企業の発展は、社長の存在のみによってもたらされるものではなく、副社長や取締役といった影の参謀役の存在が欠かせない。各企業におけるのNo.2にご出演いただき、その役割と彼らの視点から思い描く事業戦略、さらには未来構想について伺おうと思う。
目次
現在までの事業変遷について
ーーGMO TECHのこれまでの事業編成について教えてください。
GMO TECH株式会社 取締役副社長 児林 秀一氏(以下、社名・肩書略):創業時は株式会社イノベックスという社名でSEO事業から始めました。当時のSEOは被リンク(※1)があれば順位が上がるという時代でした。そのため、GMOメディアの「teacup. 」や「ヤプログ!」などのブログサービスから被リンクを仕入れていました。
その際、GMOさんから仕入れるだけではなく、販売もしたらどうかというお声がけをいただいたのです。そこで、GMOグループに入り、SEO事業を拡大させていきました。
その後、スマートフォンが登場し、アプリが新しいプラットフォームとして注目されるようになりました。そこで、スマートフォンアプリ特化のアフィリエイト事業を始めました。これが現在の「GMO SmaAD」というサービスに繋がっています。この事業が順調に伸び、上場を目指すきっかけとなりました。結果的に、2014年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場しています。
ーー現在の主力事業はSEOとアフィリエイトなのでしょうか?
児林:現在はSEOとアプリ向けのアフィリエイト、MEO(※2)の3つが主力事業になっています。以前はO2O(※3)やオムニチャネル(※4)が流行しました。その際に私たちはMEOとO2Oがユーザーの意思決定動線上の親和性が高く、相性が良いのではないかと考え、MEOに注力したのです。順調に事業が伸び、現在の収益源となっています。
※1:外部のページやサイトに自社サイトのリンクを貼ってもらうこと
※2:MEO(Map Engine Optimization)とは、マップエンジン最適化を意味する言葉で、Googleマップでの検索結果において上位表示させること
※3:O2Oとはオンラインからオフラインへ送客・誘導することを目的とするマーケティング戦略
※4:企業とユーザーをつなぐ流通経路を関連づけして、どのチャネルからでも同価値の商品・サービスを購入できる環境づくりをすること
御社における児林様の役割について
ーー児林様のGMO TECHにおける役割を教えてください。
児林:はい、まずGMOにジョインしたときはGMO SEOテクノロジー株式会社という社名で、当時は従業員が15人から20人ぐらいの規模でした。僕が入社したのは2010年で、その頃は会社が成長期だったのです。前職では制作会社の取締役をやっており、ディレクターやプロデューサーといった役割を担っていました。当時のGMO SEOテクノロジーは組織が整っていなかったため、開発やディレクション、営業提案などを行いました。
社長の鈴木が全体をまとめる役割を担い、回しきれない部分を私が効率良くサポートしています。現在も基本的には鈴木が方針を決め、私がそれを具体化してチームを動かす役割を担っています。
児林様が意思決定の際に重要視をしている点について
ーー意思決定する場面で一番大切にされていることは何ですか?
児林:主に2つあります。1つ目はチームのリソース効率を最大化させ、適切なマネジメントを経ることでゴールを達成するという点です。目標としている結果にたどり着くために一番気をつけていることは、このリソースのマネジメントであると考えています。GMOは適切に指示ができていれば 、現場の方々がテキパキと動いていただける会社です。そのため、目標を120%で設定し、全体的な数字の進捗や人の動きを見て、必要があれば軌道修正をしています。
2つ目はメンバーが楽しんで仕事をしており、転職活動したときにその人間の個人市場価値が上がるかという点です。私はメンバーが大好きなので、社員の方々が給料以外にメリットがないのは嫌だと考えています。そのため、指示をする際には、どのような価値があるのか具体的な例を示し、スキルゲットや次のステップにつながるようなことを意識して進めています。
会社の数字も達成でき、メンバーも個人の市場価値が上がればみんながハッピーになれると思っています。
児林様の思い描いている御社の未来構想について
ーー児林様が思い描くGMO TECHの未来構想について教えてください。
児林:まず、私たちは「素晴らしい商品・サービスをもっと世の中に伝えたい」というビジョンを掲げています。ビジョンを達成するために、集客ビジネスで利用ユーザーを集め、お客様の売り上げを上げることにコミットしています。
しかし、私たちが提供しているサービスは限定的で、リアル店舗とスマートフォンアプリに集中しています。そのため今後は、様々なジャンルやニーズに対応できるように、事業を拡大していきたいと考えています。例えば、メーカーや農家など、さまざまな業界のお客様にも集客サービスを提供できるようになりたいと考えています。「集客といえばGMO TECH」と言われるようになるのがプロダクトの方針です。
また、上場企業としての市場変更は可能性を常に検討をしております。中期的な計画であらゆることを視野に検討していく所存です。
ーー市場変更を行うにあたり、重要だと考えていることは何ですか?
児林:顧客層を広げることです。現在のリアル店舗やアプリの市場規模は限られています。そのため、ターゲットとなる顧客層を広げて、市場規模を拡大していくことを目指しています。そうすることで、私たちの事業が成長し、価値を提供できる企業になれると考えています。
ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言
ーーZUU onlineユーザーへ一言お願いいたします。
児林:ZUU onlineオンラインのユーザーの方々は投資に積極的だと伺っております。私たちの会社は時価総額や直近数年の売上利益、配当などを見ていただくと、グロース市場としてかなり良い伸び率だと考えています。
私たちはこの先も成長を続けていくつもりです。ぜひ、投資家の皆さんに私たちの株を購入していただき、株価向上に一役買っていただけると嬉しいですね。
ーーありがとうございます。
- 氏名
- 児林 秀一(こばやし しゅういち)
- 社名
- GMO TECH株式会社
- 役職
- 取締役副社長