最近NISAやジュニアNISAなどの制度が整備された関係で投資を始めようという人が増えてきている。しかしいくら非課税で投資ができても、損失を出してしまっては意味がない。今回は「株初心者が勉強したいと思った時に読みたい投資本10選」として株初心者が健全な資産運用をできるよう役立つ本を解説していく。
株の勉強1. 経済の基本が理解できる本
経済の基本が理解できる4冊
まずは経済や投資の基本がとても分かりやすく理解できる本を4冊紹介する。
「知らないと損する 池上彰のお金の学校」(池上 彰著)
こちらの本は投資初心者にまず初めに読んでもらいたい一冊である。テレビでおなじみの池上彰による、お金にかかわる解説が非常にわかりやすく書いてある。
株式、債券、投資信託、FX、ETF、先物取引など投資全般を網羅し解説するだけでなく、GDP、インフレ、デフレ等、投資に関して、聞いたことがあるが実はよくわからない用語も簡単な言葉で解説されている。投資の勉強を始める第一歩に最適な一冊である。
「金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」
(ロバート・キヨサキ著)
この本は投資をこれから始めようとする人の背中を押してくれる内容が詰まった本である。タイトルにもある通り、金持ちの父さんと貧乏父さんの差について考察することで、お金に対しての考え方が自然と勉強できる内容となっている。この本を読むことによってお金に対する考え方がかなり変わる人もいようかと思われる。
内容は実生活での事例をもとに書かれていることが多く、投資に必要な基本的な考え方がわかりやすく勉強することができる。
「臆病者のための株入門 」(橘 玲著)
この本の前半では株式投資に関してのリスクの部分が書かれている。証券会社の発注ミスによって発生したジェイコム事件やライブドアの堀江元社長に関する騒動等、実際の株式市場で起こった恐ろしいことが書かれているが、後半では株式市場のリスクの部分を克服する投資方法について書かれている。
投資に関するリスクを正しく理解し、リスクときちんと向き合ったうえでの投資を勉強するには素晴らしい一冊である。
「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」
(足立 武志著)
投資において、ファンダメンタル分析がある程度できるというのは必須条件であるといっても過言ではない。この本ではファンダメンタルについての分析の仕方が初心者にもわかりやすく解説してある。
企業が発表する決算書の見方や、四季報の見方等、実際に投資する場合に役立つファンダメンタル部分の分析の仕方がわかりやすく勉強できる。さらにファンダメンタル部分だけではなく、チャート等のトレンド部分での投資手法も組み合わせて解説されており、バランスの取れた投資戦術を勉強することができる。
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株の勉強2. 著名投資家に学ぶ投資戦術
著名投資家から投資戦術が学べる3冊
投資の基本が勉強で来たら次の段階。著名投資家から投資に勝つためのコツを学ぶ3冊を紹介。
「史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵」(メアリー・バフェット、デビッド・クラーク著)
世界的にも著名な投資家であるバフェットの投資についての考え方が本書を読むことによって勉強出来る一冊。投資の神様ともよばれるバフェットの考え方は投資を始めようとする人にとっては参考にあることばかりの内容である。
本書の内容はバフェットの語録集となっており、一つ一つが短い内容であるのでとても読みやすくなっている。時間がない人にもおすすめの一冊。
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」
(メアリー・バフェット、デビッド・クラーク著)
こちらも世界的な著名投資家であるバフェットの投資戦術が学べる本。バフェットの特徴は短期の投資ではなく、長期の投資。将来性のある優良企業を見つけ、「株価」では無く「企業」を買うことに徹底している。
本書では投資銘柄決定までのプロセスがわかりやすく解説されており、読者自身もそのプロセスに当てはめながら銘柄を決定できる実戦的な内容となっている。
「賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法」
(ベンジャミン・グレアム著)
ベンジャミン・グレアムはバフェットが尊敬し、師と仰いだ人物としても有名。本書はアメリカでは投資の父と呼ばれているベンジャミン・グレアムの生み出したバリュー投資について勉強することができる内容なっている。
現在バリュー投資についての本は多数出版されているが、それらの本はすべてこの本が基礎となっていると言っても過言ではない内容の一冊である。
株の勉強3. 投資のマインドを学ぶ
投資マインドが学べる3冊
次は投資をする際のマインドについて参考になる本を3冊紹介する。
「となりの億万長者 成功を生む7つの法則」
(トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコ著)
この本は1万人以上の億万長者にアンケートとインタビューを繰り返し、その内容をまとめたものである。世間一般の人が考える億万長者のイメージとは全く違うことが本書には書かれている。
将来億万長者を目指すためには、投資をしなければならないということを説得力のある内容で解説なされている。投資をする意味を勉強するには最適な一冊である。
「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理」
(バートン・マルキール著)
この本では、チャート、ファンダメンタルズ、金融工学、行動経済学等様々な投資戦略について分析がなされ、最終的にどのような投資が負けにくい投資戦略かを解説している。
大勝ではなく、負けにくい投資を目指す人にはぜひおすすめしたい一冊である。
「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)
株式市場の売買のうち、ほとんどをプロである機関投資家が占めている昨今。プロ相手に勝者になるのは非常に難しいと思われるが、敗者には敗者の戦い方がある。
本書は投資でどのようにして負けにくい投資をするかを統計的なデータを用いて解説している。市場環境を冷静に見極め、資産を形成していくためにはぜひ読んでもらいたい一冊である。
以上10冊を紹介したがいかがだっただろうか。投資というのは資金を準備し、口座を開設すれば誰にでも簡単にできてしまう。
しかし、投資の世界では機関投資家等のプロがひしめき合い、個人投資家が安定的に利益を出していくのには、難しくなってきている。今回紹介した本は投資の基本を押さえ、著名投資家の投資手法を知り、どのようなマインドで投資に挑むかを自分自身で考えられる10冊となっている。
投資の世界は努力せず、楽をしてお金を儲けるイメージがあるが、実際のビジネスと同じように、投資の世界も努力なくして利益はない。ぜひ今回紹介した本を読んでもらい、勉強をし、有意義な投資を行ってもらいたい。
株式投資を勉強する意義とは?
