各通貨の取引、流通量などの影響を受けるため、通貨ごとに安定性が異なります。為替変動が大きい通貨は、ハイリターンを狙える一方で、損失のリスクも高まります。

そのため資産形成に外貨預金を活用したい場合は、為替相場が安定している通貨を選ぶのがいいでしょう。一般的には、政治や経済の情勢が安定し、取引、流通量が多いほど為替の動きも比較的安定する傾向です。米ドルやユーロなど世界の主要通貨は、流通量が多く比較的相場の安定性があります。逆に新興国の通貨は、流通量がまだ少なめで為替の動きも大きい傾向です。

2.金利の高さ

外貨預金は、円預金に比べて高金利である点が魅力の一つです。金利は、金融機関によっても異なりますが、一般的に各国の政策金利に沿って動く傾向があり各国通貨によって金利に差があります。外貨預金でより多くの利息収入を見込みたい場合は、金利の高さに注目して通貨を選ぶのもいいでしょう。

ただし、高金利の外貨預金で多くの利息を得られるとしても、円貨に換算する際に為替手数料が多くかかれば、円ベースでの手取り利息はさほど多くないケースもあります。金利と同様に為替手数料も金融機関および通貨によって異なるため、金利を比較する際には「為替手数料がかかったうえで、どの程度の利息を見込めるか」という視点で選ぶようにしましょう。

一般的には、外貨預金金利も為替手数料も新興国通貨のほうが先進国通貨よりも高い傾向です。

3.投資目的との合致

外貨預金に限ったことではないですが、金融商品に投資する際には目的に合っていることが大切です。例えば「短期的に収益を確定させたい」「長期的にじっくりと資産を増やしていきたい」など、外貨預金を活用する目的に合った通貨を選ぶことが求められます。仮に為替の動向を見ながら何度も預金を円貨で出し入れするのであれば、為替手数料が高い通貨は向いていないかもしれません。

また長期的に運用を続けたいのであれば、金利と損失リスクが高い通貨よりも、金利は低めでも為替変動が安定している通貨のほうが向いているでしょう。このように投資目的をはっきりさせることで、自分に合う通貨を選びやすくなります。

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大和ネクスト銀行ロゴ
米ドル定期預金
(1ヶ月)
年8.60%
(税引後 6.852%)
・2025年1月28日現在。円からの預入時
・上記金利で1ヶ月(30日)1,000米ドルお預入れいただく場合の受取利息計算例:1,000米ドル×8.60%×30日÷365日×79.685%=約5.63米ドル
・外貨定期預金の通常金利は、個人のお客さまが1,000米ドルお預入れの場合、米ドル1ヶ月定期:年3.00%(税引後2.390%)です。
・外貨定期預金の初回満期日以降の利息は、「自動継続」の場合は満期日(継続日)当日の同一期間・同一通貨の大和ネクスト銀行所定の外貨定期預金金利によります。

大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。

主要国の外貨預金比較

外貨預金の通貨を選ぶ際は、代表的な通貨の特徴を押さえておくことが大切です。ここでは、12の通貨について解説します。

米ドル

米ドルは、国際的な取引としても利用されている「世界の基軸通貨」で取引量は世界トップです。為替相場の安定性にも比較的優れていますが、米雇用統計の発表などにより為替相場に大きな影響が出ることもあります。とはいえニュースなどで「円安」「円高」といった報道は、円と米ドルの関係を表している場合がほとんどです。そのため為替相場の変動についての情報も得やすい特徴があり、初心者でも始めやすい通貨といえます。

ユーロ

欧州統一通貨となるユーロは、2025年1月時点において20ヵ国で法定通貨として利用されており、米ドルに次ぐ取引量を持つ「第2の基軸通貨」ともいわれています。為替相場は、比較的安定していますが、欧州圏主要国のドイツやフランスの経済情勢に影響を受けやすいのが特徴です。また、ユーロには米ドルの対価的な面もあり経済動向などに応じて「米ドルを売ってユーロを買う」「ユーロを売って米ドルを買う」といった取引が行われることも多くあります。ユーロを選ぶ際には、米ドルの動向にも注視しておくといいでしょう。

英ポンド

ユーロの登場で世界全体での取引量は減少しつつありますが、国際的な取引や金融市場における取引では極めて重要な役割を持つ通貨です。米ドルやユーロに比べると為替相場が変動しやすいものの、信頼性や安定性は高めです。

豪(オーストラリア)ドル

オーストラリアは、鉄鉱石を中心とした豊富な鉱物資源に恵まれていることから、国際的な資源市場の動きと関連している通貨です。オーストラリアの最大の輸出国となる中国経済の影響を受けやすいのが特徴です。

NZ(ニュージーランド)ドル

ニュージーランドは、農産物輸出国として有名です。そのためNZドルの為替相場は、農産物価格の変動の影響を受けやすい特徴があります。世界的な取引量は少なめで、為替動向は経済的な結びつきが強い隣国の豪ドルと似ています。

