2017年には連日史上最高値を更新したことが記憶に新しいニューヨークダウ平均株価。2018年も1月に史上最高値を更新するなど活況が続くアメリカ(米国)株だが、日本の個人投資家で米国株に投資しているという人は意外に少ない。そこで今回は好景気を迎えているアメリカへの投資を考えている人向けに米国株が売買可能な証券会社について比較・紹介しよう。
米国株の魅力とは

まずは米国株についての魅力を紹介しよう。一般的によくいわれる米国株の魅力としては成熟した市場で魅力ある銘柄が売買できる点だ。日本と違いアメリカでは個人でも多くの個人が株式投資を行っている。日銀の調査統計局が発表している資金循環の日米欧比較によると、日本では個人の金融資産の10.0%が株式で保有されているのに対し、アメリカでは35.8%が株式での保有と個人レベルでも極めて株式に対する投資意欲が高い。
このような理由もあって米国株式市場は世界のトップレベルで成熟しており、コーポレートガバナンスに対する高い意識や、高配当等の高い株主還元姿勢も魅力的だ。高配当銘柄が多いことでも知られている米国株の中には50年以上連続増配を行っている企業もあるほどだ。日本の企業もアメリカの企業と同様に近年は配当性向を意識する企業が多くなってきたが、やはり本家アメリカの企業の徹底した株主還元姿勢は大きな魅力の一つだ。
世界的有名企業に投資ができるという点も米国株の魅力の一つだ。アップルやグーグル(アルファベット)、フェイスブック、アマゾンドットコム、マイクロソフト、アイビーエム等世界に名だたる企業に投資が可能だ。
円高時には割安で米国株を購入できるという点も魅力の一つだ。円高時は相対的にドルの価格が低下するため、ドルで購入する米国株は割安で購入することができる。円高時にはぜひ米国株への投資を検討してみてもいいだろう。
米国株が買えるネット証券一覧
魅力がたくさんある米国株について、ぜひ投資先の選択肢として検討していただきたいところだが、日本では米国株を購入できる証券会社が限られている。日本株を購入するには一般的な証券会社であれば、どの証券会社でも売買が可能だが、米国株の場合は取扱いがない証券会社が非常に多い。
数多くあるネット証券でも実はほとんどの証券会社が米国株の取り扱いを行っておらず、ネット証券全体でわずか3社のみしか取り扱いがないのが現状だ。その3社とはSBI証券、楽天証券、マネックス証券だ。米国株の取り扱いがあるネット証券3社について比較してみよう。
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マネックス証券 3063銘柄と多いのが特徴
続いてはネット証券大手であるマネックス証券の米国株の対応状況を紹介しよう。
取扱い銘柄数
米国株の普通株取り扱い銘柄数は3063銘柄だ。ADRは72銘柄 、ETFは253銘柄を取り扱っている。今回紹介する3社の中で圧倒的に個別銘柄の取り扱いが多いのがマネックス証券だ。米国株のさまざまな個別銘柄への投資を考えている人には同社での取引がおすすめだ。
売買手数料
米国株の売買手数料は1取引当たり約定代金の0.45%(税抜)が必要だ。最低手数料は5米ドル(税抜)、手数料上限は20米ドル(税抜)と業界最低水準となっている。
為替手数料
マネックス証券においても、ほか2社と同様に為替手数料は為替スプレッドのみ必要となっており、1米ドル当たり片道25銭の為替スプレッドが必要だ。
注文方法
マネックス証券では米国株の注文方法において通常の指値注文や成行注文はもちろんのこと、それ以外にもさまざまな注文方法を用意している。主な米国株の注文方法としては指値注文・成行注文のほか、逆指値注文(成行)、トレールストップ注文、OCO注文(ツイン指値)、OCO注文(OCOs)、連続注文がある。米国株の売買において他社では対応していないさまざまな注文方法を利用したい人にはマネックス証券がおすすめだ。
注文受付時間
マネックス証券の米国株注文受付時間は24時間行われている。同社では取引時間も通常の立会時間以外に「プレ・マーケット」「アフター・マーケット」という時間外取引にも対応しており、幅広い時間帯で取引が可能となっている。
特定口座への対応
