ビットコイン(BTC)は$64,700近辺まで戻し、$65,000の節目に迫っています。FOMC翌日に発表された物価・成長指標がそろって市場予想を下回り、追加利上げへの警戒が和らぎました。
ビットコイン(BTC) 相場解説(2026年7月31日)
ビットコイン(BTC)の注目ポイント
本日のビットコイン(BTC)は、$64,700近辺で推移しています。前日の$64,200近辺から水準を切り上げ、24時間では約1.9%の上昇となりました。
反発の主因は、7月30日に米国で発表された一連の経済指標です。FRBが重視するコアPCE価格指数は6月に前月比0.1%の上昇と、市場予想の0.2%を下回りました。前年同月比でも3.3%と、5月の3.4%からわずかに鈍化しています。
同時に発表された第2四半期の実質GDP成長率は年率1.5%と、予想の2.1%に届きませんでした。新規失業保険申請件数も19万7,000件へと増加し、複数の側面から景気の減速を示す内容がそろっています。
前日のFOMCでは、3人の地区連銀総裁が利上げを支持して反対票を投じ、Warsh議長も目標を超えるインフレを容認しない姿勢を強調していました。そのタカ派的な余韻を、翌日の指標がやわらげた格好です。
チャートを直接参照したところ、日足のボリンジャーバンドの幅は少なくとも1月以来の水準まで収縮していました。長期にわたる収縮は、その後の大きな値動きにつながりやすい形状です。
ZUU Web3 竹原ビットコイン(BTC)に関するZUU Web3の見解



タカ派的な金融政策決定、中東情勢の緊迫、半導体株の急落。この三つが同じ週に重なったにもかかわらず、ビットコイン(BTC)がほとんど動かなかったという事実を、どう読み解けばよいでしょうか。
市場の解釈は二つに分かれています。株式との相関が切れ始めた証拠だとする見方と、夏枯れによる薄商いが値動きを消しているだけだとする慎重な見方です。どちらを採用するかで、目先の下落余地の見積もりは大きく変わります。
価格動向のセクションでは、$65,200という抵抗と、$63,300前後の下値ライン、そして本日の月末オプション満期を整理します。
オンチェーンデータのセクションでは、米国債の利回りがキャリートレードの収益を上回るという異例の状態が、なぜ出来高の枯渇につながっているのかを取り上げます。
ファンダメンタルズのセクションでは、最大の法人保有者が公表した決算と、その保有姿勢に生じている変化に触れます。
静かな相場は、退屈であると同時に、次の方向が決まる前の準備期間でもあります。需給の構造を今のうちに確認しておくことが、方向感が出た後の判断を助けてくれるはずです。
ビットコイン(BTC)の価格動向・チャート概況
チャートを直接参照したところ、2026年7月31日午後2時ごろ(JST)のデータでは、ビットコイン(BTC)は$64,739近辺で推移していました。日本円に換算すると、おおむね960万円前後の水準です。
同じ時点のデータでは、24時間の高値は$65,056、安値は$63,488で、値幅は約$1,570にとどまりました。7日間では$62,784〜$65,744のレンジ内での推移が続いています。
24時間の出来高は約267億ドル、時価総額は約1兆2,990億ドルで、暗号資産全体に占める比率は約55.9%でした。30日間では約10.2%高ですが、7日間では約0.6%安と、月間の上昇分を直近でやや吐き出す形になっています。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(7月31日) | 約$64,739 | 約960万円前後で推移 |
| 前日水準・前日比 | $64,200近辺から約+1.9% | 指標の下振れを受けた反発 |
| 24時間高値 | $65,056 | 節目をわずかに上抜けた場面あり |
| 24時間安値 | $63,488 | 200週移動平均圏で下げ止まり |
| 7日間レンジ | $62,784〜$65,744 | 約$3,000幅の狭い往来 |
| 7日間変動率 | 約-0.6% | 週間ではわずかに下落 |
| 30日間変動率 | 約+10.2% | 月間では二桁の上昇を確保 |
| 上値抵抗 | $65,200、次に$65,800 | 複数回はね返されている帯 |
| 下値サポート | $63,300、次に$62,500 | 前者は200週移動平均が位置 |
| 200週移動平均 | 約$63,300 | 中期の強弱を分ける節目 |
| オプション満期 | 7月31日、$70,000〜$72,000コール | 現在値は約8〜10%下 |
| 24時間出来高 | 約267億ドル | 前日比では減少し商いは薄い |
| 時価総額 | 約$1.29兆 | 時価総額1位、比率は約55.9% |
| 史上最高値(参考) | $126,198 | 2025年10月6日に記録 |
本日は、前日から注目されてきた月末のオプション満期を控えています。7月を通じて話題となった$70,000〜$72,000のコールに建玉が集中していますが、現在値はそこから約8〜10%下にあり、多くが行使されないまま満期を迎える可能性が高い位置関係です。
7月中は、この分厚い建玉が値動きを抑えているという解釈が広く共有されてきました。満期を通過すれば、そのヘッジの巻き戻しが出やすくなります。ボリンジャーバンドの収縮と重なる点で、目先の変動要因として意識しておきたい局面です。



