この記事では、借り換えの審査を通すために必要なことを紹介します。毎月高額な住宅ローン返済額に頭を悩ませている方はぜひ参考にしてください。

住宅ローンの借り換えとは?

(画像=PIXTA)

住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローン金利より低い金利の住宅ローンに切り替え、毎月の返済額を減らすことです。たとえば、残債1500万円、金利1.8%残り期間15年で毎月約9万5000円支払いをしていたケースを考えます。この際、金利1%の住宅ローンに切り替えれば、毎月約9万円の支払いになるので、単純に考えると毎月5000円も支払負担を減らすことが可能です。

ただし、住宅ローン借り換えには諸費用がかかります。諸費用の代表的なものは、保証会社への保証料、事務手数料、契約書等の印紙税、抵当権解除、設定の司法書士報酬、抵当権抹消・設定にかかる登録免許税、既存ローンの一括返済手数料です。諸費用で数十万円かかるケースもあるため、金利が低くなるからといって必ずしも借り換えメリットがあるとは限りません。

また、以前は3大疾病保障が当たり前だった団体信用生命保険(団信)。最近は金利上乗せなしで8大疾病保障や全疾病保障に加入できる住宅ローンもあり、借り換えには金利面以外にも魅力があるのです。

住宅ローン借り換えの流れ

住宅ローンの借り換えは以下の流れで進みます。

  1. 借り換えする金融機関に相談
  2. 事前審査申し込み
  3. 本審査申し込み
  4. 取引中の金融機関に連絡
  5. 契約手続き
  6. 融資実行

まず、1でパンフレットやHPなどから金融機関の金利を比較し、借り換えする金融機関に相談します。HPで借り換えシミュレーションできる金融機関も多いですが、適用金利や手数料を聞いておくためにも、直接窓口でシミュレーションしてもらうのが一番です。

シミュレーションの結果、借り換えのメリットが期待できることがわかれば、2の事前審査申し込みをします。金融機関によって回答スピードは異なりますが、早ければ当日、遅くても数日以内には審査結果が出るはずです。

審査結果、承認であれば金融機関から必要書類やスケジュールの確認があるので、書類を用意して3の本審査を申し込みます。事前審査で承認がおりていても、状況が変わっていたり、申告していた当初の数字と違うことが判明したりすると、本審査で否認になる可能性もあるので注意しておきましょう。

本審査も無事承認になれば、金融機関と融資実行日の打ち合わせをしたあと、4で返済中の金融機関に一括返済の連絡をします。その際、利息含め当日の一括返済金額がいくらになるかをしっかりと確認しておきましょう。

続いて5の契約手続きを進めます。契約時には印紙代金がかかりますが、ネット銀行などオンライン上で契約する場合には印紙税は発生しません。

なお借り換えに伴い、抵当権も以前の取引金融機関から新規の金融機関に設定を変えなくてはなりません。そのため契約前後に司法書士との面談があります。

6の融資実行時に融資金の振り込み、既存融資の返済、抵当権の解除・設定が行なわれます。

住宅ローン借り換えに必要な書類

主に以下が必要です。

● 住民票
● 印鑑証明書
● 本人確認書類
● 健康保険証
● 住宅ローン返済予定表
● 返済用口座通帳のコピー
● 前年度分の源泉徴収票など収入確認書類
● 登記事項証明書(土地・建物)
● 売買契約書
● 重要事項説明書
● 工事請負契約書
● 権利証・登記識別情報通知(抵当権設定に必要)
● 実印

これ以外に土地公図や図面など、物件の確認資料が必要になるケースもあります。金融機関によって必要書類が少し異なるため、正式な必要書類については該当金融機関のホームページや、借り換え相談時に入手するようにしてください。

住宅ローンの借り換えと新規融資で審査はどう違う?

住宅ローンの借り換えと新規融資では、審査の面でいくつか異なることがあります。

審査基準は担保より属性などの人物評価に比重が置かれる

住宅ローンの審査では、物件の価値と個人の属性が主な判断材料です。しかし借り換えの際には、年数の経過とともに物件の評価が下がることで、借入額よりも担保額の方が低いことが多々あります。

債務者の返済が困難になった際、担保の金額が残高より低いと金融機関にとってリスクです。そこで融資した資金を確実に回収できるようにするため、個人の支払能力を慎重に判断せざるを得ません。

結果として、金融機関は新規融資時に比べて人物評価をより重視するようになります。

団信保険への加入が見送られる可能性も

家を購入した時点で健康だった方でも、借り換え時に健康状態が悪化していることがあります。本人は日常生活に支障がないと思っていても、健康診断で告知事項の疾病が判明していると団信に加入できないかもしれません。

