4月20日(月曜日)のイーサリアム(ETH)は、週末の米イラン交渉決裂とDeFi市場の動揺を受けて、2,280ドル台まで下押しされています。Kelp DAOハッキング事件がETHを基盤とするDeFi市場全体を揺るがしている点が最大の注目点です。
イーサリアム(ETH) 相場解説(2026年4月20日)
イーサリアム(ETH)の注目ポイント
本日のイーサリアム(ETH)は、2,282ドル付近で弱含みの推移となっています。週末のイランによる米イラン交渉拒否と米海軍のイラン船舶拿捕という地政学リスクの再燃を受け、ETHは24時間で約-2.5%下落しました。
地政学リスクに加えて、ETHにとって重い材料となっているのが、4月18日に発生したKelp DAOのハッキング事件です。LayerZeroのブリッジ経由で約116,500 rsETH(約2.92億ドル相当)が流出し、Aaveからは48時間で約84.5億ドルの預金が引き出されました。DeFi全体のTVLは132億ドル減少しています。
LayerZeroは4月20日に、攻撃者が北朝鮮のLazarus Groupであり、Kelp側が複数バリデータ推奨を無視した設定ミスが原因との声明を発表しました。ETHそのもののセキュリティ問題ではないものの、ETHを基盤とするDeFiエコシステム全体への信頼回復が課題となっています。
ZUU Web3 竹原イーサリアム(ETH)に関するZUU Web3の見解



このように考えられるのではないでしょうか。
本日のETH相場を読み解くうえで軸になるのは、「地政学リスクの再燃」と「Kelp DAO事件によるDeFi信認への打撃」という、異なる性質の2つの逆風です。
後述の価格動向セクションでは、2,280ドル近辺の下値を巡る攻防と、2,200ドルのサポート、2,400〜2,450ドルのレジスタンスを整理していきます。オンチェーン項では、ETH ETFへの継続的な機関流入と、DeFi TVLの大規模減少という対照的な動きを確認します。
マクロ項では米株再開と原油急反発のインパクト、ファンダメンタルズ項では週次約1.87億ドルに達したETH ETF流入とBitMineの大型購入をお伝えします。最後に地政学項で、4月22日の停戦期限を前に重要となるポイントを整理します。
読者の皆さまには、「ETH自身のネットワーク価値」と「ETHを取り巻くDeFiリスク」の2つを切り分けて見る視点を持っていただければと思います。
イーサリアム(ETH)の価格動向・チャート概況
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(2026年4月20日) | 約2,282ドル(約34.8万円) | 米イラン交渉決裂で下押し |
| 前日比 | -2.51%(24時間) | BTCより下げ幅が大きい |
| 週次騰落率 | 約+3% | 先週の上昇分を一部吐き出し |
| 週間高値 | 約2,464ドル | 4/17記録、約2カ月ぶりの高値 |
| 週末安値 | 約2,282ドル | 4/20週明け直前の水準 |
| 直近30日レンジ | 約1,940〜2,464ドル | 約520ドルの値幅 |
| 上値抵抗 | 2,400〜2,450ドル | 週内に2回跳ね返されたゾーン |
| 下値サポート | 2,200〜2,280ドル | 破れば2,100ドル試しの可能性 |
| 50日移動平均 | 約2,127ドル | 上抜け維持 |
| 200日移動平均 | 約2,128ドル | 長期サポートラインとして機能 |
| 時価総額 | 約2,754億ドル(第2位) | BTCの約18%規模 |
| 24時間出来高 | 約242億ドル | ボラティリティ拡大を反映 |
| 史上最高値 | 約4,955.90ドル | 2025年8月24日、現在-54% |
2026年4月20日時点のデータでは、ETH/USDは2,282ドル付近で推移していました。24時間で約-2.51%の下落となり、日本円ベースでは約34.8万円付近です。
先週4月17日につけた高値2,464ドルから約7.4%下落しましたが、50日EMA(約2,127ドル)は依然として支持線として機能しており、中期トレンド崩壊にはまだ距離があります。
テクニカル面では、2,200〜2,280ドルのサポートゾーンが試される局面ですが、ここを守れば再び2,400ドル台を目指す動きが可能です。逆に2,200ドルを下抜けると、2,100ドル、さらには2,000ドルを試す展開もあり得ます。
CoinCodexによれば、ETHのRSIは約62と中立圏の上方、19の弱気テクニカル指標と13の強気指標が拮抗しており、「短期弱気・中期強気」という構造が継続しています。



