「営業」は、非常にニーズが高く、「社会人なら一度は経験しておいたほうがよい」という声も多い職種です。そのため、一度就職してから「営業へ転職したい」と考える人もいるでしょう。

一般的には、未経験から別職種へ転職するのは難しいといわれています。しかし、営業はコミュニケーション能力やヒアリング能力、課題分析能力などが高ければ、採用される可能性が高い職種です。また、現在も営業職として働いてはいるものの、スキルアップを目指して他の会社に転職したい人もいるでしょう。

この記事では営業への転職を成功させるポイントを解説します。とりわけ未経験での転職や、若干難易度が高くなる30代以降での転職を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

営業への転職を成功させるために

(画像=PIXTA)

まずは、営業への転職を成功させるために知っておきたいポイントを紹介します。

営業は、兎にも角にも第一印象が大切です。面接官は、あなたの見た目や言葉遣い、仕草などをこと細かにチェックしています。基本的マナーを守り、清潔感がある人の方が採用されやすいでしょう。

また、面接では相手が求めていることをしっかりヒアリングして答えられるか否かが試されます。営業は、取引を進めていく中で顧客のニーズを聞き出し、きちんと理解したうえで、適切な提案を行う必要があるためです。

見た目を整えつつ、相手にとって心地良いコミュニケーションをとれるように意識しましょう。第一印象を重要視する営業の面接では、面接室に入った数秒で不合格を決めることもあると言われています。

未経験から営業職へ転職する際のポイント

次に、未経験から営業職へ転職する際のポイントを解説します。営業の仕事内容を理解したうえで、採用される可能性が高い業界を狙い、転職後のキャリアプランをしっかり持っておきましょう。

営業の種類を理解する

営業の種類を理解せずに転職することはおすすめできません。以下のポイントを押さえましょう。

● 営業するものは何か
● 個人営業か法人営業か
● 新規顧客か既存顧客か

まず、何を売るかに注目してください。販売商材は大きく分けると、有形商材と無形商材に区別できます。住宅や食品、自動車など手に取れる形あるものを売る場合と、保険や研修、ソフトウエアなど一つの形として定まらないものを売る場合があるのです。

有形商材は、形があって手に触れられるため、性能を確かめやすく、買うメリットを理解しやすいでしょう。しかし、無形商材と比べて利益率が低い傾向があります。

一方、無形商材は目には見えず触れられないため、購入者にどのようなメリットがあるのか判断しにくいでしょう。ただし、無形商材は、ソフトウエアなど人間がパソコン1台で作成できるものも多いため、利益率は高い傾向があります。

興味があって魅力的だと感じるものを販売商材に選ぶとよいでしょう。一般的に、売りたくないものをうまく営業で販売することは難しいと言われています。

経験が生かせたり未経験でも担当できそうな業界を選ぶ

今までの経験を生かせる業界や未経験歓迎の業界は、転職しやすいです。特に転職しやすい業界としては以下の三つが挙げられるでしょう。

● IT業界
● 人材業界
● 不動産業界

IT業界は、近年ますますニーズが増していて、これからも伸び続けていくだろうと予想される業界です。営業スタイルは会社によって異なり、新規営業も既存営業も考えられます。ソフトやサービスなど無形商材を扱うのが特徴的です。

IT業界は慢性的な人手不足ともいわれ、求人は多くあります。未経験者や30代以降の人も積極的に採用しているため、転職しやすいといえるでしょう。

続いて人材業界は、未経験者歓迎の求人が多数あります。ほとんどの会社は、求人広告や宣伝広告を行っているため、顧客対象範囲は広く、さまざまな営業スタイルがあります。とりわけ、コミュニケーション能力やマッチング能力、交渉能力が求められ、スケジュール管理といった細かい調整も抵抗がないマメな性格の人に向いているでしょう。

そのほか不動産業界は、入社後の研修や専門資格の取得支援体制が整っている会社が多く、未経験者の採用も豊富にあります。個人営業と法人営業のどちらも考えられるため、適性に合わせて選びたいところです。

営業に転職した後のキャリアプランを明確にしておく

転職活動が厳しいと、ついつい内定をもらうのがゴールになってしまいがちです。

しかし、入社後のキャリアプランをきちんと立てずにいると、「何のために頑張っているんだろう」「前職のままの方が良かったかもしれない」と感じてしまうことも。

営業へ転職する際は、将来はどのような人材になりたいか、どのようにスキルアップしていくか考えておきましょう。主に考えられる営業のキャリアプランは、以下の通りです。

● 入社した会社で出世して管理職になる
● さらに好条件な会社へ転職する
● 独立する

最もスタンダードなのが、次の転職先でキャリアを築いて管理職になるというキャリアプランです。転職は精神的も経済的にも負担がかかり、リスクがあるため、一度きりにしたい人も多いでしょう。もし次の転職先で定年まで勤めたいと考える場合、その会社で求められる人材であり続ける必要があります。

