パーソルキャリア株式会社様
(画像=パーソルキャリア株式会社)
大竹 航(おおたけ わたる)
パーソルキャリア株式会社人事本部 本部長
2002年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。人材派遣・人材紹介など、一貫して企業の採用関連業務に携わる。
2013年より新卒領域を担当。新卒紹介サービスの「doda新卒エージェント」、スカウト型新卒求人サービス「dodaキャンパス」を立ち上げ、2015年にはベネッセコーポレーションとともに、合弁企業「ベネッセi-キャリア」を創設。取締役として就活支援事業全般を管掌。
2023年4月より、パーソルキャリア人事本部 本部長に就任し、ミッション推進を支える人事施策をけん引。
パーソルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社は、パーソルホールディングス株式会社の子会社であり、パーソルグループの中で、経験者採用・副業・新卒採用領域を担う中核会社。 -人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。 2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。 グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。 当社のミッションについて:https://www.persol-career.co.jp/mission_value/detail/

ダイバーシティ経営の取り組み

まず前提として、当社では、パーソルグループの「はたらいて、笑おう。」というビジョンのもと、個人が自分の「キャリア」に対して主体性を持って取り組む「キャリアオーナーシップ」という考え方を強く推進しています。

パーソルキャリア株式会社_キャリアオーナーシップ
(画像=パーソルキャリア株式会社_キャリアオーナーシップ)

人が人生で幸福感を感じる要因は、「所得」や「学歴」よりも「自己決定」が強い影響を持っていることが明らかになっています(※)。同様に、仕事でも充実感を得たり、はたらいて笑うためには、自分でキャリアやはたらき方を選択できることが重要だと捉えており、当社ではそのための環境や文化を作ることが一番大事だと考えています。そのなかで、ダイバーシティ経営は筆頭にあり、現在重きを置いて取り組んでいます。

※出典:RIETI 独立行政法人経済産業研究所「幸福感と自己決定―日本における実証研究

ダイバーシティ経営の取り組みで苦労した点と、乗り越えるための施策

1つは女性管理職比率の向上があります。当社では会社全体の女性社員比率が5割を超えるのですが、管理職に占める女性の割合は約3割に留まっています。これを2030年までに50%にすることを会社として目指していますが、どうしても総論賛成、各論反対になりやすい議論であるため簡単ではありません。

会社に女性管理職が増えること自体には前向きであっても、そのための手段として、特定の社員に向けて何か特別な策を打つこと自体には、公平性や育成の観点から反対、という意見も出てきます。現場が疑問を感じないように調整していかなければいけません。

また、必ずしも皆が管理職になりたいと思っているわけではない点も考慮する必要があります。実際に21年度に行った社内アンケートでは、男性と女性の「管理職になりたい意向度」には1.5~2倍程の開きがあり、女性の方が低い結果になりました。

理由はいくつかありましたが、現在一般社員である管理職直前の方々は20~30代前半が多く、子育てとの両立ができるか不安だとの声が見られました。また、既に管理職でさらに上級の管理職を目指す層では、経営陣の男性比率が多く、やっていけるのか漠然とした不安があるというコメントもありました。

そういった不安を改善すべく、環境面でできることとしては、残業抑制や家事・育児代行サービスの費用補助といった施策を推進しました。また、一般社員向けの説明会や女性管理職との座談会の機会を作ることで、管理職と育児は両立できないものではない、会社として積極的に改善しようとしているという姿勢を丁寧に伝える取り組みも行っています。

取り組みを行う前後の変化や取り組み後の反響

このような取り組みを1年ほど行ってきましたが、管理職直前層については、説明会や座談会に参加した女性社員の管理職意向が高まり、昨年度はあった男性との差異もほぼ解消されました。

一般管理職から上級管理職を目指す層では、より広い視点を持ってもらうことを目的として、月1回、役員と1on1を実施する「スポンサーシッププログラム」も用意しました。この取り組みでも、上級管理職への意向が高まりました。

従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること

会社としてキャリアオーナーシップを推進する上で、会社の利益と個人の利益を両立させる仕組みを整備することに取り組んでいます。

例えば、年2回、希望する職場への異動申請を出せる「キャリアチャレンジ制度」では、現部署での引き止めを受けないよう、希望先の上司と面談してOKがでたら原則として異動を認めなければならない、という仕組みにしています。

また、さらに、約70,000人の社員のいるグループ間での「スカウト制度」も設けています。これはビジネスSNSのような建付けで、気になる社員がいればグループを跨いでスカウトができる制度です。キャリアチャレンジ制度は社員自ら希望を出しますが、この制度ではスカウトを受けるので、今まで本人自身が気づかなかった新たな可能性を知ることもできます。キャリアチャレンジ制度は実施している会社も少なくないかと思いますが、このスカウト制度はパーソルグループならではのユニークな制度だと思います。

また、社員の副業支援についても積極的に推進しています。人材不足の現在、一般的には社員のパワーやスキルを自社に全て使ってほしいと考える企業も多いかと思いますが、当社はあえてスキルを外でも活用できるような支援をしつつ、その上で、パーソルキャリアで働くことを選んでもらえることを目指しています。

理想とする組織像と従業員への期待について

パーソルキャリア株式会社
(画像=パーソルキャリア株式会社)

社員と会社の関係性は大きく変わってきており、さらにもっと変わっていく中で、「社員一人ひとりと会社の信頼関係」は一番大切な点だと考えています。

我々はキャリアオーナーシップを推進していますので、社員の意思を損じてしまうことや、キャリアに関する制限を感じさせてしまうような仕組や慣習はできる限り取り除いていけるように心がけています。社員には広くチャンスを開くことを重視しつつ、最終的にパーソルキャリアを選んでもらえる状態にしたいと考えています。

その上で、本日のテーマであるダイバーシティは非常に重要です。多様性を受容できる体制が整えば、社員の要望も変わってくるはずです。組織と社員でたくさん会話をしながら、しっかりと推進していきたいと考えています。