「アメリカ(米国)株に投資したい」ネット証券大手3社を比較 SBI、楽天、マネックス
(画像=wealth map編集部)

アメリカ(米国)株に投資したいなら、「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」がおすすめ。

2017年には連日史上最高値を更新したことが記憶に新しいニューヨークダウ平均株価。2021年7月にも史上最高値を更新するなど4年近く活況が続くアメリカ(米国)株。日本の個人投資家で米国株に投資しているという人も増えてきている状況だ。

この記事では好景気を迎えているアメリカへの投資を考えている人向けに米国株が売買可能な証券会社について比較・紹介する。

この記事に登場する専門家
  1. 米国株の魅力とは
  2. 米国株が買えるネット証券一覧
  3. マネックス証券 4,097銘柄と多いのが特徴
  4. SBI証券 4008銘柄、ETFは252銘柄
  5. 楽天証券 3678銘柄、手数料は業界最低水準
  6. 米国株のデメリット
  7. 米国株取扱いネット証券3社の比較 注意点とは
  8. 米国株に関するよくある質問

米国株の魅力とは

最初の投資先として、米国株を選ぶ人が増えてきている。個人投資家が米国株に惹きつけられる理由はどこにあるのだろうか?まず、米国株の魅力を4つの視点から解説していく。

米国株の4つの魅力

  • 短期では上がり下がりがあるが長期的に見ると市場が右肩上がりの成長を続けている
  • 高配当な株式が多い
  • 1株から購入できる
  • 為替差益を得られる場合がある

短期では上がり下がりがあるが長期的に見ると市場が右肩上がりの成長を続けている

米国株市場は、長期的に右肩上がりの成長を続けている。過去30年の米国株(ダウ平均)と日本株(日経平均)のパフォーマンスを比較すると、その違いは明らかだ。

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画像=Investing.comのデータより筆者作成。1990年から2020年までは12月終値、2021年は7月終値。1990年12月終値を100とした場合のパフォーマンス。

日本株市場のパフォーマンスがほぼ横ばいで推移しているのに対し、米国株市場は30年間で約12倍にまで成長を遂げた

市場そのものが成長しているということは、市場において平均的なパフォーマンスをあげれば、それに応じて資産が増えていくということでもある。30年前に100万円を米国株に投資していれば、今は1,200万円に成長していたかもしれない。

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高配当な株式が多い

アメリカでは日本より投資が活発だ。株主は豊富な投資経験をもとに、シビアに投資先の企業を見極めると言われている。このような背景から、アメリカの企業は、利益を「配当金」として株主に還元することを重視している。

米国株には日本株と比較して高配当な銘柄が多く、毎年のように配当金が増える「連続増配」を達成している企業も多い。たとえば、有名な米国企業であるコカ・コーラは59年、マクドナルドは45年の連続増配を達成している(2021年8月時点)。

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(画像=Wealth Map編集部)

また、配当金が支払われる頻度も、日本株の多くが年2回であるのに対し、米国株には年4回(四半期ごと)という銘柄もたくさんある。

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1株から購入できる

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(画像=Wealth Map編集部)

現在は1株単位で購入できるミニ株、ワン株といったサービスがあるものの日本株は基本的に、100株単位で購入する必要がある。株価が1万円だとしたら、最低でも100万円を用意しなければ日本株に投資することはできない。一方、米国株は1株単位で購入できるため、元手が少額でも米国株投資を始められる。

たとえば、次のような世界的に有名な大企業にも、数万円という少額から投資できる。

米国株の銘柄名 1株あたりの価格
アップル 16,864円
マイクロソフト 32,883円
フェイスブック 39,335円
ウォルト・ディズニー 18,914円
コカ・コーラ 6,148円
※2021年8月5日時点の情報です

有名企業以外でも、今後急成長が見込める企業を選んで少額投資をしておくのも面白い。今後株価が急上昇すれば、少ない元手で効率よく資産を築くことができる可能性もあるだろう。

