特集「令和IPO企業トップに聞く ~ 経済激変時代における上場ストーリーと事業戦略」では、IPOで上場した各社のトップにインタビューを実施。コロナ禍を迎えた激動の時代に上場を果たした企業のこれまでの経緯と今後の戦略や課題について各社の取り組みを紹介する。

GLOE株式会社
(画像=GLOE株式会社)
谷田 優也(たにだ ゆうや)――GLOE株式会社代表取締役
IPデジタルコンテンツのプロデュース業などに従事した後、2015年11月に日本初のeスポーツ専門会社としてウェルプレイド・ライゼスト(現 GLOE株式会社)を設立。2022年11月にはeスポーツ事業で日本初の上場を果たす。「We are the GAMING LIFESTYLE Company.」をビジョンに、ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにするソリューションやサービス、プロダクトを提供。
GLOE株式会社
GLOEは、eスポーツ黎明期の2015年創業時以来、eスポーツに関するあらゆるジャンルのイベントや大会の企画・運営、映像制作・配信、プロモーション、キャスティング、施設運営、コンサルティングに加え、eスポーツを活用した地方創生や新規事業創出などを行ってまいりました。「We are the GAMING LIFESTYLE Company.」をビジョンに、ゲームが当たり前にある人々の生活様式に寄り添ったソリューション、サービス、プロダクトを提供し続けることで、ゲーム・eスポーツ業界のさらなる発展に寄与することを目指しています。

目次

  1. 創業から上場までの事業変遷
  2. そもそもエクイティを活用しようと思った背景や思い
  3. 今後の貴社における事業戦略や展望
  4. この金融/経済市場においての、貴社または代表ご自身のファイナンスにおける課題や重点テーマ
  5. ZUU onlineのユーザーに一言

創業から上場までの事業変遷

GLOE株式会社
(画像=GLOE株式会社)

ー: 貴社の事業変遷についてお聞かせいただけますか?

GLOE株式会社 代表取締役社長・谷田 優也氏(以下、社名・氏名略): 2015年の創業当初は、eスポーツゲームのプロデュースを実施していました。当時、eスポーツというキーワードは一般的ではなく、仕事も少なかったです。また、ゲーム業界ではパッケージ商品からソーシャルゲームの全盛期に突入し、無料でプレイするのが当たり前の時代へと移り変わりはじめていました。そこでゲームを手に取ってもらう理由よりも継続して遊び続ける理由を作ることが必要だと感じ、eスポーツの総合商社として事業展開をスタートしました。具体的には、イベント企画・運営、インフルエンサーマーケティング、クリエイターサポートなどに取り組んでおります。

ー: 貴社の優位性について教えていただけますか。

谷田: 私たちの強みは、専門性を活かした包括的な支援ができることです。包括的支援が可能な理由は2点あります。 1点目は、私たちの社内では常に最新のゲームタイトルやコミュニティ、トレンドを理解している人材が担保されていることです。2点目は、競技シーンに必要なルールや視聴における演出などをこだわり抜いて制作することが可能である点です。 この2点が私たちの優位性であると考えています。

そもそもエクイティを活用しようと思った背景や思い

ー: 上場を決断した背景や思いについて教えていただけますか?

谷田: 上場を決断した理由の一つは、私たちのeスポーツビジネスを多くの人に知ってもらい、その価値を理解してもらいたいという思いが強かったからです。私たちはeスポーツのプレイヤーやストリーマーの価値を信じており、その価値を多くの人に伝える方法として、株式上場という手段を選びました。

加えて、私たちが2015年にスタートしたeスポーツ事業は、他企業や学生企業が同じように熱意を持って取り組んでいます。上場によって資金調達が容易になることで、同じ事業領域に関心を持つ人たちを応援する立場になれると考えました。そういった意味でも、上場は良い選択肢だと思っています。

今後の貴社における事業戦略や展望

GLOE株式会社
(画像=GLOE株式会社)

ー: 今後の貴社における事業戦略や展望、そして未来構想についてお聞かせいただけますか?

谷田: 最終的に目指したい世界は、ゲームを楽しむことが日常の一部となり、ゲームを続けてよかったと思える世界です。 ゲームを配信することが当たり前のようになっている中で、ライフスタイルを中心に据えたゲーム関連のプロダクトは、まだまだ世の中に必要だと思われます。ファミリーコンピューターが1983年に登場してから40周年が経ち、今後、ゲームを楽しんだ大人たちが高齢者になってきています。デイサービスに通うような時期に、リハビリの代わりとして、ゲームが取り入れられるような施設があれば素晴らしいと思いませんか?

弊社は、ゲーミングライフスタイルカンパニーとして、そういったニーズに応えるプロダクトを多く創造することを目指しています。アパレルや住居、金融や保険商材、さらには医療の分野にも適用できるようなゲームを提供したいと考えています。

この金融/経済市場においての、貴社または代表ご自身のファイナンスにおける課題や重点テーマ

ー: eスポーツ市場の重点テーマについてご教示いただけますか?

谷田: 日本が世界で通用するプロダクトを作り、グローバルスタンダードを確立していくことです。最近は、韓国や中国、アメリカ、サウジアラビアなど海外のeスポーツ市場が成長していることから、海外で通用するようなプロダクトを日本で作っていかなければなりません。

私たちは、世界中の人々が利用できるクオリティの高いプロダクトを作ることを目指しており、日本で手がけているイベントのクオリティも海外に負けていないと感じております。今後も、このようなプロダクトを作り上げていきたいと考えています。

ZUU onlineのユーザーに一言

ー: 最後に、弊社のユーザー様に向けて一言いただければと思います。

谷田: 私たちがeスポーツの領域で初めて上場させていただいた会社として、市場の成長を牽引できるかは、まだ様子を伺っていらっしゃる方も多いフェーズだと思っています。しかし、5年や10年後の世界を見た時に、例えばですがゲームを活用した医療など様々な付加価値が増えていくと思います。

もちろん、万能薬にはなりませんが、ライフスタイルの一つの選択肢としてゲームを有効利用できる世界を作ることができれば、市場の領域はとても大きいものになると私自身が信じています。 そういった世界が面白いと思ってくれる皆様であれば、応援していただけたら嬉しいと思っています。

氏名
谷田 優也(たにだ ゆうや)
社名
GLOE株式会社
役職
代表取締役