5月28日(木)のビットコイン(BTC)は、72,900〜75,500ドル付近で推移しています。前日に積み上がっていた停戦楽観論が、米国によるIran新規攻撃の報道で一気に逆転しました。BTCはホルムズ海峡付近の軍事施設への攻撃を受けて73,000ドルを割り込み、約6週間ぶりの安値を記録。24時間で約10億ドルのレバレッジ・ポジションが清算され、今年最大級の清算イベントの一つとなる緊迫した局面を迎えています。
ビットコイン(BTC) 相場解説(2026年5月28日)
ビットコイン(BTC)の注目ポイント
5月28日(木)早朝時点のデータでは、ビットコイン(BTC)は72,900〜75,500ドル付近で推移していました。CoinDeskによればアジア時間に72,978ドル(24時間-3.4%)、安値は72,912ドルをつけ、Coinbaseでは75,139ドル、Yahoo Financeでは75,528ドル、時価総額は約1.33兆ドル前後となっています。
本日の最大の注目点は、わずか数日で地政学シナリオが180度転換したことです。CoinDeskによれば、米国がホルムズ海峡付近のIran軍事施設への新たな空爆を実施し、市場が織り込み始めていた停戦の流れが一気に巻き戻されました。BTCは数カ月ぶりに73,000ドルを割り込み、今年最大級の清算カスケードを引き起こしました。
清算規模も衝撃的です。CoinDeskによれば、24時間で暗号資産市場全体から約10億ドルのレバレッジ・ポジションが一掃され、そのうち93%がロング(買い持ち)ポジションでした。停戦期待で買いに傾いていたトレーダーが、攻撃報道で一斉に巻き込まれた形です。直前までBTCは74,000ドル超を維持していただけに、転換の速さが際立ちます。
象徴的なのは、ビットコインが「安全資産」としてではなく「ハイベータなテック株」のように振る舞った点です。Crypto Briefingが指摘するように、BTCは実際にミサイルが飛ぶ局面ではリスク回避の対象として売られる傾向があり、今回もその典型的なパターンを示しました。これは前日にMark Cuban氏が「ビットコインはIran紛争でヘッジとして機能しなかった」と離反した指摘を裏付ける展開でもあります。
ZUU Web3 竹原ビットコイン(BTC)に関するZUU Web3の見解



つい数日前まで「平和合意は近い」という楽観が市場を支えていたことを思うと、地政学リスクの織り込みがいかに脆いものだったかを痛感させられます——では、この急落局面で何に注目すべきでしょうか。
本日の相場を読み解く鍵は、3つの動きを冷静に切り分けることだと考えています。1つ目は、米国のIran攻撃という突発的な地政学ショックと、それが引き起こした10億ドル規模の清算カスケード。2つ目は、攻撃以前から進んでいたETF流出7営業日連続やStrategyの購入停止という、構造的な需要減退。3つ目は、こうした下落局面でも、リテールとクジラの両方が積極的にロングを構築しているという逆張りの動きです。
後述の価格動向セクションでは、72,900ドルの安値と73,000ドルの心理的節目を整理します。オンチェーン項では清算の内訳とETF流出の継続、ファンダメンタルズ項ではビットコインの「ヘッジ資産」としての位置づけが改めて問われている点を掘り下げます。
注目したいのは、Benzingaが報じたように、急落の中でリテールとクジラの両方がむしろ強気にロングを構築している点です。「Extreme Fear(極度の恐怖)」がセンチメントを支配する一方で、一部のトレーダーは今回のショックを一時的なものと見て買い向かっています。地政学ショックによる急落は往々にして回復も早い傾向があり、攻撃報道に対する反射的な売りに巻き込まれず、Iran情勢の次の展開を冷静に見極めることが重要な局面と言えそうです。
ビットコイン(BTC)の価格動向・チャート概況
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(5月28日) | 約72,900〜75,500ドル(約1,140万円) | CoinDesk/Coinbase/Yahoo Finance |
| 24時間変動率 | -1.67〜-3.4% | Iran攻撃報道で急落 |
| アジア時間安値(5/28) | 72,912ドル | 約6週間ぶり安値 |
