マンションを買ったものの、ライフスタイルや家族構成の変化などの事情により売却する事になったという方は、昨今増えてきているのをご存知ですか?
そんな方の中には、初めてのマンション売却で何から始めてよいのか、自分の不動産物件がどのくらいの額が相場なのかわからないし売る方法も知らないという方も多くいらっしゃいます。そこで今回はマンションを売却する時に相場を知る方法や売却の手順、高く売る方法を解説していきます。
自分の不動産マンション相場はどのくらい?まずは相場を知るところからスタート!
マンションを売却することを決めたらまずはじめにすることは、自分のマンションがどのくらいで売却できるのか、立地や専有面積・築年数などのデータから相場を把握する事です。これを知ることで、売却する時の金額をイメージしやすくなりよりお得に売却の交渉することにもつながります。
ここでは不動産マンションの各地域の相場や、自分のマンションの相場を知る方法について解説していきます。
大都市のマンション相場はどのくらい?東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、愛知の平均相場をチェック!
まずは自分が住むマンションの建つ土地の相場を調べてみましょう。簡単に相場を調べるには、自分の住んでる土地の検索「SUUMO]の検索を利用するとよいでしょう。例えばお住まいの地域が大阪府の場合、SUUMOのトップページから「エリアから売る時に頼れる会社を探す」で大阪府をクリックすると、マンション売却価格相場の画面が出てきます。(2021年10月調べ)これにより調べた東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、愛知は次のようになります。(画像を並べる)
この検索は都道府県レベルから市区町村レベルまで売却価格相場を知ることができるのでおススメです。また、検索を使って沿線・売却時期・専有面積・間取・売却価格の実績を知ることもでき、自分のマンションを売却する時の参考にすることも可能です。
高く売却するには周辺の物件の相場を知ることが大切
自分の不動産マンションを売却したい時にまず調べておきたいのが、自分の物件の周辺や近所にある物件の売却価格の相場です。近くにある物件で条件が近い物件の売却価格を調べて相場を知っておくことで、売却交渉の際に自分の売却したいマンションの査定価格が相場と比べて高いのか低いのかを測る基準になるので、大体の売却価格が想像できて売却する際の交渉材料にしたり売却価格の設定等の計画を立てやすくなります。
周辺の物件の相場を調べる時はなるべく自分の売却したいマンションの周辺の地域を中心に、築年数・立地・間取り・専有面積・最寄り駅までの距離が似ている物件の売却価格を調べて比較するのがベター。最初にこれらを下調べしておくことが、自分に有利になるように売却できる第一歩となります。しっかりと納得できるまで調べましょう。
相場を調べるには不動産一括査定がおすすめ
自分のマンションの売却相場を調べたいという時におすすめなのが、不動産一括査定サービスです。不動産一括査定サービスとは自分が売却したいマンションの情報をフォームに入力して送信するだけで一度に複数社で売却額の査定見積もりを出してもらえる無料サービスの事で、どなたでも気軽に利用する事が出来ます。
複数社から出た売却額の見積もりやサービスを手間なく比較できるので、初めて不動産マンションを売却するという方には特におすすめのサービスなのです。
不動産マンションの相場を調べてみよう
マンションを売却する時に自分の売却したい不動産マンションの相場を知ることは重要ですが、では実際に相場を知る方法にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは売却額の相場を調べる方法についていくつか解説していきます。
最近の市場動向や相場が知れるレインズとは?
最新の動向が知りたいという方におすすめなのが、レインズという最近1年分の不動産売却の相場や市場動向などを知ることができるネットワークシステムです。これは不動産流通機構が運営するネットワークシステムで、全国にある東日本、中部、近畿、西日本の4つレインズで不動産のマーケットデータや価格の動向などを調べることができます。
本来ならこのレインズというシステムは不動産業界向けのシステムで不動産会社しか閲覧できないものなのですが、一般の方向けに「レインズマーケットインフォメーション」を公開しているので、情報を得たい方はこちらにアクセスするとよいでしょう。地域ごとの不動産市場に出回っている成約時期、沿線、最寄り駅、築年、平米数、間取り、成約価格等の動向などを最新から1年間までさかのぼって見ることができます。
売却価格の動向はチェックしておくと、価格が上昇している時が売り時だということがわかりより高く売ることができるチャンスにつながります。タイミングよく少しでも高く売却したいという方はレインズマーケットインフォメーションで売却価格の動向を調べておくとよいでしょう。
取引価格が検索できる不動産取引価格情報検索とは?
国土交通省が公開している不動産取引価格情報検索も検索でヒットする物件の特定は容易にはできませんが、マンション売却を考えた時に参考になる情報が沢山得られるのでおすすめです。不動産取引価格情報検索とは3ヶ月毎にデータをまとめられて公表されている不動産情報を検索できるサイトで、1取引時期 2種類を選ぶ 3地域を入力すると過去5年間の四半期ごとの該当物件を検索してくれます。 さらに地域は沿線・最寄り駅や所在地などで検索ができ、自分が売却したいマンションの周辺地域の物件にしぼってより詳しい検索をすることも可能です。ここで得られるデータは所在地、最寄駅、取引価格、間取り、専有面積、築年数といった情報で、マンションを検索する際は2の種類を選ぶで「中古マンション」を選択すればヒットします。
売却する時期を見極めるなら東京カンテイの価格天気図
ファミリータイプのマンションの売却を考えている方は東京カンテイの価格天気図も大変参考になります。これは天気図という名前の通り、47都道府県のファミリータイプの中古マンションの売却流通の相場変動を月ごとに集計し天気図に例えて表示するというもので、全国の地図上に「晴れ→上昇傾向 薄日→やや上昇傾向 曇り→足踏み傾向 小雨→やや下落傾向 雨→下落傾向」というように価格変動に伴ってマークが表示される仕組みになっています。
例えば、東京都を見てみると、7月が晴れ、8月も晴れマークがついており、7、8月ともに上昇傾向にあることが一目でわかります。マンションを売却する時期や自分の地域の相場の変動をわかりやすく知ることができるので、不動産売却初心者におすすめです。
路線価図・評価倍率表でその土地の評価額を知ろう
その土地の評価額の相場を知るには国税庁が発表している路線価図・評価倍率表で自分の不動産マンションの建っている土地を調べるという方法もあります。路線価図とはその土地ごとの路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額が地図に掲載されているもので、物件の所在地で検索すれば路線価が定められている地域の土地等の評価額がわかります。
路線価が定められていない土地に関しては評価倍率表で調べることが可能です。評価倍率表とは路線価図で定められていない土地の評価をする時に利用する表の事を言います。マンションの場合だと「宅地」に相当するので宅地の価額を評価する場合における固定資産税評価額に乗ずる倍率を記載しています。
例えば自分の売りたいマンションの土地の固定資産評価額が100万円として、評価倍率表の宅地の倍率が1.1倍だったとすると、100万円×1.1=110万円が評価額ということになります。マンションをはじめ、築年数が古く建物自体にほとんど価値のない不動産の売却額や評価額のほとんどがその土地の評価額で決まるため、自分が売りたいマンションの建つ土地の評価額を知っておくことは大変重要になるのです。
不動産ポータルサイトで現在売り出し中のマンションの価格をチェック
自分の売却したいマンションの相場や価格動向などを調べたら、次は実際に現在売りに出されている自分の物件と類似の不動産マンションの価格を知っておきましょう。現在売り出し中のマンションの情報を知るには、不動産ポータルサイトで検索するのが一番早くて便利です。
不動産ポータルサイトとは、民間の会社が運営している不動産に関する情報を集めたサイトの事です。閲覧するのは主に不動産を買いたいという層ですが、物件の住所や最寄り駅・間取り・専有面積・築年数・駐車場の有無など細かい条件を指定して検索することができるため、自分の売りたいマンションに近いマンションの現在の売り出し価格が一度にまとめて知ることができるというメリットがあります。ただし、ここで表示される価格な実際に売れた時の価格ではないので、実際の売値はもう少し安くなるという見積もりでいる方がよいでしょう。
本格的に売却を考えたら不動産一括査定サイトで見積もりを!
