FXで稼ぎたいなら、まずFXで利益を生み出す仕組みを知っておく必要があります。

この記事では、これからFXを始める人向けに、FXで利益が出る仕組みやFXならではの魅力、注意すべきリスクについて網羅的に解説します。読み終わる頃には、FX取引を始めるうえで必要な知識が身に付いているでしょう。

そもそもFXとは?

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(画像=PIXTA)

FXとは、二国間の通貨を売買して差益を狙う投資のことです。FXは「Foreign exchange(外国為替)」の略で、日本語では外国為替保証金取引となります。

FXでは、日本円・ドル・ユーロ・ポンドなど、他国の通貨を売ったり買ったりします。例えば日本円でドルを購入すれば、「円売り」「ドル買い」となります。このように、ドルでポンドを買ったり、ユーロでドルを買ったり、二国間の通貨の売買を繰り返して差益を狙うのがFX取引の仕組みです。

売買差益で利益を出す仕組み

二国間の通貨を売買することで、どうして差益が発生するのでしょうか。それは、為替レートが常に変動しているからです。

為替レート(為替相場)とは、異なる通貨が交換されるときの交換比率のことです。「1ドル=109円77銭」といった表記をされます。為替レートは、テレビや新聞で目にしたことがある人がほとんどでしょう。

為替レートが常に変動しているからこそ、タイミングを見計らって二国間の通貨を売買すれば、差益を受け取れます。これがFXで利益が出る1つ目の仕組みです。

例をあげて説明しましょう。例えば、「1ドル=100円」のときに、1万円で100ドルを購入したとします。その後為替レートが上がり、「1ドル=110円」になったタイミングで、100ドルで円を買い戻せば、1万1000円になります。つまり、1000円の売買差益が得られたということです。

このように、売買差益で得られる利益をキャピタルゲインと呼びます。キャピタルゲインを得るために、為替レートを予想し、売買を繰り返すことになります。

現役FXトレーダーのコメント

スワップポイントで利益を出す仕組み

FXで利益を出すには、通貨を保有することでスワップポイントを受け取るという方法もあります。これはFXのインカムゲインと呼ばれています。

スワップポイントとは、金利差調整分のことです。

日本円を保有していれば、金利を受け取ることができます。同様に外国の通貨を保有している場合も、保有している期間は保有残高に応じて金利を受け取ることができます。

ただし、FXではある通貨を売って、ある通貨を買うことになります。そのため、仮にすべての国の金利が等しければ、金利差は発生しません。

しかし現実は、金利は国によって大きく異なります。例えば、金利0.10%の日本円を売って金利11.25%のトルコリラを買った場合、11.25%から0.10%を差し引いた11.15%の金利を受け取ることができます。これがスワップポイントです。

スワップポイントは、通貨を保有している期間中はずっと受け取ることができます。大きく利益をあげたいならキャピタルゲインを狙うことになりますが、政策金利の高い通貨を保有し、じわじわとスワップポイントを積み上げるのもFXの仕組みを利用した1つのやり方です。

条件別でFX会社を比較

初心者は最低取引単位で選ぶ

FXの最低取引単位は会社によって異なり、取引単位が小さいと少額で取引することができます。

  • 1通貨(ドル/円)→資金100円
  • 10000通貨(ドル/円)→資金45000円

少額取引ならリスクなく、FXの実践経験を積むことができます。

そこで、初心者の方には松井証券のFXをお勧めします。

松井証券のFXは1通貨単位から取引することができるFX会社です。
手数料(スプレッド)も業界最狭水準に設定されていて、FXを始める方におすすめです。

FXを始めるなら知っておきたい業界用語

続いて、FXを始めるなら押さえておきたい業界用語を解説します。

チャートとは

FXについて調べ始めたら、必ずどこかでチャートという言葉を目にするでしょう。チャートとは、相場の値動きをグラフで表したものです。

FXでは、チャートを見て相場の動きを予測し、売買のタイミングを見極めます(いわゆる「テクニカル分析」の手法)。そのため、チャートの仕組みについて知ることは非常に重要です。

FXのチャートにはさまざまな種類がありますが、もっともメジャーなのはローソク足です。ローソク足では、終値・始値・高値・安値の4つの情報を1度に得ることができます。

通貨ペアとは

FXでは、ある通貨を売ってある通貨を買うことになる。これを通貨ペアと呼ぶ。

通貨ペアは、「米ドル/日本円」「メキシコペソ/日本円」など、スラッシュで区切って表すことが一般的です。左側が基軸通貨(売る通貨)で、右側が決済通貨(買う通貨)です。日本円を「JPY」、米ドルを「USD」、ユーロを「EUR」など、アルファベットで表記することも多いです。

