FXのやり方は「始めるために必要なものを用意する」「口座開設をする」「口座に入金をする」「取引ツールをインストールする」「実際に取引を行う」の5ステップです。スマホとマイナンバーカードを持っている場合は、「スマートフォンによるマイナンバーカードの認証」で本人確認を手軽に完了させられるのでおすすめです。
FXの始め方!まず必要なものは?
FXを始めるためにまず必要なものは以下の3つです。
本人確認書類
FXを始めるにはまず取引口座を開設する必要があり、口座開設には本人確認書類とマイナンバーの準備が必要です。
FX業者によって組み合わせや種類は異なりますが、主に必要なものは以下のとおりとなります。
本人確認書類 | マイナンバー |
---|---|
・運転免許証 ・健康保険証 ・パスポート ・住民票の写し ・印鑑登録証明 |
・マイナンバーカード ・マイナンバー通知カード |
口座開設にあたって本人確認書類1つとマイナンバーカード(マイナンバー通知カード)の提出が必要なFX業者が多いです。ただし、マイナンバーカード一枚のみで手続きが完了するFX業者もあります。
中学・高校生の場合は?
中学・高校生は原則FX口座の開設ができません。ただし、2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、満18歳以上であれば口座開設が可能です。つまり、18歳の誕生日を迎えた高校生(高校3年生の場合が多い)はFXを始められます。
ただし、一部のFX業者では必要書類に要件が追加されます。満18歳以上20歳未満の人が口座開設をする際、SBIFXトレードは健康保険証の提出が必須、LIGHTFXは代理人(原則、親)の本人確認書類と取引同意書の提出が必要です。それ以外のFX業者では代理人の許可が必要ない場合もあります。
大学生の場合は?
満18歳以上の大学生は、FX口座の開設が可能です。提出が必要な本人確認書類は通常の口座開設時と原則同じですが、一部のFX業者では20歳未満の人は追加で書類が必要となる場合があります。
最低資金
FX取引に必要な資金も用意しましょう。最低資金は、通貨ペアと最低取引単位によって異なります。
ドル/円の取引をする際に必要な最低資金は以下のとおりです。
最低取引単位 | 1000通貨 | 1万通貨 |
---|---|---|
最低資金 | 5200円 | 5万2000円 |
最低取引単位はFX業者によって異なります。
DMM FX | GMOクリック証券 | 外為どっとコム | 松井証券 FX SBI FX トレード | SBI FX トレード |
---|---|---|---|---|
10,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1通貨 | 1通貨 |
FX口座
FX取引をするにはFX口座が必要です。取引をするFX業者を選んで、口座開設手続きをおこないましょう。
FXの始め方の手順
FXを始めるために必要な手順を解説します。
口座開設
FX取引をおこなうには、FX口座の開設が必要です。一般的なFX口座の開設手順を紹介します。
口座を開設するFX会社を選ぶ
まずは、口座を開くFX会社を選びましょう。FX会社によって取り扱っている通貨ペアや最低取引単位、スプレッドなどが異なります。
おすすめのFX会社は初心者におすすめの口座とは?で紹介しているため、参考にしてみてください。
申込フォームを入力する
口座を開設するFX会社が決まったら、申込手続きをおこないます。多くのFX会社は、WEB上で申し込み手続きが可能です。
各社のホームページから申込をおこないましょう。まずは、申込に必要な個人情報を入力します。入力が必要となる主な項目は以下のとおりです。
- 氏名
- 性別
- 国籍
- 生年月日
- 住所
- 職業
- メールアドレス
- 電話番号
- 金融資産保有額
- 年収
- 投資目的
- 口座種類
- 投資経験など
FX会社によって入力項目は異なりますが、関連サービス(提携銀行の口座開設やポイントサービス)の申込有無の選択が必要なこともあります。初期設定で申込にチェックが入っている場合も多いので、申込が不要な場合はチェックを外しましょう。
重要事項などを確認する
個人情報の登録が完了したら、重要事項や各種規約を確認します。FX取引のリスクや契約内容の記載があるので、必ず目を通しましょう。
本人確認をおこなう
次に、本人確認をおこないます。本人確認の方法はFX会社により異なりますが、主な本人確認方法は以下のとおりです。
- スマートフォンで本人確認書類と自分の顔を撮影する
- スマートフォンやパソコンから本人確認書類をアップロードする
- メールやFAXで本人確認書類の写しを提出する
- 郵送で本人確認書類の写しを提出する
郵送での提出は審査までに時間がかかることが多いです。
