クレジットカードの中には、法人格を持つ企業はもちろん個人事業主やフリーランスの人でも持つことができるものがあります。いわゆる「法人カード」といわれるものですが、申込時の審査が厳しいイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。

どのクレジットカード会社でも審査基準は公表していませんが、どのようなポイントに着目しているのかを知ることで、審査に通過する可能性を高めることができるでしょう。この記事では、法人カードの審査を通過しやすくするポイントやおすすめの法人カードを紹介します。

法人カードの審査に落ちてしまう理由

(画像=PIXTA)
 

審査基準はクレジットカードによって異なり、どの会社も審査基準を公表することはありません。そのため、「○○のせいで審査に落ちた」「審査に通るためには△△が必要」と明確に理由をいうことは難しいのです。しかし次のような点に当てはまると、審査に通りにくいといわれています。

設立時期が浅い

一般的に法人カードの審査に通るかどうかは、設立時期も影響するといわれています。設立して間もない法人の場合は、まだ決算内容を示す資料もないため、業績や財務状況の確認はできません。返済能力が判断しにくいため、設立時期が浅いと法人カードの審査に通りにくいと考えられています。

財務状況が悪い

事業の財務状況の良し悪しも重要なポイントです。赤字続きだから審査に通らないわけではありません。しかし順調に黒字決算を続けているほうが支払い能力の面では信用が高くなります。なお個人事業主の場合は、業務の状況だけでなく事業主自身の信用情報も重視される傾向です。

固定電話や屋号を持っていない

クレジットカード会社によっては、固定電話番号を必須とすることもあり、固定電話番号がない場合は法人カードの発行をしてもらえません。法人カードを作りたい場合は、IP電話でもいいので固定電話番号を持つようにしましょう。

また事業用固定電話番号以外に、屋号の有無も法人カードの審査に大きな影響があるといわれています。個人事業主の場合は、事業上使用する「屋号」もつけておきましょう。

代表者の与信が低い

個人事業主の場合だけでなく、法人格を持つ会社の場合も代表者個人の信用情報が審査に及ぼす影響は大きいといわれています。法人代表者個人が過去にローンやクレジットカードなどの賃貸借契約で返済遅延などのトラブルを起こしている履歴があると、法人カードの審査に通りにくくなるでしょう。

法人カードの審査に通過するポイント

法人カードの審査に通りやすくするためのポイントを3つ紹介します。まだ状況が整っていない場合は、早めに準備を進めていきましょう。

開業届をしっかりと提出する

個人事業主の場合、きちんと税務署に開業届を提出しましょう。法人とは異なり、個人事業には登記制度がありません。社会的信用を増すためには、開業届の提出が有効です。税法では、新たに事業を開始したときから(または移転・廃止したときなど)1ヵ月以内に開業届の提出が必要で、開業届の提出により事業所得者になります。

開業届には、屋号を記入する欄もあるため、法人カードの審査においてもプラスになるでしょう。

安定した業績であることを証明する

業績が安定していることを客観的に証明できれば、審査にプラスになると考えられます。法人の場合は、決算書類や財務状況を示す書類、個人事業主の場合は確定申告書や納税証明書などを準備しておきましょう。

クレジットカードの延滞は絶対にしない

先述したように経営者(代表者)の信用情報は、審査に大きく影響します。個人で利用しているクレジットカードだけでなく住宅ローンや教育ローン、携帯電話の端末代金支払い契約などで支払遅延となることは絶対に避けましょう。

法人カードの審査に落ちてしまった場合の対処法

法人カードの審査に落ちてしまった場合にどうすればいいのか、不安に思っている事業主の人もいるのではないでしょうか。万が一法人カードの審査に落ちてしまった場合でも、いくつか対処法はあります。落ち着いて以下の3つの対処法を実践してみましょう。

他社の法人カードに申し込みする

別のクレジットカード会社の法人カードを申し込んでみる方法です。審査基準はクレジットカード会社によって異なるため、1社で審査に通過しなくても別の会社では通過する可能性があります。ただし経営者に延滞履歴があるなど、理由が思いあたる人は注意しましょう。なぜなら個人信用情報は、どの会社でも審査の際に確認するからです。

個人用のクレジットカードを使用する

個人事業主の場合は、法人カードの代わりに個人用のクレジットカードを使用する方法もあります。ただし私用のクレジットカードを経費精算などに使うと、経理上分かりにくくなってしまいます。分かりやすくするためには、個人用のクレジットカードを複数枚持ち、「事業専用」「私用専用」と使い分けるようにしましょう。

