FX初心者がよくやってしまう失敗には、共通点がたくさんあります。
この記事はFX初心者によくある失敗13選を、原因と対策つきで詳しく解説します。
FXで失敗する理由を知りたい、なるべくお金を減らしたくないと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
FX初心者によくある失敗13選
FXに損失はつきものですが、ひとつひとつの損失は失敗ではありません。
FXの失敗とは、不用意なトレードで心理的、経済的に大きな損失を招いてしまうことです。
大きな失敗を減らし、FXで継続的に稼ぐためには、エントリーポイント(ポジションを保有する場所)を絞ることが何よりも重要です。
この記事で紹介する初心者によくある失敗のほとんどは、エントリーポイントを絞れないことが原因となっています。
これからFXを始める方や、継続的な取引の成功が難しいと感じている方は、この記事で紹介する失敗例を読み、エントリーポイントを絞ることを覚えていきましょう。
無駄なトレードを減らすことで、FXの成果は劇的に改善します。
①利益のことばかり考えている
初心者は利益のことばかり考えてしまいがちです。
しかし、利益のことばかり考えていると、不用意なトレードが増えたり、損をしたときにショックを受けて感情的になりやすくなったりします。
感情的なトレードは大損への入口です。
「FXなんてやらなきゃよかった」と思う前に、原因と対策について考えましょう。
多くの人が、貯蓄や資産を増やすためにFXを始めていることから、利益のことばかり考えてしまうのは仕方のないことかもしれません。
また、しばしばFXに関する広告で「カンタン」「お小遣い稼ぎ」「誰でもできる」といった表現を目にすることも原因となっているでしょう。
FXは一時的な損をともなう取引です。
損をして当たり前と思ってください。
まずはデモ口座や少額取引で、損失に慣れることから始めましょう。
②取引ルールを作っていない
FX初心者は、取引ルールを作らずにトレードをしてしまいます。
取引ルールを作らずにトレードすると、「やってみたい!」という好奇心や「お金がほしい!」「稼ぎたい!」といった欲が出てしまい、「なんとなく良さそう」といった根拠に欠けるトレードをしがちです。
FXで失敗を避けるならば、自分で取引ルールを設定し、ルールを守って取引しなければなりません。
取引ルールを作らずにトレードすることは、食糧を持たずエベレストに登るようなものです。
FX初心者は、FXマーケットの厳しさを知りません。経験が少ないので当然です。
厳しさを知らなければ、入念に準備をする気にもならないでしょう。
急ぐ必要はないので、少しずつ経験を重ねてください。
その際に大切なことは、偶然の成功ではなく、継続的かつ再現性のある成功にフォーカスすることです。
少なくとも3ヵ月はデモ口座や少額取引を利用して、リスクを抑えながら経験を積んでいきましょう。
また、無料練習ツールの活用もおすすめです。
ネット上には無料の練習ツールがあるため、土日でも過去の値動きを確認しながら売買の練習ができます。
なお、取引ルールを考える際に押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 損切り
- 資金量と取引量
- 許容損失
- エントリーポイント
- 決済ポイント
- トレード記録
③取引しすぎてポジポジ病になっている
ポジポジ病とは、根拠もなくトレードを繰り返したり、常にポジションを持っていなければ落ち着かなくなる心理状態を指します。
ただし、根拠のないトレードでも、利益が出ることがあります。これがFXの怖いところです。
うまくいくとまた繰り返したくなるものですが、根拠のないトレードには、継続性や再現性はありません。そのため、たまたま成功したトレード方法を繰り返しても、うまくはいきません。
FXは、平日24時間値動きがあります。
値動きがあるということは、利益になる可能性があるということです。そのため、欲にかられたトレーダーには、すべてがチャンスに見えてしまいます。
だからこそ自分でルールを作り、エントリーポイントを絞りましょう。
利益になったトレードが成功ではなく、ルールを守ったトレードが成功です。
成功と失敗の認識を改めましょう。
④値動きが活発になる時間帯を知らない
FXには、値動きが活発になる時間帯とそうではない時間帯があります。