マネックス証券でも他社同様に米国株式の売買が特定口座内でも可能となっている。米国株の税金の計算が面倒ならぜひ特定口座を利用していただきたい。
NISAへの対応
米国株のNISAへの対応もマネックス証券では実施済みであり、NISAの枠内で米国株の売買が可能だ。NISAの枠が余っている人はNISAでの米国株の売買をおすすめする。
マネックス証券の特徴
マネックス証券では米国株の専用のトレーディングツールとしてPC用には「トレードステーション」、スマートフォンアプリには「トレードステーション米国株 スマートフォン」をそれぞれ提供している。米国株専用のトレーディングツールでパソコンからもスマートフォンからも快適な取引が可能となっている。
SBI証券 1305銘柄、ETFは252銘柄
ネット証券最大手のSBI証券。業界最大手の同社は当然のことながら米国株にも力を注いでいる。
取扱い銘柄数
まずは取扱い銘柄数を見てみよう。米国株の個別銘柄取り扱い数は1305銘柄だ。ADRは118銘柄、ETFは252銘柄を取り扱っている。
売買手数料
売買手数料は1取引当たり約定代金の0.45%(税抜)が必要だ。最低手数料は5米ドル(税抜)、手数料上限は20米ドル(税抜)と業界最低水準となっている。
為替手数料
米国株の購入にあたってはドル決済となるため、売買手数料のほかに為替手数料が必要となる。SBI証券の場合、為替手数料は為替スプレッドのみとなっており、1米ドルにつき片道25銭が必要となる。なおSBI FX α口座をもっている人は、米ドルについては現引が可能となっており、外国株式口座に入金した米ドルを米国株式の外貨決済に利用可能だ。
また、住信SBIネット銀行を利用している人は、外貨入出金サービスを利用することで為替手数料を4銭(片道)にすることも可能だ。入出金手数料も無料となっているためおすすめのサービスだ。
注文方法
SBI証券の米国株の注文方法については指値・成行・逆指値が利用可能だ。指値注文・逆指値のみ価格訂正が可能、成行注文は訂正できないため注意が必要だ。
注文受付時間
取引に関する注文受付時間は米国営業日の以下を除く時間帯となっている。
・日本時間19時~19時30分(予定)
・日本時間での取引終了時刻から10時30分頃まで
特定口座への対応
SBI証券では2015年より特定口座内で外国株式の売買が可能となっている。特定口座内で取引することで面倒な税金の計算からも逃れることができるため、頻繁に売買する人はぜひ特定口座に対応した証券会社で米国株の売買をおすすめする。
NISAへの対応
SBI証券では米国株売買に関するNISAへの対応も行っている。同社ではNISA枠を利用して米国株の売買が可能となっている。米国株売買で税金をお得にしたい人は米国株でNISAの活用できる証券会社を利用するのがいいだろう。
SBI証券の特徴
SBI証券では米国貸株サービス(カストック【Kastock】)を行っている。同サービスでは保有中の米国株式をSBI証券に貸し出すことによって、貸し出した株式に応じた貸株金利を受取ることができる。日本では同社のみが提供しているサービスだ。貸株中でも配当金が受け取れるメリットや、申し込みをするだけで自動的に貸株を実施、貸株中でもいつでも売却可能等、メリットがたくさんのサービスを展開している。
楽天証券 1013銘柄、手数料は業界最低水準
続いてはネット証券大手である楽天証券の米国株の対応状況を紹介しよう。
取扱い銘柄数
米国株の普通株取り扱い銘柄数は1013銘柄、ADRは124銘柄、ETFは266銘柄を取り扱っている。今回紹介する3社の中ではADRの銘柄数が一番多いのが楽天証券だ。ADRへの投資を通じてさまざまな国に投資を行いたいならADR取扱い銘柄が一番多い楽天証券がおすすめだ。
売買手数料
米国株の売買手数料は1取引当たり約定代金の0.45%(税抜)が必要だ。最低手数料は5米ドル(税抜)、手数料上限は20米ドル(税抜)と業界最低水準となっている。
為替手数料
為替手数料は為替スプレッドのみ必要となっており、1米ドル当たり片道25銭の為替スプレッドが必要だ。
注文方法
楽天証券では指値注文・成行注文の2種類が米国株で注文可能だ。
注文受付時間(米国株式の取引時間)