カナダドル

カナダは、森林資源や天然ガス・ウランなどの鉱物資源にも恵まれており、原油の埋蔵量・生産量は先進国ではトップクラスです。そのため資源価格の値上がりによりカナダドルも上がり、資源価格の値下がりによりカナダドルも下がる傾向があるのが特徴といえます。また国境をともにする米国との経済の連動性が高いため、米国の金利動向や経済状況に気を配ると良いでしょう。

香港ドル

香港ドルは米ドルと連動するペッグ制が採用されています。そのため為替相場は安定しており、国際金融都市である香港の影響を受け、金融市場や国際取引で利用されることが多い通貨です。一方で、中国経済やアジア地域の経済動向の影響を受けやすい特徴もあります。

シンガポールドル

東南アジアの金融ハブであるシンガポールの法定通貨で、経済的・金融的な安定性に優れています。シンガポールの政府が管理する為替制度(通貨バスケット制)により、他の東南アジア諸国通貨よりも為替の変動が小さいのが特徴です。また、国際取引における信用が高く、周辺アジア地域の経済の動向に敏感な通貨でもあります。

中国元

世界第2位の経済大国である中国の影響力から、国際的な重要性が増しています。人民元は、部分的に自由化された通貨で、中国政府が管理する為替制度(管理変動相場制)に従っています。アジア地域や新興国市場での貿易に広く使われる一方、政策変更や中国経済の成長率に大きく左右される特性があります。

南アフリカランド

南アフリカは、金やプラチナなどを輸出する資源国であり、鉱産資源の価格の影響を受けやすいのが特徴です。BRICsの一角を担う南アフリカは新興国に分類され、金利は比較的高い傾向があります。しかし国内の政情不安により急激に為替が変動する可能性があるため、注意が必要です。リスク許容度が高い投資経験者向きの通貨といえます。

メキシコペソ

新興国の中でも取引量が多い通貨で、特にアメリカとの貿易や経済関係が深く、米国経済の影響を受けやすい特徴があります。また、石油などの天然資源の輸出国であるメキシコの産業構造から、国際的な資源市場の動きにも関連しています。為替相場は比較的変動が大きいものの、流動性が高い通貨として知られています。

トルコリラ

トルコリラは、金利が比較的高い通貨です。しかしトルコ内部の政情や中東エリアの国際情勢、先進国の政策などによる影響を受けやすく価格変動率(ボラティリティ)が高いため、慎_重に投資判断が必要です。南アフリカランド同様、リスク許容度が高い投資経験者が余裕資金で取り組むのに適した通貨といえます。

※参考:大和ネクスト銀行「通貨の特徴と選び方」
※ 金利は年利率および税引前
※ 外貨定期預金金利は、円貨からの預入時(預入期間1年)
※ 2025年1月28日現在
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米ドル定期預金
(1ヶ月)
年8.60%
(税引後 6.852%)
・2025年1月28日現在。円からの預入時
・上記金利で1ヶ月(30日)1,000米ドルお預入れいただく場合の受取利息計算例:1,000米ドル×8.60%×30日÷365日×79.685%=約5.63米ドル
・外貨定期預金の通常金利は、個人のお客さまが1,000米ドルお預入れの場合、米ドル1ヶ月定期:年3.00%(税引後2.390%)です。
・外貨定期預金の初回満期日以降の利息は、「自動継続」の場合は満期日(継続日)当日の同一期間・同一通貨の大和ネクスト銀行所定の外貨定期預金金利によります。

大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。

【タイプ別】外貨預金のおすすめ通貨

ここまで紹介した外貨預金で通貨を選ぶポイントや主な通貨の特徴を踏まえ、投資家のタイプ別におすすめの通貨を紹介します。

1.安全性を重視したい人【ユーロ・豪ドル・シンガポールドル】

できるだけ為替変動による損失リスクを抑え、安全性を重視したい人には「ユーロ」「豪ドル」「シンガポールドル」がおすすめです。ユーロは、20ヵ国で法定通貨として利用され、流通量も為替相場も安定しています。為替動向もニュースなどでチェックしやすいため、損失を避けるための対策もしやすいでしょう。

豪ドルやシンガポールドルも信頼性が高く、長期的に運用していきやすい通貨です。これらの通貨は、リスクを抑えた資産運用に向いています。

・こんな人にピッタリ:外貨預金の初心者でリスクを避けたい人、長期的に資産を守りたい人

2.積極的に利益を狙いたい人【南アフリカランド・メキシコペソ・トルコリラ】

積極的に利益を狙いたい人には「南アフリカランド」「メキシコペソ」「トルコリラ」がおすすめです。いずれも新興国通貨に分類されるこれらの通貨は、先進諸国の通貨に比べて金利が高く、より多くの利息収入が期待できます。また為替変動が大きいため、円安になったタイミングを狙って売れば大きな為替差益を狙えるでしょう。

