仕事が思うようにいかないときに、「自分は、この仕事は向いていないのではないか」と考えてしまうことは、誰にでもあるでしょう。そんなとき、向き不向きについて考える際の注意点を知っていると、客観的かつ冷静に判断でき、悩む必要がなくなります。
この記事では、「仕事に向いていない」と感じた場合にチェックするべきポイントや、「向いていなかったとしてもやりたい仕事なのか」を考えるときのヒントなどを紹介します。今の仕事に向いていないかもしれないと感じているみなさんは、参考にしてください。
「この仕事向いていないかも」と思った時のチェックポイント

まずは自分自身で「この仕事は向いていないのかも」と思ったときにセルフチェックしておくべきポイントについて紹介します。
成功したときに喜べなかったら「向いていない」可能性が高い
たとえ自分に向いている仕事であったとしても、そうそう楽しいことばかりではないものです。仕事をする上で、気が向かない業務や役割をしなければならない局面もあるでしょう。辛いと感じたりストレスが蓄積したりすることは、よくあることです。
それでもうまくいったとき、成功したと思える結果が出たときに喜べるなら、何も心配は要らないでしょう。成功によって喜べるかどうかは、その仕事が向いているか向いていないかの大きい判断材料になります。
うまくいっているときに喜べるのは、やりがいを感じているということです。なんだかんだいってもやりがいを感じるのであれば、向いていると考えて差し支えないでしょう。反対に、順調に仕事が進んでいても喜びがない場合は、要するにやりがいが感じられないのです。その仕事は向いていない可能性が高いでしょう。
失敗したときに思う「向いていない」は自己防衛の可能性がある
仕事で失敗をしてしまったときに、「ああ、この仕事は自分に向いていないのだ」と思う場合があります。
これは心理学的に「セルフハンディキャッピング」と呼ばれる行為です。つまり自分にハンディを与えることで、できない理由を正当化する心理状態を指しています。ある種の自己防衛であり、失敗の原因を「向き不向き」に置き換えて、自分のせいではないとアピールしている可能性があるのです。その場合、自らの努力不足や何らかの理由が失敗の原因なのです。
そのため、失敗したからといって向いていないと思うのは、単に失敗を認めることを避けただけであり、向いていないと決めつけるのは早計かもしれないということです。
ただし、職場や仕事が自分に合っていない場合には転職するのも一つの選択肢です。なお、弊社が2021年5月に転職経験者2,400名を対象にした調査を実施したところ、転職で「年収が上がった」と答えた人は685人と全体の28.5%でした。

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また、仕事が向いていないと思った時には、まずは診断ツールを利用して自己分析を行うと良いでしょう。リクナビNEXTのグッドポイント診断では、自分の強みを無料で分析することができます。今の仕事が向いていないと悩んでいる人は、一度利用してみると良いでしょう。
失敗ばかりが続く場合は「職場」か「仕事」が向いていない可能性大

真摯に仕事に取り組んでいるにもかかわらず、あまりにも失敗が続く場合は、その職場もしくは仕事内容が向いていない可能性が充分考えられます。
向いている仕事であれば、真面目に取り組み続ければそうそう失敗ばかりはしないものです。したがって、失敗ばかりが続く場合は、その要因について考えてみる必要があるでしょう。
将来の自分をイメージできない
現職の仕事のビジョンや自分自身の将来について、具体的にイメージできるかどうかも「向いている、向いていない」の判断のポイントになります。
先々のことを考えて、本当にこの職業を続けていて大丈夫かなどと不安になったり、上司や先輩たちの姿から何年後かの自分自身を想像してもピンとこず、不安を感じたりすることもあるでしょう。そのように将来の自分をイメージできない場合は、その仕事が向いていない可能性が考えられます。
オフタイムでも仕事のことで悩み苦しむ
仕事が終わってからの時間や休日も仕事のことを考えてしまって、気持ちが重くなってしまうことがあるかもしれません。休日が終わろうとする夜や出勤する日の朝に、憂鬱な思いを抱きながら無理をして職場に向かうのは、蓄積されたストレスが表面化しつつある状態といえます。