FXの魅力とは

FXにはさまざまな魅力がありますが、ここでは代表的なFXの魅力を3つ紹介します。

少ない元手で大きな利益を出すことができる

FXでは、自己資金の25倍まで取引ができます。例えば、自己資金が4万円だとしても、最大100万円の取引ができるというわけです。

自己資金を超えて取引することを、「レバレッジをかける」といいます。FXでは、レバレッジをかけることで、少ない元手で大きな利益を出せる可能性があります。これがFXの最大の魅力と言えるでしょう。

もちろん、無理に25倍までレバレッジをかける必要はありません。レバレッジをかければ、それだけリスクも大きくなります。余裕資金や自分の経験値、相場状況なども踏まえて、どの程度レバレッジをかけるか判断することが大切です。

スワップポイントを受け取ることができる

スワップポイントを受け取れることも、FXのうまみの一つです。日本では長期間にわたって超低金利が続いています。日本円を保有していても、ほとんど利息がつかないというのは、誰もが知るところです。

しかし世界を見渡せば、金利の低い国ばかりではありません。特に新興国には金利が高い国も数多くあり、そういった新興国の通貨を保有していれば、継続的にスワップポイントを受け取ることができます。日本円より高い利息をスワップポイントとして受け取れることは、FXの魅力の一つでしょう。

24時間スマホで取引できる

株式投資であれば、証券取引所が開いている時間帯しか取引ができません。株式投資で取引が可能なのは、平日の午前9時から11時半の前場(ぜんば)と、午後12時半から15時の後場(ごば)に限られています。この時点で、短期的な株式投資は断念せざるを得ない人も多いでしょう。

一方FXは、平日は24時間いつでも売買できます。日中仕事で忙しいサラリーマンでも、帰宅後にじっくりトレードに集中することが可能です。時間の自由がききやすいのも、FXの魅力の一つと言えるでしょう。

FXが24時間取引できるのは、時差の関係で、必ずどこかの国の市場が開いているためです。例えば、日本の市場が閉まる時間帯も、アメリカやイギリスの市場は開いています。こういった仕組みから、FXは24時間いつでも取引できるのです。

FXのリスクとは

メリットの多いFX取引ですが、当然注意すべきリスクもあります。続いては、FXの代表的なリスクを2つ紹介します。

スプレッドが発生する

FXでは、スプレッドと呼ばれる取引コストが発生します。スプレッドとは、売値と買値の差額のことです。

例えば、ある通貨ペアで売値が100円50銭、買値が100円55銭という場合、差額の5銭がスプレッドとなります。スプレッドは取引コストなので、スプレッドが狭いほど、FXで利益を出せるという仕組みです。

スプレッドはFX会社によって異なるため、FX口座を開くときは、スプレッドの水準に注意しておくべきでしょう。

ロスカットに注意する

FXでは、投資家を守る観点から、評価損が一定水準に達するとロスカット(強制決済)される仕組みになっています。ロスカットされれば、注文が自動的にキャンセルされ、保有していた通貨はすべて決済されてしまいます。

ロストカットはFX取引でもっとも避けたい事態えす。ロスカットされることがないよう、FX会社が定める証拠金維持率を下回っていないか、常に注意しながら取引することが大切です。また、レバレッジをかけすぎることなく、余裕を持った取引を心がけるべきでしょう。

4つの代表的なトレード方法

FXでは、どのぐらいの期間でトレードするかによって、トレード方法を4つに分類することができます。こうしたFXの代表的なトレード方法を紹介していきます。

スキャルピングで利益を出す仕組み

スキャルピングとは、数秒から数分のスパンでトレードを繰り返す超短期的なトレード方法です。相場が上昇・下降するタイミングで、超短期間通貨ペアを保有し、少しでも利益が出ればすぐに決済します。

確実に狙える小さな利益をコツコツ積み上げることを目指すのがスキャルピングです。スキャルピングは、仕組みを理解して相場に慣れれば、利益をあげやすいトレード方法です。

一方で、スキャルピングを禁止しているFX会社もあるため、口座開設前にはよく確認しておくべきでしょう。

デイトレードで利益を出す仕組み

デイトレードは、スキャルピングと並んでトレーダーに人気の手法です。デイトレードでは、1日の間に数回の取引を繰り返します。通貨ペアを保有する期間は、数時間程度。1日の終わりにはすべての通貨ペアを決済し、取引を終えます。

デイトレードのメリットは、スキャルピングと同様、チャートをある程度読めるようになれば利益をあげやすい点です。また、1日で取引を終えるため、余計なストレスを抱えずにすむでしょう。

一方、取引を繰り返すことで、取引のたびにスプレッド(取引コスト)が発生してしまうというデメリットがあります。そのため、スプレッドが狭いFX会社を選んで口座開設するようにしましょう。