本来、値動きの違いによって適切なトレードタイミングが変わるため、トレード戦略も変えなければなりません。
値動きの少ない時間帯でたくさんトレードしても、利益になりづらいことを覚えておきましょう。
値動きの大きい時間帯に、小さな値幅で損切りの逆指値を設定してしまうと、すぐに損失を確定することに繋がります。
「いつもと同じトレードをしているはずなのにうまくいかない」と感じている方は、取引の時間帯をチェックしてみましょう。
値動きが活発になるのは、ロンドン市場とニューヨーク市場がオープンする時間帯と言われており、2つの市場が重なる21時から深夜1時頃が狙い目です。
反対に、値動きが小さくなるのは明け方5時から8時頃です。この時間帯は取引が少なくなり、スプレッドが大きく広がったり、スリッページが起こりやすくなったりします。
スリッページとは
引用元:SBI FXトレード
マーケットの状況により、注文時の画面に表示されている価格(注文レート)と、約定した価格(約定レート)が異なる場合があります。注文レートと約定レートの差を「スリッページ」といいます。
時間帯によって大きく値動きが変わることは、話を聞いたり文章を読んだりしただけでは実感が持てません。
実感のない知識は実践で役に立たないため、まずは自分で明け方の値動きと22時以降の値動きを見比べてみましょう。
そうすると、時間帯による値動きの明らかな違いに気づくはずです。
また、定量的に値動きの違いを把握できる「ボラティリティチェックツール」を無料で利用できるFX会社も存在します。興味のある方は一度確認してみるとよいでしょう。
上のグラフは、OANDA証券のボラティリティグラフです。
直近10日間の各時間帯におけるボラティリティ(値動きの幅)の大きさを、棒グラフで表示しています。
その他、無料でボラティリティをチェックできる主なFX会社は、以下の2社です。
- ヒロセ通商
- JFX
⑤利益が小さく損失が大きい
FX初心者は、保有ポジションに含み益が出るとすぐに利確し、反対に含み損を放置してしまいがちです。
このようなトレードを続けると、しばらくは小さな利益を積み重ねられるものの、一度の大きな損失により、積み重ねた利益以上の資金を失う可能性があります。
コツコツ積み上げた利益が一度の大きな損失で吹き飛んでしまうのは、トレーダーにとってツラいことです。
自暴自棄になって無駄なトレードを繰り返し、最終的に全資金を失ってしまうケースも少なくありません。
小さな含み益で利確する行為は、行動経済学の現在志向バイアスや保有効果で説明できます。
現在志向バイアスとは、将来的に大きな利益が得られるとわかっていても、目の前の小さな利益を優先してしまうという心理特性です。
また、保有効果とは、自分が現在所持しているモノに高い価値を置く心理現象を指します。いずれも、人間がよく取る行動といえます。
つまり、小さな利益で決済してしまうことは、人間として自然な行動だということです。
そのため、落ち込んだり自分を責めたりする必要はありません。
むしろ、初心者の段階で含み益のあるトレードを繰り返している自分を、高く評価してもよいでしょう。
トレードの成功はすぐ近くにあるかもしれません。
⑥得意な通貨ペアがない
得意な通貨ペアがなく、無秩序にトレードを繰り返したり、あらゆる通貨ペアからチャンスを掴もうとしたりするのも、初心者にありがちな失敗例です。
通貨ペアによって、値動きには大きな差があります。
すべての通貨ペアを同じようにトレードしてしまうと、失敗は避けられません。
また、複数の通貨ペアを同時に観察し、的確なトレードタイミングでエントリーすることは困難です。
加えて、複数ポジションの管理も、高度な知識や技術、判断力が必要になるため、初心者のうちは控えましょう。
「得意な通貨ペアがない」という状態は、多くの通貨ペアを観察したほうがチャンスが広がるという勘違いや、そもそも通貨ペアによる値動きの違いを把握していないことが原因です。
まずはデモ口座で各通貨ペアの値動きを観察し、得意な通貨ペアを1つか2つに絞ってみましょう。
初心者におすすめの通貨ペアは次のとおりです。
- ドル/円:円やドルは初心者でも親しみやすい。値動きも穏やか。
- ユーロ/ドル:取引量が最も多く、流動性が高い。取引チャンスが多い割に、値動きは大きすぎないためちょうど良い。
- ユーロ/円:ユーロ/ドルに比べて値動きが多いものの、レンジになることが多く、大きな損失になりづらい。