株式投資を勉強することで、市場におけるチャンスやリスクを把握でき、資産運用がしやすくなる。戦略的な投資や計画的な運用ができ、勉強しないで株式投資を始めるよりも利益を得る可能性が高くなるだろう。「人生100年時代」や「老後2,000万円問題」など老後資金の不安払拭にもつながる。
ここでは、さらに詳しく株式投資を勉強する意義について見ていこう。
株式投資を勉強する3つの意義
人生100年時代への備え
厚生労働省によると2020年の日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳でどちらも過去最高を更新している。世界保健機関(WHO)に加盟する主要48か国の中で、日本の平均寿命は女性が1位、男性は2位だ。2050年には女性の平均寿命は90歳を超えるとも予測されている。
超高齢化社会に入る日本において、人生100年時代は身近なものだ。もし、100歳まで生きるとなると、定年退職後の生活が30年~40年あることになる。老後は健康リスクもあり何かとお金がかかると予想される。
自分のライフプランを早いうちから考えておくことは、自分の将来のビジョンを明確にする上で、とても重要です。また、ライフプランとお金の話とを同時に考えることで、人生設計で描いた内容を実現し、充実させていくこともできます。
引用元:金融庁|人生設計としてのライフプラン
長い老後期間に備えるためにも、株式投資などで早いうちから資産形成をしておくことが重要なのだ。
老後2,000万円問題への不安
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告で「老後30年で約2,000万円が不足する」とも受け取れる試算が示されたことで「老後2,000万円問題」が話題になりた。試算によれば、モデルケースの高齢夫婦無職世帯は毎月55,000円の赤字となる。
「自営業で国民年金のみ」「厚生年金を満額もらえない」など年金額や老後の生活費によっては、2,000万円以上の老後資金が必要となる可能性がある。
老後にいつまでも働くことは難しいため、資産運用によって老後資金を準備しておくことが大切だ。
仕事や日常生活に役立つ
あらゆる種類の投資は自分の資産を投じるため、勉強したうえで始めるのは当然だ。具体的な株式投資の勉強内容としては、次のようなものが挙げられる。
株式投資の勉強方法
- チャートの見方
- テクニカル分析
- ファンダメンタルズ分析
- 財務諸表の読み方
- 経済指標
このような知識は、投資信託や債券、不動産投資など株式以外の投資をする際にも役立ちますし、普段の仕事に活かすこともできるだろう。知識が身につけば「◯◯株は決算が良かったので株価が上がるのではないか」「政府の規制緩和が実施されるため△△株は上がる可能性がある」など、仮説に基づいた戦略的な投資ができるようになる。そのため、老後資金などのために資産運用をするのであれば、株式投資の勉強はとても大切だ。
株式投資で利益を出すには正しい知識が重要
株式投資の勉強は、適切な内容を学ぶことが大切だ。著名投資家やアナリストなどによる投資本を利用すれば、多くの知識とノウハウを学ぶことができるだろう。
本で投資を学ぶ際のポイント
本で株式投資の勉強をする場合は「レベルに合った勉強をする」「複数の本を読む」の2点が大切だ。自分の知識レベルに合った勉強をしないと、難しくて理解できない可能性がある。勉強が嫌になり、株式投資のスタートも遠のいてしまうだろう。
また、複数の本で勉強するようにしてください。1冊だと知識が偏る可能性があるからだ。複数の本を読むことで、知識が偏るのを防げますし、多角的な視点に立って考えられるようになるだろう。
はじめに自分の株式投資への理解度を確認
株式投資への理解度
はじめに自分の株式投資への理解度を確認し、レベルに合わせた勉強をすると効果的だ。株式投資初心者が、いきなり高度な知識について勉強を始めても頓挫してしまう可能性が高いだろう。理解度に応じた勉強を始めるようにしよう。
株式投資について全くの初心者
株式投資の仕組みや「売却益」「配当金」「株主優待」といった用語の意味、チャートの見方など、基本的なことがわからない方は全くの初心者といえる。
まずは、株式投資の仕組みやメリット・デメリット、用語の意味、チャートの見方など基本的なことから勉強をしたほうがよいだろう。初心者向けの投資本やWebサイト、セミナーなどを活用して、何も知らない状態で株式投資を始めるのだけはやめよう。
株式投資についてある程度の知識はある人
