イーサリアム(ETH)は6月17日、米FOMCの金利発表を目前に1780ドル台で堅調に推移しています。年初来でおよそ44%上昇と、主要銘柄で唯一プラス圏を維持する独歩高が続くなか、取引所残高の減少という構造的な品薄が価格を支えています。
イーサリアム(ETH) 相場解説(2026年6月17日)
イーサリアム(ETH)の注目ポイント
イーサリアム(ETH)は、6月16日に4%上昇して1788ドル前後を付け、足元でも堅調な値動きを保っています。米イラン和平合意を受けたリスクオンの流れで、ビットコインを上回る上昇率を見せました。
特筆すべきは、イーサリアムの年初来パフォーマンスです。ビットコインやリップルが年初来でマイナス圏に沈むなか、イーサリアムはおよそ44%高と、主要銘柄で唯一際立った強さを示しています。
本日のイーサリアム(ETH)は、米FOMCと日銀利上げという2つの中央銀行イベントを控えつつ、構造的な需要に支えられた独歩高が続く局面にあります。投資家にとっては、この相対的な強さの背景を理解することが重要です。
ZUU Web3 竹原イーサリアム(ETH)に関するZUU Web3の見解



主要銘柄のなかでイーサリアムだけが上昇するこの状況を、あなたは一時的なものと見るか、それとも構造的な変化の表れと捉えるでしょうか。
本日のイーサリアム(ETH)は、FOMCを前にしたこう着のなかでも、年初来44%高という際立った強さを保っています。価格動向のセクションでは、1780ドル台への上昇と、大規模なショート踏み上げを伴ったテクニカル構造を確認します。
オンチェーンデータのセクションでは、取引所のETH残高が数年来の低水準まで減少し、品薄が価格を押し上げやすくしている構造を整理します。
マクロ環境のセクションでは、本日判明する米FOMCと、約30年ぶりの高水準となった日銀の利上げが相場に与える影響を取り上げます。さらに地政学のセクションでは、今回の上昇の起点となった米イラン和平合意を扱います。
注目すべきは、イーサリアムの強さが一時的な人気ではなく、機関投資家向け商品やステーキングによる供給の絞り込みという、構造的な需給に裏打ちされている点です。目先のマクロイベントに揺れる短期の値動きと、静かに進む供給構造の変化。今の相場は、その両方を見極める視点を投資家に求めているといえそうです。
イーサリアム(ETH)の価格動向・チャート概況
チャートを直接参照したところ、6月16日8時45分時点(米国東部時間)のデータでは、イーサリアム(ETH)は1815ドル前後で推移していました。前日朝からおよそ30ドルの上昇となっています。
spotedcryptoのデータによると、6月16日のETHは24時間で約4%上昇し、1733〜1847ドルのレンジで取引されました。この上昇局面では約5億5500万ドル相当のショートポジションが清算され、踏み上げが値動きを加速させた経緯があります。
テクニカル面では、50日移動平均線(約1674ドル)・200日移動平均線(約1668ドル)をともに明確に上回り、短期トレンドの改善が続いています。24時間出来高は約180億ドルと前日比45%増で、資金が活発にイーサリアムへ向かっていることを示しました。一方、Fear & Greed Indexは25と依然「恐怖」圏にあり、心理面の回復には時間を要するとみられます。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(6月17日) | 約1788〜1815ドル | 6月16日の参照値を起点に推移 |
| 前日比 | 約+4% | ビットコインを上回る上昇率 |
| 年初来騰落率 | 約+44% | 主要銘柄で唯一の大幅プラス |
| 当日レンジ(6月16日) | 約1733〜1847ドル | ショート清算を伴う上昇 |
| ショート清算額 | 約5億5500万ドル | 踏み上げが上昇を加速 |
| 上値抵抗 | 約1850〜1950ドル | 移動平均線が集中する戻り売り帯 |
| 下値サポート | 約1700ドル | 回復した節目が支持帯に転換するか |
| 50日移動平均線 | 約1674ドル | 価格は同線を上回って推移 |
| 200日移動平均線 | 約1668ドル | 上回り中期構造に改善の兆し |
| 24時間出来高 | 約180億ドル(前日比+45%) | 資金流入の活発化を示唆 |
| 時価総額 | 約2160億ドル | 暗号資産で第2位を維持 |
| 史上最高値(参考) | 約4946ドル(2025年8月) | 現値は同水準から約3分の1 |