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為替差益を得られる場合がある

為替差益をねらえるのも米国株投資の魅力の1つだ。日本円と米ドルの交換レートのことを為替レートと呼ぶ。為替レートは常に変動しており、日本円を米ドルに、米ドルを日本円に交換するタイミングによっては、為替差益が生じることがある

たとえば、1ドル=100円の時に10万円で1,000ドル相当の米国株に投資したとする。その後円安になり、1ドル=110円になったタイミングで米国株を売却して日本円で受け取ると、11万円になる。増加した1万円分が為替差益というわけだ。

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(画像=Wealth Map編集部)

為替差益を得るためには、円高のタイミングで米国株を始めることが望ましい。為替レートが米国株投資のパフォーマンスに影響することを知り、タイミングを見極めて投資を始めることが大切だ。

ただ一方で後述するように、為替差損が発生しうることも理解しておくべきだろう。

専門家のコメント

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米国株が買えるネット証券一覧

魅力がたくさんある米国株について、ぜひ投資先の選択肢として検討していただきたいところだが、日本では米国株を購入できる証券会社が限られている。日本株を購入するには一般的な証券会社であれば、どの証券会社でも売買が可能だが、米国株の場合は取扱いがない証券会社が非常に多い。

ここからはネット証券の中でも米国株の取り扱いを行っているマネックス証券、SBI証券、楽天証券の3社、加えて松井証券、IG証券それぞれについて見ていこう。

2022年6月14日現在
引用元:マネックス証券、SBI証券楽天証券DMM株PayPay証券
※1:750株未満は16.50ドル(最低手数料)

マネックス証券 取扱銘柄数が豊富

続いてはネット証券大手であるマネックス証券の米国株の対応状況を紹介しよう。

                      
マネックス証券
米国株取扱銘柄数 4,192銘柄
売買手数料 約定代金の0.495%(税込)
為替手数料 1米ドル当たり片道25銭
米国ETF取扱銘柄数 345銘柄

取扱い銘柄数

普通株取り扱い銘柄数は4,162銘柄だ。ETFは345銘柄を取り扱っている。今回紹介する3社の中で個別銘柄の取り扱いが多いのがマネックス証券だ。米国株のさまざまな個別銘柄への投資を考えている人には同社での取引がおすすめだ。

売買手数料

米国株の売買手数料は1取引当たり約定代金の0.495%(税込)が必要だ。最低手数料は0米ドル(無料)、手数料上限は22米ドル(税込)と業界最低水準となっている。

為替手数料

マネックス証券では米国株取引のための円から米ドルへの為替手数料(買付時)が無料となっている。定期的に見直しが行われるとのことで、もしも気になる場合は事前に確認が必要だ。

注文方法

マネックス証券では米国株の注文方法において通常の指値注文や成行注文はもちろんのこと、それ以外にもさまざまな注文方法を用意している。主な米国株の注文方法としては指値注文・成行注文のほか、逆指値注文(成行)、トレールストップ注文、OCO注文(ツイン指値)、OCO注文(OCOs)、連続注文がある。米国株の売買において他社では対応していないさまざまな注文方法を利用したい人にはマネックス証券がおすすめだ。

注文受付時間

マネックス証券の米国株注文受付時間は24時間行われている。同社では取引時間も通常の立会時間以外に「プレ・マーケット」「アフター・マーケット」という時間外取引にも対応しており、幅広い時間帯で取引が可能となっている。また、2021年には日本時間の日中に米国株の取引が出来る国内店頭取引サービスも開始した。気になる場合はぜひチェックしておきたい。

マネックス証券の米国株サービスでは、「プレ・マーケット」「アフター・マーケット」という立会時間外でのお取引も可能です。立会時間外に大きく株価が動く場合がありますので、利益を狙うチャンスが広がります。

引用元:米国株 時間外取引 | マネックス証券

特定口座への対応

マネックス証券でも他社同様に米国株式の売買が特定口座内でも可能となっている。米国株の税金の計算が面倒ならぜひ特定口座を利用していただきたい。

NISAへの対応

米国株のNISAへの対応もマネックス証券では実施済みであり、NISAの枠内で米国株の売買が可能だ。NISAの枠が余っている人はNISAでの米国株の売買をおすすめする。

