イーサリアム(ETH)は$1,918近辺まで戻し、7月の月間上昇率は約21%とビットコイン(BTC)を大きく上回りました。米経済指標の下振れが追い風となる一方、直近1週間はほぼ横ばいで、勢いの持続力が問われています。
イーサリアム(ETH) 相場解説(2026年7月31日)
イーサリアム(ETH)の注目ポイント
本日のイーサリアム(ETH)は、$1,918近辺で推移しています。前日の$1,900近辺から水準を切り上げ、24時間では約1.9%の上昇となりました。
直接の追い風は、7月30日に米国で発表された経済指標です。FRBが重視するコアPCE価格指数は6月に前月比0.1%の上昇と市場予想の0.2%を下回り、第2四半期の実質GDP成長率も年率1.5%と予想の2.1%に届きませんでした。
前日のFOMCがタカ派的な内容だっただけに、翌日の指標が追加利上げへの警戒を和らげた格好です。この点はビットコイン(BTC)と共通しています。
ただし、イーサリアム(ETH)にはもう一つの文脈があります。30日間の騰落率は約21.2%高で、同期間のビットコイン(BTC)の約10.2%高を大きく上回りました。
チャートを直接参照したところ、ETH/BTC比率は約0.0298 BTCで、24時間では約0.4%の上昇でした。7月を通じて、市場の資金は相対的にイーサリアム(ETH)へ傾いてきたことになります。
一方で、7日間の変動率は約0.2%高とほぼ横ばいです。月間の強さと週間の停滞が同居しており、$1,973の7日間高値を試せるかが当面の焦点になります。
ZUU Web3 竹原イーサリアム(ETH)に関するZUU Web3の見解



7月のイーサリアム(ETH)がビットコイン(BTC)を2倍以上のペースで上回った背景には、どんな要素があったと考えられるでしょうか。
市場では、ステーキング利回りを生むという性質が、金利の高止まりが続く環境でむしろ評価されているという見方があります。加えて、資金フローの面でも他の暗号資産とは異なる動きが確認されています。
価格動向のセクションでは、$1,973の上値抵抗と$1,860の下値、そして薄れつつある値幅を整理します。
オンチェーンデータのセクションでは、企業が保有するイーサリアム(ETH)の規模と、ネットワーク手数料の低さが示す意味を取り上げます。
ファンダメンタルズのセクションでは、7月の資金流入がビットコイン(BTC)を上回った事実と、その担い手について触れます。
相対的な強さは、それ自体が需給の答えではありません。何が買われているのかを分解しておくことが、この流れが続くかどうかを判断する材料になるはずです。
イーサリアム(ETH)の価格動向・チャート概況
チャートを直接参照したところ、2026年7月31日午後2時ごろ(JST)のデータでは、イーサリアム(ETH)は$1,918.18近辺で推移していました。日本円に換算すると、おおむね28万円前後の水準です。
同じ時点のデータでは、24時間の高値は$1,925.65、安値は$1,860.94で、値幅は約$65にとどまりました。7日間では$1,848.12〜$1,973.90のレンジ内での推移です。
24時間の出来高は約102億ドルで、前日比では約7.7%の減少です。時価総額は約2,314億ドルで、暗号資産全体に占める比率は約10.0%でした。史上最高値の$4,946.05からは、依然として約61.2%低い位置にあります。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(7月31日) | 約$1,918 | 約28万円前後で推移 |
| 前日水準・前日比 | $1,900近辺から約+1.9% | 米指標の下振れを受けた反発 |
| 24時間高値 | $1,925.65 | $1,900台後半で頭打ち |
| 24時間安値 | $1,860.94 | $1,850台は割り込まず |
| 7日間レンジ | $1,848.12〜$1,973.90 | 約$126幅の往来 |
| 7日間変動率 | 約+0.2% | 週間ではほぼ横ばい |
| 30日間変動率 | 約+21.2% | ビットコイン(BTC)を大きく上回る |
| 上値抵抗 | $1,973、次に$2,000 | 7日間高値と心理的節目 |
| 下値サポート | $1,860、次に$1,848 | 直近の安値圏が意識される |
| ETH/BTC比率 | 約0.0298 BTC | 24時間で約+0.4% |
| 24時間出来高 | 約102億ドル | 前日比約-7.7%と商いは減少 |
| 時価総額 | 約$2,314億 | 暗号資産全体の約10.0% |
| 史上最高値(参考) | $4,946.05 | 2025年8月24日に記録 |
値動きの薄さは、市場全体の傾向と一致しています。CoinDeskによると、7月29日から30日にかけての暗号資産デリバティブの清算額は約2億8,600万ドルで、そのうちイーサリアム(ETH)関連は約5,800万ドルでした。価格が2%未満しか動かないなかで、この規模の清算が発生した計算です。
薄い出来高のなかでFOMCを挟んだ往復の値動きが起きたため、レバレッジをかけた建玉が上下双方で振り落とされた形です。方向感が出ないまま持ち高だけが整理される局面といえます。



