株式会社識学
(画像=株式会社識学)
安藤 広大(あんどう こうだい)
株式会社識学代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス(現:ライク)のジェイコムで取締役営業副本部長等を歴任。
2013年、「識学」という考え方に出合い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。
2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。
2019年、創業からわずか3年11カ月でマザーズ上場を果たす。
2023年9月現在で、約3500社以上の導入実績があり、注目を集めている。
最新刊『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)の他に、ベストセラー『リーダーの仮面』『数値化の鬼』(ダイヤモンド社)などがある。
株式会社識学
株式会社識学では、識学を使ったコンサルティングサービスを行っています。 識学(「意識構造学」の略)は、組織の"継続的な成長"を実現するためのマネジメント理論です。 識学を学び実践することで、組織に発生する様々な”ムダ”が排除され、組織成長にとって本当に必要な部分のみにリソースを集中させることができます。

組織の拡大の過程で苦労した点と、乗り越えるための施策

当社は組織運営を専門とする会社であるので、割と早いタイミングで厳格な評価制度を導入し、社員教育のマニュアルもずっとアップデートしてきました。それによって、他社よりは事前に苦労やトラブルを防げてきたかと思います。しかし、創業して7期目までは順調でしたが、8期目で初めて破綻が生まれました。具体的には、それまでは組織が成長すればそのまま売上が伸びていたのが、ニーズを拡大できてない状況のなかで人を増やしすぎてしまい、人が余る、一人あたりの受注率が下がるといった問題が発生し、結果的に退職者が多く発生してしまいました。9期目の現在は業務の体制の見直し等を行い、ある程度整理ができている状況です。

従業員に求めるものと事業のターゲット

従業員に求めるものは、創業以来大きくは変わっていません。プラスアルファのスキルを身につけてほしいというよりは、組織に発生する誤解や錯覚を取り除く「識学」という理論をを十分に理解して、それをしっかり伝えることができるスキルを求めています。サービスもシステマチックになってきており、属人性をできる限り排除することにも取り組んでいるため、決まったルール通りに運営することを重視しています。

事業のメインターゲットは中小のベンチャー企業がメインです。エンタープライスの企業も徐々に増えていますが、売上の構成の大半はまだ中小企業がほとんどです。

大企業にも積極的に導入していきたいと考えていますが、識学は経営者が成果を上げれてないことが浮き彫りになるサービスでもあるため、導入の最終的な意思決定者になることが多い経営層に抵抗されてしまうことも多いです。この点は、彼らを説得するというよりは、社会が「識学」を必要なもの、避けては通れないものだと認知するという状態まで持っていかなくてはいけないと思っています。

従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること

人をしっかり育成・成長させることで経営戦略を達成していくことについては、特筆すべき取り組みはありません。当然やるべきものとして、日々従業員が成長するように教育しています。逆に、その発想がない企業は危ないと思います。

今後の成長ストーリーや未来構想

組織コンサル系の会社の場合、独自のロジックで研修を行っている会社は、ほとんどの場合は個人商店で終わってしまいます。ある程度人数が増え、組織が仕組み化し、再現性あるコンサルティングができるようになると次のステージと言えるかと思いますが、当社はまさに今ここだと考えています。今後の成長ストーリーとしては、次は大手のコンサルティング会社のように営業しなくても依頼がある会社を目指しています。

そのためには、結局は一足飛びはないと常に思っています。足元のお客様の企業の実績をしっかり伸ばしていくのに加えて、当社はファンド事業も行っているため、そこでも実績をしっかり上げるのが重要です。さらに、子会社であるバスケットボールチームの経営成績も上げ、しっかりとアピールしていきたいと思っています。それによって、多くの企業が手を上げてコンサルを導入したいと思ってくれるような形をこの4、5年で作っていきたいです。

ステークホルダーの皆様へのメッセージ

創業してから7年間ぐらいは非常に順調に来ましたが、8年目から9年目は色々苦労しました。しかし、ようやく軌道に乗ってきたと言えると思います。

自分たちのポジショニングを考えると、単に研修を行う会社でもなければ、コンサル会社でもなく、独自のメソッドを世の中に広げていく会社だと認識しています。つまり、新たなマーケットを作っている会社で、コンテンツメーカーでもあります。

現在、「識学」という新たなマーケットを作っていますが、これまでは順調だったものの、かなり難易度の高いことにチャレンジしているとは思っています。ただ、「識学」は市場認知も向上してきており、徐々にマーケットも出来上がりつつあります。マーケットが完成した時には、当社の独占市場となるため、コンテンツホルダーとしての戦い方は無限に広がっていきます。今後営業がいらない会社になった際には打ち手もどんどん広がっていくため、ぜひこれからの動向をご注目いただければと思います。