株式投資についてある程度の知識がある場合は、損益計算書や貸借対照表など決算書の読み方や投資を検討している銘柄の属する業界について勉強しよう。投資先の財務状況や業界動向を把握しておくことは大切だ。本やセミナー、企業のIRなどを活用しよう。また、決算書に目を通すことで、その企業や業界について理解が深まる。
さらに、過去や現在のチャートをもとにテクニカル分析やファンダメンタルズ分析の練習をすることも視野に入ってくる。
実際に株式投資の経験がある
すでに株式投資の経験がある方は、不足している知識を勉強しよう。金利と株価の関係、財務諸表の読み方、テクニカル分析方法など、人によって勉強する内容が異なる。実際に投資をして「◯◯って何だろう?」「△△の意味がわからない」など疑問に思ったことをできるだけ早いタイミングで勉強することが大切だ。
また、より深い知識を得るために、証券会社が提供するアナリストレポートやマーケット情報には目を通すようにしよう。
初心者が気をつけるべき株式投資の注意点
株式投資の注意点
株式投資をする際は、集中投資に注意しよう。また、余剰資金を超える取引は行わないことが大切だ。
ここでは、初心者が気をつけるべき株式投資の注意点について見ていこう。
注意点1:ハイリスクな集中投資を避ける
「1つの銘柄に全財産を投資する」という集中投資はリスクが高いため避けよう。投資した企業が業績悪化などで株価が下がると、大きな影響を受けてしまうからだ。
資産を1つの銘柄に集中せず、複数の銘柄に分散して投資をすれば、1銘柄の株価が下がっても影響は限定的だ。投資は分散投資でリスクを軽減するのが基本となるので、初心者の方はハイリスクな集中投資を避けるようにしよう。
リスクを減らす方法の一つに分散投資があります。分散投資には、「資産・銘柄」の分散や「地域の分散」などのほか、投資する時間(時期)をずらす「時間(時期)分散」という考え方があります。
引用元:金融庁|分散投資
注意点2:余剰資金を超える取引は行わない
株に限らず、投資は余剰資金で行うのが鉄則だ。損失リスクがあるため、余剰資金の範囲を超えて生活資金を投じると、家計が圧迫され、支払いや返済に支障が出る可能性がある。投資が原因で破産する恐れもあるため注意が必要だ。
株式投資を始める場合は、余剰資金を超える取引はしないようにしてください。
株式投資は値上がり益や配当金、株主優待などをもらえるメリットがある一方で、損失リスクもある。必ず儲かるものではない。だからこそ、初心者は手数料が安く少額資金で投資ができる証券会社を選ぶと安心だ。損切りの徹底や余剰資金による取引などを意識したうえで投資をするようにしよう。
信用リスク(デフォルト・リスク)
引用元:金融庁|投資の基本
株式や国債・債券などを発行している国や企業が、財政難や経営不振などを理由に投資家から預かっていたお金(元本)や利息の一部または全部を返済する能力がなくなる可能性のこと。
まとめ
資産運用をする上で、株式投資の知識を身につけることは非常に重要だ。勉強を積み重ねることでリスクを低減したり、利益を得る確率を高めることができるだろう。株式投資の勉強には、「これで終わり」ということはないため、継続的に複数の投資本を活用し、自分のレベルに合った勉強を続けていこう。
ある程度の知識やノウハウを得たあとは、実際に株式投資を行い、疑問を持ったことについて勉強するのが効率的だ。投資本は1,500円~2,500円前後しますが、長期的な視野にたった資産運用による利益を考えると安いものだ。株式投資に興味がある方は、早速、投資本を使って勉強を始めよう。
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人生100年時代において、老後資金の用意や健康リスクに備えるためにも株式投資を学ぶ必要性があります。
株式投資の注意点は?
1つの銘柄に集中投資をしないことや余剰資金以上の投資をしないことが注意点として挙げられます。
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日々トレードを重ねる個人投資家・ブロガー。金融情報会社フィスコのソーシャルレポーターとして、20以上のメディアに株についての記事を配信するほか、株&猫ブログ『儲かる株情報「猫旦那のお株は天井知らず」』では、独自の視点で注目した銘柄を随時紹介している。趣味は野球、落語、酒。猫旦那(飼い猫)の名前は「なつ」、含み益はもっぱら家族(嫁&娘)に献上。
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