マネックス証券の特徴

マネックス証券では米国株の専用のトレーディングツールとしてPC用には「トレードステーション」、スマートフォンアプリには「トレードステーション米国株 スマートフォン」をそれぞれ提供している。米国株専用のトレーディングツールでパソコンからもスマートフォンからも快適な取引が可能となっている。

2021年6月にスタートした「米国株定期買付サービス」では米国株・米国ETFを毎月の指定日に自動買付可能。さらに、「配当金再投資サービス」を利用すれば、保有銘柄からの配当金を使って同じ銘柄に自動で再投資できる。

SBI証券 4,200超

ネット証券最大手のSBI証券。業界最大手の同社は当然のことながら米国株にも力を注いでいる。

                      
SBI証券
米国株取扱銘柄数 4,200銘柄
売買手数料 約定代金の0.45%(税抜)
為替手数料 1米ドルに当たり片道25銭
米国ETF取扱銘柄数 307銘柄

SBI証券[旧イー・トレード証券]

取扱い銘柄数

まずは取扱い銘柄数を見てみよう。米国株の個別銘柄取り扱い数は4200銘柄を超えている。(※2021年8月時点)

売買手数料

売買手数料は1取引当たり約定代金の0.45%(税抜)が必要だ。最低手数料は5米ドル(税抜)、手数料上限は20米ドル(税抜)と業界最低水準となっている。

為替手数料

米国株の購入にあたってはドル決済となるため、売買手数料のほかに為替手数料が必要となる。SBI証券の場合、為替手数料は為替スプレッドのみとなっており、1米ドルにつき片道25銭が必要となる。なおSBI FX α口座をもっている人は、米ドルについては現引が可能となっており、外国株式口座に入金した米ドルを米国株式の外貨決済に利用可能だ。

また、住信SBIネット銀行を利用している人は、外貨入出金サービスを利用することで為替手数料を4銭(片道)にすることも可能だ。入出金手数料も無料となっているためおすすめのサービスだ。

注文方法

SBI証券の米国株の注文方法については指値・成行・逆指値が利用可能だ。指値注文・逆指値のみ価格訂正が可能、成行注文は訂正できないため注意が必要だ。

注文受付時間

取引に関する注文受付時間は米国営業日の以下を除く時間帯となっている。
・日本時間19時~19時30分(予定)
・日本時間での取引終了時刻から10時30分頃まで

特定口座への対応

SBI証券では2015年より特定口座内で外国株式の売買が可能となっている。特定口座内で取引することで面倒な税金の計算からも逃れることができるため、頻繁に売買する人はぜひ特定口座に対応した証券会社で米国株の売買をおすすめする。

NISAへの対応

SBI証券では米国株売買に関するNISAへの対応も行っている。同社ではNISA枠を利用して米国株の売買が可能となっている。米国株売買で税金をお得にしたい人は米国株でNISAの活用できる証券会社を利用するのがいいだろう。

SBI証券の特徴

SBI証券では米国貸株サービス(カストック【Kastock】)を行っている。同サービスでは保有中の米国株式をSBI証券に貸し出すことによって、貸し出した株式に応じた貸株金利を受取ることができる。日本では同社のみが提供しているサービスだ。貸株中でも配当金が受け取れるメリットや、申し込みをするだけで自動的に貸株を実施、貸株中でもいつでも売却可能等、メリットがたくさんのサービスを展開している。

楽天証券 約4000銘柄、手数料は業界最低水準

続いてはネット証券大手である楽天証券の米国株の対応状況を紹介しよう。

                      
楽天証券
米国株取扱銘柄数 3,966銘柄
売買手数料 約定代金の0.45%(税抜)
為替手数料 1米ドルに当たり片道25銭
米国ETF取扱銘柄数 324銘柄

取扱い銘柄数

米国株の普通株取り扱い銘柄数は約4000銘柄。マネックス証券、SBI証券の両者に引けを取らない銘柄数を扱っているといえるだろう。(2021年8月時点)