一方で、通貨価値の変動リスクが大きいということは多額の為替差損を被る可能性もあります。一般的にどの通貨も為替手数料が高めなため、タイミングをうまくつかんで売買するなどの投資テクニックも必要になりそうです。

・こんな人にピッタリ:リスク許容度が高く、積極的に利回りを狙いたい人

3.資産分散を意識したい人【カナダドル・香港ドル・中国元】

外貨預金の通貨を分散し、第2、第3、第4となる通貨を探している人におすすめなのが「カナダドル」「香港ドル」「中国元」です。個々の通貨を見ると、それぞれに特徴や情報量、世界での流通量などに違いがあります。しかしこれら3種の通貨は、いずれも米国の経済状況や政策に連動しているため、為替相場が比較的安定しており為替動向がつかみやすい点がメリットです。ポートフォリオの多様性を高め、安定と成長のバランスを保った資産形成に最適といえます。

・こんな人にピッタリ:投資のリスク分散を考え、グローバルな資産運用を目指す人

4.為替変動を利用して利益を得たい人【米ドル・NZドル・英ポンド】

為替変動を利用して利益を得たい人には、「米ドル」「NZドル」「英ポンド」がおすすめです。これらの通貨は、為替の変動幅が比較的大きいため、タイミングを見計らって為替差益を狙いやすい特徴があります。とはいえ新興国通貨とは違い、「米ドル」「NZドル」「英ポンド」ともに通貨の安定性は比較的良好です。仮に変動幅が期待通りではなくても次のタイミングを待つこともできるでしょう。

・こんな人にピッタリ:為替レートに敏感で、取引のタイミングを重視した運用をしたい人

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(1ヶ月)
年8.60%
(税引後 6.852%)
・2025年1月28日現在。円からの預入時
・上記金利で1ヶ月(30日)1,000米ドルお預入れいただく場合の受取利息計算例:1,000米ドル×8.60%×30日÷365日×79.685%=約5.63米ドル
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外貨預金を始める際の注意点

通貨の目星がついたら実際に外貨預金を始める前に注意すべき点も確認しておきましょう。

為替手数料(為替スプレッド)

基本的に外貨預金は「円から外貨」に両替して預け入れ、「外貨から円」に両替して払い戻す仕組みです。多くの場合、この2つの両替のタイミングで為替手数料が発生します。外貨預金で通貨を選ぶ際に為替相場の安定性や金利に注目することは大切ですが、為替手数料を考慮したうえで利益を見積もることも重要です。

為替手数料は、金融機関や通貨によって異なりますが、一般的に流通量が多い通貨は低めで流通量が少ない通貨は為替手数料が高くなります。金融機関によっては、同じ通貨でも「円から外貨(預入時)」への両替時と「外貨から円(払戻し時)」への両替時の為替手数料に違いを設けているところや「円から外貨(預入時)」の手数料を無料にしているところなどさまざまです。

そのためトータルでかかる為替手数料で検討するようにしましょう。為替手数料が高いほど手取り利益が少なくなるため、できるだけ為替手数料の低い金融機関を選ぶことが大切です。

リスク管理

外貨預金をする場合、リスク管理にも注意が必要です。外貨預金に為替変動リスクがあることは、すでに説明しましたが、他にも「流動性リスク」や「信用リスク」などのリスクを伴います。

・流動性リスク
換金に制限がある場合や外貨定期預金のように解約できない期間がある場合のリスクです。万一、お金が必要なときと換金の制限が重なることがあっても大丈夫なように、通貨や預金種類・預入期間の選択に注意する必要があります。

・信用リスク
外貨預金をする金融機関が財政悪化などにより外貨預金の払い戻しができなくなるなど、預金の支払い不能が生じるリスク(債務不履行リスク)のことです。外貨預金は円預金と異なり、「預金保険制度」の対象外です。そのためできるだけ健全性の高い銀行を選ぶのがおすすめです。

自分に合った国と通貨を選ぶ重要性

外貨預金は、通貨によって「金利」「為替変動」「為替手数料」の度合いが異なります。一般的に金利が高い通貨は為替変動や為替手数料が高め、金利が低い通貨は為替変動や為替手数料が低めの傾向です。どの通貨がいいかは、自分の投資目的やリスク許容度によって変わってきます。それぞれの通貨の特徴を知り、自分の目的に合った通貨を選ぶことで資産運用を成功に導きましょう。

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米ドル定期預金
(1ヶ月)
年8.60%
(税引後 6.852%)
・2025年1月28日現在。円からの預入時
・上記金利で1ヶ月(30日)1,000米ドルお預入れいただく場合の受取利息計算例:1,000米ドル×8.60%×30日÷365日×79.685%=約5.63米ドル
・外貨定期預金の通常金利は、個人のお客さまが1,000米ドルお預入れの場合、米ドル1ヶ月定期:年3.00%(税引後2.390%)です。
・外貨定期預金の初回満期日以降の利息は、「自動継続」の場合は満期日(継続日)当日の同一期間・同一通貨の大和ネクスト銀行所定の外貨定期預金金利によります。

大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。