責任ある立場になることに魅力を感じていなくても、現状に甘んじたままでいると、会社にとって必要のない人材になってしまう可能性もあります。志は高く、出世して管理職になることを目指してください。年齢や入社年数が上がれば、マネジメント能力を求められるケースがほとんどです。

もしくは、何度か転職を繰り返して、より好条件の会社を選んでいくキャリアプランも考えられるでしょう。営業で求められるスキルは、コミュニケーション能力や交渉能力など、どの会社でも通用するものがほとんどです。

この選択をする場合、一度目の転職では条件がさほど良くなくとも、営業の基礎スキル習得のために最適な会社を選んでも問題ありません。

他には、会社員ではなく個人事業主として働くキャリアプランもあります。あまり一般的ではありませんが、会社と有期契約を結び、歩合制や年俸制で働くスタイルです。例えば、会社員時代に卓越した実績を残した人が、営業コンサルタントになるケースが考えられます。

独立すると、給料の安定性に欠けるかもしれませんが、働く場所や時間、メンバーを選べる自由度が上がるでしょう。中小企業診断士やファイナンシャルプランナーなどの有資格者に、この道を選ぶケースが目立ちます。

ただし、会社員とは違った性質を持ち、自分でコントロールしなければいけないことが増えるため、十分検討して決めてください。

経験者が営業職で転職する際のポイント

続いて、営業経験者が転職する際のポイントを解説していきましょう。未経験者にはない経歴を持っているため、そこをしっかりアピールしたいところです。

また、転職を決意したからには、現職に対する何らかの不満があるのでしょう。まずはその不満を解消するのが大切です。「前職の方が良かった……」と後悔する人も少なくないため、スキルの棚卸しやリサーチは欠かせません。

これまでの経験の棚卸しを行う

営業経験者なら、これまでの経験の棚卸しが必須です。何気なく取り組んでいる仕事であっても、得られる気づきは多くあります。転職する際は、自分の市場価値や長所・短所、会社に貢献できる方法などを理解すべきです。

具体的には、時系列で大まかな経歴を洗い出すことから始めましょう。会社名や所属部署、役割を書いていきます。目の前にある仕事に対してがむしゃらになっていると、どのような仕事をこなしてきたか忘れてしまっていることもあるかもしれません。社会人になってからのキャリアを一つずつ確認していきましょう。

次に、業務内容や得たスキル、上司からの評価を詳しく整理していきます。業務内容は、販売商材や営業スタイル、対象顧客に注目してください。これらは経験した営業の種類を理解することにつながります。

得たスキルや上司からの評価も欠かせない観点です。自分のアピールポイントを明らかにするために必要なことで、面接でもよく聞かれるでしょう。そして、それを生かして転職先の会社でどのような貢献ができるのかを、よく考えてみてください。

応募企業が求める人材をリサーチする

転職する際には、会社が求める人物像をきちんとリサーチする必要があります。一般的に、営業には積極性や外向性、柔軟性が求められていますが、細かいところは会社によって違うので気を付けましょう。

新規顧客を開拓する営業を求めている場合、飛び込み営業に抵抗のない人が必要かもしれません。しかし、既存顧客営業ならそのスキルはそこまで重要視されません。顧客と長期間にわたって取引があり、飛び込み営業が一切ない会社もあるためです。

会社の公式サイトや求人票をみると、求める人物像やスキルが記載されているため、それに沿ったアピールをしてください。どの会社にも同じ職務経歴書を出す人もいますが、リサーチした結果を反映させ、アピール方法を変えるのが理想です。

描いているキャリアが実現できるかリサーチする

さらに、自分が考えているキャリアを実現できるか重要視しましょう。将来なりたい自分に近づけていると実感できたら、仕事のモチベーションが上がります。反対に、「こんな仕事をしたいわけではなかった……」と思いながら働くのは苦痛です。

実際に入社しないと判断できないこともありますが、事前に業界分析や会社分析を行ったり、会社の評判をチェックしたりすべきでしょう。できるだけ入社後の違和感を減らす努力はしておいてください。

営業への転職面接で押さえておくべきポイント

面接では、経験やスキル、キャリアプランの他に、退職理由について聞かれることが一般的。退職理由を聞くと、働く上で何を大切にしているかといった価値観を知ることができるからです。

退職理由を話す際、ネガティブな表現は避けましょう。「上司と合わなかったから」「楽しくなかったから」などと、正直に話せばよいというものではありません。苦難と向き合った時にどのような対応をとるかも重要視されるポイントです。

時には自分に非があったことも認めつつ、課題を解決するためにどのような働きかけを行ったか主張しましょう。さまざまな点を考慮したうえで、会社と自分の双方にとって退職が最善の選択だったと伝えるべきです。

営業職への転職を通して理想のキャリアを描こう

転職を成功させるためには、自分の経験やスキルの棚卸しを行い、親和性の高い会社を選ぶとよいでしょう。苦手なことをなくすよりも、得意なことを伸ばせる仕事を選んだ方が活躍できる可能性は高くなります。そして適性があると判断できればぜひ営業へ転職し、理想のキャリアを描いてください。