SBI証券は国内株式の手数料が条件を満たせば無料というメリットがある一方、マネックス証券は米国株や中国株といった外国株の銘柄数が豊富であるというメリットがあります。また、マネックス証券はNTTドコモとの資本業務提携を発表するなど、話題の証券会社です。
投資を始めるために「ネット証券に口座を開設しよう」と考えている人は多いのではないでしょうか。インターネットで調べるとたくさんのネット証券がヒットしますが、どこを選べばよいか迷ってしまう人もいるかもしれません。
今回は「5大ネット証券」といわれるネット専業証券会社の中から、SBI証券とマネックス証券を取り上げ、それぞれの特徴を 比較していきます。
SBI証券とマネックス証券のスペック比較表
SBI証券とマネックス証券の証券口座開設数は、それぞれに約1,000万口座(2023年3月末時点)と約219万口座(2022年5月時点)です。ネット証券でもトップクラスの2社における国内・米国株式取引手数料や投資信託本数などそれぞれのスペックを以下の表にまとめました。
SBI証券とマネックス証券の比較
SBI証券とマネックス証券を以下の4項目で比較してみました。
4つの比較ポイント
- 取扱い銘柄
- 手数料
- IPO実績
- アプリ・ツール
取扱い銘柄数
外国株の取扱い銘柄数は、米国株についてはSBI証券が約5,000銘柄と優勢です。
一方でマネックス証券が扱う外国株は、米国・中国の2ヵ国のみですが、SBI証券は、米国・中国 のほかに、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアの合計9カ国の株式を扱っています。一方、投資信託の取り扱い本数は2022年5月時点でSBI証券が2680本、マネックス証券が1248本で、SBI証券に軍配が上がりました。
手数料
先述したように国内株式の取引手数料は、SBI証券のほうがお得です。
SBI証券は国内株式の売買手数料が約定金額に関わらず、無料になっています。また、米国株式の為替手数料やNISA口座の米国株の売買手数料などが無料になっています。 マネックス証券はNISA口座なら国内株式や米国株式の売買手数料が無料になっていますが、NISA口座以外だと有料なので、手数料を重視する場合はSBI証券を選びましょう。
IPO実績
2022年度の新規上場株式(IPO)のうちSBI証券では89社、マネックス証券では61社を扱っており、SBI証券での取り扱い数が群を抜いています。
株式の新規公開を行う際、株式の引き受けや販売を行う証券会社を「幹事会社」と呼びますが、なかでも中心的な役割を果たす証券会社が「主幹事会社」です。 主幹事会社は、の他の幹事会社よりも多くの株式を引き受けるため、主幹事の証券会社に口座を持っていると当選確率が高くなるでしょう。2022年度に最も多く主幹事会社を担当したのはSMBC日興証券の21社で、SBI証券は15社でした。主幹事会社となった数は、大手証券会社も含めて3位にランクインしています。
一方でマネックス証券が主幹事会社を務めた銘柄はありませんでした。
また、SBI証券では「IPOチャレンジポイント」という制度がり、IPOに抽選をして外れた場合、次回以降当選率が上がるポイントが獲得可能です。
新規上場株式(既上場銘柄の公募増資・売出は除く)のブックビルディング後の抽選・配分に外れた回数に応じてIPOチャレンジポイントが加算されます。
引用元:ポイントプログラム|サービス案内|SBI証券
次回以降のIPOお申し込み時に、IPOチャレンジポイントをご使用いただくことにより、IPOが当選しやすくなるSBI証券のポイントプログラムサービスです。
アプリ・ツール
SBI証券もマネックス証券も10種類程度のツールを無料で提供しています。ツールには、PCにダウンロードして使うものとスマホにダウンロードするアプリ形式のものがありますが、時間や場所を選ばずに使えるアプリ形式のものが便利です。SBI証券には「株アプリ」、マネックス証券には「マネックス証券アプリ」があります。
SBI証券は国内株と米国株で取引アプリが別れていますが、マネックス証券の「マネックス証券アプリ」は株式・米国株・先物・FXに対応しています。また、マネックス証券アプリでは業界別に個別株の比較などができる「銘柄スカウター」の機能もあり、個別株投資に必要な情報を簡単に入手することができます。
SBI証券は総合力が高くておすすめ!