また、必要となる本人確認書類はマイナンバーカードや運転免許証、健康保険証などです。口座開設にはマイナンバーの提出が法律で定められているため、マイナンバーがわかる本人確認書類を必ず用意しましょう。
審査結果を受け取る
本人確認が完了したら、審査結果を待ちましょう。FX会社によっては、申込当日に審査が完了する場合もあります。審査通過の連絡が来たら、口座開設は完了です。FX取引を開始できます。
入金する
FX口座を開設したら、投資資金を入金します。入金方法はFX会社によってさまざまですが、主な方法は以下のとおりです。
- 銀行振込
- リアルタイム入金(クイック入金)
- 総合口座からの振替
それぞれの特徴を解説します。
銀行振込
銀行振込は、銀行の窓口やATMなどからFX振込専用口座に資金を振り込む方法です。利用できる銀行やATMに制限はありませんが、振込手数料が自己負担となります。
また、振込手続きをおこなってから入金が反映されるまでに1~2時間ほどかかる場合が多いです。
リアルタイム入金(クイック入金)
リアルタイム入金(クイック入金)は、提携銀行のネットバンキングサービスを呼び出してFX口座へ入金をおこなう方法です。
リアルタイム入金は、振込手数料が無料(FX会社負担)となります。また、入金手続きが即時で反映されるため、入金手続き後すぐに取引が可能です。
ただし、リアルタイム入金が利用できる提携銀行はFX会社によって限定されています。各FX会社の提携銀行口座を持っている場合は、ぜひリアルタイム入金(クイック入金)を利用してみてください。
総合口座からの振替
SBI証券や楽天証券のようにFX口座とは別に総合口座がある証券会社では、総合口座からFX口座へ資金の振替が可能です。
総合口座にある投資資金をFX口座へ移します。手数料無料で即時に振替手続きが可能です。
同じ証券会社の総合口座で株式や債券投資などをおこなっている人は、ぜひ総合口座からFX口座への資金振替も活用してみてください。
取引ツール(アプリ)をインストールする
FX取引をおこなうには取引ツールが必要です。取引ツールを使ってチャートの動きや為替レートを確認します。
多くのFX会社では、パソコン用(WEB版)の取引ツールとスマートフォン用の取引ツール(アプリ)を用意しているので確認してみてください。
パソコン用の取引ツールは、充実した機能が特徴です。表示できるテクニカル指標の種類やチャートの最大表示数が多くなっています。そのため、常に値動きを確認するデイトレーダーなどにおすすめの取引ツールです。
取引ツールによっては、パソコンへのインストールが必要なものもあります。マニュアルに従って、インストールをおこなってください。
スマートフォン向けの取引ツール(アプリ)は、操作性を重視した取引ツールとなっています。FX初心者でも感覚的にチャートやテクニカル指標の確認・新規注文が可能です。
ただし、同時に表示できるテクニカル指標やチャートの数はパソコン用取引ツールと比べて少なくなっています。
簡単にFX取引をおこないたい人や日中にパソコンを確認できない人は、ぜひスマートフォン用の取引ツール(アプリ)の利用を検討してみてください。利用には、アプリのインストールが必要です。
FX取引のやり方
取引ツールのインストールが完了したら、実際にFX取引を始めましょう。
取引する通貨ペアを決める
まずは、通貨ペアを選択します。FX取引は、さまざまな通貨ペアで取引が可能です。FX会社によって取り扱う通貨ペアは異なりますが、主な通貨ペアの組み合わせは以下のとおりとなります。
- 米ドル/円
- ユーロ/円
- ポンド/円
- 豪ドル/円
- NZドル/円
- カナダドル/円
- スイスフラン/円
- 南アフリカランド/円
- ユーロ/米ドル
- ポンド/米ドル
- 豪ドル/米ドル
- NZドル/米ドル
- 米ドル/スイスフラン
- 米ドル/カナダドル
- ユーロ/ポンド
- ユーロ/豪ドル
- ユーロ/NZドル
- ユーロ/スイスフラン
- ポンド/豪ドル
- ポンド/スイスフラン
通貨ペアを選ぶ際には、為替レートの動き以外に「スワップポイント」も確認しましょう。スワップポイントとは、金利の低い国の通貨を売って金利の高い国の通貨を買うことで獲得できる利益です。
現在の日本は超低金利のため、日本の円を売って他国の通貨を買えば、多くの場合スワップポイントを獲得できます。
取引する通貨によってスワップポイントは異なるため、通貨ペアを決める際に確認してみてください。
エントリーポイントを決める
取引する通貨ペアを選択したら、次にエントリーポイントを決めましょう。エントリーポイントとは、新規で注文を入れるタイミングのことです。
適切なエントリーポイントの見極めが、FX取引で利益を出すために重要となります。エントリーポイントを決める主な方法は以下のとおりです。
・押し目買い