⑦ハイレバレッジの使い方を間違っている
FX初心者がハイレバレッジを大きな取引や利益のために利用すると、多大な損失に繋がりやすいので注意しましょう。
適切なエントリーポイントがわからなかったり、取引ルールが定まっていない状態で大きな利益を狙いにいくと、相場の値動きを客観的に判断できなくなってしまいます。
レバレッジは少額取引のために使いましょう。
FX初心者の場合、欲を抑えられないケースが多く見受けられます。
トレード判断を鈍らせるため、欲にかられたトレードは避けましょう。
レバレッジは少額取引のために使うものです。大きな取引を望む時点で、すでに冷静な状態ではない可能性があります。
少額取引で自己資金の入金額を減らし、リスクを抑えながらFXの経験を積みましょう。
⑧FX取引のために借金をしてしまう
「大きな資金があれば稼げる」と勘違いしたり、含み損を抱えたポジションを保有し続けたりした結果、借金をしてしまうケースがあります。
FX資金のために借金をするのは、損失が膨らむ危険性を高めるため、絶対にやめましょう。
投資や投機は余剰資金でするものです。
初心者のうちは大半の人が損をするため、借金をして資金量を増やすほど損失額が膨らみます。
借金を検討している時点で、正常な心理状態ではないことを自覚しましょう。
借金をしたくなったら、FXから離れることも視野に入れましょう。
デモ口座で経験を積みながらFXを学び、損失や利益を落ち着いて受け入れられるようになってからリアル口座にチャレンジしてみてください。
⑨資金量が大きすぎる
資金量が多いと、損益も大きくなります。
目の前で大きな損益が動いているのを見て、動揺しない人は少ないでしょう。
動揺はトレードの成否に大きく関わり、ときに失敗を招きます。
初心者が大きな資金量でトレードするときは、よほど余裕のある経済状態か、金欲に負けて大勝負に出ているかのどちらかでしょう。
前者であれば大きな失敗には繋がりにくいですが、自己資金に乏しい状態で大きな取引をするのは、ギャンブルと変わりません。
金額ばかりに注目していると、大きな資金で取引をしたくなるものです。そのため、FXの成果は金額ではなく利益率で評価するとよいでしょう。
利益率をチェックする習慣を身につけると、少額投資でも達成感が得られ、お金が増えていることを実感できます。
⑩損切りが悔しいと感じている
損切りが悔しいと感じるトレーダーは、次のトレードで損を取り返そうとします。
また、損切りによって自分のトレードが否定されたような気持ちになり、「次のトレードで成功して自分の正しさを証明しよう」と考えるケースも見受けられます。
FXトレードにおいては、どちらも大きな失敗に繋がる行為です。
トレードの成功は、ひとつひとつのトレードの損益では測れないものです。ただし、経験が少ない初心者には実感がわきにくい話かもしれません。
まずはデモ口座や少額取引で、損切りに慣れることから始めましょう。
損切りしてもトータルで損益がプラスになると実感できれば、損切りに対する拒絶反応を解消できます。
⑪100%勝てないと気がすまない
FXで負けるということは、自分のお金が減るということです。
これを受け入れられず、「100%勝たないと気がすまない」と考える初心者トレーダーも少なくありません。
損失を受け入れられず、「取り返そう」という気持ちを抱いてしまうと、無茶なトレードを繰り返してしまう可能性があります。
お金を増やしたくてFXを始める方が大半なので、「お金が減るのは嫌だ」という気持ちがあるのは仕方のないことです。
しかし一方で、FXでの失敗を避けるためには、損失との付き合い方を覚える必要があります。
まずは、リスクのないデモ口座で数ヵ月間、取引を繰り返しましょう。
デモ口座を通じて負けトレードに慣れることと、負けがあっても利益が出せることを実感できたら、リアル口座で取引してみてください。
⑫スワップ狙いでポジションを無計画に放置する
FXのスワップポイントは、ポジションを保有しているだけで受け取れるものです。
ただし、スワップ狙いで高金利通貨を保有し、無計画に放置していると、通貨の価格変動により大きな損失を被る可能性があります。
ポジションを保有しているだけで、国内の預金金利より高い利率でスワップポイントを受け取れることから、初心者でも「これならやれそう」と思う傾向があります。
しかし、保有している通貨自体の価格変動が大きいため、受け取れるスワップポイント以上の損失が発生することも珍しくありません。