SBI証券は、国内株式取引手数料や投資信託本数・IPO(新規公開株)実績・外国株の豊富さなど、さまざまな点で優れており、総合力の高い証券会社です。
SBI証券の特徴
SBI証券の概要 | |
---|---|
手数料 | 0円 |
つみたて投資投資枠の銘柄数 | 211銘柄 |
IPO実績(2022年) | 89社 |
投資信託銘柄数 | 2,602銘柄 |
外国株 | 9カ国 |
米国株取扱銘柄数 | 4,674銘柄 |
米国ETF取扱銘柄数 | 378銘柄 |
SBI証券は、金融持株会社SBIホールディングス株式会社傘下のネット証券会社です。インターネットが十分普及していない1999年に事業を開始し、2023年9月にネット証券会社で初めて1,100万口座を達成。2023年8月末時点で預かり資産は30兆円を突破し、国内株式における個人委託売買代金のうち44.1%(2021年4~2022年3月)のシェアを占めています。
国内株式取引手数料は、電子交付サービスに設定するなどの条件を達成すれば約定代金に関わらず、無料になります。また投資信託本数は2,602本(2023年12月1日時点)です。
他にも9ヵ国の海外株式や2022年度のIPO実績が89社あるなど、バラエティに富んだ金融商品を取りそろえています。
SBI証券のメリット
メリット
- アクティブプランの手数料が安い
- 9カ国の銘柄を購入可能
- IPO実績
SBI証券のメリットは、一定の条件を満たせば国内株式の手数料が無料になることで、電子交付サービスに設定するなどの条件を達成すれことが必要です。1日の取引金額が少ないユーザーにはうれしいプランといえるでしょう。
また9カ国の海外株式やIPO銘柄、投資信託の取扱数が豊富でさまざまな商品に投資できることもメリットです。
SBI証券のデメリット
デメリット
- アプリが国内株と国外株で異なる
- システムメンテナンスが多い
- IPOの当選確率が低い
手数料や扱っている金融商品などバランスのよいSBI証券ですが、いくつかデメリットも存在します。1つ目は、国内株式と米国株のアプリが別々になっている点です。国内株取引と米国株取引をする方にとっては、1つのアプリ内で取引が出来ないためデメリットに感じるでしょう。
2つ目は、システムメンテナンスが多い点です。ただし、事前に告知をしている場合がほとんどであるため、確認した上で取引を行いましょう。
3つ目は、IPO当選確率が低い点です。SBI証券ではIPOチャレンジポイントを利用した申し込みが多いため、初心者の当選確率は低くなってしまいます。何度も申し込みポイントを獲得した上でIPOに抽選することで当選確率は上がっていくでしょう。
\ネット証券口座開設数No.1!/
マネックス証券は銘柄数が豊富でおすすめ!
マネックス証券は、米国株・中国株の取扱銘柄数が豊富です。
マネックス証券の特徴
マネックス証券の概要 | |
---|---|
手数料 | 10万円:99円 50万円:275円 100万円:535円※ |
つみたて投資枠の銘柄数 | 202銘柄 |
IPO実績(2022年) | 61社 |
投資信託銘柄数 | 1,713銘柄 |
外国株 | 2カ国 |
米国株取扱銘柄数 | 4,506銘柄 |
米国ETF取扱銘柄数 | 401銘柄 |
マネックス証券は、日本・米国・中国・オーストラリアにオンライン証券ビジネスの拠点を持つマネックスグループ傘下の企業。国内株式・米国株・中国株のほか債券やFX、暗号資産、金・プラチナなどさまざまな商品を扱っています
マネックス証券のメリット
メリット
- 米国株・中国株の豊富な銘柄数
- IPOの抽選方式が平等
- 豊富な投資情報を掲載
マネックス証券で取引するメリットは、米国株・中国株の豊富な銘柄数。米国株は4200以上の銘柄を扱っており、中小型から大型まで幅広い銘柄をそろえています。また中国株の取り扱い銘柄は2000以上あり、香港市場に上場する銘柄のほぼすべてを扱っているのが特徴です。さらにIPOの抽選方式が平等な点もメリットの一つといえるでしょう。