月曜~金曜の15時から翌日6時まで注文可能。なお、15時~17時15分は外貨決済のみとなり円貨決済はできない。
特定口座への対応
楽天証券では2014年12月より米国株式の売買が特定口座内でも可能となっている。米国株の税金の計算が面倒ならぜひ特定口座を利用していただきたい。
NISAへの対応
米国株のNISAへの対応も楽天証券では実施済みであり、NISAの枠内で米国株の売買が可能だ。節税を目指す人にはNISAでの米国株の売買をおすすめする。
楽天証券の特徴
楽天証券といえば「マーケットスピード」といわれるほど有名な同社のトレーディングツールであるが、米国株もこの「マーケットスピード」上で売買が可能だ。楽天証券で使い慣れている人はもちろん、まだ利用したことのない人もこの機会にマーケットスピードで米国株の売買をしてみてはいかがだろうか。
3社を総合評価で比較
証券口座は米国株取引だけでなく、少額で取引できるかなど様々な評価軸で比較・検討した方が良い。 早速、大手3社の証券口座を総合評価で比較してみよう。
証券会社 | 手数料 | 少 額 投 資 |
おすすめポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
10 万円 |
50 万円 |
100 万円 |
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◎ 無料 ※1 |
◎ | 手数料、IPO、外国株 全てトップクラス | ||
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◎ 無料 ※2 |
◯ 943円 ※2 |
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△ 110円 |
△ 495円 |
△ 1100円 |
◎ | 米国株取扱数No.1、IPOの実績も◎ |
- ※2020年10月現在
- ※1. アクティブプランの場合
- ※2. いちにち定額コースの場合
- ※3. 買付は無料、売却のみ手数料がかかる。
米国株取扱いネット証券3社の比較 注意点とは
ここまで3社の米国株取扱いに関する対応状況を見てきた。比較してみた結果、売買手数料や為替手数料は3社横並びといった結果だ。それぞれの証券会社の主な特徴としては、米国株の取り扱い銘柄数が一番多いのがマネックス証券、ADRの取り扱いが一番多いのは楽天証券、住信SBIネット銀行を利用することで、為替手数料が最も安くなるのがSBI証券といった形だ。それぞれの投資家ごとのニーズに合わせて証券会社を選ぶのがよいだろう。
最後に米国株についての注意点を一点だけお伝えしたい。米国株はドルベースでの売買が基本となることから、為替の影響が大きく出る可能性がある。米国株を購入し株価が上がった場合でも、円高傾向に振れた場合には結果的に損失を被ることもある。企業の業績や配当等の情報以外にも為替についても注意する必要がある。
もっとも米国株購入時に比べ円安に振れた場合等は為替差益が発生することもあるので、為替相場を見極めながら円高の際に米国株を購入し、円安の際にうまく売却することが理想的だ。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)
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個人投資家 Q.利用している証券会社と選んだ理由、評価しているポイントについて教えてください。
もっぱら利用しているのは楽天証券です。その理由は、貸株サービスが便利だから。貸株サービスとは、保有中の株式を証券会社へ貸し出し、その見返りに貸株金利を得られるというものです。 ほかのネット証券にも同様のサービスがありますが、100株単位で自分が貸したい株数を選択できるというのは楽天証券だけですね。それに、確定申告の際に必要な貸株で得た利益の証明書も作成してもらえるのも助かります。いろいろな証券会社の口座を試してみたうえで、現在は楽天証券がメインの証券会社になっていますね。
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