ビットコイン(BTC)は8万6,000ドル台まで水準を切り上げました。先週は8万3,000ドルから8万4,000ドル台での静かな推移が続きましたが、10月2日に発表された米国の雇用統計が予想を大きく下回り、金利の見通しが一変しています。
ビットコイン(BTC) 相場解説(2026年10月5日 更新)
ビットコイン(BTC)の注目ポイント
ビットコイン(BTC)は8万6,000ドル台での推移となっています。先週半ばまでは8万3,000ドルから8万4,000ドル台で動きの乏しい展開でしたが、週末をはさんで水準を一段上げました。
きっかけは10月2日に発表された9月の米雇用統計です。非農業部門の雇用者数は2万9,000人の増加にとどまり、8万4,000人という市場予想を大きく下回りました。7月分と8月分についても下方修正が入っています。
これを受けて、10月の利上げを見込む確率は急速に下がりました。CoinDeskによると、市場は10月の会合での利上げをほぼ織り込まない水準まで見方を変えています。9月の時点では70%を超えて織り込まれていたため、短期間での反転です。
上値として意識されているのは8万7,000ドル、下値は8万4,000ドル、次に8万2,000ドルです。8万2,000ドルは9月22日に上抜けた水準で、先週も下回ることはありませんでした。
ただし米国債の利回りは依然として高い水準にあります。利上げ観測が後退しても、利回りそのものが下がらなければ、利息を生まない資産への逆風は残ります。
ZUU Web3 竹原ビットコイン(BTC)の先週1週間の値動き
先週は、週明けに下げたあと終盤まで動きの乏しい展開でした。9月28日の8万4,400ドル近辺から始まり、29日に8万3,500ドル近辺まで下げたあとは、週末まで8万3,000ドルから8万4,800ドルの狭い範囲で推移しています。
9月28日から10月4日までの週間騰落率は約0.3%の上昇で、ほぼ横ばいでした。週間の値幅も、終値ベースでは安値の8万3,479ドルから高値の8万4,842ドルまでの約1.6%にとどまっています。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 主な材料 |
|---|---|---|---|
| 9月28日(月) | 約$84,449 | ほぼ横ばい | 中東情勢を受けた売りが続く |
| 9月29日(火) | 約$83,479 | 約-1.1% | 金利上昇と消費者信頼感の低下 |
| 9月30日(水) | 約$83,640 | 約+0.2% | 利回りが落ち着き小幅に戻す |
| 10月1日(木) | 約$83,576 | 約-0.1% | 雇用統計を控えて動きが乏しい |
| 10月2日(金) | 約$84,842 | 約+1.5% | 雇用統計が予想を大きく下回る |
| 10月3日(土) | 約$84,506 | 約-0.4% | 週末で参加者は限られる |
| 10月4日(日) | 約$84,743 | 約+0.3% | 8万4,000ドル台を維持 |
週の分岐点は10月2日でした。雇用統計の発表直後、CoinDeskによるとビットコイン(BTC)は一時8万7,000ドルを超える場面があり、その後約2,000ドル下げて8万5,000ドル台で落ち着いています。終値としては8万4,842ドルで、上げ幅の多くを戻した形です。
注目したいのは、発表前の4営業日がほとんど動かなかったことです。29日の下落も金利と消費者信頼感という外の材料によるもので、この銘柄に固有の売買が相場を動かした週ではありませんでした。
そして週明けの10月5日には8万6,490ドルまで上昇しています。週のあいだに出た材料が、週をまたいで水準に反映された形です。