証券会社によっては、取引実績に応じて当選率を優遇するところもあります。しかしマネックス証券は、過去の取引実績などを加味せず平等抽選を行うため、取引実績が少ないビギナーでもIPOに当選するチャンスがあるでしょう。
また豊富な投資情報を提供しているのもマネックス証券の強みです。例えば多彩なコンテンツを集約したメディア「マネクリ」を無料で閲覧することができます。そのほか口座保有者向けに朝と夕には、日々のマーケット情報をメールで配信しています。
マネックス証券のデメリット
デメリット
- 取引高によって手数料が高くなる
- 外国株が2カ国のみ
先述した表からも分かるように、マネックス証券の国内株式取引手数料(1回の取引ごとに手数料がかかるプラン)は約定代金が高くなると割高になります。特に50万円以上の取引になると他のネット証券よりも高くなる傾向です。マネックス証券にも1日の約定金額で手数料が決まる「一日定額手数料コース」があり、1日の約定金額が100万円までなら取引回数にかかわらず550円です。手数料では、SBI証券に比べるとやや高く感じてしまうかもしれません。
また外国株式では、「取り扱っている国が米国と中国の2ヵ国のみ」という点において、さまざまな国の株式を売買したい人にとってはデメリットになるでしょう 。
\米国株と中国株の取扱銘柄数は業界トップクラス!/
マネックス証券からSBI証券にNISA口座を移管する方法
NISA口座をマネックス証券からSBI証券に移管する場合は、以下の手順が必要です。
移管の手順
- マネックス証券に「金融商品取引業者等変更届出書」を送る
- マネックス証券から「勘定廃止通知書」を郵送してもらう
- SBI証券に「NISA口座開設届出書」を請求する
- 郵送でSBI証券に必要書類3点を返送する
- SBI証券と税務署で書類の審査を経て、NISA口座の変更完了
書類でのやり取りがあり、口座の移管が完了するまでおよそ2週間程度かかるため、余裕を持って進めましょう。また、NISA口座の移管はその年の非課税投資枠を利用していない場合に年に1回しかできません。2024年からNISA口座を移管したいと考えている人は、NISA口座で投資をする前に口座を移管するようにしましょう。
SBI証券では三井住友カードで積立投資をすると最大5%還元!
SBI証券では、積立投資の支払いに三井住友カードを設定してクレカ積立をすることができます。毎月自動で取引を行えるという便利さだけでなく、様々な魅力があります。
Vポイントが貯まる
三井住友カードを利用すると毎月の積立額に応じて、0.5~5.0%のVポイントを貯めることができます。
例えば、年会費永年無料の三井住友カード (NL)ではポイント付与率が0.5%です。月3万円積み立てた場合、毎月150ポイント、年間で1,800ポイントを貯めることができます。
\年会費永年無料!/
貯めたVポイントは、ネットショッピングや店頭にて1ポイント=1円で使うことができます。
\今なら最大29,000Vポイントがもらえる!/
NISAにも対応
つみたてNISAでの積立投資の支払いに三井住友カードを使うことも可能です。
新NISAでは毎年120万円の非課税投資枠があり、月々最大50,000円の支払いを三井住友カードで払うことで、通常の積立投資と同様にVポイントを貯めることができます。
SBI証券Vポイントサービスでお得に投資
積立投資以外でも、三井住友カードを仲介しているSBI証券の口座限定で、様々な取引においてVポイントをもらえます。
SBI証券Vポイントサービス
- 口座開設
- 一律100ポイント
- 国内株式
- スタンダードプランおよびPTS取引の月間合計手数料の3.0%Vポイント
- 投資信託
- 対象の投資信託の月間平均保有額が1,000万円未満→年率0.1%のポイント
1,000万円以上→年率2.0%のポイント - 金・プラチナ・銀取引
- スポット取引および積立買付の月間合計手数料の1.0%のVポイント
年会費永年無料の三井住友カード (NL)はSBI証券の口座開設と一緒に発行するとお得になるのでおすすめです。
\年会費永年無料!/
また、すでに三井住友カードをお持ちで、Vポイントサービスに登録したい方はこちらから登録が可能です。
\ネット証券口座開設数No.1!/