売却するにあたって自分の不動産マンションの価格動向や評価額を見極めて、いざ本格的に不動産マンションを売ろうという決断をしたときにおすすめしたいのが、不動産一括査定サイトです。不動産一括査定サイトとは、申込フォームに物件の情報を入力して送信するだけで、そのサイトと提携している複数の不動産会社に一括で物件の査定を依頼できるサイトの事です。
マンションに限らず不動産を売却する時には、うちに近く土地勘があり有名企業だからなどの理由で1社でしか査定してもらわないというのはあまり得策ではありません。なぜなら、1社だけしか査定を依頼していないと他に比較対象がないため、その1社が本当に自分の不動産マンションの相場や価値を適正に査定しているのかが分からず損をしてしまう可能性があるからです。不動産会社の中には売買契約成立後の仲介手数料を高額にするために最初は高い査定額を提示するというところもあり、複数社に査定を依頼するのは不動産売却する時の基本中の基本と言えるでしょう。
しかし個人で複数社の不動産会社に査定を依頼するのは、1社1社で交渉したり電話をかけたりしないといけないので大変なことです。それを情報を入力するだけで、一括で簡単に無料で査定してもらえるのが不動産一括査定サイトのメリットなのです。ただし正確に査定をしてもらわないと、実際に物件を査定してもらった時に条件が大きく異なると売却額が下がったりするので、どんな情報でも正確に入力する必要があります。
また、不動産一括査定サイト経由で査定を依頼すると、詳しい情報を把握するために不動産会社が依頼主に電話をすることがあるので、不動産会社からの電話に対応できる時間等を追記できるようなら追記しておきましょう。さらに、サイトによっては地方の過疎部の土地の査定は取り扱っていない可能性があるので、一度条件を入力してみて不動産会社が1件もヒットしないという場合は近くの不動産会社に査定お願いする方が場合によっては早い可能性があるということも覚えておきましょう。
築年数が経つにつれ変わっていくマンションの売却相場!
マンションに限らず不動産の価値は経年劣化を考慮に入れて算出されるため、マンションの築年数はとても重要な要素になってきます、いくら間取りや立地がよくても築年数が古いとそれだけで価値が下がってしまうという事もあるので注意が必要です。ここでは築年数が経つごとに購入価格からどのくらいの割合で価値が下がってしまうのかを検証し解説していきます。自分の不動産マンションの売るタイミングを見極めるためにもぜひ知っておきましょう。
築年数ごとの売却価格をレインズでチェック
まずはマンションや他の不動産の築年数ごとの売却価格を知るのにレインズの首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2021年07~09月】のデータを例に解説していきましょう。これによると東京都の~築5年の不動産の売却価格は7,107万円なのに対し、~築10年の売却価格は6,505万円と600万円近く下落しています。(表を挿入)こちらの表を基に築年数ごとに売却価格がどのような推移をたどっていくのかを検証していきましょう。
築浅でも築年数5年以内に比べここまで落ちる!築年数10年以内のマンションの場合
一般的に不動産業界では築年数が10年以内の物件の事を「築浅」物件と呼ぶのですが、先ほどのレインズのデータを見ると、築年数が6年以上10年以内の物件は築年数が5年以内の物件に比べて新築価格の80%まで下がるケースが多いようです。
先ほどのレインズの東京都のデータで見てみると~築年数5年の物件が7,107万円なのに対し、~築10年の売却価格は6,505万円で約91%まで売却価格が下がっています。築年数5年以内だと新築とほとんど変わらない価格で売却できるのを考えると5年違うだけでこれだけの差がついてしまうということです。
ただし、築年数が5年以上経っていてもそのエリアの開発が進んだ影響で交通網の整備が行われたり、商業施設がオープンするなど土地の評価額が新築の頃に比べて上がった場合は例外的に新築よりもよい査定額になる場合もあります。築年数が5年以内のマンションや、開発計画があるエリアのマンションをお持ちの方は頭に入れておいて売り時を見極めましょう。
築浅物件より20%も価格が下落する理由とは?築年数20年以内のマンションの場合
レインズの築年帯別成約状況の表によると、築年数5年以内の築浅物件に比べて~築15年の物件の価格は6,053 万円と約85%の価格にまで落ちてきました。一般的には築年数11~20年の物件の価格は新築・築浅の頃に比べて20~30%下落する事が多いようです。
理由の一つとして耐火建築として建てられたマンションなどの建物は築25年までは住宅ローンの控除が適用されるという制度があり、買主からすればこの控除をなるべく長い間受けて税金を安くする方がお得なため、築25年のタイムリミットが迫っている物件は築浅な物件に比べて人気がなくなる傾向にあるからということが挙げられます。しかしこの築年数でも土地開発の計画があって評価額が築浅の頃よりも上がっていれば高く売れるチャンスはまだあるようです。
経年劣化が進み築浅物件の60~50%の値段に。築年数30年以内のマンションの場合
さらに築年数が古くなって築21年~30年のマンションの場合はどうでしょうか。レインズの築年帯別成約状況の表によると、東京都の築年数30年以内の物件の価格は3,459万円と築浅物件の約49%にまで落ち込みました。これは何故なのでしょうか?