上昇トレンドが続いている状況において、価格が一時的に下がったタイミングで買い注文を入れる方法。ただし、価格の値下がりが一時的なものかの見極めが重要。そのため、価格が下がって少し上昇したタイミングでのエントリーがおすすめ。
・戻り売り
下落トレンドが続いている状況において、価格が一時的に上がったタイミングで売り注文を入れる方法。ただし、その後も下落トレンドが続くかはわからないため押し目買い同様にトレンドの見極めが重要。
・ゴールデンクロス
移動平均線を使ってエントリーポイントを見極める方法。短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜いたタイミングで買い注文を入れる。
・デッドクロス
移動平均線を使ってエントリーポイントを見極める方法。短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜いたタイミングで売り注文を入れる。
エントリーポイントを見つける主な方法は上記の通りですが、値動きを完璧に予想することはできません。そのため、利益だけでなく、損切りのラインも事前に決めておきましょう。
また、スワップポイント狙いの長期投資であればエントリーポイントをそこまで気にする必要はないかもしれません。
買う/売る
エントリーポイントを決めたら、実際に買い注文や売り注文を入れます。WEB版取引ツールやスマートフォンアプリで注文手続きをおこないましょう。
注文時の提示レートで約定する成行注文以外にも、さまざまな注文方法があります。FX会社によって利用できる注文方法は異なりますが、主な注文方法は以下のとおりです。
成行注文
価格を指定せずに、注文時点の提示レートで約定する注文方法。
指値注文
希望価格を指定して注文する方法。買い注文であれば現在のレートより安い価格、売り注文であれば現在のレートより高い価格を指定する。現在の為替レートが1ドル=100円の場合、「1ドル=99円より安くなったら買う、1ドル=101円より高くなったら売る」といった注文。
逆指値注文
現在のレートよりも不利な価格を指定して注文する方法。利益確定や損失拡大防止のために用いる。現在の為替レートが1ドル=100円の場合、「1ドル=99円より安くなったら売る、1ドル=101円より高くなったら買う」といった注文。
IFD注文
新規注文と新規注文に対する決済注文を同時におこなう注文方法。現在の為替レートが1ドル=99.5の場合、「1ドル=99円になったら買う」、「1ドル=99円で買えたら1ドル=100円になったタイミングで売る」といった注文を同時におこなえる。
OCO注文
2つの注文を同時に出し、いずれかの注文が確定したらもう一方の注文がキャンセルされる注文方法。1ドル=101円で新規注文をした場合、「1ドル=103円になったら売り」、「1ドル=99円になったら売り」という2つの注文を同時に出すことで利益確定と損失拡大防止をおこなえる。
IFO注文
IFD注文とOCO注文を併用した注文方法。「1ドル=100円になったら買う」、「1ドル=100円で買えた場合、1ドル=101円になったら売って利益を確定する、1ドル=99円になっても売って損失を確定する」といった注文をおこなえる。
即時注文
リアルタイムで提示されるレートで売買する注文方法。表示されるレートをクリックするだけで注文がおこなえる。ただし、スリッページの発生により、発注時のレートと約定時のレートが異なることがある。許容するスリッページ幅は設定可能。
常にチャートを見ながら取引する人は、即時に決済がおこなえる即時注文がおすすめです。一方で、日中は仕事などで取引ができない人は、事前に注文予約をおこなえるOCO注文やIFD注文、IFO注文を検討してみてください。
詳細はこちら
慶應義塾大学商学部会計ゼミにて会計を学んだ後、東京海上日動火災保険株式会社に就職。企業が事業活動を行ううえでの自然災害や訴訟に対するリスク分析・保険提案を3年間行う。「企業が倒産しない」・「事業で安定的に利益を出す」ための適切な保険でのリスクヘッジの提案に努めた。特に、製造業者や工事業者に対する賠償責任保険や工事保険の提案が得意。取引先企業の社長・経理・人事・プロジェクト担当者など様々な部署への営業活動を行った。上場企業の新規事業に対する保険提案が評価され、全国社員への社内プレゼンを実施した経験もある。 また、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を活かし、取引先従業員に対するNISAやふるさと納税に関するセミナーの実施経験有。 現在は、フリーランスとして保険や投資、税金などのお金に関する記事の執筆や個別相談・ライフプランニングの作成・実行支援を行っている。
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