売買手数料

米国株の売買手数料は1取引当たり約定代金の0.45%(税抜)が必要だ。最低手数料は5米ドル(税抜)、手数料上限は20米ドル(税抜)と業界最低水準となっている。

為替手数料

為替手数料は為替スプレッドのみ必要となっており、1米ドル当たり片道25銭の為替スプレッドが必要だ。

注文方法

楽天証券では指値注文・成行注文の2種類が米国株で注文可能だ。

注文受付時間(米国株式の取引時間)

月曜~金曜の15時から翌日6時まで注文可能。なお、15時~17時15分は外貨決済のみとなり円貨決済はできない。

特定口座への対応

楽天証券では2014年12月より米国株式の売買が特定口座内でも可能となっている。米国株の税金の計算が面倒ならぜひ特定口座を利用していただきたい。

NISAへの対応

米国株のNISAへの対応も楽天証券では実施済みであり、NISAの枠内で米国株の売買が可能だ。節税を目指す人にはNISAでの米国株の売買をおすすめする。

楽天証券の特徴

楽天証券といえば「マーケットスピード」といわれるほど有名な同社のトレーディングツールであるが、米国株もこの「マーケットスピード」上で売買が可能だ。楽天証券で使い慣れている人はもちろん、まだ利用したことのない人もこの機会にマーケットスピードで米国株の売買をしてみてはいかがだろうか。

株投資家のコメント

松井証券 最低水準の手数料と専用アプリで気軽に取引

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松井証券
米国株取扱銘柄数 1,057銘柄
売買手数料 約定代金の0.45%(税抜)
為替手数料 1米ドルに当たり片道25銭
米国ETF取扱銘柄数 97銘柄

売買・為替手数料

松井証券の売買手数料は、主要ネット証券と並んで1取引当たり約定代金の0.495%(税込)と、業界最低水準だ。為替手数料は1米ドルあたり25銭となっている。

取扱銘柄数

米国株の取扱銘柄数は、1057銘柄となっている。2022年2月28日のサービス開始から、2022年7月19日に561銘柄が新たに追加され、着々と投資可能銘柄の幅を広げている。

松井証券の特徴

松井証券 米国株アプリの特徴

  • 「マイページ」で資産状況をすぐに確認できる
  • 「マーケット」で投資情報を簡単確認
  • 4つの表示から選べる「株価ボード」
  • 「銘柄検索」は、テーマ検索や商品名での検索が可能

松井証券の米国株投資で特筆すべきは、専用の「松井証券 米国株アプリ」が用意されている点だ。

取引画面はシンプルで操作しやすく、リアルタイム株価情報や銘柄検索機能で、取引から情報収集までアプリ一つで完結することができる。

松井証券に米国株口座を持っていれば、アプリのダウンロードのみで機能をすべて無料で利用することが可能だ。

IG証券

IG証券

ETFをCFD取引するのであれば、IG証券がおすすめです。

CFD取引ができる国内証券会社の中でも、米国株取扱銘柄数約7,000銘柄、米国ETF取扱銘柄数約400銘柄、外国株銘柄数17,000銘柄の商品ラインナップは圧倒的です。CFDを利用でき、かつ豊富な銘柄の中から投資先を選択できることはユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。

また、IG証券には投資について学べる学習コンテンツも多数用意されています。

オンラインの学習プログラム「IGアカデミー」やアナリストレポートなど、口座開設すれば無料で利用できるので、初心者の人もぜひ口座開設してみましょう。

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3社を総合評価で比較

証券口座は米国株取引だけでなく、少額で取引できるかなど様々な評価軸で比較・検討した方が良い。 早速、大手3社の証券口座を総合評価で比較してみよう。

証券会社 手数料 少額投資 おすすめポイント
10万円 50万円 100万円
1位  1位SBI証券
無料
※1
手数料、IPO、外国株
全てトップクラス
2位  2位楽天証券
無料
※2
× 楽天ならではの
ポイント制度が充実
3位  3位マネックス証券
99円