法人デビットカードを発行する

クレジットカードではなく、デビットカードを作ることも方法の一つです。デビットカードには、法人向けの法人デビットカードもあります。法人デビットカードであれば発行に際して審査はありません。設立してからの期間が浅い場合や業績に不安がある場合でも銀行の事業用口座さえあれば発行してもらえます。

法人カードにおすすめのクレジットカード

ここからは、法人カードを作りたい事業主のためにおすすめのクレジットカードを5つ紹介します。

オリコEX Gold for Biz

「オリコEX Gold for Biz」は、信販会社のオリエントコーポレーション(オリコ)が発行している法人カードです。個人事業主を対象とした「オリコEX Gold for Biz S(エス)」と法人経営者を対象とした「オリコEX Gold for Biz M(エム)」があります。どちらも年会費は初年度無料で、翌年からは2,200円(税込)です。

ゴールドランクのカードでありながら、年会費が安い点が魅力です。ビジネスに役立つ付帯サービスも充実しており、例えばカード保有者はクラウド会計ソフト freee(フリー)の有料プランを3ヵ月分通常よりお得な料金で利用可能です。MastercardとVISAの2種類から選べ、どちらを選ぶかによって出張サポートや海外進出サポート、福利厚生サービスなどの付帯サービスが変わります。

ライフカードビジネスライト(スタンダード)

発行のしやすさの点でおすすめなのが「ライフカードビジネス(スタンダード)」です。通常審査に必要とされる財務資料は不要で、カードの受取時に本人確認書類を提出するだけです。発行スピードも早く、最短4営業日で発行可能です。スタートアップ企業の事業主やフリーランスも安心でしょう。また年会費が無料となっていることもうれしいポイントです。

会計freeeの利用料金から2,000円が割引されるクーポンやカーシェアリングサービス「タイムズカー」の会員カードを無料で発行しているなどビジネス特典も充実しています。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」は、セゾンが発行するアメックスブランドのクレジットカードです。個人契約カードでカード名義は個人ですが、代表者名併記の法人口座を設定できます。また審査は個人に対して行われるため、本人確認書類だけで申し込みでき、決算書や登記簿謄本は必要ありません。

そのため個人事業主や設立して間もない経営者でも安心です。年会費は2万2,000円(税込)かかりますが、2022年3月31日までは初年度の年会費が無料になるキャンペーンを実施しています。また年間のショッピング利用額が200万円以上になると、翌年度の年会費が半額になる点は魅力です。カードを利用すると、有効期限のない永久不滅ポイントが貯まり経費節減にも役立ちます。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

ハイステータスのカードとして名高いアメリカン・エキスプレスが発行している法人カードが「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」です。年会費は3万6,300円(税込)と他のカードに比べて高めですが、経費として計上できるので負担にはならないでしょう。また入会してから1年以内に200万円分のカード利用をすると、3万円相当のポイントが付与されます。

さらに毎月の利用代金100円ごとに1ポイントが付与されるため、ビジネスで利用すればするほどたくさんのポイントが貯まるでしょう。貯まったポイントは、商品や商品券への交換、航空会社のマイルへの交換、体験プログラムなどさまざまな利用法があるため、経費節減にも役立ちます。もちろんビジネスに役立つサービスが充実しているため、ステータスの高さを求める事業主にはおすすめです。

三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)

「三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)」は、三井住友カードが発行する法人カードです。審査は、個人の与信をベースに行われ、申込時に登記簿謄本や決算書は不要。創業1年未満でも発行できます。年会費は1,375円(税込)ですが、初年度無料で「マイ・ペイすリボ」を申し込んでいる場合は、年に1回以上リボ払い手数料を支払えば翌年度以降も年会費が無料になります。

リボ払いを利用した場合は手数料がかかるため、一括払いに比べて支払総額が多くなってしまいますが毎月の支払額を統一できる点はメリットです。50万円までの海外キャッシュサービスや最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯されているため、海外出張の多い事業主にも向いています。

法人カードの審査に関するまとめ

法人カードの審査基準は、クレジットカード会社によって異なります。しかし一般的には、設立時期や財務状況、固定電話番号、屋号の有無などが影響する傾向です。

また業績や財務状況といった事業に関してだけでなく、事業主個人の信用情報も重視されるといわれています。法人カードを申し込む際は、これらのポイントに注意しておきましょう。

法人カードの中には財務書類などが必要なく、事業主個人の与信審査だけで発行されるタイプのクレジットカードもあります。創業間もない場合は、これらの法人カードを選ぶこともおすすめです。