築年数25年が経過したマンションは住宅ローンの控除の対象外になってしまい、買主からすれば古いだけでなく税金もかかってしまう物件ということで人気がなくなるということがまず1点。さらに築年数が20年を過ぎるとどうしても内装に経年劣化が見られたり修復やリフォームが必要な個所がでてきたりと修繕費がかかってくるため、売却額を落とさないと売れないという理由が1点あります。このため、築年数が21~30年のマンションの価格は築浅の頃に比べて一般的には60~50%も低くなると言われています。
新耐震基準を満たしているかがカギとなる?築年数30年以上のマンションの場合
築年数が31年を超えたマンションの価格相場は、築浅物件よりも60%以上下がると言われています。レインズの築年帯別成約状況の東京都の表を見ても、 築30年~の物件の価格は 2,791万円と築浅物件の約39%までに落ち込んでいます。築年数が31年以上になると大抵の建物が法廷耐用年数に達するまでのカウントダウンが始まります。
このため資産価値がなくなり売却価格も下がってしまうというわけです。建物の外観だけでなく内装や室内設備の劣化が目立つようになり、経年劣化も進むので売却前のリフォームや修繕が必須になってきます。リフォームや修繕をしていない物件は一気に価値が下がるからです。
もう一つ重要な基準として1981年以降に建築された新耐震基準が適用されているマンションなのかということも大きなポイントになります。耐震基準を満たしていないマンションは地震の多い日本ではやはり不安材料になってしまうということで査定額に大きく影響します。売却したいマンションが新耐震基準を満たしているかどうかをしっかりチェックすることをおすすめします。
マンション売却の目安は築10年以内。相場を知って少しでも高く売ろう
ここまで築年数による価格の低下を検証してきましたが、結論としてマンションを少しでも高く売りたいなら築年数が10年以内が勝負だと言えるでしょう。
築年数が10年を過ぎると急激に価格が下がってしまい、逆に築年数が21年を超えるとまた緩やかな下降になっていきますが早めに決断して売ることで控除制限までの期間を長くできるなどの付加価値をつけて売ることができるのです。築年数20年を超えるとそれなりの額しかつかないということも自覚しておきましょう。
地域によっても違うマンションの販売価格
前章では主に東京のデータを例に検証してきましたが、他の地方のマンションの販売価格事情は一体どうなっているのでしょうか。同じくレインズの月例速報マーケットデータ全国版2021(令和3)年09月度の各都市のデータを見て比べていきましょう。2021年9月に販売数の多かった5都市を見ていくと、北海道中古マンション販売価格が1,970万円、東京都が2,453万円、愛知県が2,229万円、大阪府が2,720万円、福岡県が1,998万円というデータになっています。このデータを見ると、やはり東京・大阪などの大都市は販売価格が高めの傾向にあるようです。
逆に首都圏や都心部からは遠い地方ではこのようにそれぞれの土地によって不動産マンションの販売価格が異なるのばわかります。自分の売却したいマンションでの相場を知るためにもこれらのデータはしっかりチェックしておきましょう。
ここに気を付けよう!不動産マンションを少しでも高く売るコツ
自分の所有する不動産マンションを売る上で市場の相場を知ることの重要性はこれまでの前章で述べたとおりですが、ではどのような点に気を付ければ不動産マンションを少しでも高く売ることができるのでしょうか?ここでは、不動産マンションを高く売るための方法やコツについて解説していきます。
不動産一括査定サイトで一括査定するとこんなメリットがある
少しでも高く不動産マンションを売ろうと思うなら、仲介を依頼する不動産会社選びは重要なポイントになります。しかし売買の仲介をする不動産会社は全国に数多く存在するので、その中から精査を重ねてより信頼できる1社を選ぶというのはそう簡単な事ではありません。
そこでおすすめなのが不動産一括査定サイトです。一般的には不動産会社に売買の仲介をする時は、まずは机上査定で所在地・築年数・専有面積・間取りなどの物件情報から一次査定を受けて、納得できる査定が出れば訪問査定へと進みます。それぞれのフェーズでより良い不動産会社を選択するには机上査定を最低5社、訪問査定は最低でも3社に依頼するのがベターです。不動産一括サイトは必要情報を入力するだけで、机上査定の依頼のフェーズを複数社一括で出来るので手間がかからず、忙しい方でも気軽に査定を依頼できるというメリットがあります。
不動産会社の見極めポイントはその会社が強い領域に注目すること
不動産一括査定サイトで一括査定を申し込んだら次は本格的に査定依頼をする不動産会社を選ぶフェーズに入ります。この時不動産会社を見極めるポイントとして、その不動産会社が強みとしている領域は何かということです。例えば同じ分譲を得意とする不動産会社でも、一戸建ての売買に多く実績があって強い会社もあれば、分譲マンションの売買に力を入れていて販売実績もマンションに特化しているという会社もあります。
不動産マンションを売る場合は、当然分譲マンションの売買に強い会社を選ぶのがベストな選択なのです。不動産一括査定サイトで見積もりが出たら、気になる会社のWebサイトや不動産ポータルサイトなでで現在の販売物件を調べてみましょう。あとは、その不動産会社が自分の不動産マンションの近くにあり、その地域に土地勘のある会社なのかも重要なポイントなので、合わせてチェックするとよいでしょう。
専任媒介契約と一般媒介契約の違いを知ろう
どこの不動産会社に仲介を依頼するのか見極めがついて、いざ依頼をする時に結ぶのが媒介契約という契約なのですが、この媒介契約には専任(または専属専任)媒介契約と一般媒介契約という2種類の契約方法があります。
専任媒介契約とは文字通り1社に専任で契約を結ぶことで、それに対して一般媒介契約とは複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約の事を言います。ほとんどの不動産会社は、売却が成立すれば確実に自社に仲介手数料が入ってくる専任媒介契約を勧めてくるケースが多いと想定されます。
売主側が専任媒介契約にした場合のメリットとしては、前述のように契約した不動産会社が売買契約が成立すれば確実に仲介手数料を得られるため、積極的に販売促進に力を入れてもらえるのと、不動産会社のネットワークシステムであるレインズへの物件情報の登録が義務付けられているため、自分の近所だけでなく全国各地から検索が可能になりマンション物件を探している方に幅広く情報を公開することができ、買い手が見つかりやすくなるという点です。
一方、デメリットとしては、専任で契約した不動産会社のさじ加減ひとつで高く早く売れるかどうかが決まってしまうという点です。一般的には媒介契約の期間は3ヶ月なので、なかなか売却が決まらず他の不動産会社と契約し直したいと思ってもこの期間中は不動産会社を変えることができないのです。
では逆に一般媒介契約の場合のメリットとは、まず複数の不動産会社に依頼ができるという点で、マンション物件を探している方に複数の不動産会社から幅広く物件を紹介できるという点と、それにより競合他社に売主の仲介手数料を奪われたくない不動産会社がお互いに競い合うことで早く買い手を見つけることができる可能性が高くなるという点です。
しかしその一方で、一般媒介契約の場合、確実に売主の仲介手数料が入ってくるわけではないので不動産会社によっては売却促進のモチベーションが低くなってしまい、優先順位が後回しにされてしまう可能性も否定できません。また、専属媒介契約とは違いレインズへの物件登録は義務付けられていないため、販売情報の行きわたる範囲が契約を結んだ不動産会社の紹介のみになってしまい全国的に幅広く買い手を探すことが困難になることも想定されます。
ここまで専任媒介契約と一般媒介契約それぞれのメリット・デメリットを紹介しましたが、自分の売りたい不動産マンションの状況や、早く売る事が前提・高く売ることが前提など売買の際の譲れない条件等も考慮に入れてどちらにする方がより自分の条件にマッチするのか見極めてから決定することをおすすめします。
「専任媒介契約」と「一般媒介契約」のメリット・デメリット
専任(または専属専任)媒介契約
〈メリット〉
・確実に仲介手数料を得られるため不動産会社に積極的に力を入れてもらえる
・レインズに登録が義務付けられているので全国的に広く買い手を探すことができる
〈デメリット〉
・契約した不動産会社の能力ひとつで売値や売却時期が決まる
・契約期間の最低3ヶ月は依頼する不動産会社を変更できない
一般媒介契約
〈メリット〉
・複数社と契約するので手広く買い手を探すことができる
・競合他社との競い合いで買い手が早く見つかることもありうる
〈デメリット〉
・確実に仲介手数料が入る契約ではないので不動産会社のモチベーションが低下する
・レインズに登録されないので幅広い地域に売却情報が行きわたらない
マンション買い換えの場合、売るのが先か?買うのが先か?