275円

535円
米国株の取扱数が豊富
IPOの実績も◎
  1. ※2022年6月現在
  2. ※1. アクティブプランの場合
  3. ※2. いちにち定額コースの場合
  4. ※3. 買付は無料、売却のみ手数料がかかる。
  5. ※引用元:SBI証券|株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA、マネックス証券 | ネット証券(株・アメリカ株・投資信託・確定拠出年金・NISA)、楽天証券 | ネット証券(株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA)
証券会社 手数料


おすすめポイント
10
万円
50
万円
100
万円
1位1位SBI証券
無料
※1
手数料、IPO、外国株 全てトップクラス
2位  2位楽天証券
無料
※2
× 楽天ならではのポイント制度が充実
3位  3位マネックス証券
99円

275円

535円
米国株の取扱数が豊富、IPOの実績も◎
  1. ※2021年3月現在
  2. ※1. アクティブプランの場合
  3. ※2. いちにち定額コースの場合
  4. ※3. 買付は無料、売却のみ手数料がかかる。
  5. ※引用元:SBI証券|株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA、マネックス証券 | ネット証券(株・アメリカ株・投資信託)、楽天証券 | ネット証券(株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA)

米国株のデメリット

過去30年にわたって右肩上がりで成長しているなど、魅力の多い米国株だが、デメリットも正しく把握した上で投資するようにしたい。続いて、米国株のデメリットを4つ紹介する。

米国株の4つのデメリット

  • 為替リスクがある
  • 取引手数料がかかる
  • 情報を入手しにくい
  • 株主優待がない

為替リスクがある

メリットと表裏一体になるが、投資のタイミングによっては、為替レートの影響で為替差損が発生することがある。

例えば、1ドル=100円の時に10万円で1,000ドル相当の米国株に投資したとする。その後円高になり、1ドル=90円になったタイミングで米国株を売却して日本円で受け取ると、9万円になる。減少した1万円分が為替差損だ。

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(画像=Wealth Map編集部)

為替差損が生じるリスクを、為替リスクと呼ぶ。為替リスクを避けるためには、円高であり、今後円安になると予想されるタイミングで米国株投資をすることが望ましい。

とはいえ、投資で得られるリターンが為替差損を吸収してくれることも多い。為替リスクを気にするあまり、投資のタイミングを逃さないよう注意したい。

取引手数料がかかる

かつては米国株の取引手数料に最低金額が設定されており、手数料が高いのが投資家にとってのハードルになっていた。しかし、2019年に大手ネット証券が最低金額の撤廃を発表したことで、今は一定額までなら取引手数料0円という手数料体系の証券会社が多い。

とはいえ、日本株と比べると手数料が高いのはデメリットだ。日本株にしろ米国株にしろ、手数料がかかることを踏まえて、手数料を超えるパフォーマンスをねらう必要がある。

情報を入手しにくい

世界的に知名度の高い有名企業なら、日本のニュースで名前を聞くことも多い。しかし全体的に見れば、日本企業と比べて米国企業のニュースは入手しにくい傾向がある。

情報収集の観点からいえば、初めて米国株に投資する時は、世界的に知名度の高い有名企業を選ぶと安心だ。また、各証券会社が配信する投資家向けのニュースやアナリストの分析レポートなどにも目を通すようにしたい。

投資経験を積めば、SNSや海外のニュースサイトから独自に情報を入手することも可能だ。

株主優待がない

日本株にはたくさんの魅力的な株主優待がある。日頃利用している商品・サービスの株主優待を目的として株式投資を始める投資家も多い。

しかし、アメリカでは株主優待より配当金を重視する傾向が強い。そのため、株主優待を用意している米国株はほとんどない。

米国株投資をするなら、株主優待を探すより、高配当銘柄や今後急成長が見込める銘柄を選ぶのが賢い選択だろう。

米国株取扱いネット証券3社の比較 注意点とは

ここまで3社の米国株取扱いに関する対応状況を見てきた。比較してみた結果、売買手数料や為替手数料は3社横並びといった結果だ。それぞれの証券会社の主な特徴としては、米国株の取り扱い銘柄数が一番多いのがマネックス証券、ADRの取り扱いが一番多いのは楽天証券、住信SBIネット銀行を利用することで、為替手数料が最も安くなるのがSBI証券といった形だ。それぞれの投資家ごとのニーズに合わせて証券会社を選ぶのがよいだろう。