| 過去7日間騰落率 | -6.3% | 週次で大幅下落 |
| 心理的節目 | 73,000ドル | 数カ月ぶりに下方ブレイク |
| 主要支持帯 | 72,000〜73,000ドル | マクロ悪化シナリオの防衛ライン |
| 主要抵抗帯 | 76,000〜77,000ドル | Tom Lee強気・弱気分岐76,000ドル |
| 50日移動平均 | 約75,000〜76,940ドル | 下抜けで弱気シグナル |
| 200日移動平均 | 約82,228ドル | 7週間試されないマクロ天井 |
| RSI(14日) | 約48(中立) | MEXC、売られ過ぎ手前 |
| 恐怖・強欲指数 | Extreme Fear(極度の恐怖) | センチメント急速悪化 |
| 強気目標(CoinDCX 5月末) | 80,500ドル | 攻撃前のテクニカル目標 |
| 強気目標(Tiger Research) | 143,000ドル | 2026年Q2評価 |
| 時価総額 | 約1.33兆ドル | 暗号資産時価総額1位 |
| 史上最高値 | 126,210ドル(2025年10月) | 現値は約-42%下方 |
5月28日(木)早朝時点のデータでは、ビットコイン(BTC)は72,900〜75,500ドル付近で推移していました。日本円換算では約1,140万円前後です。
CoinDeskによれば、BTCはアジア時間木曜日に72,978ドルで取引され、24時間で3.4%、過去7日間で6.3%下落しました。安値は72,912ドルをつけ、約6週間ぶりの安値水準です。数週間にわたってIran関連のヘッドラインに耐えて74,000ドル超を維持してきた底値が、今回の攻撃報道で破られた格好です。
清算カスケードの速さが、トレーダーが誤った方向に傾いていたことを物語っています。CoinDeskによれば、攻撃報道前のBTCは停戦楽観論で買いに傾いており、その反動で約10億ドルのレバレッジ・ポジションが一掃されました。Benzingaのデータでは、過去24時間の清算のうち約4億ドルがロング・ポジションだったとされています。
テクニカル面では、Intellectia.aiの分析によれば、BTCは73,000〜75,000ドルに堅固な支持ゾーンを形成していましたが、今回これを下抜けました。攻撃前の予測では5月末に80,500ドル(約+4.5%)への上昇余地が見込まれていましたが、地政学ショックがこのシナリオを大きく狂わせた形です。
注意すべきマクロ要因として、Mott Capital ManagementのMichael Kramer氏が、今後の米国財務省のオペレーションが約1,500億ドルの流動性を吸収し、BTC価格をさらに押し下げる可能性があると警告しています。地政学ショックに加えて、流動性環境の引き締まりが重なるリスクには留意が必要です。



ビットコイン(BTC)のオンチェーンデータ
本日のオンチェーン面で最も重要なのは、約10億ドルの清算カスケードと、それでもなお続くETF流出という需要減退のシグナルです。地政学ショックが引き金となりましたが、その下地は攻撃以前から積み上がっていました。
CoinbaseおよびCoinDeskによれば、米国スポット型ビットコインETFは7営業日連続の流出を記録しています。火曜日には3.34億ドルの純流出があり、そのうち1.92億ドルがBlackRockのIBITから流出しました。Swissblockのデータでは、2026年初来のETF純流入は4,500 BTCにとどまり、3〜4月に積み上がった買いパターンが5月に反転したことが示されています。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 5/28 24時間清算総額 | 約10億ドル | 今年最大級、ロング93% |
| BTC ETF連続流出 | 7営業日連続 | 火曜3.34億ドル(IBIT 1.92億ドル) |
| 2026年初来ETF純流入 | 4,500 BTC(縮小) | Swissblock、3-4月の買い反転 |
| BTC売り圧力ゲージ | 「高リスク」ゾーン | ETF需要減退を反映 |
| Strategy保有BTC | 843,738 BTC(約650億ドル) | 週次購入停止、債務削減へ |
| 5/27 Strategy新規購入 | 債券購入(BTCではなく) | Saylor氏、予想外の動き |