これまで賃貸で暮らしていて新しくマンションを購入して住み始める方や不動産資産としてのマンション物件を売却したいという方とは違い、自宅マンションを買い換えるために売却を考えている方にとっては、今住んでいるマンションを売却すると同時に次の住まいとなる新しい物件を購入するという作業をしなくてはいけません。
しかし売却と購入がほぼ同時に進むというのはレアケースで、大抵はどちらかを先行して進めなくてはならなくなります。「売り」と「買い」のどちらを先行させるにしても、それぞれにメリット・デメリットがありますので、それを解説していきましょう。
まず次に住むための新居を先に購入する「買い」を先行するケースの場合ですが、新居を先に購入することで、旧居の売却までの期限や売却価格に対するタイムリミットや値下げなどを気にすることなく売ることができるのと、新居探しもゆっくりと納得のいく物件を探すことができるのがメリットです。また旧居の売却後に新居を購入するまでの仮住まいをする期間がなくなるため、余計な出費を抑えられるというのもメリットと言えるでしょう。一方デメリットとしては、旧居の売却したお金を新居の購入に充てるという場合、最終的な売却価格がわからないので新居購入の予算の見積もりもしにくくなるという点が挙げられます。
また、旧居の売却金を新居購入に充てる場合は新居の引渡までに旧居を売却してお金を作らなければいけないため、売り急いで値下げしても売却するしかないという状況にならざる負えないという点もデメリットです。それに対して旧居の売却を先に進めてから新居を探す「売り」を先行する場合は、旧居の売却額が決定してから新居を探せるため、新居購入のための予算の見積もりがしやすいという点がメリットです。旧居の売却が確定してから新居を探すので売却時期のタイムリミットもないため、売却価格など自分の売却に関する絶対的な条件を変えずに納得のいく売却ができるのもメリットでしょう。
一方売り先行のデメリットとしては、旧居を売却後に新居の購入がなかなか決まらなかった場合、旧居を買主に引き渡してから自分たちが住む仮住まいを探さなければいけなくなる可能性があるという点と、そのような状況に陥った場合仮住まいの為の費用が発生してしまうため、少しでも費用を抑えようとすると焦りが生じて新居を余裕をもって探せないという点が挙げられます。
「買い先行」と「売り先行」のメリット・デメリット
買い先行
〈メリット〉
・新居を余裕をもって探してから売却できる
・売却後に仮住まいの費用が発生しない
〈デメリット〉
・売却価格が未定なので新居の予算の見積もりがしにくい
・売り急いで値下げせざる負えないなどのリスクが生じる
売り先行
〈メリット〉
・売却価格が確定しているので新居の予算の見積もりがしやすい
・売り急いで値下げなど不利な条件での売却を回避できる
〈デメリット〉
・売却から新居が見つかって購入するまで間があると仮住まいの費用がかかるリスクがある
・費用を抑えるために焦って新居選びをしないといけなくなる。
買いが先か売りが先かを決定するには自分の家庭の事情の他にも、相場の変動を見て考慮するのが賢い選択ができるポイントです。例えば売却相場が上昇トレンドにある場合は買いを先行させて家を安く買っておいてさらに上昇したところで売りに出すと買値よりも高く売れる可能性がありお得ですが、下降トレンドにある場合は先に売却しておいてさらに価格が下降したところで買うと旧居の売値よりも安く新居が買えてお得になるのです。
売却時のリフォームやクリーニングは必須?
自分のマンションを売却する時に、少し築年数が古いマンションの場合はリフォームやクリーニングをすることは、買い主にきれいな物件という印象を与えられるという点で考えると必須事項の様に思えますが、費用もかかるしリフォームやクリーニングの費用を売却価格に上乗せできるかどうかわからないという状況で行うのは費用面でリスクが高いというのをご存知でしょうか?売却を決めた時に、これらの費用面についても確認と実施の判断は必要になってきます。売却先のターゲットを基準に考えると、例えば新築マンションと中古マンションどちらかの購入を考えていて、購入後にすぐ住めてきれいな物件が希望の買主にとってはリフォームやクリーニングが済んでいる新築同様にきれいな中古マンションの方が、新築と同じくらいきれいなのに新築よりも安価に購入出来るマンションは魅力的に映るでしょう。逆に中古マンションを購入して自分好みの部屋にリノベーションして住みたいという購買層に対しては、そのまま引き渡して買主が購入後にリフォームできるリノベーション可能な物件の方が人気が高くなるというケースも考えられます。売却前にリフォームやクリーニングをするかどうか迷った時は、不動産マーケティングの専門家である不動産会社にもアドバイスをもらうとよいでしょう。
その売却価格は本当に適正価格?売却価格の設定について
自分の不動産マンションをなるべく早く高額で売却したいと考えるなら、売り出し価格の設定をどのくらいの価格帯にするのかも重要なポイントです。いくら高値で売りたいと言っても高額過ぎる金額だと買い手が躊躇してしまうし、逆に低額だと買い手は早くつくかもしれませんが相場の販売価格で売り出している物件よりも損をしてしまう可能性が高くなります。不動産売却の初心者の方は不動産会社と相談の上、どのくらいの価格で売り出すのが適正なのかを決めるのが無難でしょう。一般的によくされる価格設定としては、査定額よりも少し高めの価格で売りに出すというケースです。どのくらい上乗せするのはは物件によっても異なりますが、こうすることによって書い手が値下げ交渉をしてきた場合にある程度まで対応できるというのが主な理由です。もし自分のマンションを売りに出して、なかなか買い手がつかないという場合は価格の見直しも必要かもしれません。しかし値下の頻度が高いとマンションを購入する側からみると「この間からずっと値下がりしているこの物件はもう少し待てばまた根が下がるのではないか?」と思われて逆効果になる場合もあるので注意が必要です。1ヶ月ほど様子を見てそれでも買い手がつかない場合は100万円単位の大胆な値下も検討する必要があるということも覚えておきましょう。
不動産マンション売却の流れを把握する
初めてマンションを売却する方にとって最初はどのような手順を踏めばよいのか、マンションはどのようにして売れるのかというプロセスがわからずに気が付いたら損をしたり、やるべきことや用意するものがわからず余計な手間をかけてしまったりという事はよくある事です。ここではそんなマンション売却の初心者でもわかりやすいように必要な物や調べておきたい事、売却が完了するまでの流れなどを説明していきます。
マンションの売却価格の相場をチェックする
マンション売却を考えた時にまずすることは、売却するマンションの近隣にあるマンションの売却価格をチェックする事です。自分のマンションの近くにある間取りや築年数・専有面積などが似ているマンションの販売価格を調べて、大体の相場を知っておくことで後の売却交渉での判断基準になるので、しっかり調べておきましょう。
売却相場を調べる方法としては、国税庁や国土交通省など公的機関の発表している土地評価額の情報や不動産取引情報、民間の不動産ポータルサイトなどを利用するとスムーズに情報が集められます。不動産ポータルサイトには細かい条件を入力して情報を閲覧することができるサイトもあるので、自分の売却したい物件と近い物件の価格情報が入手しやすいのも特徴の一つです。例えば不動産情報サイトのSUUMOの場合だと売却相場を都道府県ごとに調べることができます。検索を利用すれば最寄り駅や沿線・間取り・専有面積・築年数などの細かい条件が指定できるのでおススメです。
売却の査定を不動産会社に依頼
相場を調べたら次はいよいよ不動産会社に売却査定を依頼します。売却査定には電話やパソコン上から売却したいマンションの概要データ(住所・専有面積・間取り・築年数・方位など)を伝えておおよその査定額を見積もりしてもらう机上査定と、実際に売却したいマンションに不動産会社の方に来てもらい詳細にわたって物件を調査する訪問査定の2種類があり、一般的にはまず机上査定を受けてから訪問査定を実施するという段階を踏んで進めていきます。