ビットコイン(BTC)に関するZUU Web3の見解



週間でほぼ横ばいだったこの銘柄に、何が起きていたと言えるのでしょうか。
見方は2つあります。ひとつは「材料がなく動けなかった週」です。もうひとつは「雇用統計という1点に、市場の関心が集まっていた週」です。値動きの乏しさを見れば前者ですが、発表直後に一時8万7,000ドルを超えたことを見れば後者になります。おそらく後者が実態に近く、4営業日の静けさは様子見だったと考えられます。
価格動向のセクションでは、先週つくった水準と足元の位置関係を整理します。
マクロ環境のセクションでは、雇用統計が何をどう変えたのかを、金利と利回りに分けて見ます。
この先の予定のセクションでは、10月末の会合までに控えている材料を確認します。
相場が動かない週は、材料が不足しているのか、それとも次の材料を待っているのか。この区別は、あとから振り返ったときにしか確かめられません。ただ、待っていたのだとすれば、答えが出たあとの動きのほうが重要になります。
ビットコイン(BTC)の価格動向・チャート概況
2026年10月5日午後2時ごろ(JST)時点で、ビットコイン(BTC)は8万6,490ドル近辺で推移していました。日本円に換算すると、おおむね1,367万円前後の水準です。
先週の値幅は、終値ベースで安値の8万3,479ドルから高値の8万4,842ドルまで、約1.6%でした。9月の週間値幅が約7%だったことと比べると、かなり狭い範囲での動きだったことになります。
時価総額は約1兆7,376億ドルで、史上最高値からの下落率は約31%です。8月18日には約49%まで開いていたため、改善が続いています。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 直近の水準(10月5日) | 約$86,490 | 約1,367万円前後で推移 |
| 前日比 | 約+2.1% | 10月4日の約$84,743から上昇 |
| 週間騰落率(9月28日〜10月4日) | 約+0.3% | ほぼ横ばい |
| 週間高値(終値ベース) | 約$84,842 | 10月2日に記録 |
| 週間安値(終値ベース) | 約$83,479 | 9月29日に記録 |
| 週間の値幅 | 約1.6% | 9月の約7%から大きく縮小 |
| 上値抵抗 | $87,000、次に$90,000 | 前者は10月2日の高値圏 |
| 下値サポート | $84,000、次に$82,000 | 後者は9月22日に上抜けた水準 |
| 時価総額 | 約$1.738兆 | 暗号資産で第1位 |
| 流通供給量 | 約2,009万BTC | 上限は2,100万BTC |
| 史上最高値 | $126,080 | 2025年10月6日に記録 |
| 史上最高値からの下落率 | 約-31% | 8月18日の約-49%から改善 |
水準として見ると、9月に上抜けた8万2,000ドルを土台に、一段上の価格帯へ移った状態です。先週8万2,000ドルを試す場面がなかったことは、この水準が支えとして定着しつつあることを示しています。
当面の判断材料は8万7,000ドルです。10月2日に一度届いて戻された水準で、ここを終値で超えられるかが次の局面の目安になります。



ビットコイン(BTC)とマクロ環境との連動
先週この銘柄を動かしたのは、すべて外の材料でした。順に見ていきます。
週前半は金利の上昇と消費者信頼感の低下でした。CoinDeskによると、9月29日は利回りの上昇を受けて下落し、その後利回りが落ち着いたことで8万4,000ドル台を回復しています。
週後半の主役は雇用統計です。9月の非農業部門雇用者数は2万9,000人の増加で、市場予想の8万4,000人を大きく下回りました。失業率は4.2%へ上昇しましたが、これは労働力人口の増加が主な要因とされています。7月分と8月分にも下方修正が入りました。
この結果、10月の利上げを見込む確率は大幅に低下しました。9月16日の会合で0.25%の引き上げが決まり、年内にもう一度の利上げも示唆されていた流れが、1つの指標で変わったことになります。
ただし、利上げ観測の後退がそのまま追い風になるとは限りません。米国債の利回りは依然として高い水準にあり、安全な資産で得られる収益が大きい状況は続いています。利息を生まないこの銘柄にとっては、利回りそのものが下がるまで逆風が残ります。
あわせて、市場全体に占めるビットコイン(BTC)の比率は60%近辺まで上昇しました。CoinDeskはこれをリスクを取る動きの表れと伝えていますが、裏を返せば資金がこの銘柄に集まり、他の銘柄からは抜けている状態でもあります。



ビットコイン(BTC)のこの先の予定
金融政策の次の会合は10月27日から28日です。先週の雇用統計を受けて、市場は金利の据え置きを有力と見る方向へ傾きました。
会合までに9月の物価指標が発表されます。雇用が弱くても物価の上昇が続いていれば、引き締めを続ける必要性は残ります。雇用統計で一度傾いた見方が、物価指標で揺り戻される可能性があるとみられます。
中東情勢も引き続き材料です。原油価格を通じて物価に波及する経路があり、金融政策では下げられない種類の物価上昇につながります。9月末にかけては原油が再び上昇しており、この影響が物価指標にどう出るかは、まだ読み切れません。
| 時期 | 予定 | ビットコイン(BTC)への影響 |
|---|---|---|
| 10月中 | 9月の物価指標の発表 | 雇用統計で傾いた見方が揺り戻されるか |
| 10月27日〜28日 | 金融政策の会合 | 据え置きが有力視される方向へ |
| 継続 | 米国債の利回りと中東情勢 | 利回りが下がるかどうかが実質的な焦点 |
会合までの3週間は、物価指標の結果が据え置き観測を補強するか、それを崩すかを見る局面になるとみられます。8万7,000ドルを超えられるかも、この間の材料次第です。



当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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