佐鳥電機株式会社
(画像=佐鳥電機株式会社)
佐鳥 浩之(さとり ひろゆき)  ――佐鳥電機株式会社代表取締役
1966年生まれ。成蹊大学卒業後、1989年日本電気株式会社に入社。その後、1995年に佐鳥電機株式会社に入社。国内営業を担当。2002年に取締役に就任、以来、海外事業経営ならびに国内事業経営に従事。2007年に常務、2011年に専務執行役員、2012年に副社長を経て、2013年6月、代表取締役社長に就任。
佐鳥電機株式会社
佐鳥電機株式会社は、東証プライム上場(7420)のエレクトロニクス専門商社です。1947年の創業以来、半導体・電子部品・電子機器及び設備関連機器の取り扱いをはじめとして、各種機器向けの組み込みソフトウェアの開発、各種システムの設計・試作に至るまでの幅広いソリューションを展開し、顧客ニーズに対応しております。また、無線技術などを核とした自社製品事業も強化しております。

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 経営判断をする上で最も重視していること
  3. 経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み
  4. 自社が今後関連していくテーマ
  5. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

これまでの事業変遷について

佐鳥電機株式会社
(画像=佐鳥電機株式会社)

冨田 それではまず、創業から現在に至るまでの事業変遷について教えていただけますでしょうか。

佐鳥電機株式会社 代表取締役社長・佐鳥 浩之氏(以下、社名・氏名略): 当社は、創業者が前任で関わっていた仕事の関係で、NECと住友電工の販売代理店として1947年に創立いたしました。それから日本のエレクトロニクス産業の拡大に伴い、仕入先であるNECの半導体や電子部品事業拡大を筆頭とする仕入先と共に当社も事業成長し、1994年に上場いたしました。

そして、2005年には売上が2,300億円、2006年に営業利益が59億円と過去最高の業績に達しましたが、2008年のリーマンショックを境に事業環境が一変し、業績が低迷しました。私が2013年に社長に就任してからも、日本市場の縮小と海外市場の拡大など事業環境は変化し続けています。

これらの状況を打開するために、当社は、2010年代後半からM&Aなどを活用しながらいくつかの新しい事業を開始しています。また、当社は東証再編により2022年にプライム市場に上場しました。このプライム上場を大きな企業改革の機会として、2030年をゴールとした「サステナビリティソリューションカンパニー」を目指して事業変革に取り組んでいます。

経営判断をする上で最も重視していること

冨田 佐鳥代表が経営判断をされる上で最も重視されていることを教えていただけますでしょうか。

佐鳥:ベースの部分は原理原則、理にかなっているのかということ。私共のやることが世のため人のためになっているか、ステークホルダーのためになっているのかというところだと思っています。また、当社は商社なので、お客様と仕入先を繋ぐ「絆」を非常に大事にしています。社員全員が、お客様のために、相手のために、パートナーのためになることを常日頃から心掛けています。

経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み

冨田 佐鳥代表の経営者としてのルーツや過去の経験から積み上げた強みを教えていただけますでしょうか。

佐鳥:創業家の一員として、普通の社員では経験できないようなことを若い頃から経験ができたことは、自身の大きな財産になっていると思っています。 私が社会人になった時、当社はすでに50年近い歴史がある会社となっており、NECを始めとする世界的な企業との深い取引がありました。20代の頃から世界的な企業の経営者とお付き合いさせて頂くといった経験を積み、見聞を広めることができました。

また、会社の順調なときも、非常に厳しいときも経営者として経験してきたことも大きな財産です。私が海外事業担当取締役になったのは2002年でしたが、リーマンショックまでは海外事業は絶好調で、果敢にビジネスを展開しました。しかし、2008年9月に日本に帰った途端にリーマンショックが始まり、そこからは業績が低迷し、難しい状況が続きました。この事業が順調な時期と悪い時期の両方を経験したことが、自身をしっかりと成長させてくれたと思っています。

自社が今後関連していくテーマ

冨田 貴社が今後成長していくにあたり、どのようなテーマに注力していくのか教えていただけますでしょうか。

佐鳥:2030年を目標にしてお客様の抱えている社会課題の解決をお手伝いする会社、「サステナビリティソリューションカンパニー」を目指していくことを決めて進み始めました。その第一ステップとして、これまでの製品をベースにしたセグメント運営を去年マーケット別に再編しました。産業インフラ、モビリティ、エンタープライズ、そしてグローバルの4セグメントで、それぞれの市場のお客様の抱えている社会課題解決のお手伝いをしています。

また、現在の売上はハードウェアやソフトウェアといったモノ売りが中心に構成されていますが、サービスやサブスクリプションなどのコト売りを強化、比率を高めていく計画です。そして、サステナビリティソリューションカンパニーになるために、社員をValue人財にすべく人的資本経営にも取り組み始めました。研修や人事制度、業務フロー改善やITシステムなど様々な面で投資を行っています。営業利益額の1%を教育投資に回すことも社内にアナウンスしました。

社会課題解決の貢献量が当社の利益です。当社は安定的かつ継続的に配当性向50%を目処とする配当方針を掲げており、残りの利益を成長投資や社内システムなどの投資に充てていきます。これらの取り組みによって、お客様だけでなく株主や社員といったステークホルダーに報いていくことができると考えています。

ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

佐鳥電機株式会社
(画像=佐鳥電機株式会社)

冨田:最後に、ZUU onlineの読者に向けたメッセージをお願いいたします。

佐鳥:当社は、先ほどお話ししたように、2030年という長期目標を立てて、お客様の社会課題を解決する「サステナビリティソリューションカンパニー」を目指しております。 市場やお客様、仕入先、株主、そして社員といった全てのステークホルダーに貢献すべく事業を推し進めてまいります。

配当方針につきましては、株主還元と内部留保とをバランス良く実施していくことを基本として経営状況の見通し等を総合的に勘案の上、配当性向50%を目処として業績に連動した配当を実施することを目標としており、この配当方針を鑑みながら、「サステナビリティソリューションカンパニー」に向けた成長への投資を実施していく所存ですので、ぜひ当社の活動にご注目いただければと思います。

よろしくお願い致します。

氏名
佐鳥 浩之(さとり ひろゆき)
社名
佐鳥電機株式会社
役職
代表取締役社長