机上査定は手軽に行えるので、その不動産会社に仲介を依頼するのか決まっていない段階では査定の参考に出来ますが、いざ仲介をお願いするというフェーズに移行した時に、概要データだけではわからない実際の物件の状態を見て査定した方がより精度が高い査定を行えるからです。物件査定にかかる時間は机上査定でだいたい1~2営業日、訪問査定は周辺で売却された物件などの情報も調査する必要があるため査定完了に1週間前後かかるケースが多いです。机上査定は5~6社、訪問査定は2~3社にお願いするのが良いとされています。
不動産会社を選んで媒介契約を締結
複数の不動産会社に売却査定をお願いして納得のいく査定を提示してもらえた会社が見つかれば次は媒介契約を結びます。媒介契約にも2種類の契約方法があり、専任(専属専任)媒介契約と一般媒介契約のどちらかを選びます。
一般媒介契約の場合は複数社の不動産会社と契約が可能で、不動産会社同士が競合他社に打ち勝つために早く買い手を見つけてようとするため早く物件を売りたいという方におすすめです。また専任(専属専任)媒介契約は1社の不動産会社としか契約が出来ませんが、じっくりと相談しながら納得できる価格で売却したいという方にはこちらをおすすめします。
マンションを売りに出す
媒介契約が成立すれば、いよいよマンションを売りに出します。ここではマンションを売りに出すための販売価格を決める必要があります。ただしこの販売価格は必ずしも査定額そのままでつけるとは限りません。不動産会社によっては販売価格を査定額より少し高めに設定するよう推奨するところも多く、相場の動向や物件の状況などに寄り変動するのが一般的です。ここでしっかり不動産会社と相談して、適正な販売価格を蹴ってしましょう。
マンションの販売活動に協力する
不動産会社と媒介契約をして販売額を決めれば後はおまかせという訳にもいかないのがマンション売買です。自分の不動産マンションを無事に売買契約成立させるために、内覧に来た買主候補の方にマンションを案内したり内覧がしやすいように掃除や片づけをしたりするのも売主の仕事なのです。他にも購入を検討している方の価格交渉に対応するのも重要な販売活動の一つです。販売価格は最終的に売主が決めるので、不動産会社とも相談の上、購入希望者の交渉額とうまく折り合いがつくようにしなければいけません。納得のいく価格で売買するには不動産会社との信頼関係を築いておきましょう。
買主との売買契約を結ぶ
購入希望者との価格交渉が成立したら、売買契約を交わす段階へと移行します。不動産会社の指示に従って売主に必要な書類の準備をしましょう。売主が準備する必要のある書類は本人確認資料(運転免許所やマイナンバーカードなど)・実印・印鑑証明書の基本書類の他、登記済権利書・固定資産税納税通知書などです。※登記済権利証や登記識別情報通知書は自宅を購入した際に受け取る書類なので、ご自宅に保管してあるのを確認しましょう。
その他にも購入時のマンションのパンフレットや契約書・管理規約も買主に引き渡す必要があります。合わせて探して準備をしておきましょう。(パンフレットは残っていれば引き渡しますが、なくても問題はありません。)
売却したマンションの引き渡しをする
買主との売買契約が成立したら次は引き渡し時期を決定してマンションの引き渡しを行います。(時期については売主と買主両者の事情を考慮して決定します。)引き渡し当日は売主・買主とそれぞれの媒介担当の不動産会社の他、所有権の移転登記の手続きをするための司法書士・住宅ローンの借り入れと残代金の支払いを同時決済するために銀行の方が集まって手続きを勧めます。無事に手続きが済んだ後は、不動産会社に仲介手数料を支払い無事に売買が完了となります。(仲介手数料は一般的に売買契約時と引き渡し時に半額ずつ支払う形式のところが多いです。)
確定申告をし所得税と住民税を支払う
マンションを引き渡し無事に売却が完了すれば、次に売主がするべきことは売却によって得た所得に対して発生する所得税と住民税の納税です。売却時にかかる税金は譲渡所得課税にあたり、所得に一定の税率をかけて納税額が計算されます。売却したマンションの所有期間が5年以内の短期譲渡所得の場合は39.63%、5年超所有期間がある長期譲渡所得の場合は20.315%が税率となります。
譲渡所得課税には特例が存在していて3年に一度利用できる譲渡所得から3000万円を控除できる3000万円特別控除や、自宅マンションの売却で損失が出た場合に最長4年間の損失額を繰り返し控除できる特例などもあるので、自分の譲渡所得課税に特例が適用されるかどうかを税理士などに相談してみるのもよいでしょう。
不動産マンションを売却するのにかかる費用の種類は?
不動産マンションを売却するにあたってかかる費用にはどのようなものがあるのでしょうか?ここではその費用の科目ごとに解説していきます。
マンション売却にはこのような費用がかかる
マンション売却をする際にかかる費用の多くは売買契約が成立して代金をいただく前に発生するものなので、マンション売却を考える段階でどのくらいの費用が掛かるのかを把握しておくことが重要になります。一般的にマンション売買の際にかかる費用には次のようなものになります。
マンション売却にかかる費用
項目 | 内容 |
---|---|
住宅ローン完済費用 | 住宅ローンが残っている場合は繰り上げ完済してからマンションを引き渡すことになる。抵当権抹消費用と繰り上げ返済手数料を支払わなければいけない。 |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う仲介を依頼した際の手数料 |
売買契約時の費用 | 売買契約時にかかる印紙税など |
その他 | ハウスクリーニングやリフォームが必要な場合はその費用がかかるなど、物件ごとの必要経費 |
この中で最も費用がかかるのは仲介手数料で、売却物件にローンが残っていればその繰り上げ完済費用と抵当権抹消費用・繰上返済手数料も同時に支払う必要があります。売買契約時に契約書に貼る印紙税も準備が必要です。その他にも築年数が古いマンションはリフォームやハウスクリーニングをする費用などがかかるケースがあります。
不動産会社に支払う仲介手数料の算出方法
売買契約成立時と物件の引き渡し時に不動産会社に支払う仲介手数料は、以下の計算式で算出することが決められています。
仲介手数料の計算式
(物件価格400万円超の場合の上限額)
物件価格×3%+6万円+消費税
仮に売却したマンションの売却価格が5000万円だった場合は、5000×0.03+6万円+消費税10%=156.6万円となります。
売却マンションの住宅ローンを完済するのに必要な費用
売却しようとしているマンションのローン返済が残っている場合、残った住宅ローンを一括繰上返済で完済しなければいけません。これが進まないと買主にマンションを引き渡すことができないからです。住宅ローンを完済する時にかかる費用としてローンを組んでいる金融機関に支払う手数料があります、最近は月々のローンの支払いとは別にまとまった金額を繰り上げ返済する際はインターネットを利用して手数料無料で返済できますが、完済となると一括手数料が発生するので注意が必要です。手数料の金額は金融機関によってまちまちなので確認が必要ですが、完済額に応じて5,000円~30,000円が一般的な金額です。
また住宅ローンを借りる時に設定した抵当権を完済した後に抹消登記する必要があります。こちらは完済と同時に自然に抹消登記がされるわけではないので、司法書士に依頼して手続きを進めなければなりません。抵当権の抹消登記には登録免許税がかかり、税額は土地・建物1件につき1,000円になります。この他抹消登記を依頼した司法書士へのインセンティブとして3万円前後を支払う必要があります。なお、売却マンションの住宅ローンが手持ちの資金では完済しきれないという方は、買主と売買契約後に受け取った代金を使用して完済することもできます。その場合は物件代金の決済と同時に住宅ローンを繰上完済し、ローンを借りていた金融機関から書類を受け取って抹消登記の手続きをします。抹消登記に必要な書類は金融機関に用意してもらうのに数日かかるので、マンションの売却が決まったらできるだけ早く金融機関に連絡を入れるようにしましょう。
売買契約の際にかかる印紙税って何?
