イーサリアム(ETH)は2,543ドル近辺で週明けを迎えました。先週は3銘柄のなかで最も大きく下げ、9日未明には2,413.52ドルまで売られています。一方で技術面では、次の大型更新が試験網で予定どおり稼働しました。
イーサリアム(ETH) 相場解説(2026年10月12日 更新)
イーサリアム(ETH)の注目ポイント
イーサリアム(ETH)は2,543ドル近辺での推移となっています。先週の安値である2,413.52ドルからは約5.4%戻しており、戻り幅はビットコイン(BTC)の約3.6%を上回りました。ただし週初の高値2,730.50ドルからは、まだ約6.8%下の水準です。
先週は週間で約7.4%下げ、3銘柄で最も大きい下落率となりました。理由はこの銘柄に固有の悪材料ではなく、値動きの大きさです。10月8日の清算額はイーサリアム(ETH)分が約3億2,700万ドルとなり、ビットコイン(BTC)の約3億ドルを上回っています。時価総額では5倍以上の差がある銘柄に、清算額で並んだことになります。
技術面では前進がありました。次の大型更新「グラムステルダム」が、10月6日に試験網セポリアで稼働しています。ただし価格はこの日ほとんど動かず、前日比は約0.2%の下落にとどまりました。
反応が乏しかったのは不自然ではありません。今回動いたのは試験網であり、本体での実施日はまだ決まっていないためです。価格が先に動いていたら、そちらのほうが先走りです。
今週の焦点は10月14日に発表される米国9月の消費者物価指数です。上値として意識されるのは2,565ドル、次に週初高値の2,730.50ドルです。下値は2,498ドル、次に先週の安値である2,413.52ドルになります。
ZUU Web3 竹原イーサリアム(ETH)の先週1週間の値動き
先週は3銘柄のなかで最も下げました。10月5日の昼に2,730.50ドルまで上昇したあと水準を切り下げ、9日の未明には2,413.52ドルまで下げています。10月4日の2,698.85ドル近辺から11日の2,500.47ドル近辺まで、週間の騰落率は約7.4%の下落でした。
週間の値幅は、安値2,413.52ドルから高値2,730.50ドルまでの約13.1%です。ビットコイン(BTC)の約7.4%と比べると、ほぼ2倍の振れ幅でした。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 主な材料 |
|---|---|---|---|
| 10月5日(月) | 約$2,721 | 約+0.8% | 前週末の流れを引き継ぎ週間高値をつける |
| 10月6日(火) | 約$2,715 | 約-0.2% | 大型更新が試験網で稼働するも相場は動かず |
| 10月7日(水) | 約$2,570 | 約-5.4% | 米国の現物ETFから資金流出、利回りと原油の上昇 |
| 10月8日(木) | 約$2,520 | 約-1.9% | 資金流出が続き下値を切り下げる |
| 10月9日(金) | 約$2,482 | 約-1.5% | 未明に2,413.52ドルまで下げたあと戻す |
| 10月10日(土) | 約$2,497 | 約+0.6% | 週末で参加者は限られる |
| 10月11日(日) | 約$2,500 | 約+0.1% | 2,500ドル台で週を終える |
下げが集中したのは10月7日と、9日の未明でした。7日は日中を通じて約5.4%下げ、週間で最も大きい下落幅となっています。9日の未明は日本時間の午前1時台の1時間だけで約3.7%下げ、2時間後に週間安値の2,413.52ドルに達しました。
9日未明の下げ幅は、同じ時間帯のビットコイン(BTC)の約2.0%を大きく上回ります。Cryptobriefingは、CoinGlassのデータとして10月8日の清算額のうちイーサリアム(ETH)分が約3億2,700万ドルとなり、ビットコイン(BTC)の約3億ドルを上回ったと報じています。清算額で上回る状態は、値動きの大きい銘柄ほどレバレッジがかかりやすいことの表れです。
下げの背景にあったのは、この銘柄の外の環境です。ZUU onlineの「日々是相場[夕刊]」は、10月9日の市況について「原油も高止まりとなった」と伝えています。原油高は物価を押し上げ、利下げ観測を後退させる方向に働くため、値動きの大きい資産ほど売られやすくなります。同記事は同じ日について「債券の買い戻しなどで利回りが低下した」とも記しており、週の終盤に下げ止まった動きと整合します。
注目したいのは、10月6日に大型更新が試験網で稼働したにもかかわらず、相場がほとんど反応しなかったことです。前日比は約0.2%の下落にとどまりました。
出典:Cryptobriefing(清算額)/ZUU online『日々是相場[夕刊]―― 2026年10月9日(金)』