スイングトレードで利益を出す仕組み

スイングトレードは、1日から数日程度の期間で取引する方法です。スキャルピングやデイトレードと比較すると、時間をかける分、大きめの利益を狙うことになります。

スイングトレードなら、スキャルピングやデイトレードのように取引画面をずっと見ている必要がありません。そのため、サラリーマンや公務員をしながら副業でFXをしたい人にも向いています。

一方、数日にわたって通貨ペアを保有することが、ストレスになる場合があります。相場が気になって仕方ない、ほかのことが手につかない、といった状態になりそうなら、トレード方法を見直すべきでしょう。

中長期投資で利益を出す仕組み

FXでは、まずスキャルピング・デイトレード・スイングトレードなどから入る人が多いです。しかし、中長期投資で利益を出すことも可能です。中長期投資では、スワップポイントを受け取りつつ、売買差益が出るタイミングを待つことになります。

中長期投資のメリットは、売買を繰り返す必要がないため、比較的余裕を持ってかまえていられることです。一方で、決済のタイミングが分からなくなったり、利益が出るまでに時間がかかったりするといったデメリットがあります。

シストレとは?自動売買の仕組み

シストレとは、システムトレードの略で、自動売買取引のことです。

シストレでは、あらかじめ一定のルールを設定しておけば、システムがそのとおりに注文を行ってくれます。常に取引画面を開いていなくても、自動で取引できることがシストレの魅力です。また、感情に左右されず、自分が設けたルールを厳格に守ったトレードが可能だというメリットもあります。

シストレにはいくつかの種類があり、特徴はFX会社によって異なるため、シストレをする予定なら、どこで口座開設するかは慎重に検討すべきでしょう。

FXを始めるときの注意点

FXにはバーチャルトレードアプリがあります。「いきなり自己資金を投じるより、まずはバーチャルトレードで経験を積もう」と考える初心者も多いでしょう。しかし、バーチャルトレードで利益を出せたタイミングで現実のトレードを始めると、一気に現金を失ってしまうケースもあります。

バーチャルトレードなら気軽にできるし、一定の経験を積むこともできるかもしれません。しかし、自己資金をまったく投じていない状況で、真剣に取り組むのは難しいものです。

それなら、最初から少額でも自己資金を投じて取引を始めたほうがよほどよい。結局、自己資金を投じて緊張感のある取引をしないと、投資感覚は磨かれません。「お試しでやってみよう」という感覚には、注意が必要です。

FXは夢のある投資

FXの仕組みを利用すれば、少ない元手でも大きな利益を出せる可能性があります。少額の自己資金から始められるFXは、夢のある投資と言えるでしょう。

一方で、レバレッジのかけ方に注意しないと、一気に現金を失って退場することになりかねません。自分なりに情報収集してきちんと知識を身に付け、慎重に取引を重ねていくことが大切です。

FXに関するよくある質問

FXのメリットは何ですか?
FXは株式投資と比べて高いレバレッジをかけることができます。
信用取引における株のレバレッジは最大3倍ですが、国内FXのレバレッジは最大25倍です。そのため、少ない資金で効率よく利益を出すことができます。
ただし、レバレッジはハイリスク・ハイリターンで、損失額も大きくなる可能性があるため利用には注意が必要です。
FXは誰でも始められますか?
FXを始めるには、取引口座が必要です。口座開設の条件はFX会社によって異なりますが、年齢は18歳~80歳以下が条件になっていることが多いようです。
また、口座の解説には審査が行われますが、多くの会社では審査の基準は公開されていません。クレジットカードの審査のように「信用情報機関」に問い合わせることはなく、申し込み時に入力した内容に相違や虚偽がないかをチェックすることが主な審査内容です。職業、資産、投資用資金をチェックしますが、入念にチェックされるのは、住所・氏名・年齢が本人確認書類と相違がないかについてです。
FXを始めるにはどれくらいの資金が必要ですか?
FXの最小取引単位は会社によって異なります。
松井証券のFXは1通貨から取引でき、最低資金は約5円です。ただし、資金が少ないとその分利益も少なくなります。
一般的に初心者におすすめの取引単位は1000通貨で、約4000円ほどです。

記事の監修者及びコメントいただいた専門家

監修者・金子賢司

ファイナンシャルプランナー

立教大学法学部卒業後、東証一部上場企業に入社。その後、保険業界に転身し、ファイナンシャルプランナー(FP)として活動を開始。FPの最上級資格CFP資格を取得し、個人・法人のお金に関する相談を受けながら、北海道のテレビ番組のコメンテーターなどとしても活動している。

■保有資格:CFP資格
住宅ローンアドバイザー
損保マスタ

HP:ファイナンシャルプランナー(FP) 金子賢司
Twitter:@NICE4611