マンションの買主が決まり売買契約を結ぶ際に必須となる費用には、売買契約書に貼る印紙税も含まれるという事を覚えておきましょう。印紙税とは契約書に貼る収入印紙にかかる費用で、貼った印紙に割印(正式名称は消印)を押して納税手続きが完了となります。印紙税の税額は契約書の売買金額、物件の価格によって決定し、さらに不動産契約にかかる印紙税は2022年3月まで軽減税率が適用されます。
売買契約にかかる印紙税
契約金額 | 本来の税額 | 軽減税額※ |
---|---|---|
500万円超1000万円以下 | 1万円 | 5000円 |
1000万円超5000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
例えば5100万円の物件価格に対しては6万円の印紙税がかかるところを軽減税率が適応されている期間中は3万円に軽減措置が取られています。売買契約書は売主側と買主側双方がそれぞれ保管できるように2通作成されるのが普通で、印紙税は売主・買主共にそれぞれ自分が所持する契約書の分を負担する形で納めます。
買い換えなら新居への引っ越し代の負担も
自宅マンションを買い換える場合は売却物件から新しく購入した新居への引っ越し費用も考慮に入れておきましょう。毎年新年度が始まる春や転勤シーズンの秋は引越しラッシュのピークで予約が取りづらく、費用もオフシーズンに比べて高くなるのが通例です。だから売買契約が成立して引き渡しの日時が決定したら早めに引越しの手配をすることをおすすめします。
また自宅マンションを売り先行で先に売却してしまった場合は新居の購入と引き渡しが済むまで賃貸住宅に仮住まいしなければいけません。賃貸住宅の契約金と家賃、それに旧居から仮住まいの賃貸・仮住まいの賃貸から新居への2回分の引っ越し費用が必要になりコストが上がります。一方で先に新居を購入してからこれまでの自宅を売買する買い先行で買い替えを進行した場合、売却する物件から新居に引っ越した後空き家になるため電気・ガス・水道を解約して新居で契約し直すというケースになる方が多いと想定されます。その場合だと夜に電気がつかないので、夜間に内覧をしてもらえず売却物件が稼働しない時間が生じてしまうため販売促進活動が効率よく行えなくなってしまうというデメリットがあります。また水道を長時間止めると下水の臭いが立ち込めて内覧に来た購入希望者の心証を悪くしてしまう可能性もあり、空き家になっての買主が決まるまでは水道・電気を解約しない方がベターです。その分水道光熱費がかかってしまうのも必要経費として想定しておきましょう。
その他の売却物件の状態によってかかる費用
築年数が古かったり、子供が増えたせいで床や壁紙が傷んでしまったり、マンション売却費用の中にはこんな個々の家族や築年数の関係で売却するための費用がかかる場合があります。その一つがハウスクリーニングです。築浅でそれほど内装が傷んでいないようなマンションだったり、普段から掃除が行き届いているきれいなマンションにはそれほど必要ないかもしれませんが、築年数が古くなったことによる経年劣化や子供の落書きが残っているなど、個人ではきれいにするのが限界の場合はプロのハウスクリーニングに依頼してきれいにしてもらった方が、購入希望者の印象が良くなることもあります。ハウスクリーニングの費用は業者や頼むヶ所によっても違いますが大体5~10万円かかると想定しておきましょう。
マンション全体ではなく、特に汚れが気になる水回りの掃除だけをお願いしたり、壁の落書きをきれいに落としてもらうなど個人では落としきれない部分的な汚れだけをお願いするという方法もあります。この場合はマンション全体をくまなくきれいにしてもらうより費用を抑えられる可能性があります。築年数が古い物件はクリーニングだけではどうにもならない経年劣化が生じている箇所があったりと、販売促進にストップをかける可能性があります。そんな時はリフォームも視野に入れて考えましょう。特に内装やビルドインタイプの設備、トイレの便器などは経年劣化が激しいと内覧の時に悪い印象を与える原因となってしまいます。
リフォームとなると最低でも数10万~100万円単位の費用がかかるので、売却価格にリフォーム代を上乗せできるかどうかや、リフォーム自体の必要性については仲介をお願いしている不動産会社に相談するとよいでしょう。リフォームまではしなくても、売却物件の内覧時に好印象を与えるための手段としてホームステージングという方法もあります。これは家具やインテリア小物などのアイテムを配置して売却マンションをモデルルーム級にセンスの良い物件に見せる方法です。センスの良い方や普段からインテリアにこだわりのある方なら自分でホームステージングをするという方法もありますが、自分でやるよりは専門の業者に依頼する方が効果を期待できます。ホームステージングの費用は内容にもよりますが大体10万円~30万円前後の予算があれば大丈夫な場合が多いので、ハウスクリーニングだけでは内覧で気に入ってもらえるか心配という方は利用を検討するとよいでしょう。
マンションを売却する上での留意点のまとめ
ここまでで解説してきたマンションを売却する上での留意点をまとめると、
1.不動産会社に査定を依頼する前に自分の売却したいマンションがいくらぐらいで売れるのかという層場を調べ、周辺地域の売却市場が上昇傾向にあるのか下降傾向にあるのかという変動も頭に入れておきましょう。マンションの売却相場はレインズや国土交通省などの公的なデータや民間の不動産ポータルサイトでも調べることができます。
2.不動産会社を選ぶ際には不動産一括査定サイトを活用してスムーズに複数社で査定を依頼しましょう。比較対象があれば自分のマンションを高く売ってくれる信頼できる会社が見つかる可能性も高くなります。
3.不動産会社との媒介契約をする時は一般媒介契約か専任(専属専任)媒介契約どちらにするかを自分の売買条件と照らし合わせてよく検討しましょう。
4.マンションの買い替えをするときは売却相場の変動等も参考に売るのと買うのどちらを先行させるかを慎重に検討しましょう。
5.マンションの売買契約には仲介手数料をはじめ様々な費用がかかります。マンションの状態によってはリフォームやハウスクリーニングなど販売促進のための費用がかかる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。以上の点を留意して自分にとって納得できるよりよい売却ができるように行動を起こしましょう。
2021年・不動産売却実績ランキング
株式会社住宅新報社が調べた不動産売買仲介実績ランキング2021年版を基に、ここからはそのランキング上位の不動産会社のデータを見ていきます。
【第1位】三井不動産リアルティ
手数料収入 767億円(-9.7%)
取扱件数 38,507件(-7.0%)
取扱高 1兆5,832億円(-12.4%)
店舗数 286店(4)
1件あたり平均物件価格 4,111万円(-53万円)
手数料率 4.8%
1件あたり平均手数料 199万円(+1万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億6,818万円
東京都千代田区に本社があり、あの有名な「三井のリハウス」で知られている不動産会社です。取扱件数は1986年から連続して全国1位をキープしていて、長年培った売却ノウハウと全国ネットワークが強みの不動産会社です。
※連結対象子会社以外のリハウス各関連会社(賃貸仲介手数料・賃貸管理収益・関連収益等)を含みます。
【第2位】住友不動産販売
手数料収入 623億円(-7.0%)
取扱件数 35,122件(-6.9%)
取扱高 1兆2,410億円(-3.6%)
店舗数 269店(-7)
1件あたり平均物件価格 3,533万円(+120万円)
手数料率 5.0%
1件あたり平均手数料 177万円(0万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億3,159万円
東京都新宿区に本社があり「住友の仲介STEP(ステップ)」というブランド名は耳にしたことがある方の多いのではないでしょうか。関東圏よりも関西圏で圧倒的な集客力があり、関西圏では1位の三井のリハウスをもしのぐ勢いをみせています。大手の売却能力と地域密着型の売却ノウハウが強みです。
※手数料収入に賃貸仲介手数料を含みます。
【第3位】東急リバブル
手数料収入 578億円(-7.0%)
取扱件数 25,635件(-3.0%)
取扱高 1兆2,264億円(-6.8%)
店舗数 193店(-3)
1件あたり平均物件価格 4,784万円(-193万円)
平均手数料率 4.7%
1件あたり平均手数料 225万円(−10万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億9,948万円
