フリーローンはカードローンよりも金利が低いことなどが特徴で、余分な借り入れを避けられるというメリットがあります。今回はフリーローンについて知りたい人のために、メリットやデメリット、手続きの流れなどを紹介します。
フリーローンの基礎知識

フリーローンは、キャッシングやカードローンとは異なる形式の融資です。使用目的に制限がなく、幅広いシチュエーションで活用できます。以下、具体的な特徴について確認していきしょう。
●使途自由で利用可能
フリーローンの特徴の一つは、使い道の制限がないことです。急なけがで高額な医療費が必要になった場合や事業資金が急に必要になった場合など、申請者の事情に合わせて借りたお金を使うことができます。
金融機関では、住宅、教育、自動車など特定の使い道を想定したローンメニューを扱っています。しかし、お金を借りる人の事情はさまざまで、金融機関が指定した特定の目的に合わせたローンを利用できないというケースも考えられます。フリーローンは、金融機関が用意している「目的別ローン」に自分の資金使途がないようなケースでも利用することが可能です。
●目的別ローン、カードローンとの金利比較
フリーローンは他のローン形式と同じく、「年利」として金利を表しており、相場は2~15%です。他のローンの金利の差が気になる人もいるでしょう。
イオン銀行を例として、目的別やカードローンとの金利を比べてみましょう。
形式 | 年利 |
フリーローン | 3.8%~13.5% |
自動車ローン | 3.8%~8.8% |
教育ローン | 3.8%~8.8% |
住宅ローン | 3.8%~8.8% |
リフォームローン | 3.8%~8.8% |
輝く女性サポートローン | 3.8%~8.8% |
ペットローン | 3.8%~8.8% |
サブカルローン | 3.8%~8.8% |
デンタルローン | 3.8%~8.8% |
自転車ローン | 3.8%~8.8% |
カードローン | 3.8%~13.8% |
イオン銀行の場合、フリーローンは目的別ローンと比べて上限金利が高いものの、カードローンよりは多少低い印象です。
フリーローンのメリット
続いて、フリーローンのメリットについて解説していきます。
●カードローンより金利は低い傾向がある
カードローンも資金使途は自由ですが、フリーローンのほうが低金利で融資を受けられる傾向があります。下限金利はどちらもあまり変わりませんが、上限金利はフリーローンのほうが低いケースが目立ちます。金利が高ければ、当然月々の返済額も大きくなります。
●借り入れが1回のみなので余計な借り入れを防げる
フリーローンは必要な資金を一括で借り入れします。そのため、カードローンなどのように、融資を受ける回数が増えた結果、借金が膨らんでしまうというリスクを抑えることができます。融資を受ける際には、事前に必要な金額を正確に計算し、返済の見通しも合わせた計画性が重要になります。
フリーローンは借り入れを1回で済ませることで、計画どおりに借りたお金を返せる見通しをつけやすいことがポイントです。ただしフリーローンでは追加融資を受けられないので、複数回借りたいならカードローンが適しているでしょう。
フリーローンのデメリット
フリーローンはメリットばかりではありません。カードローンよりも、審査基準が厳しいなどのデメリットもあります。フリーローンを使うときに備えて、注意すべき2つのポイントをまとめました。
●利便性はカードローンより劣る
フリーローンは金利の低さが魅力ですが、カードローンよりも利便性に劣る傾向があります。一度借り入れが決まったら、全額返済しない限り追加融資は認められません。そのため借り入れ額より多くの費用がかかる場合でも、フリーローンでは対応できない可能性が高いでしょう。
また、フリーローンの使い道は自由ではあるものの、申し込み時に金融機関に伝えた1つの用途にしか利用できません。車の頭金として使い、残りを電化製品の購入費用に充てるといった柔軟な使い方はできないので気をつけましょう。
●審査時間はカードローンより長く、厳しい傾向
フリーローンは審査に時間がかかる傾向があるため、即日審査・融資を求めているならカードローンを利用したほうがよいでしょう。フリーローンはほとんどの金融機関で1~2週間程度、審査に時間がかかります。「生活費」のような漠然とした使い道を伝えると、フリーローンの審査に通らない場合もあります。カードローンより審査基準が厳しいため、年収や勤続年数などの信用情報が優れているときに利用を考えるべきでしょう。
フリーローンの申し込み・審査に必要なものは
フリーローンは審査基準が厳しいので、事前に必要書類や手順をリストアップし、確認しておくことが重要です。必要書類や使い道の指定、月々の返済希望額の決定など、審査に通るために確かめるべきことを以下にまとめました。実際に申し込むときに備えて控えておくとよいでしょう。