イーサリアム(ETH)のオンチェーンデータ
チャートとネットワークデータを直接参照したところ、7月31日午後2時ごろ(JST)時点で、企業が保有するイーサリアム(ETH)の合計は約779万7,994 ETHでした。流通供給量の約1億2,068万 ETHに対し、およそ6.5%に相当します。
その中心にあるのがBitMineです。同社の保有量は約578万7,414 ETHで、流通供給の約4.8%にあたります。直近30日間だけで約8万7,374 ETHを積み増しており、価格が低迷するなかでも買い増しの姿勢を崩していません。
一方、ネットワークの利用状況は静かです。同じ時点のガス価格は標準で0.081 GWEIと極めて低い水準で、直近24時間のネットワーク手数料は約34万7,000ドルにとどまりました。前日比では約6.3%の増加ですが、絶対水準としては小さい部類です。
手数料の低さは、利用者にとっては歓迎材料である一方、イーサリアム(ETH)の価値がどこに蓄積されるのかという論点も残します。取引の多くがLayer 2に移り、基盤となるチェーンの手数料収入が細る構図は、以前から議論されてきたテーマです。
| 指標 | 数値 | 傾向・補足 |
|---|---|---|
| 企業の保有合計 | 約779万7,994 ETH | 流通供給の約6.5% |
| BitMineの保有量 | 約578万7,414 ETH | 流通供給の約4.8% |
| BitMineの30日間増加分 | 約8万7,374 ETH | 下落局面でも積み増しを継続 |
| 流通供給量 | 約1億2,068万 ETH | 上限の定めはなし |
| ガス価格(標準) | 0.081 GWEI | 極めて低い水準 |
| 24時間ネットワーク手数料 | 約34万7,000ドル | 前日比約+6.3% |
| 24時間プロトコル収益 | 約6万7,000ドル | 前日比約+16.1% |
| 24時間出来高 | 約102億ドル | 前日比約-7.7% |



イーサリアム(ETH)のファンダメンタルズ
CoinDeskによると、SoSoValueの集計で、米国の現物イーサリアムETFの7月の純流入額は3億4,285万ドルとなりました。同月のビットコイン現物ETFの2億500万ドルを上回り、暗号資産関連ETFのなかで最も多い金額です。
CoinDeskは、この資金フローの差がそのまま価格の相対的な強さに表れていると整理しています。Binanceに上場するETH/BTCペアは7月に11%上昇しました。市場全体の資金が細るなかで、イーサリアム(ETH)だけが選ばれている構図です。
ただし日次では振れがあります。The Blockによると、7月29日の現物イーサリアムETFは1,860万ドルの流出でした。月間の流入超と日次の出入りは、必ずしも一致しません。
制度面の変化も進んでいます。CoinDeskによると、Morgan Stanleyは7月28日にNYSE Arcaでイーサリアム連動の上場商品(MSSE)の取引を開始しました。信託報酬0.14%は米国のイーサリアム関連商品として最低水準で、保有分の一部をステーキングし、その報酬を投資家へ還元する設計です。同社は約16,000人のファイナンシャルアドバイザーとE*TRADEという販売網を持つため、資金の入り口が広がる可能性があります。
一方で、企業側の動きは一様ではありません。The Blockによると、日本ではQuantum Solutionsが約190万ドル相当を追加で売却し、国内最大のイーサリアム保有企業の座を明け渡しました。積み増す企業と手放す企業が同時に存在している点は、押さえておきたいところです。



出典:CoinDesk(7月のETF資金フロー)、CoinDesk(Morgan Stanleyの上場商品)、The Block(日次のETF資金フロー)、The Block(Quantum Solutionsの売却)
当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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