東京都渋谷区に本社があり。その名の通り首都圏の東急沿線の物件に強い会社です。「リバブル安心仲介保証」という専門家への無料相談や建物の無料点検などアフターケアにも力を入れています。 ※手数料収入に賃貸仲介手数料・賃貸関連収益等を含みます。
【第4位】野村の仲介+
手数料収入 347億円(-1.3%)
取扱件数 9,322件(-2.1%)
取扱高 8,934億円(2.4%)
店舗数 94店(+2)
1件あたり平均物件価格 9,583万円(+416万円)
手数料率 3.8%
1件あたり平均手数料 372万円(+4万円)
1店舗あたり平均手数料収入 3億6,914万円
東京都新宿区に本社があり、「野村の仲介+(PLUS)」というブランド名が有名な不動産会社です。近年はネット集客に力を入れており、「3Dウォークスルー動画」や「オーナーレポート」などのサービスを展開し販売実績を作っています。
※野村不動産と野村不動産アーバンネットにおける仲介の合計の数字です。
【第5位】三井住友トラスト不動産
手数料収入 174億円(-13.6%)
取扱件数 7,202件(-6.3%)
取扱高 4,124億円(-12.7%)
店舗数 72店(0)
1件あたり平均物件価格 5,726万円(-421万円)
手数料率 4.2%
1件あたり平均手数料 241万円(-21万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億4,166万円
東京都千代田区に本社がある三井住友信託銀行グループの不動産会社の中の信託系不動産会社です。信託財産の土地活用や資産運用や相続に関するノウハウのある会社です。
【第6位】みずほ不動産販売
手数料収入 151億円(-5.3%)
取扱件数 3,601件(−10.9%)
取扱高 3,697億円(-9.3%)
店舗数 50店(-2)
1件あたり平均物件価格 1億266万円(+180万円)
手数料率 4.0%
1件あたり平均手数料 395万円(+24万円)
1店舗あたり平均手数料収入 3億200万円
東京都中央区に本社がありみずほフィナンシャル・グループの信託系不動産会社です。主に法人取引がメインで信託財産の売買に強く、銀行系不動産会社特有のOne MIZUHO戦略でお金の事から物件の調査、瑕疵保険やリフォームなどをワンストップで相談できるのば強みです。
【第7位】三菱UFJ不動産販売
手数料収入 147億円(−9.9%)
取扱件数 4,307件(−16.0%)
取扱高 3,533億円(−13.0%)
店舗数 42店(−2)
1件あたり平均物件価格 8,202万円(+286万円)
手数料率 4.1%
1件あたり平均手数料 341万円(+24万円)
1店舗あたり平均手数料収入 3億5,000万円
東京都千代田区に本社があり、三菱UFJフィナンシャル・グループの信託系不動産会社です。投資用物件にも対応可能で資産形成や投資に関する相談にも柔軟に対応できるのが強みです。
【第8位】オープンハウス
手数料収入 133億円(+21.9%)
取扱件数 7,232件(+27.0%)
取扱高 2,934億円(+24.1%)
店舗数 52店(+8)
1件あたり平均物件価格 4,056万円
手数料率 4.5%
1件あたり平均手数料 183万円(−8万円)
1店舗あたり平均手数料収入 2億5,576万円
東京都千代田区に本社がある「東京に、家を持とう。」というコピーが有名な不動産会社です。ちなみに、東京以外のエリアでも、「名古屋に、家を持とう。」「福岡に、家を持とう。」と地域に対応したキャッチコピーで全国展開しています。不動産の買取に強く、売却並みの価格で買取を行っているのが特徴です。
【第9位】積水ハウス不動産
手数料収入 111億円(-7.3%)
取扱件数 8,078件(-2.0%)
取扱高 2,345億円(-3.6%)
店舗数 115店(+1)
1件あたり平均物件価格 2,902万円
手数料率 4.7%
1件あたり平均手数料 137万円(−8万円)
1店舗あたり平均手数料収入 9,652万円
大阪府大阪市に本社があり、2020年2月1日付けで積和不動産各社を積水ハウス各社へ商号変更しました。積水ハウスグループは全国に100拠点以上のネットワークを持ち、積水ハウス不動産東北、積水ハウス不動産東京、積水ハウス不動産中部、積水ハウス不動産関西、積水ハウス不動産中国四国、積水ハウス不動産九州のブループ会社がそれぞれのネットワークでつながり全国的どこでも売却情報を共有するとができるのが強みの会社です。
【第10位】東宝ハウスグループ
手数料収入 104億円(+22.3%)
取扱件数 6,102件(+18.5%)
取扱高 2,142億円(+20.5%)
店舗数 19店(1)
1件あたり平均物件価格 3,510万円
手数料率 4.8%
1件あたり平均手数料 170万円
1店舗あたり平均手数料収入 5億4,736万円
東京都新宿区に本社があり、MEOをはじめとするインターネット戦略と長年培ってきた営業力の強さで急速に販売実績を拡大している会社です。創業40年で関東に19社を展開しています。
【補足】11位~の不動産売買仲介会
会社名 手数料収入(前期比) 取扱件数 取扱高 店舗数
11 三菱地所リアルエステートサービス 73億円(−14.3%) 932件(−14.8%) 2,602億円(−42.1%) 8(0)
12 大和ハウスグループ 70億円(10.7%) 4,802件(−5.3%) 1,698億円(−8.6%) 118(55)
13 大京穴吹不動産 69億円(−12.6%) 5,509件(−12.6%) 1,584億円(−5.4%) 75(0)
14 住友林業ホームサービス 64億円(-6.1%) 4,192件(−1.7%) 1,524億円(−2.5%) 47(0)
15 大成有楽不動産販売グループ 59億円(−8.2%) 3,679件(−5.5%) 1,430億円(−12.9%) 40(0)
16 近鉄不動産 53億円(−4.0%) 4,171件(0.2%) 1,072億円(0.0%) 46(0)
17 スターツグループ 50億円(−1.1%) 2,077件(−8.2%) 1,186億円(2.6%) 102(−3)
18 東京建物不動産販売 36億円(−15.8%) 1,013件(−6.7%) 1,364億円(−5.6%) 11(0)
19 三菱地所ハウスネット 35億円(26.3%) 1,616件(13.2%) 840億円(10.1%) 35(13)
20 リストサザビーズインターナショナルリアルティ 33億円(22.7%) 1,333件(14.9%) 629億円(13.0%) 10(0)
21 長谷工リアルエステート 31億円(−23.3%) 2,006件(0.4%) 796億円(−26.5%) 39(1)
22 中央日本土地建物グループ 29億円(−21.6%) 302件(−20.5%) 907億円(−31.8%) 10(−1)
23 ポラスグループ 26億円(0.1%) 2,501件(−1.0%) 552億円(−1.1%) 56(6)
24 ナイス 20億円(7.4%) 1,263件(5.6%) 573億円(−4.0%) 16(1)
25 小田急不動産 18億円(−4.2%) 1,251件(−2.5%) 413億円(−10.5%) 18(−2)
26 伊藤忠ハウジング 18億円(−6.4%) 1,905件(−8.5%) 991億円(−5.7%) 2(0)
27 朝日住宅 11億円(−7.7%) 958件(−4.8%) 260億円(−10.1%) 9(0)
28 阪急阪神不動産 10億円(−12.7%) 666件(−15.4%) 251億円(−20.2%) 12(0)
29 京王不動産 9億円(−13.0%) 620件(−9.2%) 230億円(−6.7%) 11(0)
30 相鉄不動産販売 4億円(−19.1%) 277件(−16.1%) 79億円(−14.9%) 7(0)
31 京急不動産 3億円(−26.9%) 245件(−6.1%) 76億円(6.4%) 11(−1)
番外 センチュリー21・ジャパン 297億円(−4.2%) 26,515件(2.4%) 6,417億円(0.8%) 989(+11)
番外 イエステーション 62億円(1.5%) 7,745件(−1.0%) 1,239億円(0.2%) 148(+3)
(※データは基本的に株式会社住宅新報社が調査した2020年4月~2021年3月の間の、各事業者の決算をもとにしています。決算期のズレが多少あります。)
不動産マンション売却に関するQ&A
みなさんの不動産マンション売却に関するQ&Aを集めてみました。
今が売り時なのかそうでないのかを見極める方法は?