特に、高金利な通貨の発行国であるメキシコやトルコ、南アフリカなどは、先進国に比べて経済状態が不安定な傾向にあります。
通貨の信用不安を加味すると、スワップ狙いはリスクが大きいことを認識しましょう。
⑬どこかに答えがあると思っている
「FXには答えがあり、勝っているトレーダーは答えを知っている」と思っているFX初心者も一定数存在します。
勝ち方は千差万別で、全員が同じ方法で勝てるわけではありません。
勝ち方を探すのではなく、勝ち方を自分で作る意識が大切です。
FXを学んでいくと、「FXは〇〇だけで勝てる!」「FXの勝ち方は〇〇!」といった謳い文句の商材に出会います。
よく勉強する人ほど答えを探してしまいがちですが、残念ながら全員に共通する勝ち方はありません。
ただし、失敗パターンは共通しています。
成功するためには失敗パターンを把握し、FXを長く続けることを意識しましょう。
その中で、少しずつ自分のトレードスタイルが確立されていきます。
それがあなたの勝ち方です。
FX初心者の本当にあった失敗談3つ
ここで紹介する失敗談は、本当にあった初心者の失敗例です。
これからFXを始める方は、同じような失敗をしないように注意しましょう。
①勢い任せにトレードして連敗
「FXなんてやめとけ」という友人の忠告を無視してFXを始めました。
収入を増やしたかったんです。
FXを始めたばかりのとき、24時間いつ見ても値動きがあるチャートに感動したのを覚えています。
「いつでも稼げる!」と思いました。
最初は損をすることが嫌でおそるおそるトレードしていて、プラスになるトレードもいくつかあって。
それで味をしめたんだと思います。
だんだん警戒心が薄れていって、大胆なトレードをするようになりました。
もちろん、うまくいくはずがありません。
エントリーするとすぐに逆行するトレードばかりで、「FX会社がレートを操っているのでは?」と疑ったことさえあります。
それでもトレードをやめられず、証拠金がなくなるたびに入金し、気づいたら50万円のマイナス。
当時の私には大きな金額でした。
「もっとちゃんと勉強や分析をやっておけばよかった」と後悔しています。
②高額なFXスクールで学ぶも勝てずに退場
FXを始めて3年。
あと少しで稼げるようになるような気がしていたのですが、どうしても損益がプラスにならずに悩んでいた時期でした。
何が足りないのかわからず、ネットで情報を探していたとき、当時注目していたフィボナッチ・リトレースメントの使い方を教えているスクールを見つけたのです。
スクール生全員が勝率90%を超え、月間の獲得pips数が1,000を超えるような成績を公開していました。
半年で30万円という高額なFXスクールでしたが、「勝てるようになればモトをとれる」と思い、申し込みました。
半年間真面目にデモ口座で練習を重ねましたが、結局勝てるようにならず、勝てないのにリアル口座でチャレンジして、自己資金を全額失ってしまいました。
③資金があれば儲かると勘違いして借金
FXを始めてしばらく経って、少しずつ勝てるトレードが増えていきました。
勉強も分析もしっかりやっていたので、成果が出てきた頃だったと思います。
連勝することもあり、小さな利益でしたが月間でプラスになることも増えていきました。
ただ、自己資金が10万円程度だったので金額が小さく、満足感がなかったことを覚えています。
また、利益額を大きくしたいという思いから、焦ってトレードして失敗するということも多かったです。
「もっと自己資金が多ければ、焦らずにトレードできるのにな・・・」と考えるようになり、一大決心して消費者金融で200万円借りてFXに投資することにしました。
「勝てるようになってきたし、ちょっと増えたらすぐ返そう」と考えていたのですが、実際にはそうはなりませんでした。
最初は調子が良く、利益が出るたびに取引量も増やしていき、どんどん利益が増えていく好循環。
でもこれが大失敗の入口で、「この調子ならもっと増える!」「年間で1億も夢じゃない!」と思うようになり、借金を返すよりもトレードを続けることを選択してしまったのです。
その後連敗する時期が訪れ、取り返すために焦ってトレードを繰り返し、1ヵ月積み重ねた利益を1日でゼロにしてしまいました。
結局借りた200万円もなくなり、今は働いた給料で借金を返しています。
FX初心者が失敗する理由3選
FX初心者が失敗する主な理由は、以下の3点です。
