創業の想い
私が証券会社に在籍していた時代、日本とシンガポールの経営者や富裕層向けに資産コンサルティングを提供するプライベートバンカーの活動を通じて、金融商品や金融サービスの提供側と投資をする個人の間には、“情報の非対称性”が存在していること、そして、個人のマネー・リテラシー不足が個人の人生の選択肢に大きな影響を与えている場面に直面してきました。
人生100年時代を迎え、個人が「夢や目標を掲げ実現」するうえで「お金」はハードルになり、アクセルを踏むガソリンのような存在にもなります。
昨今、お金を管理したり、生み出したりする選択肢を広げるさまざまなツールが登場し、個人が資産を運用する方法も多様化してきました。2022年4月から高校の新学習指導要領には金融商品による資産形成が盛り込まれ、小学校、中学校に続く金融教育が始まります。マネー・リテラシーを高める公平な機会提供は益々広がろうとしています。
インターネットという誰もがアクセスできる公平な場を通じて“情報の非対称性”を解消し、誰もがお金に対するリテラシーを高め、夢や目標を掲げ挑戦する社会を実現していきたい。
このような想いを原点に2013年にリリースしたのが、金融メディアプラットフォーム『ZUU online』です。
おかげさまで『ZUU online』をはじめとする弊社メディアは現在、月間1,900万人以上(2021年9月末時点)にご利用いただく国内有数の金融メディアプラットフォームとして成長しております。ここを起点に金融プロフェッショナルとユーザーのマッチングを行う資産アドバイザリーサービス、資産情報に基づく個人の信用スコアリング、クラウドファンディングによる投資機会提供など、多角的に事業を展開し続けています。さらにこのプラットフォームの構築から運営までのノウハウをメディアプラットフォームシステム『MP Cloud』の提供を通じて、金融機関を中心に企業のDX化を支援しています。
また、法人や経営者向けには、経営課題解決型メディアプラットフォーム『THE OWNER』を通じた情報提供から、ファイナンスの世界の考え方を取り入れた会社・事業の非連続成長を実現する経営支援サービス『鬼速®︎』を中心とするPDCAサービスなどを提供しています。
3つの成長投資戦略
1.顧客基盤への投資・プラットフォーム提供価値の最大化
2021年度3月期通期決算よりサービスドメインを「リテール・フィンテック」「コーポレート・フィンテック」に変更致しました。「リテール・フィンテック」は主に個人向けサービスとしてユーザー数、ARPU(ユーザー1人当たりの売上高)、累計資産額をKPIに設定しております。
「ZUU online』「コーポレート・フィンテック」は法人向けサービスとして、経営者リード総数、ARPA(1社当たりの売上高)、累計調達額をKPIに設定しております。
今期はプラットフォーム全体におけるユーザー基盤の強化及び認知拡大を目指し、広告宣伝費への投資を強化しております。
一方では、各サービスラインのKPIを追うだけの短期的視点ではなく、お客様視点で提供サービスの最適化・最大化を図り、満足度向上を継続的な提供価値とすることで、長期的にサービスをご利用いただける仕組みを構築も進めております。
2.人材・組織への投資
社名の「ZUU」は世界中から多種多様な優秀な人材が集まる”ZOO”と、共に学び高め合う場”University”を掛け合わせた造語です。日々新たな事業アイディアを創出し、ユーザーに価値提供し続ける事業創造集団でありたいと考えます。
当社が掲げる5つのバリューを行動指針に基づき事業成長のスピードを上げ、人と組織が常に変化し、最適化し続けるための優秀な人材採用と組織基盤強化を加速させていきます。
年齢や経験を問わず採用・成長機会を提供し、成長スピードの早い人材を抜擢することで事業立ち上げからグロースまでPDCAを回す経験を積み上げ、次世代リーダーの育成に力を入れていきます。
3.M&A・アライアンスの拡大
当社が企業として今後、更なる成長を遂げるうえでM&Aは重要な経営戦略の一つと捉えております。
既存事業とシナジーの高い領域(Fintech、メディア、金融プレイヤーなど)の他、相互にアセット強化、事業拡大を目的としたM&Aを積極的に推進して参ります。
最後に
私たちは、メディア・プラットフォームの価値最大化を通じてミッションを実現することが、サステナブルな社会につながると考えております。ESGの取り組みも一層強化し、これからもユーザーに寄り添い、ユーザーの課題解決に繋がる金融×IT領域の様々なサービスを再創造し、価値提供し続けることをお約束致します。
株主・投資家の皆さまにおかれましては、より一層のご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
代表取締役 冨田和成