イーサリアム(ETH)のオンチェーンデータ
ここ48時間のオンチェーンデータは、ETH市場の歪みを如実に映し出しています。4月18日のKelp DAO事件の影響で、DeFi市場全体のTVL(総ロック額)は約132.1億ドル減少し、特にAaveでは84.5億ドルの預金が引き出されました。
一方で、ETF資金フローは底堅く、先週1週間のETH ETF純流入は約1.87億ドルと、ローンチ以来最大規模を記録しています。機関投資家の中期目線はむしろ強気で、個人投資家の短期パニックとは対照的な動きとなっています。
| 指標 | 数値 | 前日比・補足 |
|---|---|---|
| Kelp DAO流出額 | 約2.92億ドル相当 | 116,500 rsETH、北朝鮮Lazarus Groupと特定 |
| DeFi TVL減少(48時間) | -132.1億ドル | Aave・SparkLend・Fluidが大きく影響 |
| Aave預金流出 | -84.5億ドル | rsETH担保のポジション解消 |
| ETH ETF週次流入(〜4/17) | 約1.87億ドル | ローンチ以来最大規模 |
| 6日連続ETH ETF流入 | 継続中 | 機関の中長期志向を示す |
| 総ステーキングETH | 約3,580万ETH | 循環供給の約30% |
| Q1 2026オンチェーン取引 | 2億件超 | 過去数年で最大の回復 |
CoinDeskによれば、LayerZeroは「攻撃者はKelpが依存していた2つのRPCノードを侵害し、残りのノードにDDoS攻撃を仕掛けた。Kelpがマルチバリデータ推奨を無視していたことで成立した」 :antCitation[]{citations=”8a3b9f92-b847-4412-a842-8aa4bf316b5f”}と説明しています。ETHプロトコル自体の問題ではなく、DeFi特定プロジェクトの設定不備が原因とされた点は、ETHの信認にとっては一定の緩和材料となります。
Q1 2026のETHオンチェーン取引件数は2億件を超え、過去数年で最大の回復を示しており、長期的なネットワーク利用は堅調です。



出典:CoinDesk
イーサリアム(ETH)とマクロ環境との連動
マクロ環境は、米株市場の月曜再開を前に再びリスクオフに傾いています。Brent原油は+5.7%急反発し94ドル台に戻し、欧州株指数は-1.2%下落しました。これを受け、ETHも約-2.5%下落し、BTC(-1.6%)よりも下げ幅が大きくなっています。
ETHはBTCよりも金利感応度が高いハイベータ銘柄であり、原油高によるインフレ懸念・金利据え置き長期化観測が重しとなる構造です。米10年債利回りが4.24%付近を維持しているうちはまだ下値の底堅さが期待できますが、4.5%超へ跳ね上がる展開となると、ETHの調整が深まる可能性があります。
4月29日のFOMCまでの9日間で、ハト派コミュニケーションが出るかどうかが、ETHの中期トレンドを左右する分岐点となりそうです。



出典:CoinDesk
イーサリアム(ETH)のファンダメンタルズ
ETHのファンダメンタル面では、地政学リスクとDeFi事件のなかでも、中長期の材料は比較的堅調です。先週1週間のETH ETF純流入は約1.87億ドルと、ローンチ以来最大の週次流入を記録し、6日連続のプラス流入となりました。
BlackRockのiShares Ethereum Trust(ETHA)は運用資産65億ドル超となり、Fidelity FETHとともにETH ETF市場を牽引しています。ステーキング対応型のETFも順次本格運用に入り、年率2.8〜3.5%の利回りを投資家に還元する仕組みが機能し始めています。
企業勢では、BitMine(Tom Lee氏のFundstrat関連)が先週、2026年最大規模となる40,000 ETH超の買い増しを実施しました。Ethereum Foundationも70,000 ETHのステーキングを完了し、年間390〜540万ドルの利回りを得られる体制が整っています。
技術面では、2026年上半期予定の「Glamsterdam」アップグレード(並列実行・ガスリミット拡張)と、下半期の「Hegota」アップグレード(量子耐性・口座抽象化)の準備が着実に進んでいます。CoinGeckoによれば、Standard Charteredは2026年末目標を12,000ドル、2027年末目標を18,000ドルと、依然として強気な長期シナリオを維持しています。



出典:CoinGecko
イーサリアム(ETH)と地政学・国際情勢
本日の相場を動かしている外部要因は、引き続きイランをめぐる情勢です。週末にはイランが米国との2回目の交渉を拒否し、米海軍はイラン籍船を拿捕しました。トランプ大統領は日曜夜のメッセージで「もう”ナイスガイ”は演じない」と警告するなど、緊張は新たな段階に入っています。
ETHはBTCよりも地政学感応度が高く、今回の再緊張局面でも下げ幅はBTC(-1.6%)よりも大きい-2.5%となりました。2月以降の数回のイランショックでは、ETHがBTCを1〜2ポイント上回る下落幅を示すパターンが繰り返されています。
ただし、週次ベースではETHは依然として+3%前後のプラスを維持しており、4月17日のラリーで得た利益の大半は残しています。Polymarketでは「4月30日までのホルムズ正常化確率」は28%と低水準ですが、「6月末までの正常化」は81%と見込まれており、中長期の外交解決期待はなお残っています。
停戦期限の4月22日まで2日、パキスタンを仲介役とする協議の再開有無がETHの短期トレンドを左右する可能性が高まっています。



当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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|---|---|
| 設立 | 2024年11月13日 |
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