イーサリアム(ETH)のオンチェーンデータ
イーサリアム(ETH)の独歩高を支える根本的な要因が、オンチェーンに表れています。Yellow.comが引用するGlassnodeのデータによると、取引所が保有するETH残高は2026年5月に総供給量の約8.3%という数年来の低水準まで低下したと報告されています。
これは、売買可能なETHのかなりの部分が、長期保管やステーキング契約へと移動したことを意味します。市場で売られにくいETHが積み上がることで、わずかな資金流入でも価格が動きやすい「供給の絞り込み(サプライスクイーズ)」が生じやすくなっています。
同レポートは、このプルーフ・オブ・ステークによるロックの仕組みが、ビットコインの供給構造には存在しないイーサリアム特有の押し上げ要因だと指摘しています。年初来の独歩高は、この構造的な品薄が背景にあるとみられます。
| 指標 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 取引所のETH残高(5月) | 総供給量の約8.3% | 数年来の低水準 |
| 供給構造への影響 | サプライスクイーズ | 長期保管・ステーキングへ移動 |
| 価格感応度 | 上昇 | わずかな流入でも動きやすい |



出典:Yellow.com(取引所残高・供給構造、Glassnode引用)
イーサリアム(ETH)とマクロ環境との連動
本日のイーサリアム(ETH)にとっても、最大のマクロ材料は米FOMCです。複数の市場分析によると、金利据え置きはほぼ確実視されており、焦点はFRBの金利見通し(ドットプロット)と、ウォーシュ新議長の初記者会見のトーンに移っています。ハト派的な内容であれば、リスク資産全体に追い風が吹くとの見方が示されています。
もう一つの軸が、日本銀行の利上げです。日銀は6月16日に政策金利を1.0%へ引き上げ、6月17日から適用されます。約30年ぶりの高水準で、円キャリートレードの巻き戻しがリスク資産に波及するか警戒されてきました。
もっとも、newsbtcの分析では、今後イーサリアムにとって注目すべきは円が急騰して広範な持ち高調整を促すかどうかであり、利上げが冷静に消化されれば、市場はこれを一つのマクロ材料として受け止めるにとどまるとの見方が示されています。当面は円相場の動向が鍵となります。



出典:newsbtc(日銀利上げとリスク資産への影響)、financemagnates(FOMC・据え置き確率)
イーサリアム(ETH)と地政学・国際情勢
6月16日のイーサリアム(ETH)の上昇は、暗号資産固有の材料というより、米国とイランの和平合意という地政学的なニュースが起点となりました。spotedcryptoの分析によると、トランプ大統領が6月14日から15日にかけて表明した和平の枠組みは、エネルギー価格の最大のリスク要因だったホルムズ海峡の再開を目指すものとされています。
この影響はエネルギー価格を通じて波及しました。同メディアによると、北海ブレント原油は6月15日に約4%下落して83ドル前後となり、WTI原油も80ドル台前半まで低下しました。原油安がインフレ期待を和らげ、イーサリアムを含むリスク資産全体が一斉に買い直された形です。
イーサリアムはこの局面でビットコインを上回る上昇を見せましたが、これは和平合意そのものがイーサリアムに固有の好材料というより、リスクオンの波に構造的な品薄が重なって反応が増幅されたためとみられます。合意文書の署名は6月19日に予定されており、その動向が次の焦点となります。



出典:spotedcrypto(米イラン和平合意・原油安とETHの反応)
イーサリアム(ETH)のファンダメンタルズ
制度・インフラ面でも、イーサリアム(ETH)の機関投資家需要を裏づける動きが出ています。CoinMarketCapの集計によると、6月15日にステーキングプロトコルのLido V3が、Luganodesと組んだ新たなステーキング用ボールトを通じて機関投資家向けサービスを拡充したと報じられています。資産運用会社や大口配分者を対象とし、イーサリアムの機関投資家基盤を深める動きとされています。
一方で、価格と実態の乖離を指摘する声もあります。同メディアによると、イーサリアムは稀な3四半期連続の下落(レッドクォーター)に近づいているとされ、強いステーキングシグナルにもかかわらず価格トレンドが弱含む局面があったと報じられています。
こうしたなか、機関投資家向け商品とステーキング経済が、イーサリアムの構造的な需要を支える軸となっています。短期の価格と長期の利用価値のどちらに重きを置くかで、評価が分かれやすい状況です。



出典:CoinMarketCap(Lido V3の機関投資家向け拡充・四半期動向)
当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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| 設立 | 2024年11月13日 |
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