●必要書類
フリーローンの申し込みでは、主に以下の3点が必要です。チェックリストとしてまとめておくことをおすすめします。
・本人確認書類
・収入証明書
・見積書
本人確認書類は運転免許証やパスポートなど、顔写真つきで申請者の身分を証明できるものです。収入証明書はお金を返すあてを金融機関に伝えるため、仕事で稼いだお金や納税歴などを示した書類の総称で、自動車の購入や賃貸契約などにも使います。
見積書は住宅や自動車などの購入代金を想定した金額を示した書類です。見積もりは本当の支払い段階になってオーバーする可能性もあるので、自己資金なども事前に確かめてから提出しましょう。
以上3点を中心に、金融機関が求めている書類はひとつ残らず準備しましょう。
●その他審査に向けて準備しておくこと
フリーローンの審査はカードローンよりも厳しい傾向があるので、書類以外でも入念な準備をおすすめします。申請にあたり主に必要な行動は以下のようなものがあります。
・使い道を1つに絞り明確化
・月々の返済希望額および期間の決定
・利用先の金利チェック
・審査期間中のスケジュールチェック
・使っていないカードローンの解約
このうち返済額については、収入の半分を上回った借入額を希望すると、審査に通らないケースが多いので注意が必要です。使い道も1つに絞らなければならず、「車の購入代金とリフォーム費用」という形で複数の用途は認めてもらえない点に留意しましょう。
おすすめのフリーローン一覧
フリーローンを使うにあたり、どの金融機関がおすすめか知りたい人もいるのではないでしょうか。フリーローンを提供している金融機関は銀行が多いため、安心して利用できるでしょう。
フリーローンを扱っているおすすめの金融機関は、以下の4社です。
・イオン銀行フリーローン
・三井住友銀行フリーローン
・みずほ銀行多目的ローン
・りそな銀行プレミアムフリーローン・りそなフリーローン
●イオン銀行フリーローン
イオン銀行はショッピングモールでおなじみのイオングループが展開する銀行で、きめ細やかなサービス内容が魅力です。イオン銀行が提供しているフリーローンは最長8年で700万円まで借り入れることができます。
申請にはインターネットも利用でき、ネット銀行を使った繰り上げ返済もできるなど高い利便性がポイントです。株式会社オリックス・クレジットの保証がイオン側で決まっているため、保証人や担保を必要としない点も注目です。
公式サイトでは借入可能額の試算も可能で、お金を借りる計画を立てやすいという特徴もあります。
●三井住友銀行フリーローン
三井住友銀行フリーローンは、初めてお金を借りる人でも利用しやすい環境が魅力です。無担保型をアピールしており、さまざまなライフスタイルに合わせて計画的にローンを組めます。24時間いつでもインターネットから申し込むことができ、SMBCダイレクトで三井住友銀行あてに振り込めば手数料も無料なので、返済時に余計な出費がかかりません。
●みずほ銀行多目的ローン
みずほ銀行多目的ローンは、最長7年にわたり返済計画を組めて、300万円まで借り入れ可能なフリーローンです。固定金利が2020年5月時点で6.65%と比較的お得となっています。
また、公式サイトでは、事前の返済額シミュレーションで自己分析も可能です。勤続年数2年以上、前年度年収200万円以上なら申し込みできるなど、利用のしやすさにも定評があります。他のフリーローンが組めなくて悩んでいる人でも、みずほ銀行なら審査を通過できる可能性があるでしょう。
●りそな銀行プレミアムフリーローン・りそなフリーローン
りそな銀行ではフリーローンを固定金利で利用でき、最大10年にわたり、利息の変化を気にせずに返済計画を組むことができます。インターネットだけで申し込めるシステムもあるので、仕事中でもスマートフォンから簡単に申し込みが可能です。
上級プランのプレミアムフリーローンは、満20歳以上66歳未満ならアルバイトやパートでも申し込めるので、利用しやすいでしょう。
まとめ
フリーローンは1つだけなら自由に使い道を指定して借りることができ、カードローンよりも低金利で利用できる傾向があります。借金を膨らませないように、計画的な返済にこだわる人にはおすすめです。
ただし消費者金融系カードローンと違い、銀行が提供しているものがほとんどなので、審査に時間がかかるうえ、計画が甘いと通過できないおそれもあります。必要書類などの準備を入念に行い、申し込みフォームへアクセスしましょう。
自動車の購入や旅行など、人生の新しい一歩を踏み出したい人にとって、フリーローンは重要な存在です。さまざまなフリーローンを比較検討して、申し込みを考えてみてはいかがでしょうか。