イーサリアム(ETH)は6月25日、市場全体の急落に押されて2026年の安値圏となる1600ドル台前半まで下落しました。ビットコインを上回る下げ幅で「高ベータ」の弱さが鮮明になるなか、財団の資金問題という固有の逆風と、大口の買い支え・記録的なステーキングという下支えがせめぎ合っています。
イーサリアム(ETH) 相場解説(2026年6月25日)
イーサリアム(ETH)の注目ポイント
イーサリアム(ETH)は、1600ドル台前半まで下落し、2026年の安値圏で推移しています。前日6月24日にはビットコインが6万ドルを割り込む市場全体の急落が起き、イーサリアムも巻き込まれました。
イーサリアムはビットコイン以上に下げ幅が大きく、ビットコインが約3%安だった局面で約5〜6%下落しました。市場全体の値動きを増幅する「高ベータ」の特性に加え、イーサリアム固有の逆風も重なっています。
本日のイーサリアム(ETH)は、高ベータゆえの弱さと固有の逆風を受けつつ、1600ドルの重要な節目を守れるかが試される局面にあります。投資家にとっては、複数の逆風と下支えのどちらが優勢かを見極める場面です。
ZUU Web3 竹原イーサリアム(ETH)に関するZUU Web3の見解



固有の逆風と高ベータの弱さが重なるいま、あなたはこの下げを構造的なものと見るか、それとも下支えが効く調整と捉えるでしょうか。
本日のイーサリアム(ETH)は、1600ドルの節目を試しながら、複数の材料が交錯しています。価格動向のセクションでは、2026年安値圏への下落と、重要な支持帯をめぐるテクニカル構造を確認します。
マクロ環境のセクションでは、ビットコインの6万ドル割れと市場全体のリスクオフ、高ベータの弱さを整理します。ファンダメンタルズのセクションでは、財団の資金問題という固有の逆風と、大口の買い支え・記録的なステーキングという下支えを取り上げます。
注目すべきは、マクロの逆風に加えて財団の資金問題というイーサリアム固有の弱材料が重なる一方、大口企業の買いとステーキングによる供給の固定化が下値を支えている点です。目先の弱さに流されるのか、それとも下支えの厚みを冷静に見極めるのか。今の相場は、その両面を切り分けて見る視点を投資家に求めているといえそうです。
イーサリアム(ETH)の価格動向・チャート概況
チャートを直接参照したところ、6月24日20時16分時点(協定世界時)のデータでは、イーサリアム(ETH)は1606ドル前後で推移していました。前日比はおよそ3.4%の下落で、2026年の安値圏まで水準を切り下げています。なお、同日朝(米国東部時間9時)の段階では1670ドル前後で、日中に一段安となった経緯があります。
6月16日に付けた1847ドルの高値から、数日で大きく下落しました。8月の史上最高値の約4946ドルからは、約66%下回る水準です。市場では、2月のパニック安の水準にあたる1600ドルが、2026年の重要な底値として意識されています。
テクニカル面では、50日・200日移動平均線をいずれも下回り、下降チャネルのなかで安値を切り下げる展開です。14日RSIは37前後と売られ過ぎ寄りの中立圏にあります。1600ドルを明確に割り込むと、次は1545〜1500ドルが下値目標として意識されます。一方、1700ドルの回復が当面の上値の課題です。市場心理を示すFear & Greed Indexは23と「極度の恐怖」圏にとどまりました。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格(6月25日) | 約1606ドル | 2026年の安値圏で推移 |
| 前日比 | 約-3.4% | ビットコインの下落率を上回る |
| 6月24日朝(東部時間) | 約1670ドル | 日中に一段安 |
| 直近高値(6月16日) | 約1847ドル | そこから水準を切り下げ |
| 上値抵抗 | 約1700〜1750ドル | 回復には節目の奪回が必要 |
| 下値サポート | 約1600ドル / 1545〜1500ドル | 2月のパニック安水準 |
| 50日移動平均線 | 約1660ドル前後 | 価格は同線を下回る |
| 200日移動平均線 | 約1665ドル前後 | 下回り中期は弱含み |
| 14日RSI | 37前後 | 売られ過ぎ寄りの中立圏 |
| Fear & Greed Index | 23(極度の恐怖) | 市場心理は慎重 |
| 時価総額 | 約1990億ドル | 暗号資産で第2位を維持 |
| 史上最高値(参考) | 約4946ドル(2025年8月) | 現値は同水準から約66%下 |



イーサリアム(ETH)とマクロ環境との連動
本日のイーサリアム(ETH)の下落も、市場全体のリスクオフが主因です。ビットコインが心理的節目の6万ドルを割り込むなか、米ドル高・追加利上げ観測・ハイテク株安という複合的な逆風が、リスク資産全体を押し下げました。
イーサリアムがビットコインを上回って下落したのは、高ベータの特性によるものです。Investing.comによると、ビットコインが約3%安だった局面でイーサリアムは約5%下落しており、第2位の暗号資産がビットコインの下げを増幅する典型的なパターンが表れたとされています。ただし、この特性は上昇局面では逆に働き、相場が回復すればイーサリアムがビットコインより強く反発する可能性もあります。
レバレッジの巻き戻しも下げを加速させました。市場データによると、1億7000万ドル超のイーサリアムのロング持ち高が清算され、強制的な売りが下落に拍車をかけました。当面は米ドルと金利、株式市場の動向が、方向を左右するとみられます。



出典:Investing.com(高ベータの値動き・市場全体のリスクオフ)
イーサリアム(ETH)のファンダメンタルズ
イーサリアム(ETH)が他の主要銘柄より脆弱とされる背景には、固有の逆風があります。Investing.comによると、6月23日にイーサリアム財団が新たな財務方針に沿って従業員の約20%にあたる54人を削減し、これが内部の資金圧迫の兆候と受け止められ、約80億ドルの時価総額が失われたと報じられています。
さらに、元財団関係者が、今後3〜9カ月以内に「ゆるやかに進行する資金危機」に直面する可能性を警告しました。同メディアによると、複数年にわたる開発支援プログラムの終了と、財団が支出を抑える方針への転換により、年間3000万ドルの資金不足が生じ、中核的な開発体制が揺らぐ懸念があるとされています。これは、絶えず進化を続ける必要があるイーサリアムにとって、長期的な価値に関わる構造的な課題です。
一方で、強力な下支えも存在します。Investing.comによると、トム・リー氏が関わる大口保有企業BitMineは562万ETHを保有し、安値で12万6000ETHを買い増しました。これは、レバレッジをかけた強気派が恐怖で売る局面で、確信ある資金が供給を吸収していることを意味します。加えて、約3920万ETH(供給の約32%)がステーキングで固定され、待機列は流出のおよそ270倍にのぼるなど、売り圧力を減らす構造も働いています。財団の逆風と、大口・ステーキングの下支えがせめぎ合う状況です。



出典:Investing.com(財団の資金問題・BitMineの買い支え・ステーキング)
当記事管理者 株式会社NET MONEY 代表取締役 竹原 壮起(たけはら まさき)
竹原 壮起(たけはら まさき)
株式会社NET MONEY 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、2021年に株式会社ZUUへ入社。金融Webメディア「NET MONEY」をはじめとする複数メディアの立ち上げと運営に携わる。2024年よりメディア事業部を管掌。2025年1月、株式会社ZUU、株式会社FUNDiT、株式会社Macbee Planetの合弁会社として株式会社NET MONEYを設立、取締役に就任。同年10月に代表取締役に就任し、現在に至る。
配信:ZUU Web3
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