SBI証券はこんな人におすすめ
SBI証券は、手数料・投資信託の扱い銘柄数・外国株の国のバラエティなどトータルバランスにすぐれた証券会社です。国内株式取扱手数料が無料なため、少額投資で株式投資デビューをしたい人に向いています。ネット証券でもトップクラスの口座数を誇っているのは、手数料の安さが魅力であることも影響しているのかもしれません。
また投資信託の銘柄の多さや単元未満株も取り扱っていることから、株式投資にハードルを感じている人も無理のない範囲で資産運用を始めるのに最適の証券会社といえます。
\手数料で選ぶならここ!/
マネックス証券はこんな人におすすめ
マネックス証券は、国内株式取引手数料だけに限ればネット証券の中ではあまり優位性がありません。しかし米国株や中国株の取り扱い数は、ネット証券でもトップクラスの水準です。そのため外国株に興味を持っている人には、マネックス証券が向いています。またマネックス証券は、マーケットや経済全般に関する情報提供に力を入れている傾向です。
そのため投資を通じて経済や世界の動きを知りたい人にとってマネックス証券のサービスは、満足度の高いものになるでしょう。手数料の面では優位性がないにもかかわらず、2020年1~8月でマネックス証券に口座を開設した人の61%は投資経験のある人でした。このことは、投資経験のある人ほど手数料以外の要素をもとに証券会社を選んでいることになります。
\マーケット情報が充実!/
自分にあった証券会社を選ぼう
今回は、SBI証券とマネックス証券のメリット・デメリットをご紹介するとともに、両社を比較しそれぞれがどんな人に向いているかについて解説しました。手数料を抑える分、多くの口座開設者を獲得しようと考える証券会社もあれば、成長性の見込める海外株を充実させたり情報提供力を強化したりして投資家を育てようと考える証券会社もあります。
証券会社選びで手数料の安さは重要な要素の一つですが、今回見たように投資信託の銘柄数やツールの使い勝手なども重要なポイントです。いくつかのポイントをチェックして自分にとって大切だと思えるものを提供してくれる証券会社を選びましょう。
SBI証券とマネックス証券に関するよくある質問
- SBI証券とマネックス証券で手数料が安いのは?
- 手数料はSBI証券の方がお得です。投資初心者で、手数料に極力お金をかけたくない人はSBI証券を開設することをおすすめします。
- SBI証券とマネックス証券でIPO実績が良いのは?
- IPO実績が良いのはSBI証券です。SBI証券は毎年、新規上場株式の80%以上を取り扱っており、主幹事会社を担当することも多いです。
- SBI証券にはどんな取引ツールがある?
- 取引には「SBI証券 株アプリ」がよく使われるようです。お手持ちのスマートフォンにダウンロードすることで、気軽に株価を確認、情報収集ができます。他にも、PC用ツールや米国株専用アプリなども利用できます。
- マネックス証券にはどんな取引ツールがある?
- 国内株式の取引には「マネックストレーダー株式」が利用できます。こちらもSBI証券と同様に、米国株専用の取引アプリも準備しています。
- マネックス証券の一番の強みは?
- マネックス証券の一番の強みは、米国株の取扱い銘柄数でしょう。国内の証券会社の中では最多を誇り、米国株の注目が高まっている近年開設数が増加しています。
- SBI証券からマネックス証券に移管する時の手数料はかかる?
- SBI証券では出庫する際に、株式は手数料が無料ですが、投資信託で1回1銘柄につき3,000円(税込:3,300円)の手数料がかかります。入庫手数料は無料です。
- マネックス証券からSBI証券に移管する時の手数料はかかる?
- マネックス証券もSBI証券と同様に出庫する際に、株式は手数料が無料ですが、投資信託で1回1銘柄につき3,000円(税込:3,300円)の手数料がかかります。入庫手数料は無料です。
- 証券口座を移管するときにお得なキャンペーンはやっている?
- SBI証券とマネックス証券それぞれで、投資信託と米国株でかかった移管手数料をキャッシュバックするキャンペーンを実施中です。なので実質無料で移管ができます。