繰り返しになりますが、失敗を避けることが成功への道です。
同じ失敗を繰り返さないよう、入念に準備しましょう。
①FX取引の経験・勉強・分析が不足している
初心者は、FX取引の経験が十分ではありません。
これは仕方のないことです。
しかし成功には欠かせないポイントなので、多くの経験を積めるようにチャートをたくさん観察しましょう。
土日も過去のチャートで取引ルールを検証したり、練習ツールで取引を練習したりすることが可能です。
通貨ペアや時間帯による値動きの違い、経済指標発表時の値動きの仕方、その後の方向性と経済指標結果の関係など、観察することはたくさんあります。
経験・勉強・分析の重要性は初心者に限ったことではありません。勝てるようになっても継続的に取り組むべきことなので、早い段階で習慣にしておきましょう。
②セルフコントロールができない
FXは、感情や欲との戦いです。
これらを自分でコントロールできないと、FXで継続的に勝つことは困難です。
たとえば損をしたとき、どのような感情を抱くでしょうか。
悔しい、悲しい、がっかりした、イライラする、取り返してやるなど、さまざまな感情がわいてくるでしょう。
まずは自分の感情や欲に気づくことが大切です。
感情が揺れ動いたあと、自分がどのような行動をとったのか記録しておくと、セルフコントロールに役立ちます。
③短期的に大きく儲けようとしてしまう
短期的に大きく儲けようとする際に、FXトレーダーがとる代表的な行動は以下の3つです。
- 取引量を増やす
- 取引回数を増やす
- 利幅を増やす
これら3つがすべて成功すると短期的に大きく儲けられるものの、トレードのポイントを知らない初心者がマネすると大損する可能性があります。
非常によくある失敗なので、注意しましょう。
初心者に限らず多くのトレーダーは、これらと逆の行動をとるべきです。
長期的な計画を立て、取引量や取引回数を減らしましょう。
利幅はトレードスタイルに合わせてください。
スイングトレーダーは利幅が大きくなり、デイトレーダーやスキャルピングトレーダーの利幅は小さくなる傾向があります。
FX初心者が失敗を避けるための超重要心得6選
ここでは、失敗を避けるための心得をまとめました。
実践的なテクニックというよりは、トレーダーとしての大切な心構えです。
継続して勝っているトレーダーは当たり前に実践しているため、語られることが少ない点かもしれません。しかし、非常に重要なポイントなので、この機会に覚えましょう。
①FXは負けながら勝つもの
FXは、損をして当たり前のものです。
そのため、損をするたびに失敗と思い自分を責めていると、精神的に耐えられなくなります。
FXで大きな利益を上げていたり、継続的に収入を得ていたりするトレーダーでも、負けながら利益を積み重ねています。
損失は避けられないものと認識しましょう。
3歩進んで2歩下がるくらいの意識が、ちょうどよい姿勢です。
②FXは長期的に取り組むもの
FXはレバレッジをかけて取引できることから、資金量に対してリターンが大きくなる可能性があります。
その特徴から、短期的に大きな利益を上げて注目されるトレーダーもいます。
しかし、FXで大きな失敗を避けたければ、短期的に大きな利益を得ることは諦めましょう。
短期間で大きな利益を得るためには、取引量とトレード回数を増やす必要があります。
勝てるポイントや避けるべき相場を知らないうちに取引量とトレード回数を増やすと、投入した資金を失う可能性が高まります。
FXで大きな失敗を避けて継続的に稼ぎ続けたい場合は、長期的な計画で取り組むよう心がけましょう。
長期的な計画とは、少なくとも年単位です。
FXなら取引量や回数で無理をしなくても、積立投資などと比べて資産づくりの期間を短縮できる可能性があります。
焦らず、じっくり取り組みましょう。
③FXの勝ち方は自分でつくるもの
FXには、「これだけやっておけば大丈夫」という共通の勝ち方がありません。
FXスクールに通ったり、教材を購入したりするのは前向きな行動といえますが、それだけで勝てるようにはならないものだと認識しておきましょう。
また、勝っているトレーダーの勝ち方は参考になりますが、まったく同じようにやろうとしても簡単にマネできるものではありません。
FXチャートはだまし絵のようなもので、同じチャートでも人によって見え方が異なるからです。
FXに関連する教材や記事、書籍などを参考にして、オリジナルの勝ち方を作り上げましょう。
