株式会社プラザホールディングスアイキャッチ
(画像=株式会社プラザホールディングス)
大島 康広(おおしま やすひろ)
株式会社プラザホールディングス代表取締役社長
1963年名古屋市生まれ
1984年大学在学中に写真撮影の会社設立
1988年写真店「パレットプラザ」全国展開スタート 株式会社プラザクリエイト設立
1996年株式会社プラザクリエイト上場
1995年と2006年それぞれ会社更生法になった上場会社2社の事業管財人となり健全に事業再生
2001年プラザクリエイトの子会社株式会社ジグノシステムを2社目の上場
2023年プラザクリエイトを傘下に持つ持株会社プラザホールディングスの社長として現在に至る
2023年7月に商号をプラザクリエイト本社からプラザホールディングスに変更。持株会社としてプラザクリエイトとストアクロスをバックアップする。 写真店の「パレットプラザ」にはじまり、モバイルショップ、つくるを楽しむ「つくるんです」、個室ブース「OneBo」、カフェ&アパレル事業「HATTO」、家族で自然体型「グランピングプラザ」などを展開する。
2023年3月期連結売上191億円

時代を越えて価値を提供し続ける

冨田:プラザホールディングスの創業についてお話しいただけますか?

当社は、私が大学生の頃に創業しました。当初は写真撮影のみを行っていましたが、自分でカラーの写真プリントもしたくなりました。しかし、全自動フィルム現像機やプリントシステムはなかったので、(写真現像を行うことができる)店舗を作ることにしました。それも、オープンキッチンスタイルの店舗としてです。最初は22歳で始めて、徐々に認知され、この事業を共同でやらせていただけないか?という要望を多くいただき、24歳の時にフランチャイズ事業を手掛ける会社としてプラザクリエイトを立ち上げました。その後、富士フイルム社の協力を得て、全国にフランチャイズでミニラボショップを展開しました。毎週どこかに新しい店がオープンするぐらい順調に店舗数が増え、遂に300店舗を超えました。しかし、個人保証で資金調達していたため、資金繰りが限界を迎え、エクイティで調達できるようになるために上場を目指して、現在に至ります。

上場後すぐにデジタル時代が訪れ、私が親しくしていた孫さん(ソフトバンクの孫正義さん)から、「フィルムがなくなるんじゃないの?」と言われました。当時はデジタルカメラの画質がプリントできるようなものではなかったので、私はそれまで心配していませんでした。

冨田:そうなんですね!それでも孫さんの言葉を受けて、何か対策は考えましたか?

はい、孫さんからもらった言葉である「もしフィルムがいらなくなったらどうするか」を常に考えるようになりました。その後、私は西海岸(シリコンバレー)のベンチャー企業を見学し、海外のM&Aやベンチャー投資を学びました。その後、デジタル時代が進み、従来の写真関連の事業が壊滅的な状況になりましたが、私たちは写真の価値を問い続け、変化を続けることで現在も生き残ることができています。

現在の売上のうち、7割がスマートフォンの販売事業です。デジカメからカメラ付き携帯電話、そしてスマホへとデバイスが変化し、高画質な写真や動画が撮れるようになりました。私たちは常に変化に対応し、写真を撮るデバイスを提供し続けています。これからもその姿勢を貫いていきたいと思っています。

経営判断の際には"プラザらしさ"を追求する

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冨田:これまで様々な経営判断があったと思いますが、経営判断する上で何を最も重視されていますか?

私は常に「これはプラザらしいか?」を軸に物事を考え意思決定をしています。最終的に成功するかどうか、社会に役に立つかどうかは、自分の思いや会社トップの人たち、お客さんからの評価が重要です。

私たちはブランドとサービスを一生懸命作ってきました。プラザの背骨には、思想や理念がしっかりと立っています。

冨田:大島代表の意思決定しなくても、中心の人たちは同じ意思決定ができているということですね。それがホールディングスという集合体になっているのでしょうか?

その通りです。当社の場合、外部の筆頭株主が富士フイルム社様で、20%近くお持ち頂いています。私たちはその巨大な写真フィルムの会社が大きく変化してきたのを隣で一緒に変化成長をさせて今に至っています。まさしく、変化をより良く生き残り成長する、そのDNAが私たちの中にも入っていると思います。

古いものを事業として進化させる

冨田:ご自身のルーツが現在につながっているとお考えになる点や、他の方より差別化できているポイントについてお聞かせいただけますか。

私が得意だと思うのは、古いものと思われている事業等を再び進化成長させることです。例えば、会社再生で厳しい状況にある企業を買収し、再生させていくことが挙げられます。10年、20年、30年前の会社やブランドで、忘れられかけているものを再び輝かせることが得意です。プロの経営者の方々は、事業を縮小させて収益化することが得意だと思いますが、その中から新しいものを作り出すことが私どもの強みだと思います。

冨田:再生という言葉は企業にとって重要ですね。昔から続く良いものを現代版にアップデートすることが大事だと思いますが、どうでしょうか。

本当にその通りです。例えば弊社グループのプラザクリエイトが展開しているグランピング施設の事業も、そういった発想から生まれてきました。グランピングはコンクリートの建物を建てるわけではなく、デッキの上にテントを設置することですから、環境にも配慮しています。私たちは地方の小さな民宿や温泉旅館と組んで、家族で思い出を作り、子供が楽しむ場所を提供していきたいと思っています。これから100か所、200か所とフランチャイズ的に広げていきたいですね。

家族向けサービスによって売上規模を1000億円に

冨田:プラザホールディングスの将来についてお伺いしたいのですが、どのような方向性を持っていらっしゃるのでしょうか?

遠い未来はまだイメージができていないのですが、今後は、家族を幸せにするサービスや商品を提供している会社、子どもの成長のための支援をしている保育園や幼稚園、個人の夢を実現するようなチャレンジをしている会社とチームとして強くなりたいと考えています。

冨田:今後の売上規模の目標はありますか?

5年間の時間軸で、現在の売上規模からグループ全体で500億円~1000億円を目指していきたいと思っています。M&Aや企業統合などで生産性を上げながら、より良いチームに成長していきたいと考えています。

プラザホールディングスからZUU onlineユーザーへ一言

冨田:ZUU onlineユーザーに向けて一言お願いできますか?

これまでプラザホールディングスはIRに積極的ではありませんでしたが、今後は少しずつ知っていただき、特に個人投資家の方に興味を持っていただけるような会社にしていきたいと考えています。これからもプラザホールディングスを気に留めていただけるとありがたいです。

氏名
大島 康広(おおしま やすひろ)
会社名
株式会社プラザホールディングス
役職
代表取締役社長