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(画像=株式会社ケア21 )
依田 雅(よだ まさし)
株式会社ケア21 代表取締役社長
1978年2月4日生まれ。大阪府出身。2012年にケア21に入社後、2020年に代表取締役に着任。
中長期的な経営視点とフレキシブルな対応で事業拡大とサービスの拡充に従事。
経営理念の一つである「現場第一主義」を貫き、介護現場課題を解消するためのICTの推進とご利用者満足のための人財育成に注力。
100年続くいい会社づくりを目指す。
株式会社ケア21 
訪問介護事業からスタートしたケア21は、ご利用者様の様々なご要望にお応えするべく、介護、医療、障がい者(児)支援、教育・保育、暮らし・文化の分野に事業を拡大。
グループで全国に600を超える事業所を展開し、あらゆるサービスで暮らしをトータルサポートする【総合福祉企業】へと成長を遂げました。
「地域オンリーワン企業」を目指しご利用者様本位のサービスを提供し、豊かな社会づくりに貢献します。

これまでの事業変遷について

冨田:初めに、設立から現在までの事業の変遷について教えてください。

株式会社ケア21 代表取締役社長・依田 雅氏(以下、社名・氏名略): 当社は、ヘルパーさんをご自宅に派遣する訪問介護事業からスタートし、現在、高齢者向けの事業として、「訪問介護事業」「有料老人ホーム事業」「グループホーム事業」の3つ事業をメインで展開しています。これらの主力事業以外にも「居宅介護支援事業(ケアマネジメント)」「デイサービス事業」を運営しています。この他、ご利用者様からいただく多くのご要望にお応えしたいという想いから様々なサービス展開に挑戦し、医療・教育・暮らしにまつわるサービスを幅広く提供しています。

他業種から参入された他社様の場合、介護は1つの事業ファクターに過ぎない場合も多くあります。しかし、 当社は介護からスタートし、介護事業を主戦場としている「介護・福祉の総合企業」であることが大きな特徴の1つです。

経営判断をする上で最も重視していること

冨田:依田社長は約3年前にグループの代表に就任されていますが、経営の中で意思決定の際に重要視している点について教えてください。

依田 :意思決定の中で、「正しさ」よりも「適切さ」を重要視しています。「介護」というと、一緒くたに捉えられがちですが、「訪問介護」と「施設介護」ではサービス内容が全く異なります。事業部ごとに課題や状況は様々ですので、上意下達的に「これが正しい」と指示を出すのではなく、現場に寄り添い「今本当に必要なものは何か」を見極めることを心がけています。

もちろん経営としては10年単位の長期ビジョンを掲げていく必要がありますが、介護事業の特性上、競争優位性を発揮する上でも人材は非常に重要です。ビジョンに固執することで経営と現場の乖離が起こる、ということがないようにその時々の状況に合わせて柔軟に意思決定をしていきたいと考えています。

また、組織的にも変革を遂げていくことが必要です。先代がカリスマ経営者だったこともあり、以前はトップダウン的な色の強い組織体制でした。意思決定の速さと事業推進力を兼ね備えていた一方で、社員が受け身の姿勢になる傾向にありました。弊社のスローガンである「100年続くいい会社」を実現していくためにも、今後組織変革には注力していく必要があると考えています。

もちろん、時と場合によってはトップダウン要素は必要ですが、100年続く会社を目指す上では、現場やマネジメント層からボトムアップ的に事業を牽引できる組織である必要があります。まだまだ私も苦戦していますが、「適切な」意思決定をする中で最適な組織を作っていきたいです。

冨田:社長が「正しさ」よりも「適切さ」と仰った言葉の意味が非常によくわかりました。コーポレートガバナンスの中でも、サクセッションプランニングは非常に重要なテーマの1つだと思いますが、御社の場合、理想的なサクセッションプランニングを実践されていると感じました。

自社が今後関連していくテーマ

冨田:今後の未来に向けて、会社として大事にしているテーマについても教えてください。

依田:1つ目は、先程申し上げた100年続く会社を作るために、カリスマ的な組織体制から、ボトムアップも取り入れたバランスの良い組織体制への変革です。

2つ目は、「2040年問題」への対応です。内閣府の発表で2040年以降は高齢者の人口が減ることが明らかになっており、この環境変化に対応できるかどうかが、100年続く企業を目指すに当たっての大きなポイントです。当社はこれまで積極的な事業投資を続けてきましたが、今後は2040年を見据えて、「どの事業に投資をして伸ばしていくのか」を慎重に見極める必要があると考えています。もちろん、まずは目の前のお客様に満足していただくことが最も重要ですので、今まで通り現場では堅実にサービスを提供しつつ、経営としては15年後、20年後を見据えた意思決定をしていきます。

思い描いている未来構想

冨田:今後の未来構想についてはいかがでしょうか。

依田:2040年以降に予想される日本市場の縮小に対応するために、海外での介護事業の展開を模索しています。従来より日本国内での人手不足に対応するために、ベトナムの技能実習生や留学生の受け入れを実施しており、現地で日本語学校を立ち上げ、採用も行ってきました。これに加えて、2025年にはベトナムへの介護施設の出店も検討しており、日本で働いている技能実習生や留学生が帰国後も当社の介護施設で働ける環境を整えていく予定です。ベトナムでも、いずれ高齢化社会は確実に訪れるので、日本で培ってきた介護事業のノウハウを輸出し、現地でのシェア獲得を目指していきたいです。ベトナムでの成功を納めた後は、他の国でも同様の展開を検討しています。

株式会社ケア21
(画像=2025年に開設を予定しているケア21の有料老人ホーム (完成イメージ) )

ZUU onlineのユーザーに⼀⾔

冨田:最後に、ZUU onlineユーザーに一言お願いします。

依田:少子高齢社会ということで、介護業界には他業種からの参入が続いており、業界として変化の激しい局面を迎えています。そんな中でも、当社は介護事業からスタートした会社として誇りを持ち、「社会的使命」「社会貢献」という視点でも、存在感を出していきたいと思います。決して派手な事業ではございませんが、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

氏名
依田 雅(よだ まさし)
会社名
株式会社ケア21 
役職
代表取締役社長