④FXのレバレッジは少額取引のために使うもの
初心者は特に、レバレッジを少額取引のために使うよう心がけましょう。
国内の場合、FXは最大25倍のレバレッジをかけられます。
1万円の自己資金でも25万円分の取引ができるため、1ドル140円のレート時のドル/円なら、1,000通貨の取引が可能です。
大きな利益は望めませんが、経験を積むには十分です。
なお、トレード成果は、利益額ではなく利益率で評価しましょう。
間違っても、大きな取引をするためにレバレッジを使わないでください。
稼げるエビデンスが揃うまで、少額取引を心がけましょう。
⑤FXに利益目標はいらない
FXに利益目標はいりません。
むしろ、ないほうが良いと言ったほうが適切です。
「1日20pips」「月利◯%」「初心者は月5,000円が目標」といった目標を耳にすることもありますが、初心者の成長には逆効果と心得ましょう。
相場はトレーダーの都合に合わせて動きません。
稼ぎたくても、チャンスゼロの日が続けばノーエントリーも十分あり得ます。
ところが、1日の目標値幅や月の利益目標を設定していると、「目標達成のために取引しなければ」と考えてしまうでしょう。
これが失敗の始まりです。
どうしても目標を設定したい場合は、トレードルールの遵守や取引記録を必ずつけるといったように、自分でコントロールできる目標を設定しましょう。
⑥FXでは大損を避けられないこともある
FXには「コツコツドカン」という言葉があります。
小さく積み重ねた利益を、一度の大きな損失ですべて失ってしまうことです。
トレードルールを守らず実行した取引は戒めるべきですが、突発的な事件や発表によってレートが大きく動き、損切りが間に合わなかったケースは避けようがありません。
自分のコントロールの及ばない出来事によって積み上げた利益がなくなっても、落ち込む必要はありません。
コツコツと利益を積み上げた期間に培ったトレード技術が、トレーダーにとって最大の財産です。
予測できない突発的な出来事で利益を失っても、自分の成長に目を向ければモチベーションを保ちながらFX取引に再チャレンジできます。
FX成功者は知っている初心者が失敗を避けるための注意点5選
ここでは、主に取引の場面で意識すべき注意点を紹介していきます。
①絶対に損切りの逆指値注文を入れる
ポジションを保有したら、すぐに損切りの逆指値を入れてください。
すぐに損切りの逆指値を入れるためには、ポジションを保有する前に逆指値をどこに入れるか決めておく必要があります。
損切り価格を決めずにポジションを保有してしまうと、「そのうち戻るだろう」という甘い考えに流されやすくなります。
損切り価格を決められないようなら、ポジションを保有すべきではありません。
エントリーと損切りの設定はセットだと覚えておきましょう。
②重要経済指標の発表スケジュールを把握しておく
以下の重要な経済指標の発表スケジュールは、必ず把握しておきましょう。
- 米国雇用統計
- FOMC(連邦公開市場委員会)
- 各国政策金利
重要な経済指標の発表前は、多くの市場参加者が動向を見守るため、取引を控えます。そのため、相場の値動きが硬直しやすい傾向にあります。
また、発表の直前と直後は、値動きやスプレッドが大きく変動しやすいタイミングです。約定も滑りやすくなります。
値動きの方向性が定まらないため、ギャンブル性の高いトレードになりがちです。
そのため、重要経済指標の発表前後のトレードは、FX初心者の場合、避けたほうがよいでしょう。
③安易なスワップ狙いをしない
FXにはスワップポイントがあり、高金利通貨の買いポジションを保有していると、毎日利益を得られます。
日本の普通預金金利よりも高い金利であるため、積み立て感覚でポジションを保有する人も存在します。ただし、価格変動のリスクを考慮すると、おすすめできません。
たとえば人気のある高金利通貨として、トルコリラや南アフリカランドがあります。これらは先進国に比べると、どちらも経済的に不安定な国の通貨です。
トルコリラ/円
南アフリカランド/円
どちらの通貨も、長期的に見ると下降トレンドです。
これらの通貨を長期保有する場合、スワップポイントを受け取っても資産価値が減少する可能性があります。
④勝てるようになっても勉強や分析を継続する
FXで勝てるようになっても、継続的な勉強や分析は欠かせません。
「一度勝てるようになったら、あとは楽をして稼げる」と思っていると失敗します。