イーサリアム(ETH)に関するZUU Web3の見解



この週のイーサリアム(ETH)には、技術的な前進と価格の下落が同時に起きました。矛盾しているように見えますが、分けて考える必要があります。
まず、下げた理由は銘柄の中にはありません。10月7日の下落は3銘柄に同時に起きており、ビットコイン(BTC)もリップル(XRP)も同じ日に下げています。9日未明の急落も同様です。外の環境が売らせた週であって、イーサリアム(ETH)に固有の悪材料が出た週ではありませんでした。
では、なぜ最も下げたのか。値動きの大きさの差です。同じ外的要因でも、レバレッジがかかりやすい銘柄ほど清算の連鎖が起きやすく、下げ幅が増幅されます。清算額でビットコイン(BTC)を上回ったことが、それを数字で示しています。
そのうえで、更新が相場に反映されなかったことをどう見るかです。今回稼働したのは試験網であり、本番環境の実施日はまだ決まっていません。実際に使われる状態になるまで時間があるため、価格が反応しないのは不自然ではありません。むしろ、反応していたら先走りです。
ファンダメンタルズのセクションでは、今回の更新が何を変えようとしているのかを整理します。
この先の予定のセクションでは、今週の米国の物価統計を確認します。
イーサリアム(ETH)の価格動向・チャート概況
2026年10月12日午後1時ごろ(JST)時点で、イーサリアム(ETH)は2,543ドル近辺で推移していました。日本円に換算すると、おおむね40万2,000円前後の水準です(出典:CoinGecko・2026年10月12日時点)。
先週の値幅は、安値の2,413.52ドルから高値の2,730.50ドルまで、約13.1%でした。ビットコイン(BTC)の約7.4%、リップル(XRP)の約14.8%と並べると、3銘柄の真ん中にあたります。
終値ベースでは、安値は10月9日の2,482ドル、高値は10月5日の2,721ドルで、値幅は約9.6%です。ザラ場の13.1%との差が、9日未明の急落と戻りの大きさを表しています。
時価総額は約3,105億ドルで、史上最高値からの下落率は約49%です。前週は約45%だったため、1週間で4ポイント開きました。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 直近の水準(10月12日) | 約$2,543 | 約40万2,000円前後で推移 |
| 前日比 | 約+1.7% | 10月11日の約$2,500から上昇 |
| 週間騰落率(10月5日〜11日) | 約-7.4% | 3銘柄で最も大きい下げ |
| 週間高値(終値ベース) | 約$2,721 | 10月5日に記録 |
| 週間安値(終値ベース) | 約$2,482 | 10月9日に記録 |
| 週間安値(ザラ場) | 約$2,413.52 | 10月9日午前2時ごろに記録 |
| 週間の値幅 | 約13.1% | ビットコイン(BTC)の約1.8倍 |
| 24時間の値幅 | $2,498〜$2,565 | 約2.7% |
| 上値抵抗 | $2,565、次に$2,730 | 後者は10月5日の週間高値 |
| 下値サポート | $2,498、次に$2,414 | 後者は先週の安値 |
| 時価総額 | 約$3,105億 | 暗号資産で第2位 |
| 流通供給量 | 約1億2,209万ETH | 発行上限はなし |
| 史上最高値 | $4,946.05 | 2025年8月24日に記録 |
| 史上最高値からの下落率 | 約-49% | 前週の約-45%から悪化 |
水準としては、2,413.52ドルが先週つくった下値のめどです。また、週の後半に3日続けて2,480ドルから2,500ドルの狭い範囲で終えていることから、この帯が当面の支えとして意識されやすくなっています。上値では、週初の2,730.50ドルが戻りのめどになります。
当面の判断材料は2,565ドルです。この24時間の高値であり、ここを終値で超えられるかどうかが、戻りが続くかの目安になります。



イーサリアム(ETH)のファンダメンタルズ
10月6日、次の大型更新「グラムステルダム」が試験網セポリアで稼働しました。neweconomyによると、有効化は日本時間の10月6日22時53分36秒です。
この更新に含まれる主な変更は3つです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| EIP-7732 | ブロックを組み立てる役割と提案する役割を、仕組みとして分ける |
| EIP-7928 | ブロックの処理でアクセスした領域と変更内容を記録する |
| EIP-8037 | 新しい状態をつくる処理の手数料を引き上げ、実行処理と分けて計る |
狙いは処理能力の引き上げです。同記事によると、1ブロックあたり2億ガスのガスリミットを目標としています。ガスリミットは1ブロックで扱える処理量の上限を指すため、これが上がれば同じ時間により多くの取引を入れられます。
ただし、今回稼働したのは試験網です。同記事は、試験網フーディとイーサリアム本体での実施日は執筆時点で決まっていないと記しています。本番で動くのはまだ先であり、現時点では「本番に向けた検証が1段階進んだ」という位置づけになります。



イーサリアム(ETH)のこの先の予定
今週は米国の物価統計が集中します。先週の下げが原油高と利回りを通じた動きだったことを踏まえると、物価の数字は直接の材料になります。
| 日付 | 内容 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 10月14日(水) | 米国 9月の消費者物価指数 | 原油高が物価に出ているかどうか |
| 10月15日(木) | 米国 9月の生産者物価指数・小売売上高 | 企業段階の物価と個人消費の動き |
| 未定 | グラムステルダムの試験網フーディへの展開 | 本番実施に向けた次の段階 |
イーサリアム(ETH)は値動きが大きいぶん、物価統計のような全体に効く材料では下げ幅も戻り幅も大きくなりやすい銘柄です。先週の安値である2,413.52ドルを下回るかどうかが、一つの目安になります。
更新については、次の節目はフーディへの展開です。日程が出れば、本番実施の時期を見積もる材料になります。



当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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