最後に米国株についての注意点を一点だけお伝えしたい。米国株はドルベースでの売買が基本となることから、為替の影響が大きく出る可能性がある。米国株を購入し株価が上がった場合でも、円高傾向に振れた場合には結果的に損失を被ることもある。企業の業績や配当等の情報以外にも為替についても注意する必要がある。

もっとも米国株購入時に比べ円安に振れた場合等は為替差益が発生することもあるので、為替相場を見極めながら円高の際に米国株を購入し、円安の際にうまく売却することが理想的だ。

また、税金についても注意が必要だ。売却益は、米国国内で課税されないため、日本株の場合と同様,利益に対して20.315%の割合で課税される。これに対し、配当益は、米国で10%課税された後に、日本国内でも20.315%課税される。しかし、これは二重課税になるため確定申告で「外国税額控除」を行うことで回避することもできる。このように、米国株については税金の扱いが日本株と異なるため、申告の仕方は慎重に判断する必要があるだろう。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)

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(画像=Wealth Map編集部)

居住者が、その年において外国の法令により所得税に相当する租税(以下「外国所得税」といいます。)を納付することとなる場合には、次の算式(1)で計算した金額(以下「所得税の控除限度額」といいます。)を限度として、その外国所得税額をその年分の所得税額から差し引くことができます。

(1) 所得税の控除限度額=その年分の所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)

また、その外国所得税額が所得税の控除限度額を超える場合には、次の算式(2)で計算した金額(以下「復興特別所得税の控除限度額」といいます。)を限度として、その超える金額をその年分の復興特別所得税額から差し引くことができます。

(2) 復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)

引用元:国税庁|居住者に係る外国税額控除

マネックス証券に向いている人・向いていない人

マネックス証券に向いている人

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(画像=Wealth Map編集部)

マネックス証券が向いている人は米国株投資を積極的にしたい方です。マネックス証券は証券会社の中で、取扱う米国株の銘柄数が豊富なので、米国株に投資する方は開設するべき口座です。

マネックス証券に向いていない人

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(画像=Wealth Map編集部)

マネックス証券が向いていない人は海外投資を幅広く試してみたい方です。SBI証券では米国や中国以外にも9ヶ国を取り扱っているのに対し、マネックス証券は米国株と中国株のみで、他社に比べて外国株式の取扱が少なくなっています。

マネックス証券のメリット

マネックス証券のメリット

  • アナリストによるレポートが充実している
  • 取扱う米国株の銘柄数が豊富

アナリストによるレポートが充実している

マネックス証券はアナリストによるレポートが豊富であり、株式投資に必要な情報取得できる。

アイコン

マネックス証券は専門家のレポートがあり、役立つ情報ばかりである。

取扱う米国株の銘柄数が豊富

マネックス証券は米国株投資に向いている証券会社であり、米国株投資向けのアプリが優秀である。米国株投資を考えている人は必ず開設すべき口座である。

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マネックス証券は米国株投資にかなり強く、役立っています。

\米国株のラインナップが豊富!/

マネックス証券のデメリット

マネックス証券のデメリット

  • 外国株の取り扱いが少ない
  • 日本株の売買手数料が少し高い

外国株の取り扱いが少ない

マネックス証券は、多彩な金融商品を取りそろえており通常の取引では他の証券会社と比較して遜色がない。ただ外国株式については、米国株と中国株のみなのが惜しいところ。例えばSBI証券では米国や中国以外にも韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアの9ヵ国を取り扱っている。

そのため海外投資を幅広く試してみたい場合は、マネックス証券は少し物足りなく感じられるだろう。

国内と国外、あるいは先進国と新興国のように、異なる国・地域の資産・通貨を組み合わせて投資を行うことで、例えばある地域の経済状況の変化等によって、保有している特定の資産・銘柄が値下がりした場合には、他の資産や銘柄の値上がりでカバーする、といったように、保有している資産・銘柄の間で生じる価格変動のリスク等を軽減することができます。