誰もが知りたい今がマンションの売り時なのかそうでないのかという質問。結論から言うと断定的な答えは出せません。近年はコロナウイルスの流行により経済活動が停滞している領域もあり、不動産業界も例外ではありません。
そして2年前のコロナウイルスが中国・武漢で流行した当初に全世界でパンデミックが起こるということを予測できた人間は数少ないように、不動産マンションの売却価格の相場も正確に予測することは不可能だからです。不動産マンションの売り時を見極めるのは今後の市場の相場の動きを予測することである程度は可能ですが、不透明で先の見えない昨今の状況において相場の動きを正確に予想することはさらに困難を極めつつあります。ですがそのような経済状況が不安定な時代においても、今後の相場の急上昇が見込まれる場合は上昇するのを待ってから売った方が高く売れるというのがセオリーです。今の相場がどのような動きをしているのかはレインズのデータや東京カンテイの価格天気図が参考になるので常にチェックしておきましょう、例えば東日本レインズの中古マンション成約m2単位の近年の推移をグラフにするとこんな感じになります。
(グラフ挿入)
これをみると2019年に上昇傾向にあった価格が2020年にはコロナ禍の影響を受けで大きく下落しているのがわかるでしょうか。しかし2020年4月の最安値を境に再上昇し回復しています。今後の相場も上昇が続くという保証はありませんが、今年の夏に比べてコロナの感染者数も落ち着き、全国の経済活動が再開しつつあることも考えると売却時だと言えない事もないという状況です。今後の相場変動に注目しましょう。
1年のうちマンション売却に最適な時期はいつ?
マンション売却が活発な時期は主に新年度・新学期が始まる3月4月の前後と9月の2つの時期があります。下記の首都圏での中古マンション成約件数の推移を表したグラフを見て検証していきましょう。
(グラフ挿入)
これを見ると例年3月には成約件数がピークを迎えていることが明らかにわかります。例外的にコロナウイルスが流行の兆しを見せた2020年の3月は前月に比べて落ち込んでいますが、他の月よりは多く制約しているのは明らかになっています。
そしてもう一つのポイントは8月にいったん落ちこんだグラフが9月には大きく回復しているという点です。これは子供のいる家庭が夏休み中に内覧をして9月に売買契約が成立したとみられるデータなのです。しかし全体的に見ても賃貸物件とは違い、中古マンションの売買に関しては多少のピークはあるものの1年を通してそれほど差が開いていないことがわかります。つまりマンション売却に関してはそれほど時期にこだわらなくても、契約成立に影響はないと考えるのが妥当かと思われます。
住宅ローンがまだ残っているマンションは売れますか?
マンションを売却したいけれども住宅ローンがまだ残っているという方は少なくありません。結論として住宅ローンが残っているマンションも売却することが可能です。しかし注意点として売買契約が成立した買主に物件を引き渡すには住宅ローンの完済と抵当権の抹消登記が必要となるため、自己資金で完済の目処が立つ場合は早めに完済しておいた方がよいでしょう。ローンの残高が大きく自己資金で完済するのは不可能という場合でも、買主から支払われた売却額からローンの完済に充当することも可能です。
その場合は買主が売却したマンションを抵当に住宅ローンを借りるのと、売主の住宅ローンの完済及び抹消登記の手続きを同時にしなければなりません。引き渡し当日にスマートに手続きするためには、不動産会社やローンを借りている金融機関と打ち合わせをしておくことをおすすめします。
売却予定のマンションを友人が買いたいと言い出したが、売却は可能?
マンションの売却は専門家である不動産会社に任せるのが一般的ですが、購入希望者が売主の友人知人である場合は直接売却することも可能ではあります。その場合不動産会社を通さずに済むので最大の費用である仲介手数料の支払いをせずに済むというのがメリットです。ただしすでに不動産会社と専属専任媒介契約を結んでいる売却物件だった場合は、いくら自分の友人知人と言えども不動産会社を通じて売買契約を結ばなければいけません。
なぜなら専属専任売買契約を結んでいる不動産会社以外のルートで発見した相手と取引することは禁止されているからです。専属専任媒介契約の期間中の場合は契約している不動産会社を通じて売買契約をし、不動産会社に仲介手数料を支払うという方法を取りましょう。どちらにしても専門家を通さず売買契約をしてしまうと、契約内容の不備や確認不足などでトラブルになったり契約するべき事項が曖昧になるなどリスクが高くなる可能性が高いので、たとえよく知った友人知人であっても不動産会社に仲介を依頼するのが無難だといえます。
1度売りに出したマンションを売れない事情が出来た場合、売却を途中でストップできる?
一旦は売却を決めて不動産会社に媒介契約を結んだマンションを途中で事情が変わって手放したくなくなった場合、売却をやめても不動産会社に仲介手数料を支払う必要はありません、なぜなら仲介手数料とは売買契約が成立した場合の成功報酬という形で支払うお金なので、売買契約が成立していなければ支払い義務は生じないからです。
ただし例外として、売主の依頼により遠隔地に住む全国の購入希望者と交渉するために不動産会社の方が出張をした場合や、宣伝広告費をかけて売却促進活動を依頼した場合などはそれにかかった実費を請求されることもあるので注意が必要です。もしこれらに心当たりがある場合は不動産会社に確認しておきましょう。
マンションを売却するまでにかかる期間はどのくらい?
一般的な不動産会社の場合だと売却の相談・査定から買主に物件を引き渡すまでトータルの期間は1ヶ月~6か月が目安となります。まずは媒介契約を結ぶと広告作成や情報収集に約1週間の期間を要し、そこから売却に向けた営業活動を開始。大体1~3ヶ月を目安に営業が行われます。(物件によってはさらに時間がかかるものもあります。)また売買契約後の残金決済が現金払いなら1週間程度、購入者が住宅ローンを利用する場合はその審査に1ヵ月ほどかかりますので、留意しておくと売却計画が立てやすいでしょう。
複数社の不動産会社に査定を依頼して大丈夫?
全く問題ありません。マンションを売却するにあたって査定価格は不動産会社によって異なることがほとんどなので、よりよい査定額を出してくれる会社を探すために複数社に査定を依頼するのはむしろ普通なのです。ただし不動産会社にも得意分野があるので、査定を依頼した不動産会社がマンション売却を得意としている会社なのかを見極める必要はあります。またあまりにも多数の会社に査定を依頼した場合、同時に多数の会社と査定の交渉をしなければならないので大変な手間になります。査定額や取扱実績などを吟味して2~3社に選定して交渉を進めることをおすすめします。
査定結果が出るまでどのくらいの時間がかかりますか?
物件情報を電話やebフォームから入力して伝える机上査定の場合は、一般的に30分から1時間程度の調査を経て査定結果を知ることができます。対して実際の売却物件に不動産会社が訪れて立地条件やマンションの現況などを調査した上で査定する訪問査定は、不動産会社の営業担当者が実際に現地を数十分程度確認する時間のほかに役所や法務局で法規制やインフラ状況を調査する時間も必要なので、査定結果が出るまでに1週間程度の時間を要します。
とにかく今すぐマンションを売却したいという場合はどのような手段があるの?
売主の都合によりなるべく早く物件を売却したい場合や、売却希望の物件がなかなか売れないという場合、周囲の方にマンションを売却したい事を隠しておきたいという方は不動産会社の買取りサービスを利用するという手段もあります。この場合、不動産会社もしくは買取りの専門業者が買主となり早く確実に物件を売却できるだけでなく、仲介の様に広く宣伝するという事をする必要がないので、売主が物件を売却しようとしていることは知られずに済みます。ただし買取りサービスを利用した場合、仲介で売買契約を結んだ場合に比べて売却価格が安価になってしまう場合があるのがデメリットとなります。
今住んでいる物件の権利のみを売りたいのですが可能ですか?
中古物件の場合だと、多くの方が売却物件に住みながら売却をするので基本的には可能です。
まとめ
1.マンション売却を考えたらまずは相場と市場の動きを把握しよう!
2.不動産会社の査定依頼は複数社に出すのがベスト。
3.売却のための費用は思ったより高額になる場合があるので注意が必要です。