ビットコイン(BTC)のオンチェーンデータ
The Blockによると、Glassnodeは米国債の利回りが3カ月物先物のベーシス(現物と先物の価格差から生じる収益)を上回る状態が続いていると指摘しています。記録が残るなかで長期化したのは2度目で、前回この状態が終わったのは2022年のサイクル底でした。
ベーシスが米国債に見劣りすると、市場に流動性や板の厚みを供給してきた業者が参加を続ける理由を失います。Glassnodeは、枚数ベースの現物出来高が2019年以来の低水準まで落ち込み、取引所間の資金移動も細り、売り板が薄くなっていると整理しています。
K33の集計でも状況は共通しています。7月の1日平均現物出来高は約22億ドルと2023年11月以来の低さで、CMEのビットコイン先物建玉は2023年以来の低水準にとどまりました。先物と無期限先物を合わせた建玉は321億ドル(50万8,000BTC)で、直近7日間で2.1%減少しています。
資金フローも力強さを欠いています。CoinDeskによると、SoSoValueの集計で米国の現物ビットコインETFの7月の純流入額は2億500万ドルにとどまり、月間ベースで過去最低となりました。前日に触れた4日間の流出はいったん止まりましたが、月間で見れば回復とは呼びにくい水準です。
| 指標 | 数値 | 傾向・補足 |
|---|---|---|
| 7月の現物ETF純流入額 | 約2億500万ドル | 月間ベースで過去最低 |
| 5月の現物ETF資金フロー | 約24億3,000万ドルの流出 | 大幅な資金流出局面 |
| 6月の現物ETF資金フロー | 約45億2,000万ドルの流出 | 流出額はさらに拡大 |
| 7月29日の現物ETF資金フロー | 約3,200万ドルの純流入 | 4営業日続いた流出が一服 |
| 7月の1日平均現物出来高 | 約22億ドル | 2023年11月以来の低水準 |
| 枚数ベースの現物出来高 | 2019年以来の低水準 | 板の厚みが大きく低下 |
| CME先物建玉 | 2023年以来の低水準 | 機関投資家の参加が縮小 |
| 先物・無期限先物の建玉合計 | 321億ドル(50万8,000BTC) | 7日間で2.1%減少 |
| 米国債利回りと3カ月ベーシス | 米国債が上回る状態が継続 | 記録上2度目の長期化 |



出典:The Block(現物出来高・建玉・資金フロー)、CoinDesk(7月の現物ETF純流入額)
ビットコイン(BTC)のファンダメンタルズ
CoinDeskによると、最大の法人保有者であるStrategyは7月30日の取引終了後に第2四半期決算を発表し、82億ドルの純損失を計上しました。損失のほぼ全額が、公正価値会計に基づく保有ビットコインの83億2,000万ドルの評価減によるものです。
同社の保有量は7月26日時点で84万3,775BTCと年初から25%増えましたが、時価は約548億ドルで、取得原価の637億ドルを下回っています。平均取得単価が1BTCあたり約$75,476であるため、現在の価格帯では含み損の状態が続く計算です。
CoinDeskは、同社が今年の株式発行で170億6,000万ドルを調達し、転換社債15億ドルを8%の割引で買い戻したうえ、優先株の配当と利払いを2年以上まかなえる37億5,000万ドルの米ドル準備を積み上げたと伝えています。さらに新たな資金化プログラムのもとで、保有ビットコインの一部売却も始めています。
規制面では、The Blockによると、超党派の上院議員が暗号資産の市場構造法案をめぐる新たな倫理規定案をホワイトハウスへ送付しました。一方でJPMorganは、法案成立の確度が下がったことが市場の見通しを損ない、一部の条項がむしろ機関投資家の参入を妨げかねないと指摘しています。



出典:CoinDesk(Strategyの第2四半期決算)、The Block(市場構造法案をめぐる動き)
当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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