引用元:リスク|投資の基本|金融庁

日本株の売買手数料が少し高い

日本株の売買手数料を比較した場合、マネックス証券は他の証券企業よりもやや高めに設定されている。例として人気の高いSBI証券・楽天証券と比較してみよう。

取引金額 マネックス証券 SBI証券 楽天証券
1約定制10万円 99円 99円 99円
1約定制50万円 275円 275円 275円
1約定制100万円 535円 535円 535円
1日定額制10万円 550円 0円 0円
1日定額制50万円 550円 0円 0円
1日定額制100万円 550円 0円 0円

売買の回数が増えるごとに手数料が発生し、重なれば金額も大きくなる。こまめに取引を行いたい人は、手数料に注意する必要があるだろう。

アイコン

手数料が少し高いため、コストを気にする人にはあまりおすすめではない。

\IPOに挑戦するならここ!/

SBI証券に向いている人・向いていない人

SBI証券に向いている人

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(画像=Wealth Map編集部)

SBI証券が向いている人は投資を始めて間もない投資初心者の方です。取引手数料が安く、取扱い銘柄が豊富なため上級者として成長するまでしっかりと使い続けることができます。

SBI証券に向いていない人

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(画像=Wealth Map編集部)

SBI証券が向いていない人は新規上場株式を購入したい方です。SBI証券の利用者が非常に多いため他の証券会社よりIPO抽選の当選確率が低くなってしまいます。

SBI証券のメリット

SBI証券のメリット

  • 手数料が安い
  • 大手だからこその安心感がある
  • 取引に応じてTポイントがつく

手数料が安い

手数料が他のネット証券会社と比べてもダントツで安く、1日定額制で0円である。上場企業の9割が100万円以下で購入できるので、ほとんど全ての銘柄を手数料を気にすることなく、購入することができます。

アイコン

5年前から株取引を行っていますが、少額取引の手数料が安いことからSBI証券を選びました

\業界最低水準の運営管理手数料/

大手だからこその安心感がある

SBI証券はSBIグループの中核企業であり、万が一の倒産のリスクもかなり低い、優秀な企業である。他のSBIグループのサービスも使えてお得である。

取引に応じてTポイントがつく

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(画像=Wealth Map編集部)

SBI証券はTポイントと連携することによって、取引をしながらお得にポイントを貯められることができる。日常Tポイントをよく使用する人は口座を開いて損はない。

アイコン

Tポイントと提携していて、Tポイント投資が可能だったり取引をすることでポイントを貯めることができてお得です。

アイコン

スプレッドの狭さは業界でも最狭水準であり、簡単に始められるので嬉しい。

\SBI証券ならTポイントが貯まる!/

SBI証券のデメリット

SBI証券のデメリット

  • デモ取引がない
  • 米国株日本株の取引アプリが別
  • IPOの取扱数が多いが、倍率が高い

SBI証券では仮想資金をを使って取引シミュレーションを行うデモ取引を利用できません。損失を出しても実際の資産に影響がないため、デモ取引は初心者にとって嬉しい機能でしょう。

ただしSBI証券ではデモ口座がない代わりに、数百円の1株単位から株を購入することができます。失敗しても大きな損失には繋がらないので、少額から取引を始めてみましょう。

また、SBI証券では国内株と米国株の取引アプリが分かれています。1つのアプリでまとめて取引できるわけではないのでその点は面倒に感じるかもしれません。

そしてIPOの取扱い銘柄数が多い(2021年 86社)ものの、逆に多くの投資家がSBI証券で申し込みをするため当選確率が高くないという点もデメリットの一つです。しかし、IPOで当選するためには複数の証券会社から申し込みをするのが基本路線です。SBI証券でも申し込み、他の証券会社での申し込みも行うと良いでしょう。

\25歳以下なら手数料無料!/

楽天証券に向いている人・向いていない人

楽天証券に向いている人

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(画像=Wealth Map編集部)