そんな場合は、その職場環境や仕事内容自体が、本当に自分に合っているのかを振り返ってよく見直すことが必要です。そのまま耐え忍び続けていると抑鬱状態になって、心の病に陥る可能性もあります。そのような兆候が出てきたら、仕事について一度考え直してみるほうが賢明かもしれません。
職場環境や仕事内容を変えるために、転職活動を進める場合には転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントから客観的なアドバイスを聞きながら、現状を整理することで「どのような仕事が向いているのか」「どのような職場で働きたいのか」といった自分の考えを整理すると良いでしょう。
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向いていないと思ってもやりたい仕事ならば挑戦する
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仕事自体は向いていなくても、「挑戦してみたい」と自身が感じる場合もあるでしょう。本当にそうであれば、やりたい気持ちを優先して、不向きであったとしても挑戦していくという選択肢もあります。
しかし、表面的にはやりたいと発言していても、本心では思わないのなら、もはやこだわり続ける意味はありません。心の底から「やりたい」のかどうかを見つめてみるべきでしょう。考え方のヒントを挙げておきます。
入社時の気持ちを思い出してみる
その会社に入社した時の初々しい気持ちを今一度思い出してみるというのも、本心を確認するためのひとつのアプローチです。
入社してから働き続ける中で、慣れない仕事や職場の環境に疲弊してしまい、なぜその会社に就職したのかという原点を忘れてしまいがちになります。
やりたかった仕事ができそうな会社に就職できたのであれば、自分がやりたい仕事に取り組めるようになるために何が欠けているのかをよく考えてみましょう。現状を打破できる可能性が生まれるかもしれません。
欠けているものを埋めていこうとする努力を通して、その会社やその仕事の新たな魅力を発見できる可能性もあります。現状を変えるためにも、まずは入社時の気持ちを蘇らせてみましょう。
入社時と今の思考のギャップを見つめる
人によっては「この仕事はなんてつまらないのだろう」「このように数字をPCにひたすら打ち込む業務に意味があるのだろうか」などと考えてしまうこともあるでしょう。
そういった不満は、裏返すと、その人が心から求めるものが何であるのかを示しているとも考えられます。現在の仕事がつまらないのであれば、自分は一体何を面白いと感じるのでしょう。意味がない業務だと思うなら、より意義のある仕事とは何なのでしょうか。
やっていることとやってみたいことのギャップや矛盾を見つめていくうちに、その中に本質が潜んでいることに気づくかもしれません。
感じるギャップが多ければ多いほど、その人は自分の進むべき道をより具体的に理解できる可能性があります。ギャップや矛盾から目をそらさずに、肌で感じることで本当に進みたい仕事の方向性が見えてくるのです。
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なぜギャップが生まれたのか原因を探る
ギャップや矛盾を明らかにしていった上で、それらがなぜ生まれたのかという原因を探ってみましょう。そのために「ストレスの棚卸」をしてみることが役立つ場合があります。
「ストレスの棚卸」とは、仕事がつまらないと感じるようになったギャップや矛盾の原因を突き止めるために、抱えているストレスを全部言葉にして書き出すことです。仕事に関しての嫌なこと、不安なこと、納得がいかないことなどのストレスの種になることを何でもかんでもとにかく書き出します。
そして、それらの項目をカテゴリーに分けましょう。「上司関係」「同僚関係」「後輩関係」「待遇関係」「顧客関係」「将来の自分」などと関連するものを思いつくままカテゴリーごとに整理してみてください。
整理して客観的に棚卸してみると、自分が一体どのようなことにストレスを感じやすいのかの傾向が見えてくるでしょう。仕事がつまらないと感じさせるギャップや矛盾の原因も次第に明らかになるかもしれません。
例えば、棚卸の結果、ある上司に原因があることが見えてきたとしましょう。仕事自体はやりたいものであれば、向いていないのではなく、上司との関係性がネックになっていたとわかります。