| 5/29 BTC・ETHオプション満期 | 約80億ドル | 短期ボラティリティ警戒 |
| デリバティブ・トレーダー動向 | リテール・クジラ共に強気ロング構築 | 急落下での逆張り |
| BTCオープン・インタレスト | 24時間-0.89% | Benzinga |
| Iran取引所流出 | 過去の攻撃時+700% | 制裁回避の資産退避 |
| 米国Iran資産凍結 | 3.44億ドル相当のデジタル資産 | ブロックチェーン透明性の象徴 |
注目したいのは、急落局面にもかかわらずデリバティブ市場で逆張りの動きが出ている点です。Benzingaによれば、リテールとクジラの両方のデリバティブ・トレーダーが強気に転じ、主要暗号資産で積極的にロング・ポジションを構築しています。「Extreme Fear(極度の恐怖)」がセンチメントを支配する中での逆張りは、一部のトレーダーが今回のショックを一時的なものと見ていることを示唆します。
機関投資家の動きでは、Strategyの方針転換が象徴的です。Coinbaseによれば、Michael Saylor氏は843,738 BTC(約650億ドル相当)を保有したまま、今週は予想外にも債券を購入しました。週次BTC購入を停止して債務削減を優先する姿勢は、攻撃的な買い戦略からの一時的な軌道修正を示しています。
5月29日には約80億ドル相当のBTCとETHのオプションが満期を迎えます。CoinDeskによれば、この大型満期は短期的なボラティリティの要因として警戒されており、地政学ショックと重なることで値動きが増幅される可能性があります。



出典:CoinDesk(10億ドル清算・ETF7日連続流出)、Coinbase(IBIT流出・Saylor債券購入)、Benzinga(リテール・クジラ逆張りロング)、Intellectia.ai(支持ゾーン・ETF流出分析)
ビットコイン(BTC)とマクロ環境との連動
マクロ環境では、本日5月28日に第1四半期GDP第2推定値と4月PCE(個人消費支出物価指数)の発表が控えています。FRBが最も重視するインフレ指標であるPCEの結果は、6月16〜17日のWarsh議長初FOMC会合に向けた重要な手がかりとなります。地政学ショックと重なるタイミングだけに、市場の神経質な反応が予想されます。
今回のIran攻撃は、マクロ環境にも直接的な影響を及ぼしています。CoinDeskによれば、攻撃と新たな対Iran制裁、地域の軍事的緊張が原油価格を押し上げ、世界の株式市場を下落させました。これは数日前までの「原油下落→インフレ低下→利下げ余地」という楽観シナリオを完全に逆転させるものです。
金利環境も依然として逆風です。前日まで30年米国債利回りは5.198%まで上昇しており、利下げ期待の後退を示していました。さらにMott Capital ManagementのMichael Kramer氏は、今後の米国財務省のオペレーションが約1,500億ドルの流動性を吸収し、リスク資産全体に下押し圧力をかける可能性を警告しています。
興味深い対照として、暗号資産が売られる一方で、メモリーチップ関連株には資金が向かっています。CoinDeskによれば、韓国のSK HynixがMicronに続いて時価総額1兆ドルクラブに入るなど、AI関連の半導体銘柄が買われています。リスク資産の中でも、地政学ショックの影響を受けにくいテーマに資金が選別的に流れている状況です。



出典:CoinDesk(原油上昇・株安・流動性警告)、CoinDesk(SK Hynix・半導体株への資金シフト)、24/7 Wall St.(PCE・FOMC日程)
ビットコイン(BTC)のファンダメンタルズ
本日のファンダメンタル面で最大のテーマは、米国のIran攻撃という地政学ショックが、ビットコインの「安全資産」としての位置づけを改めて問い直している点です。前日のMark Cuban氏の離反発言に続き、今回の急落はビットコインのヘッジ機能への疑問を一層強める展開となりました。
Crypto Briefingの分析が指摘するように、ビットコインは実際にミサイルが飛ぶような急性的なエスカレーション局面では、安全資産ではなくハイベータなテック株のように売られる傾向があります。今回もその典型例となり、攻撃報道直後に73,000ドルを割り込みました。一方で同記事は、外交的進展が見られた局面ではBTCが72,000ドルを超えて上昇してきた経緯も指摘しており、地政学次第で反発も早い可能性を示唆しています。
