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(画像=株式会社コロプラ)
宮本 貴志(みやもと たかし)
株式会社コロプラ代表取締役社長
大手グループ ゲーム会社にてマーケティング責任者を担当。その後独立し「株式会社コアエッジ」を創業。代表取締役社長を務める。マーケティング領域でコンサルティングからIP展開・国内外アライアンス等まで幅広く従事。2020年にコロプラに入社。マーケティング本部長を経て、2021年に代表取締役社長に就任。
株式会社コロプラ
コロプラは、"Entertainment in Real Life" というミッションのもと、『白猫プロジェクト』、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』を中心としたスマートフォンゲーム、XR、メタバース、ブロックチェーンゲームなどのエンターテインメント事業と国内外のエンターテインメント、BtoC企業を中心に幅広く投資・育成を行う投資育成事業の2つの領域で事業を推進しています。

ESGにおけるこれまでの取り組み

当社は、「Entertainment in Real Life」というミッションを掲げ、多くの方に楽しんでいただけるエンターテインメントを提供し続けるために、「人材」という部分に最も力を入れて参りました。従業員のほとんどがクリエイターであるため、ものづくりに集中できる環境づくりを意識すると同時に健康を推進する健康経営にも注力しています。 ハイブリットな働き方に対応した施策、エンターテインメント企業ならではのユニークな制度づくり、今後起こりうる感染症から従業員を守るためにオフィスに徹底した感染症対策を施すなど、独自の取り組みを通じて健康経営を推進し、健康経営優良企業にも3年連続で表彰されています。これらの取り組みを通じて安心して働ける会社を目指しています。

具体的に申し上げますと、まず環境面では、オフィス移転を機に環境配慮を重んじたオフィス設計を行いました。床材や什器に抗ウイルス天然素材のリノリウムを採用、グリーン認証のオフィス備品、グリーン電力の導入などを行い、従業員だけでなく地球環境にも配慮した働き場所を提供しています。

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次に社会面では、育休取得率を高めることに注力し、男性従業員が育児休業を取得しやすい環境をつくり上げています。育児休業を取得している女性は100%であり、男性従業員も86%という非常に高い数値を示しています。また、有給取得率も8割を超えており、会社全体として働きやすい環境を提供することを心掛けています。

またガバナンス面においては、個人情報保護の観点から現場に即した情報セキュリティeラーニング研修を全従業員を対象に実施しています。このように、一見当たり前のことですが、しっかり向き合う環境を作ることが最も重要であると考えています。

ESGの取り組みや事業の強み、実績

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(画像=株式会社コロプラ)

事業の強みとしては、「"祖"となるコンテンツ」を提供していることが挙げられます。ユーザーさまに対して、まだ誰も知らない面白さ、すなわち"新しい体験"を提供すること、それが当社が定義する"祖"です。 エンターテインメントの本質として、ユーザーさまの人生を豊かにし、社会に喜びと楽しさを提供することが挙げられます。どこかで見たことのある体験では飽きられてしまうため、本質から外れてしまいます。当社が目指す"新しい体験"こそがエンターテインメントだと考えています。これは当社が持つ、独自性とクオリティを追求し続ける文化によって成されるもので、長年の事業活動を通じて培われてきた強みです。

このような当社の強みは、冒頭でお話ししたように、「人を資本」だと考え、様々な施策を講じてきたことによって獲得できたと考えています。

先述した育児休業の取得率が非常に高いこと、健康経営優良法人に3年連続で認定されたこと、感染症対策に特化した新オフィスが世界基準で健康と安全を評価するWELL健康安全性評価に認定されるなどはその一例で、従業員が安心して働ける環境づくりに取り組んできた成果と言えます。 今後も「従業員が集中して最高のパフォーマンスを発揮してくれるためにはどうしたら良いか?」という部分を徹底的に考え続けていきます。

ESGの取り組みでこれから目指すところ

多くのユーザーさまに良質なエンターテインメントを提供し続けるためにも、現状に満足せず、更なる取り組みを進めていきます。特に働きやすい環境の実現に関しては、今以上に強化していきたいと考えています。これは私たちが「人が資本」という価値観を持ち続けているためです。

2018年からパラアスリートの採用を積極的に進めていますが、これは会社としての多様性と共感を高めることを重視してのことです。現在は7名のパラアスリートが所属し、世界を舞台に頑張る選手の姿は皆に勇気や感動を与えてくれます。パラアスリートの活動を通じて、社内外に広がる一体感や連携は、私たちが目指す理想的な働き方や組織風土を象徴していると思います。

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また、次世代のクリエイターを育成するクマ財団という取り組みも行っています。これは当社の創業者である馬場が未来を担う若手クリエイターの活動を支援することを目的として、2016年に「公益財団法人クマ財団」を設立しました。 エンターテインメント企業において、クリエイティブな人材の確保は最も重要ですが、一方で難しい課題があります。新たなクリエイターを誕生させることに間接的に関わることで、当社だけでなく業界全体に貢献できていると考えています。

上場企業の意義や投資家ユーザーへのメッセージ

上場企業は与える影響が大きいため、コンプライアンスやガバナンスに徹底的に力を入れるべきだと考えています。あらゆるステークホルダーに対する責任を果たしていくことが上場企業としての意義だと考えています。

現在、当グループではXRやメタバース、ブロックチェーンゲームといった新分野に力を入れており、昨年ブロックチェーンゲーム事業を行う子会社「Brilliantcrypto」を設立しました。暗号資産など新しいビジネス領域においては、上場企業として監査法人も厳しく監査をしてきます。しかし、最新の法令調査や会計処理の検討を地道に進めることで、我々のガバナンスに対する取り組みを理解をいただき、上場企業ながらIEO(Initial Exchange Offering)の実現に向けて進めることができています。

これは、投資家の皆さまから預かった資本を適切に運用し、事業を成長させていくという基本的な責任に加え、私たちの事業が社会全体に与える影響を深く認識しているからこそ実現できたのだと考えています。 私たちの提供するゲームはまだ世の中にない"新しい体験"であり、私たちの企業活動を通して社会全体を豊かにすることを目指しています。これまでも様々なゲームを世の中に生み出してきましたが、これからも他社にはできないコロプラらしい新しい価値を提供し続けて行きたいと考えています。当社が夢を追いかけることがステークホルダーや社会に還元することに繋がると信じています。

(執筆・構成=川村 真史)