イーサリアム(ETH)は、CPIに続くPPIの好結果を追い風に$1,880台まで上昇し、$1,900の節目に迫りました。ビットコイン(BTC)を上回るパフォーマンスの裏には、ETF資金がBTCからETHへ向かうという、明確な資金の流れの変化があります。
イーサリアム(ETH) 相場解説(2026年7月16日)
イーサリアム(ETH)の注目ポイント
本日のイーサリアム(ETH)は、$1,880台まで水準を切り上げ、$1,900の心理的節目に迫りました。前日のCPIに続き、7月15日のPPI(生産者物価指数)も予想を下回ったことで、リスク選好の流れが一段と強まりました。
特筆すべきは、ETHがビットコイン(BTC)を上回る強さを見せている点です。市場全体が上昇する中でも、ETHの回復はBTCより速く、両者の相対的な強さを示すETH/BTC比率も改善しています。
背景には、資金の流れの変化があります。7月のETF資金フローでは、BTC建てが流出超となる一方、ETH建てには資金が流入しました。数週間続いたETHの弱さが、転換点を迎えつつあるとの見方が広がっています。
ZUU Web3 竹原イーサリアム(ETH)に関するZUU Web3の見解



2026年を通じてBTCに大きく劣後してきたETHが、ここへ来て強さを取り戻していることを、あなたはどう捉えるでしょうか。
本日のイーサリアム(ETH)は、PPIの追い風で$1,880台へ上昇しました。価格動向のセクションでは、$1,900の抵抗と主要な移動平均線の位置関係を整理します。そして、ファンダメンタルズのセクションでは、ETH建てETFへの資金回帰と、ステーキングETFをめぐる新たな動きを掘り下げます。
注目すべきは、ETHの「二面性」です。短期では、地政学ショックにも底堅く、BTCより速く回復するという強さを見せています。しかし長期では、史上最高値から約66%下落し、年初来でもBTCを大きく下回る、2026年最大の劣等生でもあります。
この二つは矛盾しません。大きく下げたからこそ、売り手が減り、下値が固まりつつあるとの見方もできます。ただし、ETH固有の強気シナリオが本物になるには、ETH/BTC比率の持続的な上昇が必要です。数日の資金流入だけでは、まだ判断できません。
底打ちの兆しに乗るのか、長期の劣後を警戒するのか。判断材料は交錯していますが、「ドル建ての上昇」と「BTCに対する強さ」を分けて見る視点を持って、ご自身なりに考えてみてください。
イーサリアム(ETH)の価格動向・チャート概況
チャートを直接参照したところ、2026年7月16日時点(JST)のデータでは、イーサリアム(ETH)は$1,880近辺で推移していました。日本円に換算すると、おおむね28万円前後の水準です。
7月15日のPPI発表後、ETHは$1,880台まで上昇し、前日終値から約5%高となりました。$1,800の節目を明確に上回り、$1,900の心理的抵抗に迫っています。6月末の安値$1,510からは約25%の戻りです。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(7月16日) | 約$1,880 | 約28万円前後で推移 |
| 24時間上昇率 | 約+5% | PPI好結果を好感 |
| 直近レンジ | $1,750〜$1,900 | 上限を試す展開 |
| 上値抵抗 | $1,900、次に$1,960〜$2,000 | 突破で上昇に弾み |
| 下値サポート | $1,820、次に$1,750 | 後者は主要な防衛線 |
| 50日EMA | $1,708近辺 | 上回って推移 |
| 200日移動平均線 | $1,693近辺 | 上回りトレンド改善 |
| ETH/BTC比率 | 約0.0283 | 下降トレンドライン突破 |
| ステーキング比率 | 循環供給の約30% | 流動的供給を圧縮 |
| 時価総額 | 約$2,270億 | 時価総額2位 |
| 史上最高値(参考) | $4,953 | 2025年8月24日に記録 |
テクニカル面では、まず$1,900が目先の上値抵抗として意識されています。cryptonewsによると、この水準を維持できれば$2,000の心理的節目への再挑戦が視野に入るとの見方があります。ETHは50日EMAと200日移動平均線をともに上回り、チャート構造が改善しています。
注目すべきはETH/BTC比率です。約0.0283まで回復し、2026年前半を通じて上値を抑えてきた下降トレンドラインを突破しました。ドル建ての上昇だけでなく、BTCに対する相対的な強さが、より確かな地合いを生んでいるとみられます。



イーサリアム(ETH)のファンダメンタルズ
本日のイーサリアム(ETH)の相対的な強さを支えているのが、ETF資金フローの明確な変化です。Benzingaによると、7月のBTC建てETFが約1億1,900万ドルの流出となる一方、ETH建てETFは約1億7,130万ドルの流入を集めました。
7月15日単体でも、米国の現物イーサリアムETFは約5,800万ドルの純流入を記録しました。cryptonewsによると、資金がBTCからETHへ回っている構図が鮮明で、これがETH/BTC比率の改善を裏付けています。
制度面の前進も見られます。cryptonewsによると、Morgan StanleyがイーサリアムとソラナのETFに関する申請を更新し、Coinbaseをカストディアン(保管業者)兼ステーキングプロバイダーに指名しました。ステーキング機能付きETFの実現に向けた動きが着実に進んでいます。
ステーキングETFは、ETHを「単なる値上がり期待の資産」から「利回りを生む資産」へと変える可能性を秘めています。ただし、投資家に渡る利回りは手数料控除後で限定的との指摘もあり、その効果は見極めが必要です。



出典:Benzinga(BTC・ETHのETF資金フロー比較)、Cryptonews(ETH ETF流入とMorgan Stanleyの申請更新)
イーサリアム(ETH)とマクロ環境との連動
本日のイーサリアム(ETH)の上昇を後押ししたマクロ材料が、CPIに続くPPI(生産者物価指数)の鈍化です。この二段構えの好結果により、FRBの7月利上げ観測はほぼ消滅し、リスク資産全般に追い風が吹きました。
ETHは、金利低下の恩恵を特に受けやすい資産とされます。利回りを生むステーキングという性質を持つため、金利が下がると相対的な魅力が高まるためです。今回、BTCを上回る上昇率となった一因も、ここにあるとみられます。
ただし、ETHには構造的な弱点もあります。ナスダックとの相関が高く、ハイテク株が売られる局面では、BTCより大きく下落しやすい傾向があります。マクロの追い風が逆風に変われば、下値も相対的に大きくなりかねません。
市場の視線は、7月28〜29日のFOMCへと移りつつあります。CPI・PPIの好結果が続くとの期待が高まる一方、ホルムズ海峡発の原油高がインフレを再燃させるリスクもあり、楽観は禁物です。



出典:Investing.com(ETHのマクロ感応度と構造的特性)、IG(ナスダック相関とETH/BTC比率)
当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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