機関投資家の戦略にも変化が見えます。Coinbaseによれば、MicroStrategy(Strategy)のMichael Saylor氏は843,738 BTCを保有したまま、今週は予想外に債券を購入しました。攻撃的なBTC買いから債務削減・財務最適化へと軸足を移す動きは、現在の不透明な環境を反映したものと解釈できます。
一方で構造的な買い手も健在です。前日の報道では、Strive資産運用会社が1,109 BTCを追加購入して公開ホルダー第7位に浮上し、SharplinkがRussell 3000指数に追加されることが決まりました。Strategyが一時停止する隙間を、新興のビットコイン財務戦略企業が埋める構図は変わっていません。
政策面では、CLARITY法案が本会議での60票(フィリバスター回避水準)獲得を待っている状態が続いています。メモリアル・デー休会明けの議会で最終調整が進む可能性がありますが、地政学情勢が議会の優先順位に影響を与える可能性にも留意が必要です。Trump大統領の署名目標は7月4日とされています。



出典:Crypto Briefing(BTCハイベータ特性・地政学反応)、Coinbase(Saylor債券購入・保有843,738 BTC)、Crypto Economy(Strive追加購入・Sharplink指数追加)、CoinDesk(CLARITY法案進展)
ビットコイン(BTC)と地政学・国際情勢
本日の相場を支配しているのは、間違いなく米国のIran攻撃という地政学ショックです。数日前まで「平和合意は近い」という楽観が市場を支えていただけに、その反転の衝撃は大きなものとなりました。
CoinDeskによれば、米国はホルムズ海峡付近のIran軍事施設に新たな空爆を実施し、これに新たな対Iran制裁と地域の軍事的緊張が加わって、市場が織り込み始めていた停戦の流れを巻き戻しました。Reutersが水曜夜にこの攻撃を報じると、すでに弱含んでいた暗号資産市場はさらに下落しました。
攻撃の経緯について、Crypto Briefingによれば、米軍はIranの攻撃ドローン4機を撃墜し、南部Bandar Abbas付近の地上管制ステーションを攻撃しました。これは5月26日のIranミサイル施設・海上資産への攻撃に続くもので、米当局はホルムズ海峡での米国人員と商業船舶を保護するための防御的措置だと説明しています。ワシントンは4月の停戦が依然有効だと主張する一方、テヘランはこれに反対しており、認識の隔たりが鮮明です。
皮肉なことに、つい数日前にはDohaでQatarとPakistanの仲介による和平交渉が進み、Trump大統領が「順調に進んでいる」と述べ、Polymarketの予測市場は12月31日までの合意成立確率を91%と織り込んでいました。今回の攻撃は、こうした楽観が一瞬で覆りうる地政学リスクの脆さを浮き彫りにしました。
下振れシナリオとしては、Iran側の報復、ホルムズ海峡の閉鎖、攻撃の連鎖的エスカレーションが現実化すれば、72,000ドルの支持帯が破られ、70,000ドル割れから66,000ドル方向へのリスクが高まります。一方、今回の攻撃が単発の防御的措置にとどまり外交交渉が再開されれば、地政学ショックによる急落は反発も早く、攻撃前の76,000〜78,000ドル水準への回復シナリオも残されています。地政学情勢の次の展開が、当面の最大の焦点となります。



出典:CoinDesk(米国Iran攻撃・停戦楽観逆転)、Crypto Briefing(ドローン撃墜・Bandar Abbas攻撃詳細)、Crypto Briefing(Doha和平交渉・ホルムズ海峡)、News.Bitcoin.com(Polymarket平和市場91%)
当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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(※2023年1月31日に株式会社AWZから商号変更)
<登録番号>
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