どの業界においても、プロフェッショナルは継続的なトレーニングや勉強、コンディション調整に注力しています。FXトレーダーも同様に、常に成長し続ける姿勢が大切です。
厳しいマーケットで稼ぎ続けたいのであれば、チャート分析や情報収集、トレードの記録などを継続しましょう。
⑤FXとほどよく距離を取る
FXとの距離感は、非常に重要なポイントです。
FXを始めたばかりの時期であれば、多くの時間を勉強やチャート分析に費やしてもよいでしょう。
ただし、トレードは大きなストレスに繋がることもあり、集中力が必要です。
何時間もトレードをしていると、集中力が低下したり、自制できなくなったりします。
勉強や分析、過去のトレード検証に熱中するのは良いことですが、トレードにのめり込んではいけません。
一日の値動きの中で、1度取引チャンスを見つけて取引できれば十分です。
そのトレード成果がプラスでもマイナスでも、トレーダーとしては価値ある一日だったと評価してください。
あとはリラックスして、値動きを観察する程度に留めておきましょう。
FX初心者が読むべきおすすめFX書籍5冊
現代ではネットでも多様な情報を取得できるものの、どのような情報源を利用すればいいのか迷うFX初心者も少なくありません。
書籍の場合、一定の信用がある企業や著者が出版している可能性が高いことから、まずは書籍で学ぶことをおすすめします。
以下、FX初心者におすすめのFX書籍を5冊紹介します。
世界一やさしいFXの教科書1年生
本気で勝ちたい、FXで稼ぎたいと思っている初心者向けの一冊です。
「カンタン、誰でも、すぐに」といったタイプの本ではありません。
FXで勝つためのテクニックだけでなく、メンタルにまで言及しているので、相場と向き合う心構えが身につきます。
じっくり成長していきたい方におすすめです。
ずっと使えるFXチャート分析の基本
運に頼らず、実力をつけて相場の荒波を乗り越えたい方に読んでほしい一冊です。
チャート分析の基礎を、ローソク足の読み方からテクニカル指標の欠点までわかりやすく解説しています。
取引ルールが定まっていない方にとって、非常に参考になる一冊といえるでしょう。
デイトレード
取引に迷いがあってトレードチャンスを逃してしまう方や、突然調子を崩して利益を失くしてしまう方におすすめです。
話の中心は株式のデイトレーダーに関してですが、FXトレーダーにも当てはまる話ばかりです。大事なことを何度も繰り返し強調しているため、読み進めるだけで重要ポイントが頭にインプットされます。
読者に語りかけるような文体であることから、堅い文体の本が苦手な方にもおすすめです。
プライスアクションとローソク足の法則
ある程度基本的なチャート分析の知識が頭に入っていて、さらなる成長を望んでいる方におすすめです。
ローソク足1本から相場動向を読み取り、次の値動きを予測する方法が詳細に記されています。
この本を読むと、トップトレーダーがどれほど細かくチャートを分析し、値動きを観察しているのかが理解できるでしょう。
テクニカル分析を極めたいトレーダーにとって、読み応えのある一冊です。
ゾーン~「勝つ」相場心理学入門
相場との向き合い方は、トレーダーにとって重要な課題であるのと同時に、悩みの種です。
本書では、海外のトップトレーダーがどのように相場と向き合っているのかが、インタビュー形式で詳細に描かれています。
この本を読むと、トップトレーダーも私たちと同じような悩みを持っていることに気づきます。
トレーダーとしての苦難にどのように対処し、乗り越えているのかを成功者から学びたい人は、ぜひ手にとってみてください。
まとめ FX初心者に失敗はつきものと考えよう
本記事では、FX初心者が失敗を避ける方法や、リアルな失敗談について解説してきました。
多くの初心者が失敗を避けたいと思っていることでしょう。
しかし、FXに失敗はつきものです。
大切なのは、立ち直れなくなるほどの大きな失敗を避けることと、トレードによる多少の損失は失敗ではないと認識することです。
損失を受け入れ、FXに長期的に取り組みましょう。
詳細はこちら
外資系金融会社で5年間勤めた経験を持つ。2012年からデイトレードを開始し、FXで年間700万円の利益をあげるなど、現役トレーダーとしても活動している。
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