楽天証券が向いている人は投資初心者の方です。手数料が安く、楽天ポイントを使って投資もでき、初心者でもわかりやすいツールを提供しています。

楽天証券に向いていない人

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(画像=Wealth Map編集部)

楽天証券が向いていない人は投資について対面で相談したい方です。楽天証券はネット証券であるため、実店舗を構えていません。そのため、対面で人に相談することができません。

楽天証券のメリット

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(画像=Wealth Map編集部)

楽天証券のメリット

  • 手数料の安さ
  • 楽天ポイントが投資で使える
  • 気軽に投資信託を始められる

手数料の安さ

楽天証券では50万円まで手数料が無料であり株を買う際に手数料を気にすることなく投資することが可能です。そのため、投資初心者の方で少額投資を考えている方にはおすすめです。

楽天ポイントが投資で使える

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(画像=Wealth Map編集部)

楽天証券では楽天グループ共通の楽天ポイントを投資信託などの商品に使うことができます。そのため、楽天ポイントが貯まっているいる方は実質無料で投資をすることが可能です。

気軽に投資信託を始められる

楽天証券は幅広いラインナップの中から投資信託を選ぶことができるほか、楽天ポイントを利用して投資ができます。そのため、気軽に投資が始められることがメリットです。

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手数料が安いのはもちろんのことですが、株式などの購入につき、楽天ポイントがたまること、楽天ポイントを使って投資信託や株式を購入できることがあり、助かっています。楽天ユーザーであれば、ポイント(通常ポイントのみになりますが)を有効に活用することができます。取り扱っている投資信託の数にも不満はなく、これからも愛用したいと思える証券会社です

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楽天証券を使い始めてまだ2ヶ月程度ですが、楽天ポイントを投資に活用できる点に非常に満足しています。基本的には楽天ポイントを現金化するのは難しいので、普段は通販サイトでの買い物に使用していました。毎月決まった金額分のポイントを消化できるのがとても便利です。

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私は株式投資を初めていくつかの証券口座を開設しましたが、楽天証券が一番使いやすいと思いました。国内株はもちろん、海外株も豊富に取り扱っています。楽天ポイントで投資信託を買うこともできるので初心者から投資歴が長い人でもいいサービスだと思います。

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楽天証券のデメリット

楽天証券のデメリット

  • ミニ株投資ができない
  • IPO取扱数がやや少ない
  • 取扱っている外国株のエリアが限定的
  • クレカ積立の還元率が一部0.2%に引き下げ

SBI証券やマネックス証券ではミニ株の取引は可能ですが、楽天証券では対応しておらずその代わりに楽天ポイントを使った少額投資が可能となります。

IPO銘柄数が他の証券会社と比較してやや少ないこともデメリットとして挙げられます。しかし、楽天証券のIPOは完全平等抽選のため申し込みをしたすべての人に当選の可能性が等しくあるのは個人投資家からしたら嬉しいことでしょう。

楽天証券で取扱っている外国株銘柄は、米国株、中国株、ASEAN(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)株となります。欧州株や豪州株など、これら以外の外国株に投資したい人は、他の証券口座を開設する必要があるでしょう。

また楽天証券は2022年の9月より、積み立て額の1%を還元していたクレジットカードによる投資信託積立の還元率を、一部の投資信託について0.2%に引き下げるとしています。クレカ積立を考えている人にとっては、このポイント還元率引き下げはデメリットでしょう。

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米国株に関するよくある質問

米国株の取引可能時間は?
米国株の市場は、現地時間の9時30分から16時00分まで開いている。日本時間に直すと23時30分から翌朝6時00分までの間となる。サマータイムの場合は日本時間で22時30分から翌朝5時00分までとなり、通常と異なるので注意が必要だ。

また、米国株の市場には「プレマーケット」と「アフターマーケット」という2つの立会時間外取引市場がある。本取引に対応している証券会社は限られているので、希望する場合は確認すべきポイントの1つだ。
米国株の最低取引単位は?
日本株と異なり、米国株は1株単位で売買できるのが特徴だ。数十万円で人気銘柄の株主になることができる点はメリットだと言えるだろう。

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