それさえわかれば、その上司との接し方をあえて意識して変えるというアプローチが可能です。そこから状況が変化して、やりがいを感じられる流れに変わる可能性が生まれます。
自分が要因か環境が要因か特定する
人はなぜ、携わっている仕事が自分に向いていないと思ってしまうのでしょうか。その代表的な要因とされるものを見ていきましょう。
代表的な要因
- 理想と現実の落差
- 自信を持つことができない
- 「となりの芝生は青い」と感じる
- 責任感による重圧
理想と現実の落差
多くの人が感じるのは、会社や仕事内容に思い描いていたイメージと現実の間に感じる落差です。この落差が大きければ大きいほど、勤労意欲は下がってしまい、挙げ句の果てに自分にはこの仕事は向いていないと思いがちになります。
とりわけ新卒入社の1~2年目の社員や、転職してから間もない社員がそう思いやすい傾向があるようです。
自信を持つことができない
自分の仕事に対して胸を張れるような自信が持てない人も、仕事が向いていないかもしれないと思いがちな傾向があります。これは会社に入って馴染んでいき、新人として扱われなくなる頃に感じやすいようです。
入社してしばらく経つと、なかなか仕事の要領をつかめないで自信を持てないにもかかわらず、「できて当たり前」というような目で見られるようになります。そうなるとさらにプレッシャーにさらされてしまい、自分にはこの仕事は向いていないのだという考えに陥りがちです。
同様に、同期の社員に比べて仕事ができていない、あるいは同期のように仕事を任されていないなど、同期との比較によって自信を失ったために「仕事が向いていない」と思う人も多く見られます。
「となりの芝生は青い」と感じる
ある程度仕事に慣れてそれなりに自信が付いてきた場合に、となりの芝生が青く見えてくることがあります。
友人の口からその人が勤める会社の話を聞いたり、メディアで目にする企業の情報と自分の会社を比較したりして、自分の仕事に関してのネガティブな面が目に付きやすくなるのです。
そして、その会社や仕事内容が自分に向いていないと思ってしまいます。
責任感による重圧
プロジェクトやチームを管理するリーダー的な立場に昇進するなどで、自分が任される仕事の内容が重くなった場合に直面しやすいのが責任感による重圧です。
リーダーとしての責任感があるゆえに、「本当に自分に務まるだろうか」「もし失敗したらどうなるのか」などと不安を持ち、ストレスを抱え込んでしまいがちになります。
そういったストレスを避けるために、「ほかの仕事や違う会社のほうが向いているのかもしれない」などと思うことも増えるのです。
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仕事や職場が向いていないのなら転職も視野に入れて検討する
現在の仕事が向いていないと思った場合のセルフチェックポイントや、向いていないけれどやりたいのかなどを見つめるための考え方のヒントを紹介しました。
仕事が向いていないと考えて転職などを検討するなら、ここでの情報も参考にあらためて自己分析からやり直すことをおすすめします。
仕事そのものが合っていないのか、そうではなくその会社の体質が合っていないだけなのかによって、転職で選ぶべき企業は変わってくるからです。
調査概要
実査機関 | 株式会社クロス・マーケティング |
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調査目的 | 転職エージェント各社の利用状況および満足度に関する調査 |
調査対象 | 転職経験のある国内の20歳以上の男女 |
調査方法 | インターネットリサーチ |
調査対象者数 | 2400名 |
調査実施期間 | 2021年5月 |
調査対象地域 | 日本国内 |
母集団 | 転職経験のある20歳~59歳の男女2400名 |
仕事のお悩みに関するよくある質問
仕事が向いていないと思った時、どんなセルフチェックを行えばいい?
今の仕事で何か成功した時に、喜べなかった場合はその仕事は「向いていない」可能性が高いです。一方で、失敗した時に「向いていない」と感じた時は自己防衛の可能性があるので注意が必要です。
仕事が向いていないと思う一方で、挑戦してみたいと思う時は?
仕事が向いていない場合でも、自ら挑戦してみようと思う場合は挑戦してみるのも一つの手です。しかしながら、「挑戦してみよう」との思いが本心であるかどうか見定める必要があります。 本記事で紹介した考え方のヒントを参考にしてみてください。