団信に加入できないと申し込めない住宅ローン商品は多いです。国土交通省がまとめた「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(以降住宅ローン調査結果)」では、98.5%の金融機関が申込人の健康状態を融資判断時の項目に含めています。

ただし、金利を上乗せすることで団信の審査要件が緩和される「ワイド団信」を取り扱う金融機関もあるので、告知事項に該当事項があるからといってすぐに借り換えを諦めないでください。

車やその他のローンなどで借り入れ額が増えていると危険

また同調査において、89.2%の金融機関が融資判断の際に「返済負担率」を考慮すると回答しています。返済負担率とはトータルの借入額を年収で割った数字なので、住宅ローンの金額だけでなく、その他の借入額も重要です。

車を買い替えたり、カードローンを利用したりして借入残高が以前より増えている方は、審査に影響を及ぼす可能性があります。また、クレジットカードのリボ払いも借入にカウントされるので注意してください。

返済実績が重要なので延滞はNG

すでに紹介した必要書類からもわかるように、借り換えでは既存住宅ローンの返済予定表や返済用口座の通帳が求められます。これは、直近の住宅ローン支払いで延滞が発生しておらず、しっかりと返済する人なのか確認するためです。

また、住宅ローン以外でもローンやクレジットカードの延滞が常習化していると審査に悪影響を及ぼします。

転職直後などは審査を通れない可能性も

冒頭で述べた通り、借り換えでは物件の価格以上に個人の属性が重要な判断材料です。個人の属性には、申込人の年収だけでなく勤務先も含まれます。

特に公務員や一部上場企業は審査に有利です。また、中小企業であっても勤続年数が長ければこのまま同じ勤務先に勤め、安定した収入をえられる可能性が高いと判断されます。

その一方で、転職したばかりで勤続年数が短い場合は審査が厳しくなるかもしれません。中には、最初から借入条件に勤続年数を入れている金融機関もあります。

借り換えの審査を通すために必要なこと

ここまでを踏まえ、借り換えの審査を通すために必要なことは以下の点です。

個人信用情報を確認しておく

過去の延滞歴が審査に影響するとなり、不安に感じた方もいるかもしれません。しかし、住宅ローンであれば通帳ですぐに確認できますが、カードローンやクレジットカードなど過去の延滞があいまいな方も多いのではないでしょうか。

自信をなくして住宅ローン借り換えをためらうより、まずCIC、KSC、JICCという3つの個人信用情報センターに照会をとってみてください。請求はサイト上からも可能です。

もし過去の延滞が判明したら、事前審査時に隠さず金融機関に伝えるようにしてください。

既存ローンの一括返済や自己資金投入

住宅ローン以外に借入があると、返済負担率が上昇するため審査に影響します。そこで、もし余裕資金があるのであれば、マイカーローンなどを一括返済するのもひとつの方法です。

担保評価額<借入金額だった場合でも、自己資金を投入することでその差を縮めれば審査が通りやすくなります。ただし、余裕資金ではないお金を投入すると生活に支障をきたし、元も子もなくなるので注意してください。

複数の金融機関を候補に入れる

住宅ローンの審査基準は各金融機関によって異なります。ある銀行で否決でも、別の銀行で承認が下りることもあるので、ひとつに絞らず複数の銀行を候補に入れておきましょう。

複数の銀行に相談に行くだけでも、各行のメリットや特典を知ることができるのでおすすめです。ただし、同時にたくさんの金融機関に事前審査を出すと警戒され、審査が通りにくくなるかもしれません。

通りやすい時期やタイミングを意識しておく

すでに説明したように、転職したばかりの時や健康に不安がある時は、住宅ローンの審査に通りにくいです。そのため住宅ローン借り換えはタイミングが大切なことがわかったのではないでしょうか。団信も種類によって加入できる年齢に制限があるため、健康で勤続年数も積み重ねているタイミングでの申し込みを意識しておきましょう。

なお、3月・9月は銀行の上期・下期の締めなので、ノルマ達成を意識して住宅ローン審査が通りやすいという情報もあります。しかし、最近の審査は機械的に判断されているケースが多く、信憑性はあまり高くありません。

ローンの借り換えを検討して返済をもっとスムーズに

諸費用がかさむことで住宅ローン残高は増えてしまいますが、住宅ローンの借り換えで金利が下げることで得られるメリットも大きいです。借り換えで審査が通らないか不安という方もいるかもしれませんが、各金融機関で審査基準が違うので、一度否決でも別の金融機関で承認されるかもしれません。

毎月の住宅ローン返済額が家計を圧迫している方は、まず身近な金融機関やネット銀行に一度相談してみましょう。借り換えシミュレーション結果をみると、すぐに借り換え手続きを進めたくなるかもしれません。